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【映画】さすらいのカウボーイ
2015年07月29日 (水) | 編集 |


さすらいのカウボーイ(1971)アメリカ
原題:The Hired Hand
出演:ピーター・フォンダ/ウォーレン・オーツ/ヴァーナ・ブルーム/ロバート・プラット


あらすじ
カウボーイのハリーは、7年もの放浪生活を終えて、妻子の待つ故郷に帰ってきた。しかし、平穏な生活を望んだ彼に、親友の危機の報せがもたらされ・・

感想
ウェスタンをもう1本
ピーター・フォンダ監督/主演の新感覚ウェスタンと言われる作品です。

『イージー・ライダー』の次に撮った本作で、フォンダは妻子を残し7年も放浪生活を送る男ハリーを演じています。
しかし放浪にも疲れを感じ、直前に殺された仲間を葬り、
7年間ともに旅するアーチ(ウォーレン・オーツ)を連れ立ち妻の待つ故郷へ・・。

幻想的とも言える映像にメローなメロディがかぶさり
まるで音楽ビデオをみているような感覚に陥ります。
フォンダはこんな美しい映画を撮る人だったんだな。

なぜハリーは7年間もさすらっているのか
大した理由は説明されないのですけど、おそらくは『イージー・ライダー』と同じく、ベトナム戦争に疲弊する時代を投影したのでしょうね。

川に浮かぶ少女の死体に涙を流し、西海岸に夢を求めた若者ダンは
ベトナムで命を落とす若者の象徴でしょうか。


 
夢の先に何もないことを知る抜け殻のようなハリーは
妻子との暮らしに生きる場を求める
平穏に経過していたとしても、やがてそれも破綻していたでしょう。

ハリーが唯一心を開き、分かりあえるのはアーチのみ。
さすらうもの同士にしか分からない強い絆が2人にはあるわけですが・・

これってある意味『イージー・ライダー』meets『ブロークバック・マウンテン』
たそがれっぱなしのフォンダよりも、アーチを演じるウォーレン・オーツの包み込むような優しさが印象的です。

女性の立場からすると奥さんがとにかくお気の毒でしたね。
しかし作品としては、凄く好き。

西部劇をニューシネマで描くと言う点でも異色でしょう。

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コメント
この記事へのコメント
いただいたコメントを転載しています
カルト作で有名、渋いとこいきましたなぁ(笑)
これ、なかなか見れなくて私は未見ですわ。
とにかく70年代は邦画も洋画もさすらう主人公が多かったですよね。現実逃避で失踪願望みたいな。
でもそんな70年代の方が実は希望に満ちていた。
裏も表も丸見えで型にはまらないと生きていけない今の方が絶望的な感じ。

[ ゾンビマン ]
2015/7/29(水) 午後 11:48
返信する


> ゾンビマンさん
未見でしたか。
ヒッピー時代に象徴される70年代は日本もアメリカも、若者は自由を求め現実逃避に生きる流れだったんでしょうね。
そうか、まだ求めようと思うだけ希望もあったのかもしれませんね。

pu-ko
2015/7/30(木) 午前 0:36


私も未見です。
この時代「ふたり」でもピーター・フォンダはたそがれっぱなしでしたがw
最近「ゴーストライダー」でたまたま見かけましたw
70年代は、リアルな描写になりながら、リアルな題材からは逃避してた時代でしょうね。
「ウィンター・ソルジャー ベトナム帰還兵の告白
」(1972)は黙殺されてたし、ベトナム戦争が題材の映画が出てくるのはもう少し先ですよね。

[ miskatonic_mgs_b ]
2015/7/30(木) 午前 1:14


定期的に観ております ウォ-レンウォ-ツがすばらしい 同じ頃、イ-ストウッドの荒野のストレンジャーに出てた嫁役のヴァーナ・ブルームもすばらしい 本人は化粧なしでブスで映っていたのがかなり不満だったらしいんですが 映像もいいし、それに合わせた音楽もすばらしい 音楽は ディランのミスタ-タンバリンのモデルになったブルース・ラングホーンによる初めての映画音楽でした

[ おみゃあ ]
2015/7/30(木) 午前 7:35


この映画、私が辞書代わりに使っている「ぴあシネクラブ」(1996年版)という分厚い本で扱われていませんでした。つまり当時としてはソフトがなく鑑賞が事実上不能の映画扱いだったみたいです。
ニューシネマの雰囲気好きですし、オーツが良さそうなので、早速レンタルリストに入れました。

yymoon
2015/7/30(木) 午前 8:28


っげ!渋!(笑)
ピーター・フォンダ自ら監督かぁ。
この人この頃からずーっと何かから逃げたかったか、自分探ししたかったか、黄昏てアンニュイして「・・・っふ」ってしたかったんですね。ってこれ観てねーけど(笑)
検索してたら、風景や色がきれいな画像がたくさんアップされてる。画面に不思議な手触り感じるなー。
ウォーレン・オーツ渋!いい男!
これはバディでロードでそこはかとなくBL臭するウェスタンなんでしょか?
70'S映画好きとしてはスイッチ入るところー。

