映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】 チョコレートドーナツ
2014年04月11日 (金) | 編集 |



色々と特集したいものはあるんだけど、しばし日本公開作品などを。
今日は19日から公開の『チョコレートドーナツ』を観ました。
チョコレートドーナツ(2012)アメリカ
原題:Any Day Now
監督:トラヴィス・ファイン
出演:アラン・カミング/ギャレット・ディラハント/アイザック・レイヴァ/フラシス・フィッシャー
日本公開:2014/4/19
歌手になることを夢見ながら、ショーダンサーとして日銭を稼ぐゲイのルディ(アラン・カミング)は、ある日客としてやってきたポール(ギャレット・ディラハント)と恋に落ちる。
ルディはアパートの隣に母と暮らすダウン症のマルコ(アイザック・レイヴァ)のことを気にかけていたが
その矢先、薬チューの母親が逮捕され、マルコは一人残されてしまう。
マルコを預かり面倒を見るうちに、ささやかな家族の幸せを感じ始めるルディだったが・・。



 70年代のブルックリンで起きた実話を元に、育児放棄されたダウン症の子どもと家族を築こうとしたゲイカップルの愛情と、偏見との闘いを描くヒューマンドラマです。
 
 監督は俳優のトラヴィス・ファイン
トラヴィスは映画のモデルとなった男性と同じアパートに住む原作者が書いたシナリオに感銘を受け、映画化を切望したのだとか。共同で脚本も書いてます。

 感動作品だと思って観たんですけど、まずやるせなさに打ちのめされました。
邦題のチョコレートドーナツとは、マルコの大好きのドーナツからですが、マルコはジャンキーな母にマトモな食事を与えられずドーナツが主食なんですね。
そんなマルコを正式に引き取りたいと考えるルディとポールのゲイカップルに、世間の目・・というか
法の目が厳しいんですよ。彼らにマルコの両親となる資質を問う以前に、ゲイであるがためにまともな人間扱いしてもらえない。見ていて怒りが込み上げるんですが、私たちの知らないところで、彼らはずっとその偏見に耐えているのだと思い知らされます。

 正直、ルディがマルコを最初に見かけてから、マルコを引き取るまでがあまりに期間が短く
よく知りもしないのに、ダウン症児を引き取ろうとするルディの気持ちを最初は理解できなかったのだけど
偏見を受けてきたルディだからこそ、自分のせいでもなんでもないことのために不幸になろうとしているマルコを見ていられなかったのだとわかってくるんですね。
ルディとポールがいかにマルコに当たり前の幸せを与えたかったか、3人で普通の「家族」になりたかったかが痛いほどに伝わって、悔しいのかなんだか自分でも判らないけど泣けて仕方なかった。
新人ながら、人々の心に潜む偏見と、同性愛者や障害者の苦悩を社会派ヒューマンドラマとして描き、かつ「愛とは」を問いかける作品に仕上げた監督はたいしたもの。

 アラン・カミングは舞台でトニー賞を受けるほどの実力者だそうで、
劇中、思いのたけを歌に託した彼のステージでのパフォーマンスにも心を動かされます。
ポールを演じたギャレット・ディラハントの、包容力と正義感にも感動。
マルコ役のアイザック・レイヴァ君は多分本当にダウン症だろうと思うんですが、彼がまた上手い。

