映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
ヴィスコンティ『白夜』
2014年03月06日 (木) | 編集 |



アラスカと言えば白夜ということで
今日はルキノ・ヴィスコンティの『白夜』を観ました。
あれ、でもどこが白夜だったの?(汗)
白夜(1957)イタリア
原題:Le nottei bianche
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ/マリア・シェル/ ジャン・マレー/クララ・カラマーイ/ ダーク・サンダース


 
港町で青年マリオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は橋上でたそがれる一人の娘ナタリア(マリア・シェル)を見初める。一年前に再会を約束した恋人を、毎日同じ場所で待っているというナタリア。
彼女に惹かれていくマリオだったが・・・




 マストロヤンニがいいわぁ。
冒頭、道で出会った野良犬の後を追ってまでw「お腹すいてるのか?」と訊くマリオ。
この登場シーンから、ちょっとお節介だけど心優しく、でも寂しい男であることが伺える。
案の定彼はナタリアに恋しながらも、彼女の応援をしようとする。
でもできなくて、そんな自分が情けなくて葛藤するんですよねぇ。
そんな経験、誰にもあるんじゃないかしら。

 恥ずかしながらヴィスコンティは『ヴェニスに死す』しか観てなくて、退廃的で美しい世界観に心酔しながらも私には少し敷居が高いかしらと思っていたのだけど、本作ではそんなことを微塵も感じさせない親しみやすさがあるのね。

 マリオと出会い、翌日再会の約束をしてしまったナタリアが
思わせぶりになってしまった自分を反省し、マリオに会わないことを決める。
彼を避けるために鶏小屋に隠れておばさんに叱らるシーンに爆笑してしまった。
「卵を産まなくなるから出ておくれ」
「人と待ち合わせしてるの」
「鶏小屋でかい?」ってね(笑)
ヴィスコンティ映画でこんな会話を聞くことになるとは。



 爆笑といえば、ダンスシーンも最高でね。
ダンスホールでミュージカルのような見事なダンスを披露する ダーク・サンダースも最高だけど
場の雰囲気に乗って踊りだすマストロヤンニのへっぽこダンスがまた最高w
ジャンプしながらのあれは、コント55号の欽ちゃんでしょ、←古っ!ww
ツボに嵌りまくりで笑ったわ~。



 なんてこと書くと未見の方にコメディと思われてしまいそうだけど
橋の袂に浮浪者風の人たちがいたり、街角に立つ娼婦の切なさが描かれていたり、
ナタリアの待ち人に複雑な事情がありそうだったり
さりげなく、時代の匂いを漂わせてるんですよね。
芸術的な面持ちも勿論あって、光と影のコントランスの効いたモノクロの映像や
曇りをぬぐった窓から見える光景やドアの演出、雪や雨といった自然までも美しく
全てが絵になり、大人の寓話の世界観を構築していますねぇ。

 最後に思いがけない結果が待ち受けているのだけど
冒頭ではつれない素振りを見せた野良犬が、ラストシーンではマリオに寄り添うようについてくる
切ないながらほのぼので、ジンワリと暖かい気持ちになりました。
こんなの観ると「映画が好きでたまらない!」と叫びたくなるね。


