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【映画】『サード・パーソン』知的で巧妙!
2014年12月05日 (金) | 編集 |


サード・パーソン(2013)アメリカ
原題:Third Person
監督:ポール・ハギス
出演:リーアム・ニーソン/ ミラ・クニス/ エイドリアン・ブロディ/ オリヴィア・ワイルド/ ジェームズ・フランコ/ モラン・アティアス
日本公開:2014/6/20
Kaz.さんのところで紹介されていたポール・ハギス監督の最新作『サード・パーソン』を観ました!




主人公はリーアム・ニーソン演じるピュリッツァー賞作家のマイケル
マイケルはパリのホテルに滞在し執筆活動中ですが、そこに愛人のアンナ(オリヴィア・ワイルド)がやってきます。



場面変わって
NYでは、元女優のジュリア(ミラ・クニス)が別れた夫リック(ジェームズ・フランコ)と息子の養育権をめぐり争っている様子。離婚弁護士にマリア・ベロ
さらにローマのとあるバーでは、エイドリアン・ブロディ演じるスコットとエキゾチックな美女モニカ(モラン・アティアス)との出会いが描かれます。



次第にわかってくるのは、彼らが「子供」というキーワードで繋がっているということ。
しかし異なる都市が舞台なこともあり、今回は袖触れ合うような交錯はないのだろうと思い始める頃
それは突然やってくる。



えっと・・
ミラ・クニスはニューヨークにいるんだよね???

と、混乱することになるんですな。

しかしそれも散りばめられたヒントのおかげで、「あー、そういうことか」と納得。
監督らしい知的で巧妙な構成にうなることになりました。
どういうことかというのは後で述べるとして・・

この構成に気づいた段階で、おりゃー!という気になるんですが
監督の押しポイントはそこだけじゃないはず。

で、映画の本質について語りたいんですけど、その構成に触れずには語れないので
以下半分ネタバレしています。未見の方はスルーでお願いしますね。




まずは構成のトリックについて
ご覧になった方はお気づきだと思いますが、ミラ/フランコと エイドリアン/バーの女性の二つのエピソードは主人公マイケルの小説の中の出来事だと思います。

そう思う理由は、
まず、フランコ君が息子に話した台詞を直後にマイケルが小説の原稿としてタイプしていること。
先にも述べたように、NYにいるはずのミラ・クニスがパリのマイケルの部屋をハウスキーピングにやってくるところは先にも述べたように「どういうこと??」
いや、ありえない。つまりこれは現実でないということになりますよね。

マイケルやマイケルのエージェントの台詞からも分かるように、マイケルは自分自身を小説の登場人物に投影するタイプの小説家。彼は小説の中のミラやエイドリアンやフランコ君を通して、自身の苦しみを描き出しているということになります。

後から気づいたんですが、マイケルがフランコ君の台詞をタイプするシーンや、プールに飛び込んだマリア・ベロが消えてしまうというシーンはトレーラーにも収録されているんですね。
ということは、監督ははじめから「この映画にはちょっとしたトリックがあるよ」と注意を喚起しているんだと思います。(日本向けのトレーラーにはなかったかもだけど・・)

マリア・ベロだけでなく最後にはフランコ君も消え、エイドリアンカップルもドライブ中の道から姿を消す。
彼らが実在しないというのはまず決定的として、オリヴィアのパートも時間軸としては過去のことであり、小説に描かれたことかもしれない。

ポール・ハギスはマイケル役にリーアムを切望し、スケジュールが開くのを根気強く待ったのだとか。
リーアムは最近では『フライト・ゲーム』で犯人かヒーローかと観客を惑わす役を演じてましたが、誠実な役が似合う反面、意外な悪役もこなしてしまうところがトリッキーな本作でも生きてます。

この映画の主人公マイケルも、最後の最後でちょっと驚く行動に出るんですよね。
でね、普通であれば「作家のエゴ」で片付けられるのかもしれないところ、リーアムさんが切ない顔で演じると、その行動の裏には愛があるのではないか?と思ってしまうんだよねぇ。
過ちに対し言い訳していたのでは前に進めないと気づいた彼は、自分の再起をかけると同時に
アンナにも人生に向き合って欲しいと願ったのではないか、と。
でもね、一方で思うのは、これはマイケルの復讐かもしれないということ。

角度を変えれば、ひとつの物体も違った姿形を見せるように
人間も、人間の行動も、一つの側面だけでは語れない複雑さがあるのだとうなってしまう。
好きなシーンは、エイドリアン・ブロディとモラン・アティアスがベッドで足元から求め合うシーン。
二人は、危険を冒すことで新しい人生が開けることもあると教えてくれた。

役者のちょっとした表情からもさまざまな思いを読むことができる こういうの好き。
緻密に練られた脚本と演出のうまさを感じる作品でした。
映画三本観た気分だよ(笑)


