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【映画】『ヴィンセントは海へ行きたい』何かが出来ると感じさせてくれるロードムービー
2014年10月18日 (土) | 編集 |



今日はドイツ発のロードムービー。これ凄くよかったわぁ。
ヴィンセントは海へ行きたい(2010)ドイツ
原題:Vincent Will Meer
監督:ラルフ・ヒュートナー
出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ/ カロリーネ・ヘルフルト/ ハイノ・フェルヒ/ カタリーナ・ミュラー=エルマウ/ ヨハネス・アルマイヤー
日本未公開
 
母の葬儀のあと施設に入れられたトゥーレット障害を患うヴィンセントは、ひょんなことから摂食障害を持つマリーと施設を抜け出すことに。そこに強迫性障害をもつ同室者のアレクサンダーも加わり、3人は海を目指し車を走らせることに・・。



ラルフ・ヒュートナーが監督し主演のフロリアン・ダーヴィト・フィッツが脚本も手がけた一編です。
フィッツは通っていた演技学校の講師がトゥーレット障害を患っていたことからこの障害のことを知ったそうです。映画の中でヴィンセントがチックの動作と共に汚い言葉を発してしまうのも症状のうちなんだそうで、大切な葬儀の最中も激しいチック症状に襲われ、どうしても周囲の失笑をかってしまうヴィンセントを政治家の父は施設に入れてしまうんですね。




ヴィンセントは施設で摂食障害のマリー、強迫性障害のアレクサンダーと出会い、
ふとしたことから3人で施設を抜け出し旅に出ることになります。
ヴィンセントの願いは母の最期の望みをかなえるべくイタリアの海に行くこと。

カウンセラーのローザ先生の車を盗んでいることに加え、ガソリン代を踏み倒したことから
彼らはヴィンセントの父と先生に追われることになり、いつしか3人の若者と大人との追走劇風ダブルなロードムービーになっていき、これがなかなか痛快。
旅を通し変わってくというのはロードムービーの典型ですが、ときにユーモラスに描きながら障害を持つ者の苦しみや葛藤、そして可能性についても丁寧に描写していくのには感心。
潔癖症のアレクサンダーのバッグから色んなものが出てくるのも痛快で楽しいんですよね。
何かをやり遂げることが自信となり、相互作用で3人の症状が改善していく様子は心温まります。
しかしその矢先、ある局面から映画はダークな展開へとトーンを変え、障害と対峙することはたやすくはないのだと思い知らされるんですね。
ところが本作はそこでもう一度足を踏ん張る。
軽く終わってしまったように見えるラストにこそ、作り手の「何かできることがあるんじゃないか」という思いが集約されているのだと思います。




大人たちの心の変化も見所。
お父さん役のハイノ・フェルヒはどこかで観たと思ったら『トンネル』の主役を演じた役者さんでした。
この父親早くに妻子を捨てていて、めっちゃ嫌なやつなんですが、旅を通し一番変わったのは実はお父さんだったかも。
この映画は障害者を受け入れる家族や周囲の理解の大切さを教えてくれてもいます。




途中広がる山岳地帯の風景はまさに絶景!
いい映画でしたが、個人的には海のシーンをもっと感動的に見せて欲しかったかな。
いくつかのドイツの映画祭で作品賞と男優賞を受賞しています。
日本未公開ながらwowowで放映されたようなので機会があればチェックしてください。
早くもアメリカでリメイクされた様子。観てみたいな。



