映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『スリーピング ビューティ/禁断の悦び』あともう少し説明してくれたら・・
2014年09月12日 (金) | 編集 |



シッチェス映画祭特集 4本目
今日は「“シッチェス映画祭”ファンタスティックセレクション2012」からのセレクト
スリーピング ビューティ/禁断の悦び (2011)オーストラリア
原題:Sleeping Beauty
監督:ジュリア・リー
出演:エミリー・ブラウニング/レイチェル・ブレイク/ ユエン・レスリー / ピーター・キャロル 
 クリス・ヘイウッド/ ヒュー・キース・バーン
 
学費を稼ぐために様々な職種で働く女子大生ルーシー。ある日、より高い収入を求めて、怪しげな秘密クラブの仕事に応募する。最初は下着姿で金持ちの老人相手に給仕するだけだったが、オーナーに気に入られ、新たな仕事を任される。それは、睡眠薬を飲んで一晩ベッドで眠るだけという奇妙なもの。しかし、眠っている間に何が起こっているのか全く分からず、次第に不安が大きくなっていく…。





 オーストラリアの小説家ジュリア・リーが川端康成の『眠れる美女』などを原案に
映画初監督に挑んだミステリアスなドラマです。

 眠れる美女を演じるのは白い肌が美しいエミリー・ブラウニング
ルーシーはいくつかのバイトをこなし、夜にはバーで男を誘ったりもする。
そうまでして学費を稼ぐわりには、大学の勉学にさほど力を入れてるようにも思えず
かといって仕事を楽しんでいる風でもない。
ある意味淡々と無感情に生きるルーシーが唯一穏やかな表情を見せるのがバードマン(ユエン・レスリー) と過ごす時間。
ルーシーはアル中で仕事もないバードマンを時々訪ねては酒を差し入れる。
シリアル(?)にまでウォッカをかけてあげる親切さw 凄くまずそうなんですけど。
ルーシーとバードマンは互いに現実から目を背け生きてるんですよね。。
ときにプロポーズのような真似事をしても、それが不可能なことは痛いほどにわかっているのが切ない。





 さて、ルーシーの新しいバイトに触れずに感想を書くのは不可能なので以下ネタバレです。
全く知りたくないという方はスルーでお願いします。



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ルーシーは強力な睡眠薬を飲んだあと、全裸でベッドに横たわります。
その間、老人はルーシーをもてあそぶことを許されるのですが、ただし挿入は禁止。



 副題の「禁断の悦び」に釣られた方も多いと思うけれど
禁断ではあっても、この映画に「悦び」はありません。
老人たちの行動はさまざまながら、結局は反応のない眠れる美女に落胆したり無力感を感じているように見えるのです。

 思えばこの映画には「死」が付きまといます。
老人そのものが死に近い存在であることはもちろんのこと、
感情を持たないルーシー自体も生きていながら死んでいるも同然。
映画はそんなルーシーが現実に目覚めていく姿を描いていきます。

 印象に残るのはルーシーが劇中初めて感情を表すシーン。
そんなバーチャルな世界に生きていたはずのバードマンに「限界に近づいている」と告げられたとき
ルーシーは背を向けていた現実に引き戻され、うろたえ涙を流すのです。

このあたりから彼女の中で変化が起こり始める。
彼女は自分が寝ている間に何が起きているのかが気になり
何も見ない、何も感じずに寝ていていいのかと思い始めるんですね。
列車の中で眠る婦人の流した涎をルーシーが袖でそっと拭うシーンは、
ルーシーが自分を客観的に見始めたことを意味するんでしょうか。

 見直してみて、ルーシーの無感情な日常と心の変化はがよく描かれていることがわかった。
でも何故そんな固い殻を被るようになったのかがいまいちわからないのが
初見でルーシーへの興味をそぐことに繋がってるかと思います。

副題で官能映画と煽るのもやめたほうがいいですね。
そっち期待すると「前振りが長くて退屈。ワケ分からん」ってことになりますから。

最後にルーシーは激しく慟哭します。
半死の状態だったルーシーが生まれ変わった瞬間
彼女の中で閉じ込められていた喪失の悲しみが一気に噴出したのではないかな。
ここにきて初めてバードマンへの想いを改めて感じたし、
彼女がお金に執着したのもバードマンを支えるためだったのかなと思ったり

