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【映画】トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
2016年03月27日 (日) | 編集 |
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015)
アメリカ
原題:Trumbo
監督:ジェイ・ローチ
脚本
:ジョン・マクナマラ
出演:
ブライアン・クランストン/ ダイアン・レイン/ ヘレン・ミレンジョン・グッドマン
日本公開:2016/夏
オフィシャルサイト

 【あらすじ
脚本家トランボはハリウッド黄金期に第一線で活躍していたが、冷戦の影響による赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだために投獄されてしまう・・・


【感想
先月帰国時に淀川長治さんの本を買ってきて読んでるもので、古い映画を観たくてたまらなくなってるんですが
もうちょっとアフター・オスカーシリーズ続けます。

今日は主演のブライアン・クランストンが主演男優賞にノミネートされた『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を。
赤狩りに遭いながら『ローマの休日』などの名作を生み出した脚本家ダルトン・トランボの伝記です。

共産主義が社会悪とみなされた第二次世界後の1940年代後半
ハリウッドでも共産主義者を排斥する赤狩りが行われ、ハリウッド10といわれる10人が収監されたこと
その後、ブラックリストに載った多くの映画人がハリウッドでの仕事を失っていったことは周知の事実でしょう。

無茶な時代ですよね。
日本でいうと、共産党の党員は勿論のこと、党を支持するものまでもいきなり捕まって
仕事を失ってしまうということ。

共産主義者が作る映画が社会に何か悪影響を与えるとか、そんな事実もないままに人権を侵害し
冷戦の恐怖を赤狩りに変えた時代の愚かさと恐ろしさ。


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そんな中、偽名を使ったり他人の名義で脚本を書き続けたトランボの奮闘が描かれる本作は
単に彼の才能に感嘆する映画ではなく、その裏には愛すべき家族がいて、
方向を失いそうになるトランボを叱咤し支え続けた妻の愛があったことが感動的。


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トランボを演じるブライアン・クランストンは殆ど知らない役者だったけど
信念の人を深みのある演技で演じていてお見事。
妻役のダイアン・レインと長女役のエル・ファニングも凄くいい。

他人の名前を挙げることで失職の憂き目から逃れようとした人々の葛藤など
赤狩りの実体を非常に分かりやすく描いていて面白いし
ジョン・ウェインやカーク・ダグラス、オットー・プレミンジャーなど知ってる役者たちが
赤狩りにどう係わっていたのかというところ、赤狩りの終焉にも興味津々でした。

こちら本物のダルトン・トランボ。お風呂でまで執筆を続けた根性のひと
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がむしゃらなまでに脚本を書き、生涯かけて闘ったダルトン氏が早くに亡くなったのは
赤狩りの無理がたたったのではと思わずにいられない。
彼の作品は『パピヨン』『ジョニーは戦場へ行った』『ローマの休日』くらいしか観てないので
これから観ていこうと思います。

