映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
トゥ・ザ・ワンダー
2013年08月08日 (木) | 編集 |



トゥ・ザ・ワンダー(2012)アメリカ
原題:To the Wonder
監督:テレンス・マリック
出演:ベン・アフレック/オルガ・キュリレンコ/レイチェル・マクアダムス/ハビエル・バルデム
日本公開:8/9
パリで知り合ったアメリカ人ニール(ベン・アフレック)とフランス女性マレーナ(オルガ・キュリレンコ)は、互いに愛し合うようになり、マレーナは10歳の娘を連れ、ニールとともにオクラホマに暮らし始める。しかし、2人の間に次第にすれ違いが生じ・・



 
テレンス・マリック監督の新作です。
パリ。冒頭から小鳥のように戯れるニールとマレーナ
マリック監督の映像は光と影を絶妙に操り、さまざまな角度から愛し合う2人を映し出す。
でも不思議なことに、彼らの顔はフレームアウトして見えないことが多いんですね。
特にベンアフ演じるニールの顔をあまり映さないことに違和感を感じます。

まもなく2人はパリの観光名所でもあるモンサン・ミシェルに移動し
驚愕(wonder)と呼ばれる院内に足を踏み入れる。
タイトルであるTo the Wonder という言葉がここで出てくるのですが
永遠の愛を誓う瞬間、その愛は破滅に向かうこともある
予測不能な奇跡に向かうさまを、To the Wonder としたのかなと勝手に解釈。


異国の地で生きることになるマレーナにとって、自分を闇から救い出してくれたニールは唯一無二の存在。
ところが、最初に感じた一抹の不安の意味を明かすかのように、もともと言葉数の少ないニールがますます無口になり、2人の間に距離が生じ始める・・・
不安に駆られ揺れ動くマレーナを、オルガ嬢が繊細かつ切なく演じていました。




まずは映像の美しさに圧倒されます。
都会的なパリの街と、自然を集めたオクラホマの風景。
マジックアワーに映し出される木々や空
こういうの見ちゃうと、カメラを持って外に出たくなる。


入江を歩く2人の足元をサラサラとこぼれる潮の流れなど
流れる水を多く見せているのも、どこから来てどこに行くのかわからない愛の行方を
象徴しているがごとく。

一度は自分の中にあったと思った神の存在を失い苦悩する神父を演じるハビエル・バルデムによって、永遠なる存在などないのだと思い知る。
ニールの渇望がただの自己チューに終わらないのも、「自分を偽ることの無意味さ」を説く神父の存在によるところが大きい。

ニールが想いを寄せることになる同級生ジェーンにレイチェル・マクアダムス
同じ土地に住み、同じものを見て、同じ経験をしたもの同士に漂う安心感
そんなものをベンアフと2人で醸し出していました。


愛はうつろいゆくもの というのを
荘厳なクラシック音楽と美しい映像で描く作品です。
前作『ツリー・オブ・ライフ』のような突飛な映像がないのもいい(笑)
「えっと、、これは誰の・・」などと考えてしまうところもあるけれど
余計な説明はなくていいかとも思えてしまう。
もはや、映画とはまた違う、独自のジャンルに分類したほうがいいかも。
切ないけれど、彼らとともにこの世界に漂っていたくなるような
一種、中毒性のある映像体験でした。







       

トラックバック一覧

  1. 1. トゥ・ザ・ワンダー

    • [Mangosteen CINEMAlog/追いかけてサムソン]
    • August 14, 2013 15:37
    •     『トゥ・ザ・ワンダー』  (2012) フランスの観光名所、モン・サン・ミシェル。 アメリカ人のニール(ベン・アフレック)とフランス人のマリーナ(オルガ・キュリレンコ)は恋に落ち、ふたりは永遠の愛を確信する。 その後マリーナの連れ子とと
  2. 2. 「トゥ・ザ・ワンダー」(2012)

