映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ベルファスト71
2015年08月05日 (水) | 編集 |


ベルファスト71(2014)イギリス
原題:’71
監督:ヤン・ドマンジュ
出演:ジャック・オコンネル、ポール・アンダーソン、リチャード・ドーマー
日本公開:2015/8/1

あらすじ
1971年、紛争が激しさを増していた北アイルランドのベルファスト。そこではアイルランドの統一を目指すカトリック系住民と、英国との連合維持を望むプロテスタント系住民の間の緊張が頂点に達していた。英国軍の新兵ゲイリーは、治安維持を目的に、この混沌のベルファストへと送り込まれる。ところが、パトロールを開始した部隊が早々に暴動に巻き込まれ、混乱の中で武器を盗まれてしまう。慌てて後を追うも、その間に部隊は撤退してしまい、ゲイリーはたった一人で敵陣のまっただ中に取り残されてしまう。

感想
1971年、北アイルランド紛争のさなかにあるベルフェストに派遣され
危険地帯に一人残されたイギリス兵のサバイバルを描く、戦争アクションスリラーです。
もとよりイギリスの統治下にある北アイルランドなので
英国兵が対峙するのは、IRAなどカトリック系のいわゆるナショナリストたちだけかと思いきや、ゲイリーの敵は思わぬところにもいて、「誰も信じられない」状況がサバイバルをさらにスリリングにしています。
北アイルランド問題についてはある程度知っていないと相関図を描きにくいかな。


ゲイリーは施設に暮らす弟のためにも、生きて帰らなければならない
オコンネルのイノセントな演技もあって、宗教的思想もない新兵であるゲイリーの無事を祈らずにいられません。

印象的なのは子供がたくさん登場すること。
子供たちに糞尿をぶつけられ、最初は苦笑いしていた兵士たちも
直ぐに子供たちの力が想像を超えた脅威になることを思い知らされます。
親を殺された子供が簡単に暴力に加担してしまったり
自分の存在意義を示すために人を殺したりテロ組織に加わるのは
紛争のある地域のどこにでもありえることで、
世界の争いの普遍的な問題を描き出していると言えます。

一見爽やかで物分りの良さそうなキャプテンも
彼の判断の甘さが事件の引き金になったことを思うと皮肉。

説明が少なめなので、台詞や表情などに注意していないと細かいところを見落とすかな。二度観て気づいたこともありました。
色々考えてみるのもまた一興ではあるけれど、爆破事件は誰が起こしたのかなどもう少し説明があってもいいかも。

そして考えさせられたのはラストシーン。
ゲイリーの行き先に幸せはあるのか。
彼のさりげない変化に一抹の不安を感じてしまうところに
単なるサバイバル映画じゃなかったなと、痛感した次第。

コンパクトながら見ごたえのある作品でした。





ところで、アイルランド出身の役者をつい英国俳優とくくってしまいがちだけど、長い対立の歴史を思うとやってはいけないこと。
アイリッシュにはこの上ない屈辱でしょうね。

トムハとキリアン・マフィーに「おたくら2人イギリス人だよね。」と話しかけたインタビュワーに、キリアンが「いや、僕アイリッシュ」と答え、それでもよくわかってないインタビュワーにキリアンが「全然違う」と半分呆れながら答える動画が面白かったのでGIF貼っておきます。

隣で「ノーノー」と首を振るトムハが可愛い。そこか(笑)

これはそのシーンじゃないですが・・
トムハ、起きてるか~?(笑)


関連記事

コメント
この記事へのコメント

うわ、これ面白そうだな。
今は随分普通に安全な国だけど、紛争時期は本当に死と隣り合わせな国だったんだよねー。それもほんと結構最近まで。
アイルランドとイギリスの確執とゆーか、お互いの「違う国だよ」感はちゃんと意味を理解しないと日本では分かりにくいかもだねー。あ、スコットランドもね。
日本を韓国や中国といっしょくたにされるのと似たよな感じかな?
まー、あまり、かなりノーノーノーノーと言いたいね!(笑)
そー、ファスは英国系と括られるけど、あの人はジャーマン・アイリッシュだしさ。本人的にはあんまこだわりあるような事は言わないけど。
わはは!首振るトムハ!いや、そこでしょー!
てかさー顔の細さが今の半分っきゃ無いよー♪可愛いのぉーー。
[ みーすけ ]
2015/8/5(水) 午後 6:21


