映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
熱波
2014年01月05日 (日) | 編集 |



ヨーロッパ映画を続けて観ています。
今日はポルトガルのミゲル・ゴメス監督による喪失のラブストーリー『熱波』を。
熱波(2012)ポルトガル/ブラジル/フランス
原題:Tabu
監督:ミゲル・ゴメス
出演:テレーザ・マドルーガ/ラウラ・ソヴェラル/アナ・モレイラ/カルロト・コッタ
日本公開:2013/7/13 
敬虔なクリスチャンであるピラールは高齢な隣人アウロラを気にかけている。もともとエキセントリックなアウロラだったが、最近ではおかしな言動が目立つようになった。ある日死期が近づいたアウロラは、最期に会いたい人がいることを告げる・・。




死を間近にしたアウロラが「一目逢いたい」と願ったのは、
若き日に植民地時代のアフリカで出会ったベントゥーラという男でした。
アウロラの現在を描く前半を「楽園の喪失」、アフリカでの熱愛を描く後半を「楽園」という、二部の章で構成された本作は、全編モノクロ、しかも「楽園」の章はベントゥーラのボイスオーバーの形をとり、登場人物には台詞がありません。
それでもオールディーズ系のバンド音楽や、アフリカの民族音楽、繊細なピアノ曲が若き二人の禁断の恋を盛り立て、胸の高鳴りを覚えるものになってるんですよ。

しかし、それだけに、対照的な「楽園の喪失」の虚無感が際立つことになるわけで・・。
正直、前半アウロラが語る突拍子もないたわごと(と思われた話)を延々と聞く(というか字幕を読む)のは、忍耐が要ったのだけど、それらがアフリカ時代の思い出にリンクしていたことに気づくとき、彼女の喪失の大きさを思わずにいられませんでした。
「楽園」と「楽園の喪失」ということで対比させたのは勿論恋の輝きでしょうが
植民地アフリカで農園を持ち、華やかに生きた人々の人生も時代とともに変化したのでしょうね。





音楽の使い方が絶妙で、アフリカの光景含め、ノスタルジックな映像が美しかった。
アウロラの余生は寂しいものだったけれど、50年間封じ込めた想いをようやく解き放った彼女の心には安らぎがあったと信じたい。

それにしても若きベントゥーラを演じたカルロト・コッタがジョニー・デップに見えて仕方なかった。

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コメント
この記事へのコメント
なんだか味わい深げな映画ですね。
現在と過去が交錯するストーリー、しかも白黒って下手したら眠くなるの必至だったりするんですが、これは音楽が良さげなんですね。
勧めてくれる人がいないと絶対に観ない系ですが・・・^^;
公開中って事で関西にもし来たらチェックしてみます。
2014/01/05(日) 21:43:49 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
モノクロで、冒頭から長いナレーションのような台詞が続くので、個人的には最初波に乗りにくかったんですが、映画的で絵的な美しさに目を奪われるのと、やっぱり音楽が効いていて意外に退屈するところがなかったです。でも後からジワジワくるタイプの映画かな。
好みも分かれるかもです。お近くにきたら評判チェックしてみてくださいな。
2014/01/05(日) 22:13:50 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
予備知識なく映画館に入ったもので、前半は「何じゃこりゃ」と流してしまったもので、喪失の虚無感にはまるっきり読めていませんでした。師匠の記事であらためてそういう映画だったのかとわかりました。鑑賞&記事アップありがとうございます。ポルトガル人の植民地時代へのノスタルジーという視点も大納得です。やっと、冒頭の変な映画の意味もわかったような気がします。単に仕掛けだけ楽しんだ記事ですが、TBさせてください。
2014/01/06(月) 02:53:33 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
そんなにジョニーに似てるんですね。(笑)
この監督作品は観たことないなぁ~。
これはベルリンで高評価だった一作ですね。
モノクロがイイ感じかもしれない。
2014/01/06(月) 04:05:35 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
>ヨーロッパ映画を続けて観ています
ヨーロッパ映画いいですね!
今日は『鑑定士と顔のない依頼人』を観ました。
ラストに愕然としましたよ。
『ゼログラビティ』『キャプテン・フィリップス』
を越える衝撃でー
お正月のno1でした!
2014/01/06(月) 06:28:46 | URL | yossy #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
わはは、私も前半は「大丈夫かな」って思ったんですがw
後半になってヒロインの哀しみとそれを50年間引きずった人生に思いを馳せた次第です。
そこには確かに煌きがあったんですよね。
切なさと同時に、郷愁が胸をよぎり、不思議な感慨がありました。
台詞を廃すことで、ドロドロの不倫劇に活動写真のような趣を持たせる監督の手腕も斬新でした。
観てよかったし、監督のほかの作品も観てみたいと思います。
よい映画を紹介くださってありがとうございました。
2014/01/06(月) 10:07:06 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
kaz.さん >
そうなんですよ~。
ここに載せた写真では分かりにくいですが、遠めそっくりです(笑)
おー、ベルリンで高い評価を受けてたんですね。
そそ、モノクロがいい感じでね。
ノスタルジックで音楽にも引き込まれたので、監督作品ほかにも観てみようと思いました。
2014/01/06(月) 10:12:27 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
yossyさん>
普段どちらかというとヨーロッパ作品あまり観てないので、たまにこういう観方をすると新しい出会いもありますね。
あー、『鑑定士と顔のない依頼人』私も観たいんですよ~。
へー、ラストにそんな驚きが仕込まれてるのは知りませんでした。ますます観たい!
2014/01/06(月) 10:15:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
音楽に興味あり
ジョニデにみえるもきになるぞ~
2014/01/06(月) 22:47:21 | URL | る~ #79D/WHSg[ 編集]
る~さん>
バンドの演奏によるオールディーズ系の音楽がなんか良かったのよ~。
ジョニーのそっくりさんみたいだったよ。
2014/01/07(火) 18:13:29 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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今回は、東京での公開を終えた「熱波」を静岡シネギャラリー1で観てきました。静岡の映画館もメジャー系オンリーのシネザート、ややメジャーとアニメのシネセブン、ミニシアター系のシネギャラリーと色分けが出てきたようです。この映画館も10月から改装工事に入るそうです
2014/01/06(月) 17:53:22 | 今昔映画館(静岡・神奈川・東京)