ジェイ・ローチはおバカ映画から政治的な作品にシフトしてますが
エンタメ的な見せ方を知っているので、分かりやすくていい。

それにしても今年は50年代を描く映画が頑張った年でしたね。

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コメント
この記事へのコメント
Trumbo
ヘレン・ミレンも出てましたよね?此方では2月に公開されたのですがアッと言う間に終わってました。又、FOX頼りです、、。
2016/03/27(日) 16:17:37 | URL | guch #-[ 編集]
No title
そうか・・・トランボとはダルトン・トランボの事やったのか。
赤狩りの事を含めて、私が知らなくて興味ある題材ですわ。
以前オスカーで、トランボやったかなぁ・・・赤狩り関係の人が登場したときにエド・ハリスは起立さえしなかった。
2016/03/28(月) 03:02:54 | URL | ゾンビマン #-[ 編集]
No title
ブライアン・クランストンは『マルコム・in the midfle』というコメディドラマのパパ役をやっていて、そのドラマの彼が面白くて好きでかなり前から知ってたんだけど、『ブレアキング・バッド』で大ブレイクして映画の世界にシフトしてきて嬉しい♪
『ドライブ』でのショボくれたおっさん役が個人的に超ハマったわー!
ダルトン氏の作品はわたしもpu-koさんが挙げてるの位しか観てないわー。
赤狩りの時代に尊い才能がたくさん消されてしまったんですね。実に勿体ない。色々関連映画を観るけれど、異常とも言える政府の追い込みは頭おかしいとしか見えないけれど、それだけ冷戦が肌で感じられる恐怖だったってことなのかな。
ダイアン・レインも楽しみだし、これは観ます!
2016/03/28(月) 04:42:30 | URL | みーすけ #Tzg06d/s[ 編集]
No title
余談!追記!ww
『アルゴ』の上司役もすごく良かった!あれでノミネートされるかなって想ったんだけど……
アルゴ繋がりとゆーか、ベンアフのバットマン観たいんだけど、かなり叩かれてベンアフしゅん太郎になっちゃってて可哀想。
ベンアフって、なんかププってなるんだけど、わりと好きなんですよねー長いし、顎間抜けだけど。
ベンアフの顎とカヴィルの尻を近々に鑑賞してきます。
超余談だったわ。
2016/03/28(月) 04:50:14 | URL | みーすけ #Tzg06d/s[ 編集]
No title
トランボ自身にはさほどの興味はわかないですが、キャストと赤狩りというキーワードが気になるので、劇場に足を運ぶことになりそうです。「カポーティ」では若干退屈した記憶があるのですが、この映画は娯楽映画としてはどうなのかしら。
2016/03/28(月) 05:25:11 | URL | einhorn2233 #-[ 編集]
To guchさん
> ヘレン・ミレンも出てましたよね?
そうなんです。
でも実は悪役寄りで、ヘレン・ミレン様としては意外な役どころ。
まぁ、何やってもお上手ではありますけど。

古い映画のことも沢山出てくるのでguchさんはきっと楽しめると思います。
2016/03/28(月) 07:38:33 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To ゾンビマンさん
はい、ダルトン・トランボさんです。

オスカー授賞式のそれはエリア・カザンですね。
カザン監督はアカ関係の友人の名前を挙げ自分は罪を逃れた人。
誰の名前も言わなかったトランボ氏とはまるで違います。
副題の「ハリウッドに最も嫌われた男」というのはむしろエリア・カザンだと思うんですけどねぇ。
最近邦題がひどいですわ。

2016/03/28(月) 07:47:14 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To みーすけさん
ブライアン・クランストンはテレビ界の人だと聞いてフィルモグラフィーもチェックしてなかったんだけど
そうか、アルゴの人か。
上手い人だよねぇ。
『ドライブ』でも意識してなかったので見直してみよう。ショボくれてるのね(笑)

> 赤狩りの時代に尊い才能がたくさん消されてしまったんですね。
ほんと、実に異常な時期で、政治をハリウッドにまで持ち込んだことは映画界の損失だったでしょうね。
どれだけ冷戦が身に迫る脅威であったかが分かるわけだけど。

ジョン・グッドマンが出てるカテ ってことでチェックよろしく♪
> ダイアン・レインも楽しみだし、これは観ます!
2016/03/28(月) 07:54:28 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To みーすけさん
余談&追記ありがとう(笑)

私もバットマンどうしようかと思ってるんだよねぇ。
アメコミ系はもういいやって思いつつも、ベンアフなので気になっちゃってて。
で、叩かれてるの?しゅん太郎になってるのか(笑)
でもそれはそれでどんだけなのか見たくなるね。
私もベンアフはちょっと間抜けなところと、監督作品の才能とのギャップが好きなんだな。
カヴィルはお尻にも興味ないけどw感想聞かせてね。
それから考えることにしよう(笑)
2016/03/28(月) 08:01:20 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To  einhornさん
私も赤狩りに惹かれて観てみたんですが、これは期待以上に面白かったです。
「カポーティ」とはテイストが違いますね。
大物ハリウッドと赤狩りの関係とか興味の持続する作りで
個人的にはトランボと妻のラブストーリーにも惹かれました。
ダイアン・レインも魅力的でしたよ。
2016/03/28(月) 08:16:49 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
No title
観たい映画です。
こういう映画を今の日本で観ておくことはとても大事なような気がします。
最も民主的な国のひとつであるアメリカでこういうことが起きているわけですから。確かに当時のソ連の勢いはすごかったので、共産主義がスターリンによって歪められ、非民主的な体制になっていることによる驚異はアメリカ市民にはあったのでしょうね。当時の共産主義者は実質はソ連の言いなりになって活動していた人が多かったでしょうから。でも、赤狩りは間違いですね。 
2016/03/28(月) 08:42:45 | URL | yymoon #-[ 編集]
No title
淀川長治は昔、大学時代サイレン低画の本をよく読みましたw
大学の映画の講義で、教授が「サイレントの映画を見たことある人、但しチャップリンは除く」って云う質問を出しても、昔はなかなか見ている人がいなかったそうですが、最近でもサイレンとは人気ないかもですね。
面白いんだけどね。

