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『愛、アムール』:鳩の意味するものは?
2013年03月16日 (土) | 編集 |




新作の感想は、主にもうひとつのブログで書いてますが、
まだ日本公開になる前に記事をあげることが多く、ネタバレなしに書こうとすると、
深いところには入れないというジレンマに陥ります。

そこで、監督のインタビューで知ったことや
ネタバレ込みで自分で感じたことなどは、こちらで書いていこうと思うのです。

まずは、ミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール
意味深に登場する「鳩」が何を意味してるんだろうと思った方も多いでしょう。
何かのメタファーなのかとあれこれ考えたことと思います。

そこで、ハネケ自身がどう言ってるかを知りたくてインタビュー動画を探しました。

ハネケによると、「鳩を何かのメタファーには使っていない。鳩は鳩」
「フランスには鳩が多いのだよ」とのこと。

なんだぁと思った方も多いかな。
でも、わざわざ映画に登場させたのには当然意味があるわけで

自分なりにその意味を考えてみました。
以下ネタバレを含みますので、未見の方はご遠慮ください。


ジャン=ルイ・トランティニャン演じるジョルジュは
介護の果てに妻を殺してしまいます。
それは妻の尊厳を守りたかったからでしょう。
でもなにより、人はいつかは死ぬ。
それが自然の摂理である と映画は言っているように思います。

ゆえに鳩は「閉じ込められた場所からの開放」を意味するのではないかしら。

妻に手をかけたあと、家に入り込んだ鳩にブランケットをかけて捕まえるシーン
ハネケの作品を観たことがあるかたは、ここで最悪の結果を想像したことでしょう。
私は一瞬物凄く緊張しました。
でも何もなかった。

ジョルジュは妻を殺し、妻を叩くシーンもあったけれど
彼は決して暴力的な人間ではないのです。

また、ブランケットに包んだ鳩を抱きしめるシーンに
命あるものへの慈しみと、自分の手で命をたたせてしまったことへの悔恨が滲みます。
何よりジョルジュは淋しかったのかもしれない。
鳩に愛する妻の温もりを求めたのかもしれませんね。

妻も同じようにジョルジュの温もりを求めたに違いない。
2人が再び出会い、連れ立って家を出るラストシーンに
窓から放たれる鳩の姿が重なります。

切なさと同時に何か安堵するものがあり、
無音のエンドロールに涙が溢れたのでした。

あくまで自分の解釈です

 


■トラックバックいただいてます


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Tracked from 日々 是 変化ナリ ~ .. at 2013-03-17 01:47 x

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コメント
この記事へのコメント
Commented by おみゃあ at 2013-03-15 09:21

単なる 思いつきとか
ピエトロジェレミ刑事思い出した あれはイタリア語か


Commented by omura-premium at 2013-03-15 11:55

この映画、近いうちに観に行こうと思っていました。観に行くのがより楽しみになりました。


Commented by ゾンビマン at 2013-03-15 18:00

「鳩は鳩」と聞いて安心して笑った。
私はこの監督さんの作品は初めて見たんですが、正直、「あまり深読みしないでくれよ」と言わんばかりの「己の感覚だから」みたいなオーラを強く感じたんですよ。「私の感覚で描いたにすぎないから、後は自分に置き換えて勝手に感じてくれ」みたいな。
だから私は自分の記事でも経験不足で感じる部分が薄いので、深読みできませんと書いた。
pu-koさんは素晴らしいですね。


Commented by einhorn2233 at 2013-03-16 01:10

鳩については何なんだろうと思っていたのですが、そういう解釈もあるのですね。私はそういう寓意的なものよりも、現実の事件のようなリアルな生臭さを感じてしまって、かなり痛い映画になってしまいました。やはり、介護は大変だしなあって、そんなところに気をとられてしまって。


Commented by pupu55560 at 2013-03-16 05:57

おみゃあさん>
そこを色々考えたくなるのが映画好きの哀しいサガです
ピエトロジェレミ刑事・・知らない映画がいっぱい


Commented by pupu55560 at 2013-03-16 05:58

OMURAさん>
受け取り方は人によってそれぞれな映画かもしれません。
ぜひ感想聞かせてくださいね。楽しみにしています。


Commented by pupu55560 at 2013-03-16 06:08 x

ゾンビマンさん>
そうそう、監督は古いインタビューの中でも、観るものの解釈にイエス、ノーとは言いたくないと言ってました。
その意味は?と問われるのが苦手みたいで、自分の解釈を押し付けたくないのだそうです。
けど意図をもって作りこんでるのは確かだし、知的な方だから、その意味を探りたくなる。
それも映画の一つの楽しみだと思います。
核家族が多く、老人のこと、介護のことなど、日常にほとんど関係ない人も多いから、こういう映画は意見が分かれるのもわかるんですよね。


