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【映画】『ストロンガー』(2017)ボストンマラソン爆弾テロ被害者ジェフ・ボウマンの回顧録より
2018年01月22日 (月) | 編集 |
 
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ストロンガー

Stronger
 
2013年 ボストンマラソンで起きた爆発テロ事件を覚えている方は多いでしょう。
前の年に訪れボストンが大好きになった私としても衝撃が大きく、
犯人が逮捕される4日目までテレビのニュースに釘付けになりました。
 
子供を含む死者は3人、負傷者は282人に上る中
両膝から下がカーテンのようにズタボロになった姿で車いすで搬送される青白い顔の若者の映像が特にショッキングでしたが
そのカーテン青年(失礼!)ジェフ・ボウマンの回顧録をもとにボウマンの再生のドラマとして映画化したのが本作。
ボウマンをジェイク・ギレンホールが演じ、デヴィッド・ゴードン・グリーンがメガホンをとりました。
 


本文

【映画】スチュアート:ア・ライフ・バックワーズ(原題)トムハ&カンバーバッチで綴るあるホームレスの物語
2017年09月15日 (金) | 編集 |

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 スチュワート:ア・ライフ・バックワーズ(2007イギリス
英題:Stuart: A Life Backwards
監督:デヴィッド・アットウッド
出演:ベネディクト・カンバーバッチ /トム・ハーディ /エドナ・ドール /ヒュー・アームストロングン

【あらすじ】
主にホームレスの支援をする福祉施設のファンドレイザーとして働く作家のアレクサンダーは、集会で出会ったホームレスのスチュアートに興味を持ち、彼の伝記を書きたいと申し出る。


【感想】
トムハ40歳のお誕生日おめでとう!!!
今日はトムハ2007年の出演作品。
アレキサンダー・マスターズの同名作をもとにした、あるホームレスの物語です。
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トムハ演じるタイトルロールのスチュアートはなんとアル中のホームレス。
福祉施設のファンレイザーを務める作家のアレキサンダーが、施設の集会で知り合ったスチュアートに興味を持ち、彼の伝記を書きたいと申し出たことから、2人の不思議な交流が始まります。
スチュアートの提案でその人生を逆にたどるうち、彼のトラウマに満ちた半生が明らかになるわけです。

2007年の作品だからトムハもカンバーバッチもまだ殆ど無名ですが、2人ともとってもいい演技をしています。
カンバーバッチは一見冷徹に見えて、好奇心旺盛で人を見かけで判断しない寛容性も持ち合わせた男
生まれのよさがにじみ出るあたりカンバーバッチにピッタリです。


一方のトムハは汚い恰好をしたホームレス姿なんですが、それ以前にぼそぼそ力のない喋りとひょこひょこな歩きっぷりに驚きます。アル中でこんなになる?と思いきや、ちゃんと理由があった。

以降、少しネタバレで書いてますので、何も情報をもたずに観たい方はスルーでお願いします。

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【映画】クィーン・オブ・キャトウェ(原題)
2017年07月02日 (日) | 編集 |
 将棋の藤井4段、ついに破れましたね。
プレッシャーもあったでしょうが、中学生で歴代トップの29連勝を記録したのだから、十分凄いです。
勝ち続けるよりも負けて学ぶことも多いはず。
彼はさらに強い棋士になっていくことでしょう。

さて、今日アップするのは、劇場公開は逃したものの、ずっと観たかった映画。
チェスの国内大会で優勝し、世界に挑戦したウガンダの少女フィオナの物語。実話です。

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クイーン・オブ・キャトウィ(2016)アメリカ
原題:Queen of Katwe 
監督:ミーラー・ナーイル
出演:マディナ・ナルワンガ/デヴィッド・オイェロォ/ルピタ・ニョンゴ
【あらすじ】
ウガンダの貧民街に暮らす少女フィオナは、貧しい子供たちにチェスを教えるカテンデに見いだされ、才能を開花させる。


