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灼熱の魂 
2012年02月28日 (火) | 編集 |
 

レバノン出身のカナダ人劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲の映画化
アカデミー外国語映画賞にノミネートされたヒューマンミステリーです。  

灼熱の魂(2010) 
カナダ/フランス
監督:ドゥニ・ヴィルヌーブ出演:ルブナ・アザバル、メリッサ・デゾルモー=プーラン、マキシム・ゴーデット、レミー・ジラール

 

初老の中東系カナダ人女性ナワル・マルワン(ルブナ・アザバルが奇妙な遺言と二通の手紙を残してこの世を去った。
その手紙は、ナワルの双子の子供ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーランとシモン(マキシム・ゴーデットには、存在すら知らされていなかった兄と父親に宛てられていた。遺言に導かれ、初めて母の祖国の地を踏む姉弟。徐々に二人は母の壮絶な人生と家族の宿命に近づいていく......。

まず、ナワルの残した遺言に衝撃を受けます。
「自分を裸で、世の中の全てから目をそむけるべく、うつぶせに埋めなさい。
棺おけも祈りの言葉も墓石も要らない。名前も刻んで欲しくない・・・」
 
死に際し、こんな悲しい言葉を残さなければならない、どんな悲しみを経験したと言うのか・・
そして、それまで秘めてきた真実を、なぜ今母は明かそうとするのかインパクトある見事な導入です。
 
若き母を映し出す映像と、母の祖国で知ることになる母ナワルの人生は壮絶で、
物語は監督自身が現代のギリシャ神話と語る悲劇。
それなのに、観客は最後に思わぬ感動に、心を揺さぶられることになるから驚きです。
 
とにかく、ミステリーを解き明かすように展開するストーリー構成が見事。
役者の表情に隠された意味を探ることに夢中になれるのも、演出の上手さによるものでしょう。

印象的だったのは、出生の秘密を知った姉弟がプールに飛び込むシーン。
これを水中から映すことで、あの日川に捨てられた二人の過去とシンクロする。 さ
らに二人は、プールの中で抱き合って泣く。
上手く説明できないけど、二人はただ悲しくて泣いたんじゃなく母への赦しの気持ちも共有したんじゃないか、そんな気がしました。

