映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】絞殺魔
2015年04月04日 (土) | 編集 |


絞殺魔(1968)アメリカ
原題:The Boston Strangler
映画.comデータ

あらすじ
1960年代のボストンで、高齢の女性が狙われる連続殺人が発生した。被害者は猟奇的な陵辱を受け絞殺されており、世間は「ボストン絞殺魔」と呼び恐れたが警察の捜査は難航し・・・

トレーラー

絞殺魔 [DVD]


感想
実際にあった連続猟奇殺人事件を基にしたジェロルド・フランクのノンフィクション「ボストンの絞殺魔」をリチャード・フライシャーが監督したサスペンスです。


事件の特徴は被害者の首に巻かれた「外科結び」
押し入った形跡はなく犯人は被害者に「招き入れられた」ようである事。

連続して起きる殺人事件の被害者を映すアングルなど、当時としてはセンセーショナルな部分もあったのではないかな。マルチ画面で見せる手法は時間短縮の効果もありスタイリッシュ。
しかし、捜査の鍵を劇スルーしながら犯人にたどり着けない警察は滑稽でさえあり、捜査ミステリーモノとしてはあまり面白くはないんですよね。

ところがこの映画、ようやく犯人が顔を現す半分過ぎからが凄い。

これ少しネタバレで書かせてもらうので、未見の方はスルーでお願いします。












トニー・カーティスが犯人デザルヴォを演じていることは、多分ネタバレというほどのものでもないと思うんですが・・
別件で逮捕されたデザルヴォは、連続殺人事件のことは勿論、逮捕された数分前のことも記憶になく、すべてを完全に否定する。
彼は二重人格であることが疑われ、学者肌のヘンリー・フォンダがじっくり犯人と向き合うんですね。


残忍な別人格が現れ、穏やかな人間が豹変するという映画はこれまでにも見てますが
本作が面白いのは、本来の人格が別人格と意識の中で交錯すること。
取調室で別人格が現れ、カーティスが事件を再現するシーンの異様さといったら。
実際多重人格を持つ人がこういうことができるのかは別として、犯人が自分のもう一人の自分がしたことに気づき、おののく様子が異様さを増幅させると同時に切ない。
捜査を担当するヘンリー・フォンダも、犯人を追い詰めることに苦悩し、自分のモンスターな一面を自覚する。善人そうなフォンダが瞬発的に人を殴るシーンを入れているのも演出の妙か。
人は誰も残忍な裏の顔を持っているとすることで、本作を二重人格者の性犯罪というキワモノ映画に終わらせず、普遍的な人間の業に迫ろうとするところがいい。

カーティスが鏡に映る自分の姿に驚く様子が印象的でしたが
取り調べ室のマジックミラーを通し、犯人がフォンダを見つめるシーンも
あるいは、犯人とフォンダを合わせ鏡のように描いたのかもしれませんね。

ラストシーン 「無音」の「白」で表現した虚ろな恐怖がカッコよかった。

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コメント
この記事へのコメント
2015/12/30(水) 午後 0:54[ じゅり ]
これ、私が先日読んでいた本で凄く褒められていて、実際にあった事件の方もよく知っているので見たい1本です。
キャスト&スタッフも最高やしね。
昔の映画はいろいろと表現の制約があったので、逆に見せ方が上手いんですよね。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ ゾンビマン ]


ゾンビマンさん>
おー、タイムリー。
事件のこともご存知だと、一層楽しめるかも。
ぜひ観てみて欲しいです。
今はグロイ映像で全て見せてしまうものが多いけど、昔は制約があったんですね。
確かに本作もグロさはまるでないのに、死体を見せる角度などで不気味さを煽っています。
そういうの意識して観ると上手さをさらに理解できそうですね。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]


デパルマが分割画面を多用して有名になったけど、その前にもこんな使い方してたんだなぁって思ったよ。
二重人格ものは色んなアプローチがあって面白いよね。
犯罪を否定するのは困りもんだけど、それ以上に困るのは、最近増えてる精神異常者の犯罪だよね。
だって犯罪が実証できても罪に問えないんだもの。
そういうところ含め面白い映画でした。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]



面白そうでしょ。
終盤は衝撃に近いもんがありましたよん。チェックしてみて~。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]



『10番街の殺人』(71)と併せて観たいフライシャーの実録スリラー。
でも実は、これと一緒に観るのはスマイト『殺しの接吻』(68)だったりするんだな。
DVD化の際、予約して購入しましたが、それまではWOWOW放送時の録画を大事にしてました。
ちなみに『殺しの接吻』もソフト化されておらず
観るときはWOWOWのやつです。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ HK ]


