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【映画】ハッピーエンドの選び方
2015年11月25日 (水) | 編集 |


ハッピーエンドの選び方(2014)イスラエル
原題:Mita Tova/The farewell party(英題)
監督/脚本:シャロン・マイモン/タル・グラニット
出演: ゼーヴ・リヴァシュ/レヴァーナ・フィンケルシュタイン/ アリサ・ローゼン/ イラン・ダール /ラファエル・タボール
日本公開:2015/11/28
【あらすじ】
エルサレムの老人ホームに妻と暮らす発明好きのヨヘスケルは、死の床にあって苦しむ友人マックスから楽に死ねる装置を作って欲しいと頼まれ・・

めずらしくイスラエル映画を観てみました。
老人ホームを舞台に、尊厳ある死を巡る騒動を描くヒューマンコメディ。
ベネチア映画祭で観客賞を受賞した作品です。



誰もが迎える死。
しかし、医療や科学が進んでも、まだわたしたちは思うようには自分の死に様を選ぶことは出来ません。この映画のマックスおじいちゃんもオムツを替えてもらうことにも大変な苦痛が伴う状態で、余命わずかならこれ以上苦しまずに逝かせてあげたいと、長年連れ添った妻がそう望む気持はよく判ります。

最初は依頼を断るヨヘスケルですが、夫婦の苦しみを理解し、ついにマックス自身にボタンを押させ、静かな死を迎えさせます。
これが水面下で話題となり、ヨヘスケルの元に安楽死の依頼が寄せられるようになってしまうんですが・・

自分で死を選んだとしても、機械や毒薬を提供する者にまるで罪がないはずはないでしょうから、そのあたりはどう描くのかなと気になりながら観たんですが、そこはあえてスルー。

勿論ヨヘスケルとその仲間は罪の意識は持ち合わせていて、だからこそ法をかいくぐる工夫もされているのだけど、法律レベルで掘り下げようとする人には、物足りないかもしれませんね。

この映画はあくまで自分で死を選択すること、愛する家族の死を尊重することに重きを置いたもの。

途中から、ヨヘスケルの妻の認知症の進行にストーリーの軸がシフトし、映画の本質が体の苦痛だけでなく、人としての尊厳にあるのだと気づくことになります。

認知症と癌患者とをいっしょくたに考えられないなぁと思いつつも、ヨヘスケルの妻がシャーリーズ・セロン似の綺麗な人で、物を忘れ自分を失っていく彼女の悲しみはよく伝わり、人間らしく生きる(死ぬ)という点では同じなのかなとも思えてくる。

ところどころユーモアを交えてはいるけど、いかんせん内容が重いのであまり笑えない。それでも歳をとった仲間たちが助け合いながら、人間らしくあろうとする姿は粋で究極の夫婦愛にも泣けた。こういうのは理屈じゃないですね。

個人的にミュージカル風になるところだけはいただけなかった。
死んだ人まで歌わせなくても・・(笑)
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コメント
この記事へのコメント
ありゃ~、、凄い邦題ですね?てっきりペンギンが踊る映画かと思いましたよ(*´∀`*)。今年見た”アムール”も結構こたえましたからね、、この映画も気を引き締めて見ないと、引きずりそうかな??

2015/11/25(水) 午前 7:47guch63


認知症、、なんて素敵なんでしょう 自分が自分でいられなくなり死を迎える 死の恐怖と戦わなくて済む
やはり老齢を迎えると死を素直に迎えれるんでしょうか
イスラエル映画というと むかし映画観で見た グロ-イングアップ思い出します オ-ルデイ音楽映画

2015/11/25(水) 午前 8:13[ おみゃあ ]



日本でも介護がらみで痛ましい事件があったばかり。
タイミングが合えばぜひとも見たい映画ですね。
紹介ありがとうございます!

2015/11/25(水) 午前 9:37[ ゾンビマン ]


> guch63さん
『愛、アムール』は鑑賞時席を立てないくらいズッシリきました。(オスカーマラソンで何本か続けて見たので席は立たなくてよかったんですがw)

それに比べればこれは本人が納得の死を迎えるのもあって、引きずる感じにはならないかな。
でも自分の老後はどうなるのかなと怖くなる今日この頃でもあり、色々考えちゃいますね。

2015/11/25(水) 午後 2:50pu-ko


> おみゃあさん
何もかも忘れたら何も感じないんだろうか。
でもふっと正気に戻る瞬間、とてつもない恐怖を覚えそうじゃないですか?
特に初期の頃の不安はたまらないだろうな。
歳をとって体が動かなくなったら、私はお迎えを待ちたいですね。
イスラエル映画でオールディーズ映画ってなんか意外な感じ。
というか私はイスラエルという国のこと何も知らないなぁと。