この先、和平なんて有り得ないやろなぁ~、っと思ってましたが、北アイルランド問題も一応解決しましたな。
それまでが激烈だっただけに、こういう題材は重さを感じます。
Kaz.Log
2015/8/5(水) 午後 8:22


北アイルランド問題は当時は相当苛烈だったようですし、今でも禍根を残しているんじゃないかな。
イギリス、スコティッシュ、アイリッシュはかなり違うのに、まとめてイギリス!にしている人は多いですよね。
先ごろ、スコットランドも独立選挙あったとこですけどw
民族問題は、結局、今でも解決してないし、する気配もないので、考えさせられそうな作品ですね。
[ miskatonic_mgs_b ]
2015/8/5(水) 午後 9:11


> みーすけさん
ほんと、これだけ熾烈なバトルを繰り返してきた彼らには「いっしょくたにせんといて~」ですよね。
サバイバル映画という体をとりながら北アイルランド問題を端的に描いていて秀作でした。
通りに出ればそこは戦場。
大した知識もなくそこに放り込まれる兵士の不条理感半端なかったわ。
ふふ、このインタビューの頃のトムハはめっちゃ可愛いの。
髪を束ねてるときとかめちゃセクシーだしね。
お顔のサイズまた半分に戻してほしいよ~(笑)
pu-ko
2015/8/5(水) 午後 10:44


> Kaz.Logさん
そうですね。一応。
しかしここまでくるのに本当に長かったですが。
この和平がずっと続くのを祈るばかりです。
同じように紛争を抱えた国も多く、民族間の問題は根深くますます複雑になりますね。
映画は凄く面白かったです。
pu-ko
2015/8/5(水) 午後 10:52


> miskatonic_mgs_bさん
そうですね。一応終結はしたようだけど、負の歴史を考えるとまだどこかで燻ってるんじゃないかって思ってしまいますね。
この映画の71年の翌年に『血の日曜日事件』が起きていて、とにかく一番熾烈な時代ですね。
まとめてイギリス人にしちゃいけないよなぁとあらためて考えさせられます。
pu-ko
2015/8/5(水) 午後 10:53


もう公開中?(汗)・・・。
チェックしてみます。
動画のトムハのノンノン、そこか(爆)・・・。
[ ゾンビマン ]
2015/8/5(水) 午後 11:15


> ゾンビマンさん
私もまだ公開は先かと思ってたのでビックリ。
近くでやってるといいな。
ノンノン 勿論そこですw
pu-ko
2015/8/5(水) 午後 11:24


日本はそろそろ『言葉遊び』をやめたほうがいいと…。そんなことを思わせる映画でした…。

NZ_RR
2015/8/6(木) 午後 1:01


> NZ_RRさん
えっと・・
それは戦後70年にあたって ということでしょうか。
pu-ko
2015/8/6(木) 午後 10:24


ほんと、トムハさん可愛い(〃艸〃)
って そこか❗️(笑)

2015/8/7(金) 午前 9:50


> 翔さん
お顔の細いトムハ可愛いでしょ。
そこでいいのだ(笑)
pu-ko
2015/8/7(金) 午後 10:30





2015/12/22(火) 19:41:31 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
人は何故憎しみ合うのだろうか?イデオロギーの名の下に。そのイデオロギーでさえ、本当に理解して事を成す人間がどれほど居るというのだろうか?象徴的なシーンがある。瀕死の重傷を負いながらもベルファストの街を逃げのびようとする主人公のゲイリー(ジャック・オコンネル)が、とあるプロテスタント側の家に匿われるのだが、介抱してくれるその家の娘と会話するシーン。娘がゲイリーのイギリスの出身地を尋ねる。「ダー...
2016/01/17(日) 12:37:06 | ここなつ映画レビュー
監督 ヤン・ドマンジュ 主演 ジャック・オコンネル 2014年 イギリス映画 99分 サスペンス 採点★★★ “道に迷う”ってことが案外嫌いじゃない私。知らない土地で道に迷うダイナミックさも好きですが、馴染みの土地で一本道を外れて迷ってしまうミステリアスさも好…
2016/03/04(金) 21:37:43 | Subterranean サブタレイニアン