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コメント
この記事へのコメント
わーい、ご覧になりましたね~(^ー^)これいいよね!
シビアなところも描きつつ、希望を感じさせてくれるところがいいですねぃ。
音楽も良かったっしょ?(^ー^)
トラバ致します!っと~、記事書いてないw
2014/10/18(土) 22:52:36 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
何げに良さそな映画だなぁ。
ロードムービー大好きだし、そこで頑張って成長する人々を描くって鉄板でさらに好み。
pu-koさんとは映画の感動スイッチの傾向が似てると日頃から感じてるので、これもいいはず。
ヨーロッパ映画で、しかも出演者に馴染みがないとなかなか公開が難しいのはわかるけど、そこを放映しちゃうWOWOWとかありがたいよなぁ・・・。
っだ!わたしWOWOWを契約してないから観れない~。
でもハリウッドがリメイクしたなら、スター・チャンネルやシネフィル・イマジカで落ちる確立大かも。
2014/10/19(日) 02:26:30 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
あ、これ観てます~。
忘れかけてたけど、やっぱWOWOWで観たんだな、きっと。
良い映画でしたね~、最後はおっしゃるように明るく締めたけど。
ちょっともう一回見直したくなっちゃいました。
2014/10/19(日) 04:02:26 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
いいわ~、好きだわさ~、こーゆーの。
ま、映画だから実際障害がある人達でやってるわけじゃないけど、
こーゆーのって「ソレはムリっしょ!」って突っ込み
入れたくなる事多々だよね。ま、演技力が問われる分野だね。
私もこの前スッゲーやつ観たんだ!障害なんてハンパじゃないの。
多分記事にすると思う。pu-koちゃんも既に観ちゃってるかな!?
「セッションズ」っての。辛くて泣けて笑える障害者モノ。
(障害者モノ、って言い方はすんげー失礼でした。許せ)
2014/10/19(日) 05:45:02 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
全然知らない映画でしたが、レビューを読んですごく見たくなりました。「トンネル」の主役さんが出ているんですね。アメリカでのリメイクはいかがでしょうか。
まずこれを見たいです。
2014/10/19(日) 06:03:25 | URL | ミス・マープル #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
これよかったね~。
そう、ラストは諦めたのかと思ったら、希望を感じさせてくれました。
音楽も映像もよかったっす。
思わぬ拾い物でした。wowowはこういうのちゃんとキャッチしてくれてていいね。
2014/10/19(日) 08:18:08 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
すごくまじめに障害を持つもの見守るものについて描きつつ、痛快で爽快な仕上がりで、凄くよい作品でした。
ロードムービーっていいよね。
そうそう、みーすけさんとは感動のベクトルが似てると私も思うの。
これもきっとお好きだと思うわ。
wowowは未公開のいい映画をちゃんと取り上げていて凄いよね。
スタチャンなんかもできればオリジナルを放送してくれたらいいね。
リメイクがどこまで頑張ってくれてるか、ちと問題なので・・。
2014/10/19(日) 08:25:18 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
これ良かったね~。
最後は思わぬ希望を感じさせてくれるところはよかったんだけど、せっかくなので散骨をしたらよかったのにって思っちゃいました。お父さんと一緒に。
でも痛快さもあって凄くよかったです。
2014/10/19(日) 08:27:43 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
これ良かったです。痛快なんだけど深刻で、でも「ソレはムリっしょ!」な部分をあまり感じさせない映画だったなぁ。
おー『セッションズ』ご覧になりましたか。私も劇場で観た観た。
リアルででも優しい映画だったね。
時間取れたら感想記事にしちゃって~。
2014/10/19(日) 08:32:34 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ミス・マープルさん>
未公開でソフト化もされてないみたいなので、まだ日本では一部にしか知られてないのでしょうけど、たくさんの高評価が得られてるみたいなので、早くDVDになるといいですね。
『トンネル』の彼がお父さん役を演じていて、うまかったです。
リメイク版のほうはまだ映画祭で上映されただけで、一般公開にはなってないようなんですよ。
評価を見るともう一つのようなので、まずはぜひオリジナルでご覧いただきたいです。
2014/10/19(日) 08:38:50 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ロードムービーってなんか好きです。
当たり外れもありがちなんですが、これは良さげw
wowowチェックしてみますね
2014/10/19(日) 17:16:15 | URL | 翔 #79D/WHSg[ 編集]
翔さん>
私もロードムービーはかなり好きなジャンル。
成長したり人との絆が芽生える映画ってやっぱりいいよね。
wowowナイスです~。
2014/10/20(月) 16:28:20 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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