2015/11/25(水) 午後 2:58pu-ko


> ゾンビマンさん
子供のいない我が家なんかも先のことを考えると怖くなりますが、核家族化が進む昨今、老老介護には限界を感じることが多いでしょうね。
この映画では結構元気なおじいちゃんたちが老人ホームで暮らしていて、それもいいかなとか思っちゃった。
色々考えさせられる作品でした。お時間があえば。

2015/11/25(水) 午後 3:05pu-ko


時々、日本で紹介されるイスラエル映画は秀作が多いですよね。そういうのを選んで公開してるんだろうけど。
このテーマは今後も多くなりそうですな。

2015/11/25(水) 午後 7:07Kaz.Log


これから団塊世代を中心に年齢別人口配分のバランスが悪くなっていくことを考えるとこの映画の提起している問題も思いやられますね。でも、老後も元気に楽しく生きていけるような社会を色々想像していれば、将来それは必ず実現されていくはずですよね。人類がそれを実現出来る力を持っていることは実証されてきましたから。明るく考えるべきでしょうね。だから戦争と増税は絶対いけませんね。

2015/11/25(水) 午後 7:08yymoon


予告編を何度も観ているのですが、今一つ観に行きたいという意欲がわかなかったのですが、記事を拝見しても、やはり、内容がヘビーで洒落にならなそうな感じですね。気分的にいつもよりハイな状態な時にスクリーンに臨んだ方がよさそうです。

2015/11/25(水) 午後 9:00[ einhorn2233 ]


> Kaz.Logさん
映画祭でもイスラエル映画が賞をとる事多いし、秀作が沢山作られてるんでしょうね。
そう、高齢化社会に突入して、どう死ぬかという問題のは深刻になりそうですね。

2015/11/25(水) 午後 11:12pu-ko


> yymoonさん
もうすでに深刻な問題でしょうね。
イスラエルという国自体がそうなのか、この映画に出てくる老人たちは裕福なようで、老人ホームも元気なうちから、マンションのように利用してるのが印象的でした。
自由で食事や医療など必要なものだけサービスを受けるという仕組みは羨ましいなと思いました。
日本でこういうシステムを利用できるのはまだごくわずかだろうな。
高齢者が明るく楽しく生きていける社会を最優先で模索する国であって欲しいですね。

2015/11/25(水) 午後 11:25pu-ko


> einhorn2233さん
予告観てもそんな感じでしたか(笑)
これは私もユーモアの質が合わないと言うか、ツボにはまる笑いはなかったので面白かったかと聞かれると微妙なんです(笑)
でも夫婦愛の部分は理解できるし、誰もが直面する問題を扱ってると言う点はいいのですが、他の解決策を提示せず、これが究極ととれる描き方は一方的過ぎるかなぁとも思いました。

2015/11/25(水) 午後 11:36pu-ko


コメディ?って思いましたが、やはり題材的にそこまでは笑えなさそうですね(^_^;。
笑いの感じって国民性で違いますよね。
イスラエル映画って云うのは興味が出るところですね。
ジューディッシュて裕福なイメージあります。
ユダヤ教の死生観もまたキリスト教とは違うでしょうから、そう云う面が見えると興味深いですが。

2015/12/3(木) 午前 3:01[ miskatonic_mgs_b ]


> miskatonic_mgs_bさん
そうなんですよ。プっと吹き出すこともあったんですが、笑ってる場合かって感じでw
ユダヤ人は基本勤勉で失敗から学ぶことも大きいのでしょうね。
ユダヤ教の死生観・・
頭になかったけど、自殺は絶対に罪とするキリスト教と違って、ユダヤ教徒ならではの死生観があるのかも。
そういうの知ってから観てみると深みが出るのかもしれませんね。

2015/12/3(木) 午前 5:43pu-ko


これ観ようって看護士の友人に誘われてる。
どうしようかなぁ…死人が歌うんだ(笑)

2015/12/4(金) 午前 9:19翔


> 翔さん
あー、看護師さんは必見かもね。
尊厳死とか、老人問題とかシビアな問題も考えさせられます。
そそ、死人が歌うのはどうかと思ったけどww

2015/12/4(金) 午前 10:58pu-ko


我が家など、とても他人ごととは思えなくなってます。「アリスのままで」でも感じましたが、以前は面倒見る側の立場だったのが、見られる側になってる!身体・精神のどちらかが病になると、もう一方も元気ではいられなくなる・・・。
誰にでも訪れることですから、しっかり観に行きたいです。でも、東京では単館なんです

2015/12/7(月) 午前 11:22アンダンテ


> アンダンテさん
行動派のアンダンテさんは心身ともにお若いと思います。
我が家こそヤバイ(笑)
彼らの選択に共感できない部分はありますが、どう生きるべきかを考えさせられる作品ではありました。
誰もが迎える老後。観て損はないかもです。

2015/12/8(火) 午前 1:51pu-ko
2015/12/25(金) 18:50:52 | URL | pu-ko #SFo5/nok[ 編集]
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