50年代は映画史にとっておもしろい時代だから、そう云う回顧的と云うか、映画を見直そうと云う意味も大きいかもしれませんね。
ともあれ、これは見たいです。
2016/03/28(月) 09:58:47 | URL | miskatonic #-[ 編集]
No title
ダイアンレイン  年取ってますますいい女になりましたなぁ
2016/03/28(月) 16:36:35 | URL | おみゃあ #-[ 編集]
To yymoonさん
赤狩りが始る前から共産主義者はいたのに、核の脅威も相まって
共産主義を排斥する動きになったんでしょうね。
トランボは実際共産主義で、映画の中では愛国心から共産主義を支持していること娘に説明するシーンがありましたが、
あまり政治的なところは追求せず、あくまでハリウッドで弾圧に立ち向かった脚本家のお話となっています。
それでもハリウッドが赤狩りを行使する理由などは曖昧で、不当な弾圧でしかなかったのはよく判ります。
怖い現象ですよね。
でもいつだって間違った考えに傾く可能性があるというのは意識しておくべきですね。
2016/03/28(月) 23:25:40 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To miskaさん
サイレン映画の本ですか。渋い!
淀川さんの本を読むと、彼がいかに視覚で映画を捉え記憶することが出来た人かというのがよく判ります。
きっと特別な才能をお持ちだったのでしょうけど、サイレントから入ったからというのもあるのかもですね。
私もサイレントは片手で足りるほどしか見てませんがw
映像の構成などを意識して観てみたいなと思いましたよ。

ほんと、今回のオスカーノミネート作品は50年代が多かったですよね。
フィルムを使ったものもあったし、レコード盤が復活してるように、新しい技術が進む一方で古いものを見直す時代なのかもしれませんね。
2016/03/28(月) 23:35:58 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
To おみゃあさん
ダイアン・レインは前回見た時に凄く老けたと思ったんだけど役作りだったみたい。
本作では凄く若々しくて20年ほど時代が遡ったみたいでした。
いい女ですよねぇ。
2016/03/28(月) 23:50:56 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
No title
今はダルトン・トランボが
シナリオを書いてオットー・プレミンジャーが監督をした1960年の
『栄光への脱出』(Exodus)の
自作盤ブルーレイを作ってるので
興味津々です。
2016/03/30(水) 22:24:28 | URL | GH字幕 #-[ 編集]
To 字幕さん
おーー、その映画のこともちゃんと出てきます。
偽名じゃなくトランボ本人の名前をクレジットしたプレミンジャーがカッコいいんだ。
アメリカ人じゃないからできたっていうのもあるかな。
役者さんも似てたし、プレミンジャー関連は私も一番楽しめました。

で、 『栄光への脱出』長いよね?
凄いわ、字幕さん。
2016/03/30(水) 22:40:55 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
No title
『栄光への脱出』は208分
(3時間28分)超大作ですね。

日本語吹替も入れるのだけど
1時間半しかないので
本編の半分しか吹替えないし。
2016/04/01(金) 08:38:33 | URL | GH字幕 #-[ 編集]
To 字幕さん
> 『栄光への脱出』は208分
> (3時間28分)超大作ですね。

録画してるんだけど長さにくじけてまだ観れてません(汗)

吹き替え版は短縮で放送されたの?
半分字幕、半分吹き替えで編集するの難しそうだけどさすがプロ。
2016/04/02(土) 08:36:46 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
No title
劇場でやっと観てきました。もっと暗い映画かと思っていたら、娯楽映画としてちゃんと作ってあるところに好感が持てました。その一方で赤狩りという恥ずべき歴史への興味を持たせるあたりがうまいなあって感心しちゃいました。ヘレン・ミレンの実在の人物とは思えないコミカルな敵役ぶりもマルでした。
2016/08/22(月) 06:13:58 | URL | einhorn2233 #-[ 編集]
To einhornさん
そうそう、赤狩りを描いているものなので私ももっと暗くなるのかと思いましたが、トランボがどこかひょうひょうとしてたり、トランボファミリーの描写があたたかかったりで、力強かったし面白かったですよね。
風化させてはいけない歴史を思い起こさせるものとしても意味がありますね。
TBありがとうございます。
2016/08/22(月) 07:44:14 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
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