デコボコだけど、家族としてささやかな幸せを求めた3人の純粋さが心に染みると同時に
たくさんのメッセージを受け止めました。

      
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コメント
この記事へのコメント
アラン・カミングは映画では変な役多い印象ですが、
いかにもイギリス(スコットランドの人だけど)的な演技形態の人ですね。
実力ないと出来ない系の役が多いです。舞台でも。
と、この映画は知りませんでした。チェック!PU-KOさんに感謝♪
70年代だと、いかに都会でも、なかなか厳しそうな感じですね。
キリスト教社会にとって、ゲイはある意味永遠のテーマでしょうから、
少し前の時代設定だとワンクッションあるのがいいのかもですね。
アラン・カミングのパフォーマンス見たいです♪
2014/04/10(木) 12:39:44 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
むかし  八日目 という映画あったんを思い出しました
2014/04/10(木) 17:42:58 | URL | おみゃあ #79D/WHSg[ 編集]
これ、情報ゲットしてから早々とフィルマークスに「観たい!」してるんだけど。
やるせなさ炸裂胸痛み映画みたいですね~。
どうしよう・・・アラン・カミングが好きなの。あの変わった顔と演技が好物。
勝手に「八日目」みたいなのを想像してたんですが(あれも号泣してしまう)もっと
シビアな現実とか見えそうな映画ですね。
でもね、観たい。観る~!
2014/04/10(木) 21:18:36 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
70年代だと、まだ偏見やなんだかんだと厳しいものがあったでしょうね。
自分がシッカリしてないと他人の子供なんか育てられるものじゃないですよね、しかもダウン症というハンディを背負った子供だと。
かなりヒューマンな一作やなぁ。
2014/04/11(金) 03:49:09 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
アランさん私はあまり記憶にないんですが。。
本作のゲイっぷりもはまってて、うまい役者さんなんだろうなっていうのはすごい思いました。
前半はオネェダンスw終盤は歌で魅せてくれますよ。
この頃、ゲイがいかに世間に認められてなかったかがわかる映画でした。
機会があれば。
2014/04/11(金) 08:39:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
おみゃあさん>
『八日目』って知りませんでした。
8日目に何が起きるのかな。気になります。
2014/04/11(金) 08:41:20 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
私はみーすけさんのフィルマークのチェックでこれを知ったんですよ。
ともに暮らす感動を売りしてる印象だったけど、私にはやるせなさのほうが勝っちゃったなぁ。
やるせなくて泣けましたよ。でもいい映画に違いないです。
アラン・カミングはほとんど知らない人だったけど、ゲイの演技もはまってましたw
『八日目』観たいけどレンタルされてなかったぁ。
2014/04/11(金) 09:01:43 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
まだまだゲイとして生きるには厳しい時代だったでしょうね。
愛情があっても親になることなど許されない。ましてや障害のある子供だとなおさら。
でも本当に子供が求めているのものは何なのか とか考えさせられました。
2014/04/11(金) 09:05:51 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
なるほど〜
ただ単純にいい人たちだわ〜じゃない感じなのかな
やるせなさがわかる気がします。
これも観てみたいな
2014/04/11(金) 18:17:19 | URL | 翔 #79D/WHSg[ 編集]
翔さん>
そう、いい人たちのいい映画ってだけで終わらない
現実の厳しさなんかも感じる映画でしたよ。
子供さんをお持ちのお母さんは余計に感じるところがあるはず。
機会があればぜひ。
2014/04/12(土) 06:55:03 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ちょっと遡ってコメさせて!
今日TVで「GWに是非オススメの映画BEST5」
やっててね、これは2位だったの。
泣けて泣けて、しかも全てが素晴らしい!と大絶賛!!
因みに1位は「アメイジング~~2」です。3Dで飛び出ます!!
アラン・カミングは一筋縄ではいかぬ俳優って感アリだけど、
ゲイ役はハマり役でしょ。てか、ハマり過ぎ。
ダウン症の彼の演技がまたまた素晴らしいんだってね。
号泣モノは映画館じゃ恥ずかしくて観れないや・・・
私、予告観て涙しました。変なオンナ!!
DVD化を待って早めに(笑)観ます(^^)v
2014/04/17(木) 01:10:48 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
おーー、オススメの2位とはすごい。
そう、記事には書かなかったけど私も泣いた泣いた。
ただ私の場合、感動したというより、悲しいほうが勝っててね。
むなしくて切なかったんだよねぇ。
考えさせられることあって、いい映画。なのでもちろんオススメですが。
アラン・カミングはゲイかと思った。
本物でないならさすがの演技力だねぇ。
ダウン症の彼も淡々としてるけど、時々見せる笑顔がキュートでね。
彼のダンスには幸せになったわ♪
私も号泣映画は一人ひっそり観たいタイプよ。ってか人前に顔さらされない(笑) 
DVDをお楽しみに♪
2014/04/17(木) 08:20:39 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
同性愛にダウン症と全部盛りみたいな感じがちょっと引いちゃう感じもするのですが、そこからどういう普遍的な情感を引き出すのかというところに興味あります。自分が不幸なとき、他人の不幸を見過ごせなくなるのか、他人の不幸に同情して気を紛らわせるのか、不幸な他人を見下して溜飲を下げるのか、どれも自然な人間の感情だと思えるので、この映画の主人公のような行動に説得力を与えるのはなかなか難しそうな気がして。
2014/04/19(土) 04:48:25 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
日本では宣伝が一人歩きしてる気がして心配になるんですが
本作の場合、たまたま隣の子供がダウン症で、親からも放置されていることにゲイの主人公が自分と同じ弱者としてのシンパシーを重ねてしまったところが始まり。
善行というよりも、おそらくゲイであるため、自分では作りえない家族への憧れもあったのでしょう。
気軽に家族になるつもりが叶わず、その無情をそれでいいのかと考えさせる作品になってますね。
次第に家族とは、子供の幸せとはと考えさせられました。
決して奇麗事になっていないところが自然でいいと思います。
2014/04/20(日) 10:49:03 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
そうそう、最初はどうしてそこまでと思うところもあったけど、「偏見を受けてきたルディだからこそ」というのが伝わってきましたね。
私も感動というよりは、やるせない切ない気持ちでいっぱいになってしまいました。
現代だったら違う結末になっていただろうに、と思うと尚更ですね。
キャストも演技も素晴らしかった。
遅くなってごめんなさい~。こちらからもトラバさせていただきまっす(^ー^)
2014/05/31(土) 06:45:07 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
ね~。世界の片隅で生きる者たちが手をつなぎ合って生きようとする姿にジンとするし、だからこそ切ない作品でした。
本当に。今ならこうはならなかっただろうなぁ。
彼らが変えてきた部分もあるのかもしれません。TBありがとうございました。
2014/05/31(土) 22:32:50 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
3人が暮らした時間をもっと丁寧に描いてくれたらラストに持った気持ちも違ったかもしれません。
ゲイのカップルにダウン症児という組み合わせは、感動を呼ぶ設定に間違いありません。だからそこまでフィクションを作る必要があったのかと疑問に思うのです。
もちろんアランの歌も素晴らしかったですが。
2014/12/11(木) 00:52:27 | URL | ミス・マープル #79D/WHSg[ 編集]
ミス・マープルさん>
私も三人が愛情を深めていく様子をもっと描いて欲しかったと思いました。
そこが端折られてるから感情移入しにくいんですよね。
これどこまでが実話なんでしたっけ?監督のインタビュー読んだのに忘れてしまいました。
2014/12/11(木) 20:22:07 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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