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コメント
この記事へのコメント
コレ未見なんでですが、記事を読むとコメディーにしか思えん(爆)・・・。
でもね、野良犬のくだりだけでも良い映画の匂いがプンプンする。
スクリーンで見る機会があれば是非観たいですね。
そうそう、昨年55本のホームラン記録も破られたし、コント55号は完全に死語かも(汗)
2014/03/06(木) 10:48:39 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
むかし見たような  わすれてる 内容
君の名は とダブって  橋の上での逢瀬か
ジャン・マレーのこゆい顔 ども苦手、ジャン極道とホモだち
2014/03/06(木) 18:10:10 | URL | おみゃあ #79D/WHSg[ 編集]
じ、つ、わ、 わたしもヴィスコンティは「ベニスに死す」しか観たことがなくて。
それも10代後半で。
あの退廃的な、男の少年への愛みたいな事が17歳の映画初心者には全くわからず・・・^^;
つい何か月前かにもCSでやってたので観てみたのですが。
ん~ 昔より雰囲気は伝わるし、映画の鑑賞眼も養ったつもりですが、ムードと雰囲気、撮影の美しさはわかるけど映画に没頭できるかというと・・・(汗)
これ、マストロヤンニは好きなので興味あります。
じんわり、ほっこり感動系は好物なので、観てみますね。
ワンコの下りで「アルフィー」(マイケル・ケインの方)を思い出しちゃった。
2014/03/06(木) 21:40:16 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
pu-koさま、『フロム・ダスク⋯』から文芸作品までまでご覧になって守備範囲広いですね!
すごいです。
本作観ておらず、あらすじを追っただけですが何もなくて身を守るより、
すこし失敗していもなんかあったほうが人生豊かだよねという感じがしました。
2014/03/07(金) 00:44:07 | URL | yossy #79D/WHSg[ 編集]
これ、原作はドフトエフスキーでしたよね。
で、音楽はニーノ・ロータ。
「鶏小屋で~」のくだりもそうですが、脚本が上手いんですよね、やっぱ。
ヴィスコンティのラブロマンスとしては最高っす。
2014/03/07(金) 04:01:42 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
あたしmヴィスコンティみてないかも…
2014/03/07(金) 07:19:54 | URL | る~ #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
ぎゃはw、やっぱり。
コメディにカテゴライズすると叱られるど思うけど
そこらのコメディよりもずっと可笑しくて爆笑でしたよ~。
ふふ、犬の登場シーンは見逃せない私だけど、これは本当にワンちゃんの使い方がうまくて、それだけどお気に入り決定です。映像も美しいのでスクリーンでみれたら最高だと思います。
午前十時とかでかかるといいですね~。
わはは、もうコント55号を知ってる人も少なくなっちゃうよねw
ゾンビマンさんに通じて何よりです(笑)
2014/03/07(金) 10:01:22 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
おみゃあさん>
もう70年も前の映画ですからね~。
でもそれにしては登場人物があまり昔の人っぽくなくて見やすかったな。
ヒロインもキュートだったし。
ジャン・マレーって(多分)知らない俳優だったけど、確かに濃い。
でもなんとなく夢の中の「待ち人」という雰囲気で、現実感のないところがが映画に合ってたのかもと思います。
2014/03/07(金) 10:05:45 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
そうね。『ベニスに死す』は私も途中までは眠かったりして、実は何度か挫折しました。
嵌れば嵌るのあけど、途中までは、哀れなボガードの容姿に引く人も多いだろうなぁ。ストーカー的だしね(笑)
で、これはそんなイメージも覆す楽しさもある映画なので、ぜひ観ていただきたい。
マストロヤンニをますます好きになりますよ。
あー、ケインさま版『アルフィー』いまだ未見。わんちゃんチェックだー。
2014/03/07(金) 10:13:12 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
yossyさん>
はい、守備範囲だけは無駄に広いんです(笑)
あ、凄い。あらすじだけで、映画の本質をつかんるw
まさにそうですね。
マストロヤンニは痛い経験をするけれど後味は意外に爽やかなんですよ。
そのあたりネタばれになりそうで、感想述べられないのがつらいところでしたが。
2014/03/07(金) 10:17:05 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
kaz.さん >
そうだそうだ。読んでないし書き損ねたけどドフトエフスキーだったんですね。
音楽がニーノ・ロータだったのも観た後に知りました。
今度意識しながら再見してみよう。
やっぱり脚本がいい映画は面白いですね。見せ方など演出も秀逸。
大好きな一本になりました。
2014/03/07(金) 10:20:35 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
る~さん>
有名なのにね。
長い映画も多くて手が出ないところもあったんだよね。
2014/03/07(金) 10:21:29 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
PU-KOさん!ヴィスコンティを難解とするのは間違いですw
むしろ、どれも題材にしてはわかりやすい映画です。
初期のころは退廃と云うのではなくて、共産主義的な人でしたしね。
ネオリアリズム的と云うか。
このころはモノクロがけっこういいんですよね。
でも、ジャン・マレーつかったりw 「若者のすべて」ではドロンを使ったり、
趣味は炸裂してますがw
私は未見ですが、ブレッソンの「白夜」の方がこれより評価高いんですよね。
見てみたいものです。
マストロヤンニのへっぽこダンスに受けてしまいましたw
「8 1/2 」でもちょっとへっぽこダンスしてたけどw
2014/03/07(金) 10:25:47 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
ヴィスコンティの作品は半分くらいは観ていますが、「白夜」はまだでした。調べたら録画したままでどこかにしまってあるみたいです(笑)。
お薦めは、長編ですが「山猫」「ルードヴィッヒ」。是非観ていただきたい作品です。
2014/03/07(金) 21:04:14 | URL | yymoon #79D/WHSg[ 編集]
「白夜」の録画をダビングしたDVDーRを見つけたので、ついでに観てしまいました。
ヴィスコンティとしてはちょっと異色な作品ですね。
ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツのロックに乗って踊りまくったマストロヤンニがこっけいでした。