【感想】
監督のミーラー・ナーイルは、大好きな『その名にちなんで』で知られるインドの女性監督です。
インドを舞台に、あるいはインドからの移民の映画を撮る人だと思っていたので、東アフリカのウガンダを舞台にした実話ベースのディズニー映画?と意外な気がしてたんですが、調べたら監督はウガンダにもう25年も暮らしてるんですね。映画の舞台となるスラム街からは15分の距離だとか。
そんなナーイル監督ですが、内紛などアフリカのダークな一面を描くことには興味がなく、それらのオファーはことごとく断ってきたらしい。この映画を受けたのは、本作が世界中の子供たちの希望を見出す話だと思ったからだそう。
なるほど、フィオナがチャンピオンになっていく過程は普遍的なサクセスストーリーで、夢を実現させることは誰もが自分に置き換えることのできるもの。
スラム街が舞台ではあるけれど、悲壮感はそれほどなく、軽快な音楽や陽気なダンス、カラフルなトーンで元気をもらえる感じは『クール・ランニング』を思いだしました。

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チェスを全く知らないフィオナが仲間の子供に教わるところから始まるのは、ルールも何も知らない私にはありがたかった。
勿論じきにちんぷんかんぷんになりますが(笑)
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フィオナだけにフォーカスするのでなく、チェスを教えたカテンデやチェス仲間の子供たち、フィオナの母親(ルピタ・ニョンゴ)など、フィオナを取り巻く人々との人間関係が丁寧なのもいい。
特にカテンデを演じたデヴィッド・オイェロォのひたむきな指導者ぶりが素晴らしく、彼の台詞には人生の指標にしたいものがいくつかありました。オイェロォはカリスマ的な歴史的人物を演じることがあるけれど、こういう暖かい役柄が似合うんだと再認識。
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フィオナを演じたマディナ・ナルワンガ他、子供たちなど大半は演技を知らない素人らしいですがそれも一興。
子供たちの素朴さやユーモアを引き出した監督の演出力も素晴らしいんでしょうね。

あと中流階級の子供たちはちゃんとブレザーとネクタイの制服を着てたりで貧富の差が激しいことなど、紛争映画からは観ることのできない近代的な部分が垣間見れるのも興味を惹かれるところでした。

『人は必ずしも自分がいるべき場所にいないことがある。』との劇中の言葉に
果たして自分は、自分が信じる「いるべき場所」にいるのかと
それぞれが問いかけることになるでしょう。

「よりよい自分」になるチャンスはまだ残されているかも と
そんなことを考えさせてくれる映画でした。

rottenトマトでも93%の高評価。
日本公開はいつかな。




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【映画】ヒドゥン・フィギュアーズ(原題)
2017年02月06日 (月) | 編集 |
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 ヒドゥン・フィギュアーズ(原題)(2016) アメリカ
原題:Hidden Figures 
監督/脚本:セオドア・メルフィ
出演:タラジ・P・ヘンソン
オクタヴィア・スペンサー/ジャネーヌ・モネイ/キルスティン・ダンスト/ケヴィン・コスナー

【あらすじ】
60年代初頭、NASAでは黒人女性たちが人間コンピューターとして宇宙開発プログラムに携わっていた

【感想】
 2月はオスカー月ということで、関連作品を観ていきます。
今年のノミネーションのサプライズの一つ、作品賞候補となった『ヒドゥン・フィギュアーズ』を観ました。

監督は『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィ。
NASA初期の宇宙開発計画に貢献した3人のアフリカ系アメリカ人女性数学者の知られざる実話を映画化した一本です。

舞台となる1961~2年は『ヘルプ~人とつながるストーリー~』と同じ頃。
ヘルプでオスカーに輝いたオクタヴィア・スペンサーが本作でも助演女優賞にノミネートされています。

今回オクタヴィア(ドロシー)の職場はNASA!
NASAは数字に強い黒人女性を雇い、人間コンピューターとして計算業務にあたらせていたんですね。
キャサリン(タラジ・p・ヘンソン)、メアリー(ジャネール・モネイ)も同僚です。

しかし彼女らの職場の部屋には「colored computers」=「黒人のコンピューター課」の標識。
実はNASAでも水飲み場やトイレは「黒人用、白人用」で分けられ、黒人差別が普通に行われていたという事実。
ロケットを宇宙に飛ばそうというNASAで、まだこれだったんだとビックリ。