最後に思うのは、母は強く、その愛は偉大だということ。ト
ロントとヴェネチアでスタンディングオベーションを受けたというのにも大いに納得の素晴らしい作品でした。
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コメント
この記事へのコメント
この作品は予告編で釘付けになりました。母の祖国でなにがあったのか…。姉弟を助けるため?記事からいろいろ想像してますが、コッチでは劇場公開ないのでDVDでたら必ず観ます。もちろん、タオルは用意しておこうっと。。
2012/02/28(火) 00:28:34 | URL | けいとき #79D/WHSg[ 編集]
けいときさん>
過去はかなり壮絶。子供たちにも、もう真実に近づくのよめとこうよと言いたくなるほど。。
でもね、最後にえもいわれぬ感動があるのよ~。
なのでタオルもって観てください。いい作品でした!
2012/02/28(火) 00:38:23 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
これは他の方のところでおもしろそう、って思ったら、それが24日で、東京の最寄りでは24日に上映が終わってました。。。。。
DVDで見ようと思っています。
カナダって中東系やアジア系の移民も多いみたいですね。
構成も面白そうですが、記事拝見していると、映像もなかなかそうですね。
2012/02/28(火) 01:08:19 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
ほぉ・・・なんだか壮絶な悲しい感じかと思いきや
感動しちゃうんですね
演出もよさそぉ。これまたチェックですね(○´∀`○)ノ
2012/02/28(火) 01:16:00 | URL | 翔 #79D/WHSg[ 編集]
ふむ。
面白そうだけど重たそう。
自分には不似合いな感じですね(苦笑)。
実は素晴らしい作品が苦手なんだよね。
2012/02/28(火) 03:03:50 | URL | HK #79D/WHSg[ 編集]
これは衝撃が凄かったです。
そうでした。遺言は哀しい遺言でしたね。何をしたって言うんでしょうか?ただ一人の人を愛して子供を産んだだけなのに。
宗教問題を絡めながらミステリーでもありラストは衝撃的でした。
そそプールでで母親は1+1=1の現実を知りって、ラストも兄弟もプールで…秀逸でしたね。
結局生命は水からって事も絡めてるのでしょうか?
2012/02/28(火) 03:35:33 | URL | ひかり #79D/WHSg[ 編集]
これは噂は聞いてます。
そうですか~、中東と言うところに秘密アリかな。
ぜひ観たい一作です。
2012/02/28(火) 04:33:15 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
『ホーボーさんの散弾銃』を
やってる時にテアトル梅田(2館)
の片方で上映してました。
選択肢はあったんですが、散弾銃を
選んじゃいました。
中東はなんか恐いよね。
徳島と同じくらい・・・恐い。
2012/02/28(火) 04:51:08 | URL | GH字幕 #79D/WHSg[ 編集]
この作品の予告編、ミニシアターで観て惹かれるモノがありましたわ。
今でもロングランしてるんですが、スケジュール的にキツくて見逃してます。
遺言を見ていると、昔の邦画の「サンダカン八番娼館」みたいですね。
pu-koさんの記事を見て観たくなりました。母は強いです。
2012/02/28(火) 06:55:15 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
なんだか観るのが怖い気がします。
そんな壮絶な過去を知らなくてはならないなんて・・
でも最後には思わぬ感動があるんですね。
勇気を持ってみてみようかな。
2012/02/28(火) 12:55:24 | URL | おまけ #79D/WHSg[ 編集]
遺体をうつぶせに埋めてなんて、、、この世にどれだけ嫌な思いをしていたのか想像できないですね、、、凄く重そうですが、
最後の感動が気になるので、見てみたいです。
2012/02/28(火) 16:27:58 | URL | くらげ #79D/WHSg[ 編集]
よい作品みたいですね  そのうち手に入ったら観てみます  ちゃんとタイトル控えておかなくっちゃ
忘れないよう メモ作ってるんですよ
2012/02/28(火) 17:09:01 | URL | おみゃあ #79D/WHSg[ 編集]
これドラマチックですごい話だと思うのですが、そもそもの発端である、母親の遺言がひどいと思っちゃいました。自分の言葉で語らずに逃げちゃって、子供らにそれを捜させるってのは、母親の情がないよなあって。この感覚がお国柄によっては、OKになるのかもしれませんが、子供らに重いものを背負わせるのなら、きちんと自分の言葉で言えよって思ってしまいました。
2012/02/28(火) 21:23:01 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
あーー、上映終わっちゃいましたか。残念。
壮絶な物語だけど、ミステリーのように母の過去をときほどいていくのが秀逸だし
最後にヒューマンな感動を覚える作品です。
映像も中東の(どこの国とは特定されてない)風景、お国の情勢を描く描写など
見ごたえがありました。
カナダも移民をたくさん受け入れてる国なんですね。
2012/02/29(水) 10:11:06 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
翔さん>
壮絶なのは確かですね~。
えーー??っていう衝撃も受けます。
でも、最後の最後でそうくるかの感動があって、映画として面白かったです。
2012/02/29(水) 10:12:16 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
HKさん>
9割がたミステリーだから嫌いじゃないと思うけどなぁ。
でも、受け入れられない人もいるかもな類の作品ではあります。
2012/02/29(水) 10:13:21 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ひかりさん>
衝撃でしたよね~。そして壮絶でした。
本当に、あの遺言には驚いたし、一気に引き込まれました。
そそ、水はこの映画ではキーワードになっていた気がします。
転機は水の中という。
生命の起源という意味合いも確かにあるかもですね。
2012/02/29(水) 10:15:55 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