マリア・シェルにとっては深刻な話なのに木下恵介作品のような軽妙さがあり、後味がすっきりしていますね。
2014/03/08(土) 06:59:29 | URL | yymoon #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
わぁ、そうなんだ~。
名監督の作品というと、なんでも私には難解かしらと思ってしまうけれど
これは確かに分かりやすかったし、勝手に持ってたイメージも覆りました。
時代によっても作品のテイストが違ってるのかな。
モノクロ綺麗でいいですね。
ジャン・マレー、ドロンさまって結構濃いです(笑)
ブレッソンの『白夜』も同じ原作の映画化みたいですね
私も気になったのだけど、こちらではレンタルもアマゾンもなし。残念~。
マストロヤンニのダンスは私もどんだけ笑ったかってくらい大ウケでしたww
マストロヤンニのイメージも違ってきたけど、たまらなく愛しい♪
2014/03/08(土) 11:38:25 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
yymoonさん>
おー、さすが!
ヴィスコンティお好きなですね。なんとなく分かります。
録画されていたとは素晴らしい。
『山猫』は私も録画してましたので、この機会にぜひ観てみます。
『ルードヴィッヒ』もレンタルリストに入れました。
yymoonさんとは、こういう作品で趣味が合うと思うので楽しみです。
2014/03/08(土) 11:42:01 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
yymoonさん>
コメント遅くなってすみません。
わぁ、早速ご覧になったんですね。
そして、本作は私のヴィスコンティ作品へのイメージとも随分違いましたが、なるほど、監督作品としては異色な感じなのですね。
マストロヤンニのダンスは大ウケですよねぇ(笑)
ハンサムの代名詞みたいなマストロがw
切ないのに人情もあって、後味がすっきりするのがいいですよねぇ。
2014/03/08(土) 11:50:16 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
これは観ていないわ。
ストーリーは本で読んで
知ってるけど。
DVDの入手も難しいし。
2014/03/08(土) 17:38:27 | URL | GH字幕 #79D/WHSg[ 編集]
1957年の映画か…
う、う、ぅ、生まれてるし私(涙)
モノクロは目に優しいね。疲れないんだよね。
マストロヤンニ、色々観たね~、懐かしいね~(^^)/
でもコレは未見だわ。
しかし、わっかいね。イイ男だね。
pu-koちゃん、タイプなのかしらん!?てへへ
2014/03/09(日) 03:11:40 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
おっと~、これは観れてません~
私もベニス山猫ぐらいしか観れてませんが(^-^;
大人の寓話ですかぁ。私も、観て叫びたいw
2014/03/09(日) 06:19:00 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
私もあまり詳しくはないのですが、
ヴィスコンティは晩年になって退廃的な作品を連発します。
前期はコミュニズムとネオリアリズム的な感じ。
でも、この人はバイで、そう云う趣味は前期からあったのね~
て感じですがw
ちなみに、本作に出ているジャン・マレーはジャン・コクトーの男ミューズ(恋人)。
いわゆるギリシャ彫刻のような美男子と云うか、コクトーの美を体現してた人なんでしょう。
ヴィスコンティの晩年作は監督の男ミューズ(まぁ、愛人と云うか衆道的かも)、ヘルムート・バーガーが
主演している作品が多いです。
本物の貴族(ヴィスコンティ家の最高位は侯爵だったかな)だからね、
本物の貴族趣味が垣間見れるのも晩年作の魅力ですね。
yymoonさんがあげている「ルードヴィッヒ」はとにかく本物志向の映画で、
ロケ地の城なども一見の価値がありますよん。
長くなりますが、ヴィスコンティは長らくプルースト(ゲイ)の「失われた時を求めて」を
映画化したかったらしく、この作品は断片的に(長い小説なので)映画になっていますが、
個人的には、ヴィスコンティの作品を見たかったですね。
しかし、ゲイ・コネクションみたいなコメントで申し訳ないですw
2014/03/09(日) 10:51:02 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
ビスコンティで「白夜」というタイトルから受けるイメージは、ハードル高めなのですが、記事を拝見すると、もっとお気楽に楽しめる映画になっているようですね。師匠の記事のおかげで観たい映画の1本になりましたが、DVDも高値で出回っていて、すぐには手が出ません。機会があるといいのですが。
2014/03/09(日) 15:04:46 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
字幕さん>
お、文学青年。
原作未読ですが、これかなり笑えて面白かったです。(←見方間違えてるかもw)
こちらではDVDもあるけどTCMでもよくかかります。
2014/03/09(日) 19:34:32 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
モノクロはモノクロで美しくもあるよね。
いい映画が多いからそう思うのかな。
マストロヤンニ色々見てるんだ~。
私もこれから観ていこう。
タイプってほどでもないんだけど、ギャップに弱いもんで。
色男の代名詞みたいなマストロ君の欽ちゃんダンスにやられちゃったわw
2014/03/09(日) 19:38:27 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
これね。笑いどころもあるけど、なんだか映画らしくて好きだったわぁ。
ぜひ観て叫んで欲しい(笑)
『山猫』はじゅりさんの記事で観たいと思いながら、長さにへこたれていまだ未見でした。
ってか、ベニス山猫って、どこぞの宅配業者みたい(笑)
2014/03/09(日) 19:46:25 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
うわぁ、凄い参考になりました。
ヴィスコンティの愛の形も、貴族の出という生い立ちも、生きた時代も全て作品に影響してるのですね。制作年やその時々の交流関係を知っておくのは作品の理解に必要なことですね。
出演の俳優さんたちについても少しずつ作品を観ていきたいと思います。
ゲイ・コネクションで(笑)
その前にmiskaさんの記事にも期待しよう(笑)
2014/03/10(月) 09:54:27 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
そう、イメージしたものよりうんと庶民的で可愛らしい作品でした。
ぜひご覧になっていただきたいですが、DVD高いんですか。
午前10時とかで上映されるといいですね~。
2014/03/10(月) 10:11:36 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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