Commented by pupu55560 at 2013-03-16 06:12

einhornさん>
確かに生臭さもありますよね。
介護の様子を長回しで淡々と見せる映像にも、老人はひとつひとつの動作がこんなに時間のかかるものなんだというのを感じさせる意図があったはずだし。
ただ、ハネケが単に介護の大変さを描く映画を作るとは思えなくて、つい、色々考えちゃいます。
TBありがとうございました。


Commented by おみゃあ at 2013-03-16 08:37

http://youtu.be/H6bGGQ3kaHg
ええ音楽です

ピエトロジェレミは 鉄道員 の監督 主役でもある


Commented by pupu55560 at 2013-03-17 12:41

おみゃあさん>
リンクありがとうございました。
映画も良さそうね~。残念ながらこちらではレンタルなかった。
曲もいい感じだし観たいなぁ。


Commented by K. at 2013-03-19 20:45

ハネケ監督は、基本的にイジワルですね。(笑)
でも解釈を委ねる手法は、基本的にサービス精神の成せる業でしょうか。(笑)
だから観るのも興味深い楽しみがあるかも。


Commented by pupu55560 at 2013-03-19 23:34

Kaz.さん>
鳩で緊迫感を煽れるのはハネケ先生くらいかもw
基本的にイジワルなんですね(笑)
そうそう、ハネケ先生だからここにどんな意味を持たせたのかななどとつい考えちゃうし、考える価値もあるよね。
読み解く楽しみを与える映画はやっぱり面白いです。


Commented by アンダンテ at 2013-03-20 10:14

両親を見ていても感じましたが、年齢と共に新しい事を受け入れにくく自分たちで何とかしようとしてしまう傾向が強くなってきます。粘り強く手を変え品を変えて理解してもらう。何をするにもこちらにも余裕がないと難しいです。
鳩の事、気になっていましたが具体的なことで一杯になってしまって・・・。
個人的には「ぬくもり」を抱き締めたかったのか、と感じました。
こちらもTBできるかしら?


Commented by pupu55560 at 2013-03-21 04:44

アンダンテさん>
高齢者の暮らしをどう支えるかというのは、誰にもやがてやってくる問題でもあるし、この映画を通し感じるところ気づくことなども多かったですよね。
鳩の「ぬくもり」を抱きしめたかったというのは私も同感です。
これまで何十年もそばにいた妻がいなくなり、どこにもぬくもりがない状態ってどれだけ淋しく心細かっただろうって思います。
TB出来てます。ありがとうございます。こちらにまで申し訳ありませんでした。


Commented by Mtonosama at 2013-03-22 15:13

ふたりっきりの息詰まる暮らしの中に入り込んだちょっと間抜けな感じの鳩でした。
鳩のシーンになると緊張が溶けてホッとしました。

でも、確かに、鳩を捕まえた時、ちょっと怖かったのは事実です^_^;


Commented by pupu55560 at 2013-03-23 07:05 x

とのさま>
あ、そうか鳩は息抜き、癒し的な効果もあったかもですね。
そう考えると真逆の感情を同時に感じることになるわけで、鳩の演出も深いですね。


Commented by HK at 2013-03-26 16:31 x

ワナワナ…ハネケなのに食われたり首が飛んだりしないとは。


Commented by pupu55560 at 2013-03-27 07:31

HKさん>
うん、でもハネケだから何か起こりそうでついビクビクしながら見ちゃうし、実際不穏な空気が漂ってて面白いのです。


Commented by る~ at 2013-04-26 16:06

今頃、すんません。はは、

あたしも
似たようなこと思いながらみていたのだけど
「ベティ・ブルー」って映画を思い出しましたよ。

あれも最後が似たような感じで、まくらでってとこがにていて
ラストシーンは、手をかけてしまった彼氏がテーブルで
書き物をしてると、猫がやってくる

猫が彼氏の書いてるそばにきて
いってしまった彼女の声で「かいてるの?」(うろおぼえですまそ)
っていうんですがな。

なんとなく、それをおもいだした…。



Commented by pupu55560 at 2013-04-26 21:07

る〜さん>
いらっしゃい。あー、『ベティ・ブルー』ラストの記憶が・・・
猫が喋るんだったっけ。
あかん、観直さなきゃ。
2016/01/15(金) 13:05:04 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
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