映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『パターソン』シンプルな日常が愛しいと思える映画
2017年09月03日 (日) | 編集 |
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パターソン(2016アメリカ
原題:Paterrson
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:アダム・ドライバー/ ゴルシフテ・ファラハニ /バリー・シャバカ・ヘンリー /クリフ・スミス /チェイセン・ハーモン
ウィリアム・ジャクソン・ハーパー /永瀬正敏
【あらすじ】
ニュージャージー州パターソン。町名と同じ名前のバス運転手パターソンは代わり映えしない毎日ながら、日常の些細な出来事の中から詩を紡ぎ出し、ノートにしたためていく


【感想】
ジム・ジャームッシュによるドラマです。

アダム・ドライヴァー演じるパターソンはパターソンという街のバスドライバー・・
「なにそれ?駄洒落か?」と聞きたくなるしょ?(笑)
多分、これクリストファー・プラマーが主人公なら仕事はプラマー(水道工事屋)だったと思う(笑)
映画はそんな言葉の響きに、詩が韻を踏むようなリズムとさりげないユーモアを漂わせるのだけど
観ていくうちに私たちは「重ねること」に意味を見出すことになります。
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パターソンは毎日同じ時間に起き、隣で眠る妻にキスをして、
一人チェリオ(シリアル)の朝食をとり仕事に向かう。
仕事始めに詩をしたため、同僚の愚痴を聞いたのちに同じルートの路線バスを走らせる。
夕食の後はペットのワンコを散歩させがてら、行きつけのバーでいつものビールを注文する・・
判を押したようにパターン化されたパターソンの日常

普通ならそんな映画を見せられたら眠くなりそうなものだけど、そうならず、
むしろ次第に幸福感に包まれていく不思議

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正直、夫の出勤時に起きてこない妻に、最初はダメ妻の印象を持ったのだけど
パターソンとは真逆でチャレンジ精神旺盛な妻ローラは、常に新しい趣味を模索し、刺激を与えてくれる。ア―ティスティックでパターソンを心から愛しているのも伝わって、だんだんに彼女への見方も変わっていった。パターソンは時には実験的で不味いパイを水で流し込むことになったとしても、文句ひとつ言わない。たまの外食や映画デートにささやかな幸せを見出す2人が微笑ましくて、こちらまで幸せな気分になるのです。


「詩」が日常を切り取りながらも、違った世界を作り出していくように
一つの事象も見方を変えれば違った側面が見えてくる。
色々文句を言う前に、楽しいことを発見して暮らす方が幸せだよなぁ。そんなことを思ってしまった。
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かすかな表情の変化で心情を表現するアダム・ドライヴァーの演技力もさることながら
パターソンの気持ちを代弁するように全身で演技する犬のマーヴィンの演技力とぶさ可愛いさに完全にやられた。

劇中双子がたくさん登場するのは、「詩」に通じる「重なり」を表現するためかな とか
終盤登場する永瀬さんのキャラの意味合いとか(個人的にはパターソンの分身的な存在と解釈)
自分で明確な答えを見出せない事柄についてあれこれ考えるのもこの映画の楽しみ方の一つだと思う。


次第に輝いてくる映像も、さり気に心に残る音楽もいい。
久々に好きな映画に出会った気分。

ところで、永瀬さんの「A-Ha!」という台詞は日本語字幕ではどう訳したのかな。
観た方は教えてください。

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【映画】『ミッドナイト・スペシャル(原題)』はSFスリラーとして観ると失敗する
2016年04月20日 (水) | 編集 |

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ミッドナイト・スペシャル
(2016)アメリカ

原題:Midnight Special
監督/脚本:ジェフ・ニコルズ
出演:マイケル・シャノンキルステン・ダンストジョエル・エドガートンジェイデン・リーバハーアダム・ドライヴァー
 
 【あらすじ
追っ手から息子を守るため、父は深夜車を走らせる


【感想
『MUD マッド』のジェフ・ニコルズ監督の新作はちょっと変わったSFです。

奇妙なサングラスをかけた子供(ジェイデン・リーバハー)と何やら緊張した面持ちの男が二人(マイケル・シャノンジョエル・エドガートン)。片方の顔が指名手配のニュースで映し出され、3人はモーテルを出て夜明けのハイウエイに車を走らせる。
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何もわからぬまま、3人の逃避行を見守ることになる本作
正直、冒頭の10分を見損ねたのではないかと頭の中「@&?+%」状態となりますが
次第に彼らが政府とカルト集団の双方から追われていることが分かってきます。

ようやく身を寄せた家でガタガタピシピシ・・
ここでも大地震発生か??!!
と思いきや、それが子供の超がつく能力の一端であることを知るんですわ。
 

ジェフ・ニコルズ監督作品は好きでデビュー作から観てますが、監督の作品のほとんどが家族への責任や絆といった結婚生活で感じたことが題材になっているんですね。
本作も幼い息子が熱性けいれんを起こし、夫婦で怖い思いをした経験から生まれた作品だそうです。

けいれんを起こした人を間近に見た経験のあるかたはお分かりでしょうが
およそ人間とは思えないような動きや表情を目前にするのは怖いものがあります。
ましてや幼いわが子となれば、子供を失うのではないかとの不安にもかられるでしょう。

本作では監督のミューズ マイケル・シャノンが、息子の能力に畏怖しながらも、息子を愛しひたすら守ろうとする父を演じ、監督の思いを代弁しています。
SFという監督にしては珍しいジャンルながら根本に家族愛があるところは従来通り。
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クライマックスに向けスケールも大きくなるし、結末に衝撃もあるものの
正直面白かったかといわれると微妙(汗)
リニューアルした劇場の革張りの座席が滑って姿勢が落ち着かず集中できなかったのもあるけど
スローな逃走劇に少々飽きたし疲れてしまった。

唯一よかったのは、『スターウォーズ/フォースの覚醒』でレンを演じたアダム・ドライヴァー
政府側のアナリストを演じるドライヴァーのどこかほのぼのした学者肌なキャラが退屈な作品(言っちゃったw)にユーモアと癒しを与えてくれました。

共演はほかにサム・シェパードとマイケル・シャノン
田舎のおばさんの風貌にはちょっとビックリなキルステン・ダンストが意外な母性を見せくれます。

はたして子供は何者かで家族は息子を守ることができるのか・・
SFスリラーを期待せずに観るのが正解かと。


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