    • [choroねえさんの「シネマ・ノート」]
    • August 14, 2013 22:48
    • 鑑賞しながら、 マリック監督 の作品のカラーを思い出していましたが、視覚聴覚から感覚的に捉える映画というのでしょうか。絵画というよりバレエなどせりふのないパフォーマンスアートに近いかもしれません。私は「天国の日々」は未見ですが、最初に観た 「ニューワールド」
  3. 3. 『トゥ・ザ・ワンダー』

    • [京の昼寝〜♪]
    • August 23, 2013 12:48
    • □作品オフィシャルサイト 「トゥ・ザ・ワンダー」 □監督・脚本 テレンス・マリック□キャスト ベン・アフレック、オルガ・キュリレンコ、レイチェル・マクアダムス、ハビエル・バルデム■鑑賞日 8月12日(月)■劇場 TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★
  4. 4. トゥ・ザ・ワンダー/TO THE WONDER

    • [我想一個人映画美的女人blog]
    • August 24, 2013 09:55
    • ランキングクリックしてね ←please click 「天国の日々」「シン・レッド・ライン」などのテレンス・マリック監督作 日本で賛否両論だった前作、ブラッド・ピット主演「ツリー・オブ・ライフ」は カンヌ国際映画祭パルムドール受賞 ...
  5. 5. 神との対話~『トゥ・ザ・ワンダー』

    • [真紅のthinkingdays]
    • September 03, 2013 07:08
    •  TO THE WONDER  モンサンミシェルで出逢ったニール(ベン・アフレック)とマリーナ(オルガ・ キュリレンコ)は、運命的な恋に落ちる。パリからニールの故郷・オクラホマ に住み着...
  6. 6. 美しきまでの移ろい

    • [笑う社会人の生活]
    • September 12, 2013 22:19
    • 映画「トゥ・ザ・ワンダー」を鑑賞しました。 男とシングルマザーの女が出会い付き合う アメリカで一緒に暮らし始めるが やがて心が離れていき・・・ こんなことを書いたが、ストーリーはないといったら大袈裟か 愛を、そして その愛の移ろいを見せていく ただ それだ...
  7. 7. トゥ・ザ・ワンダー

    • [いやいやえん]
    • April 23, 2014 09:15
    • 永遠を誓った、愛は色褪せて行く。流れる風景を切り取っていくような映像は、記憶となりやがて永遠に生き続ける。 哲学的な語りとツギハギ映像美によって詩のようになった作品で、愛とは何か、永遠とは何かを問い続ける。 モンサンミシェルで出会い深く愛しあったニー


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コメント
この記事へのコメント
おぉ、これは劇場に足を運ぼうと思っていますよ!
ですから、サラリと読ませてもらいましたが・・。
映像主体の家族向けムービーが横行?する中、こういう作品の公開は嬉しいんですよね~。
鑑賞後、しっかりと読ませていただきます!

2013/8/8(木) 午後 11:01[ サムソン ]


近年テレンス・マリック監督は撮ってますねぇ~。
これまたキャストも興味深い顔合わせですな。
しかし、やはり映像ですかぁ。
中毒性のある映像ってのに期待大です。

2013/8/9(金) 午前 0:18[ Kaz. ]


数日後に観ます。
見たらまたお邪魔しますね(汗)・・・。
その時にこの記事を見るのが楽しみです。

2013/8/9(金) 午前 2:16[ ゾンビマン ]


サムソンさん。
映像主義といえばこれこそまさしく、なんですがw
しかし映像は芸術の域ですよ。
劇場感傷羨ましいです。
ただ冒頭の多角度から人物を捕らえる映像には、少し酔ってしまうかもなのでご注意くださいね。。

2013/8/9(金) 午前 8:14[ pu-ko ]
2016/01/15(金) 15:34:15 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
kaz.さん >
寡作で知られる監督なのに、続けてきましたね。
しかもこの後も監督作品がいくつか予定されてるようで。
はい、映像あり気なのは間違いなし。
映像映画というべき独自のジャンルを完成させつつある感じしますね。