てゆーか、上のブログの記事一覧にファスの『ハンガー』がアップされてて、うっきょー!!ってなってるナウ。

[ みーすけ ]
2015/7/30(木) 午前 9:52


> miskatonic_mgs_bさん
私はフォンダさんで比較的最近観たのが『弾塊ボーイズ』あとわりとB級なものに出てますね。
オスカーを獲ったニコルソンと格が違ってきてるのはちょっとお気の毒。

>リアルな描写になりながら、リアルな題材からは逃避してた時代
なるほど~、まさしく。戦争を投影しながらも戦争という言葉などこにも出てこないんですよね。
勿論時代設定も違うけど。

「ウィンター・ソルジャー ベトナム帰還兵の告白というのは全然知りませんでした。
ほんと、70年代初めにベトナム戦争をリアルに語るのは珍しい。
キャップは出てこないのね(笑)

pu-ko
2015/7/30(木) 午後 2:06


> おみゃあさん
おみゃあさんにお薦めいただいてレンタルしました。

ほんと音楽と映像がせつな美しくて惹き込まれましたよ。
内容もシンプルで、でもそれぞれの心情を考えると深くて面白かったです。

pu-ko
2015/7/30(木) 午後 2:09


> yymoonさん
おー、参考書代わり。
そういうの私多分一日中見ていられます。
そっか、この作品は日本には遅くなってソフト化されたんですね。
『イージーライダー』が売れたのにちょっと意外な気もします。
はい、音楽、映像@オーツ好きにはたまらないかも。
ぜひご覧になって感想を聞かせてください。

pu-ko
2015/7/30(木) 午後 2:15


> みーすけさん
うんうん、何かから遠ざかる、あるいは何かに向かう映画が多い。
家族の確執とか背負っていた時代なのかな。
ミュージッククリップみたいな映像、音楽療法を楽しめる作品になってます。

>バディでロードでそこはかとなくBL臭するウェスタン
まったくもってそのとおり。ちょっと気になる内容でしょ。

お。『ハンガー』が目に止まりましたか。
今ライブドアのブログの引越し作業中です。

pu-ko
2015/7/30(木) 午後 2:21


ふと、思い出したんだけど、 ピ-タ-フォンダ 日本映画の だいじょうぶマイフレンド にも主演してましたな 監督が村上龍、音楽 加藤和彦、桑田佳祐 坂本龍一 出演にタモリや武田鉄矢なども出てましたな
チカラのなくなったス-パ-マンの話でしたが 見てないなら見ないほうがいいですよ 最低映画であります わら

[ おみゃあ ]
2015/7/30(木) 午後 6:53


ブログ化を何度も試みてその度に頓挫する作品(笑)
ニューシネマのウエスタンは、それこそひとつの
ジャンルを形成するほど数多く製作されています。
モンテ・ヘルマンとジャック・ニコルソンの協働作品や
『夕陽の群盗』といった作品がそれらの代表作ですが、
この作品と対になる作品として
ホッパー『ラストムーヴィー』は欠かせない。 削除

[ HK ]
2015/7/30(木) 午後 8:35



もう記憶にほとんどありませんが観ております~。
少年の頃、ウォーレン・オーツが好きやったのですよ。
っていうか、青年の頃ビデオで観たんやったかな?(笑)

Kaz.Log
2015/7/30(木) 午後 9:32


> おみゃあさん
えーー、凄いメンツじゃないですか。特に音楽陣!
それで最低映画とはw もったいなすぎる(笑)

pu-ko
2015/7/30(木) 午後 11:55


> HKさん
あちゃ、ニューシネマのウェスタンは普通なの?
私が知らないだけか
挙げてくれてる映画観てみたいと思います。

pu-ko
2015/7/30(木) 午後 11:58


> Kaz.Logさん
これ72年に公開もされてるようだから、もしかしたら劇場で観たのかもよ。
ウォーレン・オーツって別に男前でもないのになんかカッコいい。

pu-ko
2015/7/31(金) 午前 0:01


ニューシネマと呼ばれる映画にはなぜか縁がなくて、ビデオでも劇場でも観る機会がないのですが、記事を拝見して、こういうのも観ておいた方がいいのかなって気になってきました。こういう映画って、私が子供や学生時代にテレビでも観る機会がなかったんですよ。理屈っぽそうだから敬遠したのかもしれませんけど。

[ einhorn2233 ]
2015/8/1(土) 午後 8:42


> einhorn2233さん
ニューシネマは私たちの世代ではよほど小さいときに劇場通いをしたか、のちにソフトで観るかしかないジャンルなので、劇場派のeinhornさんが意外にご覧になってないのは判る気がします。
これなどはシンプルだと思いますが、背景を考えると理屈っぽいってものも多いのかもですね。

pu-ko
2015/8/2(日) 午前 10:19


本作は、公開リアルタイムで見ております。渋谷だったかな~?
父と姉に比べ私生活でも影が薄い感のあるピーターですが、結構 好きだったな~!と。
内容は記事を拝見してうっすら思い浮かぶ程度ですが・・・。

アンダンテ
2015/8/3(月) 午前 10:25


> アンダンテさん
おーー、貴重な劇場鑑賞者。
影が薄いというか薄幸な感じはしましたよね。
それが作風にも影響してるのかな。

pu-ko
2015/8/3(月) 午後 10:39

2015/12/21(月) 14:58:52 | URL | alice #SFo5/nok[ 編集]
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