そそ、中東の紛争や宗教に絡むものが根底にあって生じた悲劇なんですよね。
面白かったです。ぜひ観ちゃってください。
2012/02/29(水) 10:17:18 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
字幕さん>
あーー、「ホーボーさん~』選んじゃいましたか(笑)
銃器ファンの字幕さんには正しい選択だったでしょw
中東は本当に怖いですよ。
2012/02/29(水) 10:19:26 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
ロングランになってますか。
『サンダカン八番娼館』って全然知らなかったんですが、
サイトの解説を読むと、通じるところがあるような気がしますね。
機会があれば観てみたいです。
2012/02/29(水) 10:23:22 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
おまけさん>
そうなんですよ。
どうしてこんなに悲しい過去を掘り起こし子供に伝えなければならないのか
それは観ていてずっと矛盾を感じたのだけど、最後になって
意外な感動を引き起こすんですね。
ヘビーな作品だけど、機会があればぜひ。
2012/02/29(水) 10:25:36 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
くらげさん>そうでしょ、本当に考えられないほどの悲しい遺書。
けれどそこには母の大きな希望が込められていたんですね。
ぜひチェックしてみてね。
2012/02/29(水) 10:26:56 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
おみゃあさん>壮絶だけど、映画的な見せ方もうまくていい作品でした。
わーー、ちゃんとメモしてくれてるんですね。
こちらではもうDVDになってるので、おみゃあさんは早々にゲットしそうですね。
2012/02/29(水) 10:28:44 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
うーん、母は全てを知った瞬間身体に異変が起きて
子供たちに説明することも探すこともできなかったわけで
子供たちに託すしかなかったのだと思います。
全て自分の胸に収め、墓場まで持っていこうとしていた事実
子供の衝撃を考えてでも、彼女には守らなければならない約束があった。
子供が受けれいるかどうかは、母としても不安だったでしょうけど
彼らは受け入れた。そこに私は映画的感動を覚えました。
勿論自分のことになったら、私は受け入れられないと思うけど(笑)
2012/02/29(水) 10:35:23 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
これ、ちょうど公開中です~
なるほど~ミステリー仕立てにね。。
いや~劇場のHPのあらすじじゃイマイチ分からなくって
やっぱpu-koさんのは分かりやすいな^^
僕もスタンディングオベーションしに行ってこよう~
2012/02/29(水) 21:49:08 | URL | SHIGE #79D/WHSg[ 編集]
SHIGEさん>
かなりへヴィで、内容的に共感できるかどうか、人を選ぶ作品でもあると思うけど
映画としてのクオリティは高い作品でした。
ちょっと説明しすぎてるかな^^;
お楽しみに~。
2012/03/01(木) 23:43:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
これ、見てるんですが
あんまり、劇的すぎて
同じころにみた「サラの鍵」の方が
好きだな~って思ってしまった
早く記事かかなくちゃだな
2012/03/02(金) 10:20:21 | URL | る~ #79D/WHSg[ 編集]
る〜さん>
わかるよ〜。
映画的には良かったと思うけど受け入れるのはちと厳しすぎる現実だもんね。
『サラの鍵』の方が一般受けするのも確か。
2012/03/02(金) 10:39:56 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
おー、見ましたかー♪ 
見応えのある映画だったね。
驚愕の事実に引き込まれ、語り口の見事さに賛嘆し、波紋のようにじわじわ広がる感動。
大満足の1本でした。TBさせてね☆
2012/03/03(土) 16:26:39 | URL | ブッチ #79D/WHSg[ 編集]
ブッチさん>
私も大満足でした!
ブッチさんのおかげで楽しむことが出来ましたよ。
TBもありがとうございました(^-^)/
2012/03/04(日) 11:21:19 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
これはあまりにも重く過酷過ぎるんで観終わったあとぐったりしました。
あとpu-koさんの記事であのプールのシーンはそうだったのかって思ってちょっと蘇ってきましたよ。
TBさせて下さいね♪
2012/05/17(木) 10:55:09 | URL | marr #79D/WHSg[ 編集]
marrさん>
確かにヘビーでした。
辛い事実を子供たちがこれから受け止めていくことができるのかという疑問も残りますよね。
あ、プールのシーンはあくまで勝手な解釈です。
衝撃の事実を知った直後にあのプールっていうのが、唐突でもあったので
何か込められた意味があるんだろうなと。
TBありがとうございました。
2012/05/17(木) 20:29:52 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
普通なら死ぬまで子供には知らせてならない事実なんでしょうがねぇ。
そこが中東の事情、と言う感じで納得もさせられたところです。
数奇すぎる話ですが、衝撃は超ど級でしたね。
満足しました。 TBしますね~。
2012/08/27(月) 04:07:50 | URL | Kaz.Citta' #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
ですよねぇ。
私なら明かさずに墓場に持っていきますが
それでも引き裂かれた愛と母性が彼女の人生でとても大きなものだったんだろうなと納得もしました。
国に翻弄された哀しい人生でもありましたね。
TBありがとうございました。
2012/08/27(月) 08:57:47 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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