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コメント
この記事へのコメント
おおお、「127時間」も岩にハマってたジェームズ・フランコ君じゃ~あ~りませんか!!
そっか、ネタバレ読んじゃったけどさ、そーゆーことなのね。
分かって観ても面白いのは面白いよ、うんうん。
リーアム爺さん、優しそうな顔の裏に……だよね~。
ま、役者はそんぐらいが「上手い」条件だもんね。
でも結構鉄仮面じゃない?ポーカーフェイスだよね彼。
ズバリ観たいです!エイドリアン・ブロディ目当てで、
じゃなかった、ジェームズ・フランコ君目当てで💕
動機が不純か、私??
2014/12/05(金) 01:51:31 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
キャストが私好み。
でも見逃した(汗)・・・。
一番気になったのは、足元から求め合うというくだり・・・。
人生が開けちゃうという求め方に興味深々クンクンです(汗)・・・。
(ゾンビのおっちゃん、ちょっと違うねん・・・みたいな?)
2014/12/05(金) 03:12:58 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
観たい観たいでこれやってた頃バタバタしてて気がついたら終わってました。
だからレビュー最後まで読めない。悲しい。
かなり評価高いって噂で聞いてたのでケーブル落ちが楽しみです。
そう、わたしはこういう役を演じてるリーアム・ニーソンが好きです。
どうもアクション系は手が出にくくてね。
演技{楽しめる作品みたいですね。
ミラ・クニスとの見ようによってはホラーにもなりかねない大きな目が大好きです♪
小振りだけど形のキレイなお胸もおちりも可愛いなー。
おっさんか(笑)
2014/12/05(金) 05:28:18 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
深いところまで読み解きましたね~、お見事っす。
自分、観た後にしばらく考えましたよ。(笑)
この映画は2回3回と見直したほうが、もっと味わえるかもですね。
まぁトリッキーな部分が観る側に混乱を起こさせるから、その部分で評価も様々かもな~。
TBさせてもらいますね~。
2014/12/05(金) 06:45:05 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
うん、ネタバレ部分はトリッキーなところのみなので、むしろそれ知って見たほうがわかりやすい部分もあると思うの。
そそ、リーアムさん、お釈迦様のような静かなたたずまいだけど、それだけに何考えてるか分からない役も嵌るし、優しそうだから意外性もあるしね。
フランコ君は出番多くないけど、切ない表情やらリアル尻餅やら見せてくれるよ。
いつもはあまり好きじゃないエイドリアンも今回良かったし、役者の演技はどれも最高でした。
2014/12/05(金) 08:31:23 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
キャストいいですよね。全然知らない女優さんの二人も良かったです。
ふふ、足元からに食いついてくれてありがとう。
6・9で・・と書こうかと思ったんだけどね(笑)
それだと余計にクンクンを煽っちゃうよねw いやそんな映画じゃないんですが(笑)
2014/12/05(金) 08:34:45 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
面白かったよん。評価高かったのみ知らなかったなぁ。
そう、リーアムさんがとっても深い心の奥を演じて見せてくれるの。
彼はうまい役者なんだとあらためて思った。
もうアクションも卒業でドラマで本領発揮して欲しいですよ。
これGyaoでソフトリリース前の無料配信してたみたいなんだけど、もう終わったのかな。
またぜひ観てみてね。
2014/12/05(金) 08:43:07 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
二回見ました(笑)
勝手解釈だけど、色々と深読みできるの面白い映画でしたね~。
確かにトリッキーな技巧に気づかなければただの三つのオムニバスだし、混乱する部分もあるはずだから評価が分かれるのも無理ないかもですよね。
再見で発見できるところもあってさらに深みが増します。こういうのはDVDの時代の新しい傾向ですね。
TBありがとうございました!
2014/12/05(金) 08:47:49 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
頭、パ-だから場面あちこち行ったらわけわかんなくなりそう ジグソ-パズルじゃね
2014/12/05(金) 17:23:58 | URL | おみゃあ #79D/WHSg[ 編集]
おみゃあさん>
いやいや、そんなつぎはぎでもないのでわかり難くはないんですよ。
それぞれのパートでやってることはまるで違うからね。
あ、でもマリア・ベロとキム・ベイシンガーが意外と似てたけど。
2014/12/06(土) 01:39:14 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
おぉっ
映画を3本ですか
ちょこと混乱に気をつけながら見たいと思いますw
フランコくんはパパなんだぁ~
素敵な笑顔だわ(●´ω`●)
2014/12/07(日) 17:40:21 | URL | 翔 #79D/WHSg[ 編集]
この映画、観たかったのですが、結局、映画館では見逃してしまいました。凝った構成のドラマのようですね。キャステイングも魅力です。うーん、どっかで上映しないかしら。
2014/12/08(月) 05:36:22 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
翔さん>
そそ、3つの物語が同時進行する形なのでね。
キャストがそれぞれいいから小さなお話もちゃんと楽しめるのがいいよ。
パパフランコ君も優しい笑顔や切ない涙を見せてくれました。
2014/12/08(月) 09:41:34 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
凝った作りの部分は賛否両論あるかもですが私は面白く観ました。
キャストうまいところ揃えてますよね。エイドリアン・ブロディのパートも楽しませてくれました。
どこかでやってくれたらいいですね。einhornさんの感想お聞きしたいです。
2014/12/08(月) 09:55:25 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
時間が経ってしまい印象が薄れてきていますが、全てが虚構?という儚いお話だったのを思い出しました。
TBさせてくださいね。
2014/12/11(木) 08:52:25 | URL | アンダンテ #79D/WHSg[ 編集]
アンダンテさん>
虚構というか、投影ですかね。
作家ニーソンの切なさはしみじみ感じるところでした。
TBありがとうございました。
2014/12/11(木) 20:09:02 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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2014/12/05(金) 21:46:16 | CINEmaCITTA'
衝撃的だった「クラッシュ」の監督という事で観に行きました 2時間超の作品 緊迫感と展開は「クラッシュ」程ではなかったものの 面白かった   *リーアム・ニーソン扮するアメリカ人ピューリツァー賞作家と愛人 パリ篇 *エイドリアン・ブロディ扮す
2014/12/11(木) 23:54:12 | アンダンテ あっち行って ホイ♪