HKさん>
『10番街の殺人』は録画したので観てみます。
『殺しの接吻』、NYで中年女性が次々と殺され・・という映画サイトのあらすじからも共通点ありますね。
どんな犯人像なのか興味津々!レンタルリストアップしました。チェック~。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]


これは小学生の時におかあちゃんに連れられて観ました。
懐かしいなぁ。近所の映画館でね。流石に「冷血」は観てませんが・・・。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ GH字幕 ]



うんうん、これぜひ情報いれずに早く観て欲しい(笑)
終盤うわぁってなると思う。面白いよ~。
有名俳優の若かりし姿を探すのも楽しみの一つよね。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]


なんか、すごーく好みな気がします。
チェックしておきますね

2015/12/30(水) 午後 0:54[ 翔 ]


あら~、これは未見ですが、凄く観たい!!
ネタバレ部分スルーしましたが、早く読みたい(笑)放送してくれないかなぁ。
トレーラー観てみたら、「見た事ある!」の若かりし頃の方がいました。名前出てこないけどw

へぇ~、当時としては画期的なまわしなのね。

二重人格モノは結構好きかも。
けどさ、実際の話となると、犯罪を犯したのは私じゃない
と言い張れるんだから、やっぱこえ~よね。
知らない自分が入ってるんだから、手がつけられないわけじゃん!

しかし、ヘンリー・フォンダか、、、懐かし過ぎますわ。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ chaco ]


おみゃあさん>
大昔の映画になっちゃいましたね。
マルチ画面は効果的だったと思ったけど、なんじゃこれはという感じもあったかもですね。
カーティスさんの出演作チェックしたら、これ以降確かに大作はなく、B級ホラーとかに出てるのが意外。
ジェイミーさんは確かにお2人の娘さんですな(笑)

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]


面白かったですね。
そう、前半とがらりと変わってじっくり犯人と向き合う後半に、単なる犯人探しの警察ものではなかったのだと納得。
渋くて深くカッコいい一本でした。

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]


もう50年以上も前の映画ですもんね~。
キャストはここに挙げた人のほかにジョージ・ケネディさんとかも出てて、私が認識してない名優もいそうですね。
今観ても古さを感じない一本だと思いました。
リメイクの話もあるし、テレビでかかるといいね。

2015/4/5(日) 午前 1:04[ pu-ko ]


おおむかし、テレビで見た記憶ありますが すっかり忘れている  なんか見づらかったのは分割画面のせいか   トニー・カーティスってオトコ前俳優で売れっ子にもかかわらず
売れたのはこれまでで、のちは マニトウなどB級に出てたような
のち、娘の馬面カ-チス出たときはどちらにも似てるんでビックリ   ハロウィンやったかな

2015/4/5(日) 午前 8:04[ おみゃあ ]



これは面白かったですねー。マルチ画面を使った視覚的に凝った画面で、地味な捜査を見せる前半から、犯人と捜査本部長の二人芝居で見せる後半と、娯楽映画としてのテンションがすごく高かったです。リアルで陰鬱な映画である一方で、映画的興奮に満ちた映画に仕上がっているのがすごいと感心しちゃいました。

2015/4/5(日) 午前 9:04[ einhorn2233 ]



未見…とトレーラーを見たら「あれ、知ってるシーンが」(笑)大昔テレビかビデオで見たかも。
内容全く飛んでますが。
演技派役者がたくさん出ていて、面白そう。
ボストン絞殺魔は事件の内容の方を本で読んで結構知ってるんで、これ興味津々です。
役者や演出がB級ぽさを粉飾するんだろうな。
60年代臭香る映像もいいですね。
古い映画はこうやって誰かに紹介してもらわないと、観る機会ないもんね。あざーす!

ケイシー・アフレックでリメイクとか。
うわッ、ケイシー絶対ハマるよ。

2015/4/5(日) 午前 9:04[ みーすけ ]



みーすけさん>
おーー、事件のことは本でご存知でしたか。
映画は多分フィクションの部分が多いと思うのだけど、犯人の背景などには触れてなくて、犯罪との繋がりに興味を持ったので、私も本読んでみたいなぁ。
私は映画歴が短く、古い映画を観れてないので、新しいのと半々くらいで名作と呼ばれるものはおさえていきたいと思う今日この頃。
お付き合いくださいね。

あ、ケイシーは出演もするようだけど、刑事役らしいよ。
犯人のほうが絶対嵌ると思うんだけどなぁ(笑)

2015/12/30(水) 午後 0:54[ pu-ko ]

字幕さん>
いいなぁ。
字幕さんの映画好きはお母さんから受け継いだのかな。
しかも小さい頃からこんな怖そうなの、うらやましい(笑)

2015/4/7(火) 午前 2:04[ pu-ko ]
2015/12/29(火) 22:09:32 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
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