映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】悪魔のシスター
2016年06月06日 (月) | 編集 |
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悪魔のシスター(1973)
アメリカ
原題:Sisters
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:ブライアン・デ・パルマ/ ルイザ・ローズマーク・ジャクソン
出演:マーゴット・キダー /  ジェニファー・ソルト/ チャールズ・ダーニング/ バーナード・ヒューズ/ ウィリアム・フィンレイ/ メアリー・ダヴェンポート/ ドルフ・スウィート


マンションの向かいの部屋で人が殺されるのを目撃した女性記者は警察に通報。しかし現場の部屋には殺人の形跡がなく・・



【感想
アトランダム映画祭」のっかり特集4本目
映画祭のコンセプトに「あまり有名でないもの」とあったはずなので、ブライアン・デ・パルマ作品を持ち込むのは反則かな。
でも最近テレビで放送されて(コーマン先生がゲスト!)再見したのでいっときます。

主人公のダニエル(マーゴット・キダーはフランス語なまりのモデル。
彼女はテレビ番組の出演で知り合った黒人男性フィリップと食を共にした後、自宅マンションで一夜を過ごすが、
翌朝腹痛で目覚めた彼女は薬とバースデーケーキを買ってきてくれたフィリップをナイフで惨殺する。
sisters_2.jpg 



向かいのマンションからこれを見ていた女グレイス(ジェニファー・ソルト)が通報したことから、警察の手が入ることになるが部屋に死体はない。
警察に妄想的迷惑行為とみなされたグレイスは腕利きの私立探偵を雇い、事件の真相に迫る。。
というはなし。
9897_5.jpg 



もうね、向かいの窓の住人が事件を目撃するのは『裏窓』だし、
ダニエルが姉と見られる誰かと言い争いをする声がしたり、殺害シーンは『サイコ』で
デ・パルマによるヒッチコック節が炸裂してます。

でもそれはくまでヒッチコック愛であって、真似と揶揄する必要のないことは
映画の面白さが証明してますね。
独特なのはちょっと悪趣味とも言えるフリークな味わいが加味されるところと
一種独特のユーモア。


少しネタバレで書きますけど



ダニエルはシャム双生児の片割れで、分割手術の際に姉のドミニクを亡くしているという秘密がある。

男を殺す理由を死んだ姉の怨念のように解釈すればホラーってことになるんでしょうけど
これはむしろ姉を犠牲に自分だけが生き残ったダニエルの罪悪感からくる心の崩壊とした方がしっくりくる。
『サイコ』の母同様、姉の幻影がダニエルにもうひとつの人格を生み
孤独にさいなまれ男を求めれば、切り離した部位の痛みとともに狂気が首をもたげる。

ダニエルの罪を隠ぺいする元夫にも、フリーク志向の気味悪さを感じるところだけど
それはある意味最も純粋な愛かもしれない。

ラストシーンの「なおソファーを双眼鏡で観察する探偵の意味はどうあれ
冒頭のテレビ番組から繰り返される「ぞき見」に徹した形式美が微笑ましい。

コーマン先生によると「おかげで少しお高くなった」らしいですが
ヒッチコック風を盛りあげるバーナンド・ハーマンの音楽もいい感じで、面白い映画でした。




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コメント
この記事へのコメント
No title
この頃のデパルマ よかったなぁ
よく見てた頃です  ミッション インポッシブルは最低の映画でしたが
2016/06/06(月) 17:20:05 | URL | おみゃあ #-[ 編集]
To おみゃあさん
いいですよね、デ・パルマ。
デ・パルマってこういうホラーをとるかと思うと『ミッション・インポッシブル』でアクションもいけるし
『アンタッチャブル』みたいな名作も撮ったり。
本当に同じ監督?とびっくり。
2016/06/07(火) 00:36:33 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
こっちの方が合ってるなあと
こんばんは。

以前見たときも思ったんですがマーゴット・キダーってこういう役の方が合ってるような気がしました。

ホラー・スリラー系にもっと出れば案外ホラークイーンとしてもっと名を残したんじゃないかと思いましたねー(^_^;)(他ホラーだと私は「リーインカーネーション」が印象深いです)
2016/06/07(火) 07:02:05 | URL | しろくろshow #-[ 編集]
No title
この『悪魔のシスター』とか
『愛のメモリー』とか
インデペンデント系で製作した
デ・パルマの映画は好きです。

