映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
Starting Out in the Evening(原題)
2014年03月26日 (水) | 編集 |




ビート文学、ヤングアダルト小説の映画化と小説がらみの記事が続いたので、
この機に「小説家が出てくる映画」を観ていこうと思います。
まずは日本未公開の地味な作品ながら、とてもよかった『Starting Out in the Evening』。
フランク・ランジェラが老齢の小説家を演じています。

Starting Out in the Evening(2007)アメリカ
原題:Starting Out in the Evening
監督:アンドリュー・ワーグナー
出演:フランク・ランジェラ/ローレン・アンブローズ/リリ・テイラー/エイドリアン・レスター
日本公開:未公開
 
かつて小説家として4本の小説を出版し、その後大学教授をしていた70歳のレオナード(ランジェラ)の元に
へザー・ウルフ(ローレン・アンブローズ)という若い女性から取材の依頼が入る。
若きライター へザーは学士論文の題材に「知られざる名作家」としてレオナードについて書くことを希望しており、レオナードにインタビューでの協力を依頼してきたのだ。
一年前に心臓の手術を受け健康に不安のあるレオナードはこれを拒否するも、へザーの情熱と魅力に押されれ取材に応じる形となる。一方レオナードは40歳になる娘のアリエールがいまだ一人身であることを気にかけていた。



 ブライアン・モートンの小説を元に、共同脚本もつとめるアンドリュー・ワーグナーがメガホンをとりました。
小説家を描く作品をいくつか観ましたが、生みの苦しみを描くものが多いですね。
 
 本作でランジェラ演じる作家も、2本の傑作を世に出した後2本を執筆するものの、もはやどの作品も廃盤になり世間に忘れ去られています。今は10年以上も取り組んでいる作品を死ぬ前に書き上げたいと思っているが、それが出版されるあてもないという状況。
古めかしい家具に囲まれ、古いネクタイを締め、タイプライターに向かうレオナード。
おそらくは彼が書くことへの情熱を失った瞬間から、彼の周りは時を刻むことを忘れたのだろうと思わせる演出が見事。若いへザーの存在は、そんなレオナードの人生に変化をもたらします。
へザーはファン心理からレオナードが最後の作品を完成させることを望んでいる。
同時に彼女はライターとしてのエゴも持ち合わせていて、そのあたり『カポーティ』や『ミザリー』に通じるものがありました。



ランジェラと若きライターの物語と同じくらいの重みを持って描かれるのが、娘(リリ・テイラー)と元カレ(エイドリアン・レスター)との関係です。子供を持ちたいリリと持ちたくない元カレ。
正直に人生に向かい合うこの2人がとっても魅力的で、映画に優しさと温もりを与えています。

悪役が多かったフランク・ランジェラも、最近は老いぼれた役でも上手さを発揮し新境地ですね。
タイトルは、人生の終盤、あるいは絶望的な状況から一歩を踏み出し始めるレオナードや娘たちを言い表しているんでしょうね。
人生の光と影、失望と再生などを丁寧に描いた秀作でした。
日本でソフトにもなってないのは勿体ない。