映画はそんな環境で奮闘する女性陣を描くわけだけど、この映画の面白いのは単なる人種差別映画になってないこと。
キャサリンは子供のころから数学に天才的な能力があり、その才能が宇宙飛行に多大な貢献をするのが痛快で感動的なんです。

しかし、歴史に残る働きに違いないのに、キャサリンの功績が知られてないわけで、それがタイトル「知られざる偉人」の所以でしょう。figuresと複数なのは、それぞれの分野で活躍したドロシー、メアリーを含めるのかと。他にもたくさんの知られざる偉人がいるということかもしれませんね。
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本作は先日のアメリカ映画俳優組合賞の、色んな映画賞のアンサルブル演技賞はじめ、様々な賞でアンサンブル演技が評価されています。タラジの天才っぷり、肝の据わったオクタヴィアのリーダー的カリスマ感、ジャネールの負けん気、
加えて、ジンワリ意地悪パンチを食らわすキルスティン・ダンストに代表される典型的な白人たち、(いつオクタヴィアが●●●パイで反撃に出るかとヒヤヒヤしましたがw)、チームの成功に心を尽くす一途さが黒人女性との垣根を取り払うことになるケヴィン・コスナーも機能してる。クライマックスのNASAの一体感も興奮しました。
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それにしても黒板につらつらーっと書き連ねた数式が宇宙飛行の成功を左右するんだから、数学ってすごい。
これぜひ子供さんにも見て欲しい。

「黒人」というタグが必要でないほどに、女性として、人として道を拓いた3人
彼らの本物の写真が最後に出てきて、涙腺が緩んだなぁ。
映画も最高に面白かった。



お気に入り度4.5

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【追悼】ジョン・ハート『The Naked Civil Servant (原題)』
2017年02月05日 (日) | 編集 |
 
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The Naked Civil Servant(原題)(1975) イギリス
原題:The Naked Civil Servant 
監督:ジャック・ゴールド
脚本:クエンティン・クリスプ(自伝)、フィリップ・マッキー(脚本)
出演:
ジョン・ハート/パトリシア・ホッジ

【あらすじ】
強盗仲間を裏切り、スペインで隠れ住む男の元へ二人の殺し屋が現れた。二人の目的は、組織のボスが待つパリへ男を連れていくこと。そこへ誘拐事件に巻き込まれた少女が加わり、奇妙な4人組の旅が始まった……。

【感想】
  ジョン・ハートの追悼最後は、役者ジョン・ハートの名を一躍有名にしたとされる『The Naked Civil Servant』
作家、モデル、役者、パフォーマーなどで活躍したクエンティン・クリスプ氏が1968年に出版した自伝小説の映画化です。
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こちら本物↑

ハート演じるクエンティン・クリスプは、10代の頃から「ホモセクシャル」をオープンにし、化粧にマニキュア、派手な衣装に身を包み堂々と生きてきた人。
まだ女装をする前から、道を歩けば同性愛者に見初められ、そちらへと流れていくのも極自然。
しかし、まだまだゲイに不寛容な時代ということで、時にはあらぬ暴力を受けたり、警察に捕まったり。
それでも、彼はどんなに辛い目に遭っても人を恨むことなく、その時々を飄々と生き抜いていくわけですねぇ。
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ジョン・ハートはいわゆるおかまちゃんなクエンティンを滑稽なほど大げさに演じているのに、不思議と可憐で品を損ねず、内面の美しさを感じさせるのが凄い。もともと小柄で色白なので女装した姿も自然だし、脱ぐとまたきれい。
時代を感じさせる音楽もいいし、どこか可笑しくて、どこか寂しいハートの演技も心地よい。

自分らしく生きるクエンティンの生き方に、ゲイの権利を感じずにはいられません。
長い年月をかけてようやく手に入れたものを、トランプの政策で奪われることがないよう願いたいですよ。

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TVムービーということで、日本ではソフトになってないようですが、youtubeに全編(8本に分けて)アップされてます。タイトルのNaked civil servantは裸体のモデルとして生計を立てることを決めたクエンティンが、自身をそう呼ぶところから。そのシーン含むパートの動画を貼っておきます。






ちなみに続編『An Englishman in New York』でもハートはニューヨークに舞台を移し活躍した老齢のクエンティンを演じているそうです。

若き日のクエンティン 美しい
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お気に入り度3.8


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