でもそれも自分の想像の域を出ず、もう少し説明があったらなぁと思った次第です。



秘密クラブに盆栽が飾られていたり、薬入りのお茶を煎れるのに茶せんが使われていたりと
日本的なアイテムが登場するのは川端康成の原作を意識してのことかな。

ブラウニングの透明感溢れる存在も相まって目に美しい映画ではありますね。
惜しいと思うところはあるけど、好きな作品です。

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コメント
この記事へのコメント
雰囲気はよさそうな映画ですね。
この手のバイトで睡眠薬を飲むのはなかなか怖いですよね。
こっちでは、本当に沿い寝するだけ、とか、
浴衣で膝枕するだけ(耳かきはオプション)とか、
Hしないで、そう云う風俗業?増えてますし、ニーズもあるようですが。
そう云えば、アボリアッツ映画祭を引き継いだ
ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭はあんまり話題にならないですね。
シッチェス映画祭ももう少し話題になるといいですよね。
2014/09/11(木) 13:52:54 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
「貴女へ送る官能ナイト」とかってくくりで特集してたシリーズで観ました(笑)
緩いポルノか?って感じだったな~。
わたしも主人公の生きることへの熱の無さの原因がよく分からなくて、繰り広げられる変なプレーもふーんてな感じでね。
最後の感情爆発へのスイッチに追い付けなかった記憶があったんだよね。
Pu-koさんのレビュー読んでなるほどなと。
もっかい観たら印象違うかもしれない。
2014/09/11(木) 21:37:57 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
へーー、実際にそんな仕事があるんだぁ。
その手のサービス業も多様化してるんですね。
医学的、精神的にも有効なのかもしれませんね。
そそ、薬を飲んで意識のない状態で客と2人きりとか、それは危険すぎて現実には無理そう。
そういえば終わって久しいのに、いまだ耳にするのはアボリアッツのほう。
ジェラルメ映画祭って意識したことないです(汗)
シッチェスはこのファンタスティックセレクションの企画が浸透していけばもう少し話題になるのかも。でもallcinemaの映画祭のデータベースにも入ってないし重視されてないですね。
出品数や部門が多すぎるのもデータ収集を困難にしますよね。、
2014/09/11(木) 22:20:10 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
うわ、そんなくくり?(笑)
どうりで期待はずれとの感想を目にするはずだw
まぁ、ヒロインのお身体を堪能できるのはいいんでしょうけど。
でしょでしょ、ヒロインの無気力の原因、よくわからないよね。
そこもう少し説明あると、映画ももっと深くなるような気がするんだけどなぁ。
わかったようなわからないようなで、ちょっとモヤモヤ~。
2014/09/11(木) 22:25:38 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
世界のノ-ベル賞作家川端のエロ小説ですか
有名な伊豆の踊り子といいエロ度は変わってない  じじいになったら
枯れろよと思うんだけど そうなるまでに死んでもうて
2014/09/12(金) 06:10:57 | URL | おみゃあ #79D/WHSg[ 編集]
レンタルで何度も観ようと思って手に取った一作です。(笑)
もう一押し、なんか足りなかったなぁ~。
でもpu-koさんが好きだって言うんなら、今度観てみようかな。
2014/09/12(金) 06:45:03 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
おみゃあさん>
人間死ぬまでエロ!
それもいいではないですか♪
2014/09/12(金) 08:18:01 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
ちょっと惹かれるでしょ♪
多分思ったのと違うと感じると思うけど、個人的にはそこがよかった。
意外にも深いものがありました。
エミリー嬢もパっと出の新人かと思いきや10歳の頃から子役でやってるようで、すでにベテラン。最近見た『トランストリップ』でもうまいと思ったけど、新作ではトム・ハーディと共演。
注目すべき女優さんです。
お胸小さ目の色白なお体もチェック~。
2014/09/12(金) 08:23:31 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
おっと~、これ録画失敗してたやつだ(^^;
そかぁ、好きな作品でしたか。
またの放送に期待しつつ、ネタバレ部分はスルーさせていもらいまっす。
早く観て、ネタバレ部分読みたいわw
2014/09/13(土) 22:24:10 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
はい、放送されたらぜひご覧ください。
仕事の中身なんかはここ観ずともそのうちに目にすると思うんですがあまり情報入れずにね。これは「何故」を紐解く面白さがあって好きでしたよ。
2014/09/14(日) 10:35:53 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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