2013/8/9(金) 午前 8:17[ pu-ko ]


ゾンビマンさん>
またゾンビマンさんに叱られるかもだけど
感想楽しみにしてますね♪

2013/8/9(金) 午前 8:18[ pu-ko ]



とっぴじゃない 
それはそれで寂しかったりして

2013/8/9(金) 午前 11:10[ る~ ]


る~さん>
いや~、とっぴな映像が出てこなくて喜んでます(笑)

2013/8/10(土) 午前 1:54[ pu-ko ]


うおー、ベンちゃんはこれに出てたんですね、”アルゴ”以来でしょ??オルガは先日の”The Expatriate"にも出てましたっけ、、調べたら残念ながらオーストラリアでは配給未定とか、。ミケランジェロみたいな”不毛の愛”とも違うようなのでこれはチャンスがあれば是非見たいかな、、。

2013/8/10(土) 午後 3:54[ guch ]


guchさん>
そう、『アルゴ』撮り終えてゆっくりしようとしてたところに出演オファーがきて、尊敬するマリック監督だから受けたんだそうです。
これこちらでもいつ公開されたのかも気づかなかったんですよ。多分ミニシアターでひっそりだったはず。
オルガちゃんのその作品は知らないけど、最近では『オブリビオン』のトムちんの妻ね。

2013/8/10(土) 午後 10:41[ pu-ko ]


観てきました。
美しい映像美に圧倒され、自分に都合の良い解釈をして楽しんできました(超爆)・・・。
pu-koさんの記事を拝見して、「さすが姉御」と(笑)・・・。良い映画でしたね。

2013/8/12(月) 午後 11:00[ ゾンビマン ]


ゾンビマンさん>
レビュー拝見しました。
確かに説明もないし、監督の作風を知らずに劇場に足を運んだ人は
なんだこれは ってなる作品ですよね(笑)
そもそも台詞も脚本として与えられなかったようだし、
自分の解釈を自由に投入して脳内で遊ぶのもいいかなと(笑)
私は「牛」について再考しようと思います(爆)

2013/8/12(月) 午後 11:12[ pu-ko ]


体感する映画というのでしょうか。
感性に訴えてくる作品ですよね。
やっぱり理解しきれない部分はありましたが、
視覚、聴覚からの感覚に訴えるという他にあまりない作品として自分なりに観ればいいのかなと思いました。^^;
本当に映像は綺麗でしたね~
TBさせてくださいませ。

2013/8/14(水) 午後 10:48[ choro ]


choroさん>
まさに体感する映画でしょうね。
映像が先にあって、物語が付随するというか想像するというか(笑)
でも想像するにも限界があるので、どうしても説明不足なところは否めないけれど
ある意味『2001年宇宙の旅』に近いものがあるかも。
TBありがとうございました。

2013/8/14(水) 午後 11:07[ pu-ko ]


こんにちは
映像が美しく、切り取って写真におさめてもいいようなくらいでしたね
愛のうつろいという難しいテーマを
やはり難しく展開されていきましたが、
ツリー・オブ・ライフよりは独白部分で感情がみえるので、まだマシでした
レイチェルが凄く可愛らしくて、そこで培った愛を捨ててまたオルガに戻るのが
なんで?と不思議でたまりませんでした

2014/4/23(水) 午前 9:17[ maki ]返信する


makiさん>
詩的で美しい映像が印象に残りますね。
うんうん、私も『ツリー・オブ~』みたいな実験的な映像がなかっただけ、入り込めたし
人物の思いが語られる分わかりやすかったですよね。
そうですねぇ。
優柔不断なベンアフは安心感の中に留まれないんでしょうね。
愛は移りゆくものってことで、一生さすらうのかもしれません(笑)

2014/4/24(木) 午前 3:00[ pu-ko ]
2016/01/15(金) 15:35:00 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
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