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コメント
この記事へのコメント
今回は作家、文学シリーズかぁ。
で、フランク・ランジェラ! pu-koさんチョイスの仕方が美味しすぎ^^
同じく悪魔の書に固執した「ナインス・ゲート」ぐらいからしか認識ないけど、あの独特の低い声としゃべり方がダンディーで印象的です。ベレー帽が可愛い♪
この人大昔にドラキュラやってたんですね~。
忘れ去られた老作家って合いそう.観てみたい!って未ソフトか・・・、がっくし。
忘れ去られた老作家といえば・・・。
わたしの永遠のアイコン♡サー・ショーンの”あれ”とかは?Findingされちゃうあれ!
自分でアップしろよ ってか(笑)
2014/03/25(火) 21:31:43 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
よさそうな作品ですね。DVDスルーでぜひ、と思います。
たぶん、俳優とかの知名度の問題で公開されていないんでしょうね。
映画もクリエイトだから、作家の苦悩に共感する監督や脚本家も多いんでしょうね。
老境に入ってしみじみとしたいい演技をする俳優さんってほんといいですね。
たまにはこう云う作品をしみじみ見たいです。
2014/03/26(水) 00:57:30 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
これは知らなかった。
「小説家を見つけたら」
「恋愛小説家」
あたりは誰でも観てるだろうけどさ。(あ、決めつけは良くないね)
2枚目の画像、どう見ても「援交」カップルにしか見えない私の心は
ひねくれてる?うん、そーだね。
久々に「ミザリー」ってタイトル見て、恐怖が蘇ったワタクシでありました!
キャシー・ベイツおばさん、おっかなかったーーーーーーー!!!!!
2014/03/26(水) 03:35:57 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
かつては色気ムンムンでドラキュラを演じていたフランク・ランジェラさん。
老いてからの方が売れっ子ですよね。
好きなアクターです。
2014/03/26(水) 03:45:00 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
あらま、日本ではソフト化してないんですか。
レビュー読ませてもらって観たくなっちゃったのになぁ。
キャストも何気に渋いですね。味のある演技が堪能できそうです~
2014/03/26(水) 07:14:36 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
へへ、時々敗者復活掘り出し作業しちゃいます。
ランジェラさんも堀りがい・・(いや、そういう意味じゃなくてw)掘り出しがいのある役者ですよね(笑)
確かにお声が印象的。時にセクシーで時に地獄から響くようでもあり。
最近はロボットと泥棒するじいさんしかり、老いをうまく演じています。
私まだランジェラさんの『ドラキュラ』観てないんですよね。いっとかなきゃだわ。
おっと、ショーンさまを探すあれはすでに記事アップ済みなので今回はまとめに登場する形かな。
みーすけさんの感想聞かせて~。
2014/03/26(水) 09:05:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
監督さんも無名だし、ランジェラさん主役では日本での公開は難しいのでしょうね。
いまだallcinemaなどのリストにもないので多分DVDになってないと思うのだけど、いい作品なのでぜひソフト化して欲しいです。個人的には元カレ役の黒人俳優さん(主にドラマで活躍中みたい)がいい味出してて、彼を知れたのは収穫でした。
そうですね。監督さんは脚本も手がけているので、作家の苦悩やモラルというのは身近な問題かも。
2014/03/26(水) 09:23:24 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
>『ミザリー』に通じる
キャシーベイツ強烈でしたね!
サイコキャラは翌年のハンニバル博士においしいところ全部持って行かれてちょっと不憫でした。
リアル小説家のSキングは実体験から着想したらしいですが...
本作のヒロインもミザリーっぽいんでしょうか((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
「早く新作書きなさいよおぉぉぉ」とか。
余談ですけど『タイタニック』ではキャシー・ベイツは
テキサスの肝っ玉かあさん的な役柄で、
それを伏線に絶対にどっかのシーンで暴れてくれると思っていたのに
ほんとになんにもなくて観ていてへなへな〜となりました。
2014/03/26(水) 09:35:44 | URL | yossy #79D/WHSg[ 編集]
あ、リリ・テイラーって懐かしい。「ミスティック・ピザ」のヒロインだ。美形じゃないから、脇役専門になっちゃったけど、新作でいい役やってるとちょっとうれしく思います。映画としても、なかなかいい感じみたいですね。こういう映画が公開される場所としてミニシアターがあると思っているのですが、シネコンとミニシアターの境がなくなってきたら、今度はこういう小品を上映する隙間がなくなってきているようなのが残念です。
2014/03/27(木) 05:07:09 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
フランク・ランジェラはただの「ドラキュラ役者」で終わらなかったのが嬉しいです。
ここ最近では演技で見せてますよねぇ。
本作もなかなかシブいテーマだと思います。
たぶんDVDでは出してくれるでしょう・・・ね?(笑)
2014/03/27(木) 05:11:33 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
これ日本では未公開だから知らないのも無理ないの。
そのふたつの小説家映画は大好物でっす。
わはは、この画像の2人は援交に近いものがあるwそれ正解。
『ミザリー』はオールタイムベスト級の恐怖映画だよねぇ。
可愛さ余って・・
2014/03/27(木) 09:15:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
あー、みなさんランジェラドラキュラご覧なんですね。
色気ムンムンだったの?やっぱり観なきゃw
そう、ランジェラさんは昔は悪役のイメージもあったけど、最近は老いの哀愁も漂わせて演技にさらなる深みを感じますもんね。
2014/03/27(木) 09:20:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
そうソフトになってないみたいなんですよ~。
誰もが同じように解釈する映画ではないかもだけど、だからこそ面白いと思える映画です。
観てほしいなぁ。もしもwowowに登場したらチェックしてみてね。
キャストそれぞれ適役で素晴らしかったです。
2014/03/27(木) 09:40:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
yossyさん>
怖かったですねぇ『ミザリー』のキャシーおばさんw
その後可愛らしいところも見せてくれたので安心しましたけど。
あーそうか、『ハンニバル』と同じ時期にサイト対決しちゃったんだ。
勿体なかったですね。でもキャラ的は負けてませんよねw
キングの実体験からの映画だったんだ。怖いね。
本作は足を叩き折ったりはしないのだけど、「自分の存在が作家の意欲をかきたてることになれば・・」との思いを助長させていくのが痛かったです。
わはは、『タイタニック』では肝心なところで意外にすんなり引き下がってたよねぇ。
成金おばさんは真の威厳に欠けました。
2014/03/27(木) 10:48:48 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
リリ・テイラー懐かしいでしょ。
これ2007年の作品で新作ではないんですが、この作品のリリはとても魅力的で好きでした。
新しい映画にもコンスタントに出てますね。
最近では『死霊館』で壮絶な悪魔憑きの演技を見せてくれました。
こういう小作品を公開してくれる上質なミニシアターがどんどんなくなってる現実がありますねぇ。
アメリカも同様で、これもサンダンスやトロントの映画祭で上映された後、小規模な公開はあったようですが、この手の作品は近くではまったく拝めません。
2014/03/27(木) 11:14:10 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
お帰りなさい!
私は『ドラキュラ』のランジェラさん未見でいまだにイメージできないんですがw
歳を重ねてますます深みのある演技を見せてくれますね。
そう、作家のサガやモラルなんかにも迫っていて、たんなる老いの境地を描くだけでないところがとても渋い作品なんですが、うーん、2007年の製作でいまだになんの情報もないからDVDリリースもあやしいかも。出してほしいけどなぁ。
2014/03/27(木) 11:19:33 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
なるほど〜小説が出てくるシリーズなんですね!面白そうだな
なんか好みな気がします。
チェックしよ〜
2014/03/27(木) 19:57:03 | URL | 翔 #79D/WHSg[ 編集]
翔さん>
はい、小説家や脚本家が出てくるシリーズにしようかなと。
本作はまだDVDになってないと思うのだけど、いつかリリースされたらぜひ。
2014/03/28(金) 08:32:46 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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