映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
身をかわして
2013年06月05日 (水) | 編集 |



今年度のカンヌ映画祭でパルムドールに輝いた、アブデラティフ・ケシシュ監督の2003年の作品『身をかわして』をDVDで観ました。
身をかわして(2004)フランス
原題:L'esquive
監督:アブデラティフ・ケシシュ
出演:サラ・フォレスティエ/オスマン・エルカラス/サブリナ・ウアザー
日本公開:
 最近のフランス映画は移民問題を描くものに多く出くわします。
本作の主役は、パリ郊外の移民の多く集まる地域に暮らす高校生たち。

来る文化祭の出し物の舞台劇『愛と偶然の戯れ』の主役に抜擢されたリディアは、綺麗な舞台衣装を着て、貴婦人を演じることが嬉しくてたまらない。
そんなレディアに恋するのがアラブ系の寡黙な少年クリモ。
しかし、クリモの元カノ、マガリがクリモに未練たらたらなことから、自体は同級生を巻き込み思わぬ騒動へと発展する・・



移民の多い、パリ郊外の中産階級エリアを舞台に、高校生たちの摩擦や友情を描く作品です。
この映画、正直、前半は何が面白いのか分りかねます。
劇の練習中、解釈の違いから言い争いが勃発。
彼らの言葉のやり取りがフランス語で聞けばかなり面白いらしいのだけど、英語字幕で観た私には、スラングの変化や言葉遊びといったものは理解できず、延々続くがなり合いにちょっと辟易しちゃいました。

でも争いに、リディアに対する羨望が見え隠れし始めるあたりからちょっと面白くなる。
同じようにつるんできた仲間が一人突出してくることへの嫉妬は、思春期にはありがちですが
アラブ系や黒人が大半のクラスの中でブロンド碧眼のリディアはちょっと特別な存在で、嫉妬する側の感情も複雑。クリモの告白が、さらに波紋を広げ、リディアの周辺ではなにやら不穏な雲が立ち込める。

ところが問題が大きくなるほどに、意外にも彼らの友情の深さが明らかになるのが面白いんですね。
ある事件で緊張感が漲る中、彼らは同じ屈辱を受けるのだけど、同時に連帯感を高めていく。

正直、監督の意図したところを理解できたか自信ないんですが、
文化祭の当日の年少組の舞台発表からは、不思議な感動が湧き上がり泣けて仕方なかった。
それは舞台を見守る親の子供たちに向ける温かい視線や、懸命に導く教師の願いみたいなものをひしひしと感じたからだろうな。ぶつかり合って、更に絆を深めた若者たちの達成感も心地よかった。

リディアとクリモの恋の行方は明確には描かれないので、解釈は観客に委ねられることになる。
劇の指導中に教師の言う、貧しいものの根底は変わらず、金持ちはあくまで金持ち、などの言葉が映画のテーマとするなら、ラストシーンはクリモの諦念を描く現実的で物悲しいものと取るべき?

でもねぇ。そんなものを乗り越えた未来があってもいいじゃない。
私はあえて、希望を感じるラストだったと思いたいけどなぁ。








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コメント
この記事へのコメント
え、何これ このタイトル好き
観ますっ(=゚ω゚)ノ

2013/6/6(木) 午前 8:32[ 翔 ]



ええ~じゃあ、日本語字幕じゃ

もっと、わかりづらい?
んん~むずかしいな~

2013/6/6(木) 午前 9:57[ る~ ]



へ~観たい雰囲気の作品です
思わぬ騒動か~・・どんなだろ
観る人の解釈で感想がだいぶ変わってくる感じですかね?
うん、やっぱ観たいな

2013/6/6(木) 午後 0:57[ SHIGE ]




今年の私の映画鑑賞はフランス映画の当たり年。
興味ありますわ。
最近のpu-koさんのチョイスはアタリが多いみたいですね。☆が多いのは素晴らしいことです。
そうそう、話がそれますが、pu-koさんが褒めていた『セレステ∞ジェシー』が気になるんですが、時間の調整が難しいです(汗)・・・。

2013/6/6(木) 午後 6:04[ ゾンビマン ]



ここ10年ぐらいのフランス映画は移民者が必ずと言っていいほど出ますよね。
それほど社会問題化してますねぇ。
それを織り交ぜた青春ドラマと言ってイイのかな~、これは。

2013/6/6(木) 午後 6:54[ Kaz. ]



これは知らない作品でした(^-^;
移民問題となると、日本人としては、肌で感じる事のできないものがあるような気がしますけど、後半?の展開からは、本当は普遍的なテーマなのかもしれませんね~
レビューラストのPU-KOさんの言葉で、観たい度UPしました~(^ー^)

2013/6/6(木) 午後 11:15[ じゅり ]



翔さん>
お、タイトルにビビっときたかな。
もしかしたらまだ日本でリリースされてないかもだけど、また機会があればチェックしてね~。

2013/6/6(木) 午後 11:53[ pu-ko ]



る~さん>
どうだろうね。日本語字幕で観てないのでよくわからないけど。
言葉遊びを完全に楽しむのは無理かもだ。
でも映画の一番面白い部分は終盤だから大丈夫。

2013/6/6(木) 午後 11:55[ pu-ko ]



SHIGEさん>
ラストシーンの意味をどうとるかで多少印象が変わるのかなぁと思いました。
他の方の意見を聞きたくてうずうずしてます~。
何の特集なのか、今福岡では公開されてるようなんですが、そのうちにDVDにもなると思うので、機会があればぜひ。

2013/6/6(木) 午後 11:58[ pu-ko ]



ゾンビマンさん>
はずれもあるのだけど、そういうのは記事にしてないことが多いです(笑)
フランス映画はいいですね。
ちなみに今月は裏でフランス映画特集です。
『セレステ∞ジェシー』はインディーズ系ですもんね。私も気になりながら一番近いところでやってくれなくて逃したんですよ。
音楽のチョイスもいいのでお薦めだけど、セレステのキャラには好みが分かれるかなぁ。特に男性は。なので、無理に観なくてもいいかもです(笑)

2013/6/7(金) 午前 0:03[ pu-ko ]



Kaz.さん>
ですね~。それだけ社会問題でもあるんでしょう。
監督自身もチュニジアの出身だそうです。
そそ、移民問題を前面には出してないんですが、さり気なく盛り込んだ青春ドラマですね。

2013/6/7(金) 午前 0:08[ pu-ko ]

顔アイコン

じゅりさん>
ケシュシュ監督は、今回パルムドールを獲得して改めて注目が集まってる監督さんですね。
この作品も一部の映画ファンから絶賛されててツイッターでも盛り上がりを見せてます。
なので、ボチボチ目に触れる機会もあるかも。
ラストシーンは解釈が分かれると思うのよねぇ。いつかまた語りましょ。

2013/6/7(金) 午前 0:14[ pu-ko ]
2016/01/11(月) 14:25:54 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
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