またジェニファー・ジェイソン・リー
繋がりかとタイトルだけ見て
思ったけどそっちは
『地獄のシスター』だったなぁ。
(SISTER, SISTER)
2016/06/07(火) 08:26:18 | URL | GH字幕 #-[ 編集]
Re: こっちの方が合ってるなあと
しろくろshowさん、 こんばんは。
私恥ずかしながらマーゴット嬢のことよく知らなかったんですが
スーパーマンのロイスの女優さんだったんですね。
本作では精神的に脆い感じが役柄によくあってましたね。
でも実際に精神疾患を患っていたのもあとから知ってびっくり。
病気がなかったらもっと活躍されたのかもですね。
2016/06/07(火) 09:20:53 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To 字幕さん
このあたりのインディペンデント系がヒッチコキアンでもある監督の真骨頂という感じしますね。
あ、本日二回目に目にする『地獄のシスター』
JJの映画なのか。チェックだな。
・・と思ったけどレンタルにもアマゾンにもなかったわ。がっくり
2016/06/07(火) 09:27:23 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
No title
マーゴット・キダーはわたしのトラウマ映画『暗闇にベルが鳴る』の頃なんでしょうか?
これは観たこと無い、多分……。
デ・パルマの個人的趣味嗜好系(笑)映画好きなんで観たい。
ビッグバジェット系と趣味系の映画的離れかたが凄いよね。
監督の手腕って事だよねきっと。
2016/06/07(火) 17:44:22 | URL | みーすけ #Tzg06d/s[ 編集]
To みーすけさん
そうそう、『暗闇に~』はこの翌年になるみたい。
と、私はリメイクしか見てなかったような・・(汗)
トラウマなのね。
マーゴット嬢が怖がると一層怖そうだわ。
わはは、デ・パルマの個人的趣味嗜好系(笑)
ほんとにどんだけ幅が広いんだと驚くデ・パルマ先生だけど
こういう半分ヘンタ○入ってるのがいいのよね~(笑)
2016/06/07(火) 23:31:36 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
No title
デ・パルマ好きだけど、ホント幅広いよね。
スッゲーいいのもあれば「え?」みたいなのも(失礼)

改めてウィキペディってみた次第です。
あぁこんなのもこの方だったんだ!って発見も。
私さ、監督で選ばない派だから、一向に監督名覚えられましぇん!

ソダバーグとイーストウッドは大好きなんんだがね~。
2016/06/08(水) 00:48:44 | URL | chaco #-[ 編集]
No title
コレ、いきなり字幕のない動画で見たんですが、なんとなく意味がわかるからさすがデ・パルマ監督。
このあたりからロイス・レインを演じるまでのマーゴット・キダーさんは個人的にツボ・・・むっちゃピキっとする好みなんです(汗)・・・。
2016/06/08(水) 03:24:48 | URL | ゾンビマン #-[ 編集]
To chacoさん
そそ、これもデ・パルマだった?って感じで
こんなの観てると『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズと結びつく気がしないんだもん。
ははは、その「え?」もまたいい味だったりします。
私も監督名覚えるようになったのはブログ始めてからだから。
あ、役者名もその前までは有名どころしか知らなかったよ(笑)
2016/06/08(水) 06:44:56 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To ゾンビマンさん
そうそう、これ私も最初見たときは字幕がなくてね。
スラッシャーなシーンしか印象に残らなかったんですが、絵的に訴えてくるものは大きいですね、あと音楽も。
マーゴット・キダーは危うく脆い感じがホラーに合ってますね。
昔の作品ピキっとたどりたくなる(笑)
2016/06/08(水) 07:14:35 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
昔のデ・パルマは
好きですねー。
「キャリー」「フューリー」「殺しのドレス」あたり。彼のマフィアものには興味なしです。
最近の「パッション」は、けっこう楽しめました。
2016/06/10(金) 16:22:22 | URL | ボー #0M.lfYJ.[ 編集]
Re: 昔のデ・パルマは
> ボーさん
この頃のデ・パルマ作品はかなり人気高いですね。
「パッション」もデ・パルマらしいと評判でしたね。私も楽しめました。
オリジナルも観てみたいと思いながらは忘れてます。
おっと「フューリー」未見。見なくちゃです。
2016/06/10(金) 19:34:05 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
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いかにもブライアン・デ・パルマ監督っぽいサスペンスホラー(と言っておく)。 おもしろい!(と思わない人もいるだろうが。)
2016/06/11(土) 07:10:03 | 或る日の出来事