映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】 リスボンに誘われて
2014年06月23日 (月) | 編集 |


リスボンに誘われて(2013)ドイツ
原題:Night Train to Lisbon
監督:ビレ・アウグスト
出演:ジェレミー・アイアンズ/ ジャック・ヒューストン/シャーロット・ランプリング/メラニー・ロラン/ マルティナ・ゲデック / アウグスト・ディール / ブルーノ・ガンツ/ レナ・オリン/ クリストファー・リー  
日本公開:2014/9 リスボンに誘われて [DVD]
 
何年かに一本、泣きたくなるほど好きな映画に出会うことがある。これは私にとってそんな一本です。
パスカル・メルシエの世界的ベストセラー「リスボンへの夜行列車」の映画化である本作は、スイスで退屈な毎日を過ごす高校教師である主人公が、一冊の本に出会うところから始まります。
ページをめくるたびに何かが彼の魂を揺り動かす。
それが何かを知るため、彼はリスボン行きの夜行列車に飛び乗るのです。

主人公ライムントを演じるのはジェレミー・アイアンズ
妻と離婚し一人暮らしの彼の味気ない日常は、ゴミ箱から拾い上げた出がらしのティーバックでお茶を飲む様子にも象徴されています。そんな彼が仕事も放り出しリスボンで紐解いたのは、著者アマデウの半生。
映画は過去と現代を交錯させ、アマデウの生きた時代を浮かび上がらせます。
70年代、ポルトガル最後の独裁政権下に生きたアマデウは医者であると同時に革命家だったことがわかってきます。その生き様にライムントは自分の人生のなんと平凡で退屈であるかを思い知ることになるのですが、この映画が面白いのはそれだけに留まりません。
ライムントはリスボンでいくつかの閉ざされた扉に出くわす。アマデウの人生を紐解くジャーニーは、やがてこの扉を開く役割を果たすことになり、その様子が静かな感動をもたらすんですよね。




思えばこの映画にはたくさんの偶然が描かれます。
赤いコートの女性と出会ったことも、彼女のポケットにアマデウの本が入っていたことも、列車の出発時刻が15分後に迫っていたことも、リスボンで眼鏡を壊してしまうことも 全部偶然。
でも運命論的に見ると、全ての偶然が必然だと思えます。
ライムントがこの本に惹かれたのは、おそらく彼の中で何かを変えたい想いがあったからでしょう。
人生にはさまざまな出会いがあり、気づかずに見過ごしてしまうこともあるけれど
思い切って列車に飛び乗ってみたら人生変わるかもしれない。
劇中流れる音楽も美しく、久々に「好きで好きでたまらない」1本でした。




監督のビレ・アウグストは、2度のパルムドールを受賞したデンマークの名監督とのこと。
そんなことも知らずに観たのだけど、なるほど上手いわけだ。
アマデウを演じるのはジャック・ヒューストン、彼を愛する革命家女性にメラニー・ロラン
アマデウの妹にシャーロット・ランプリング、アマデウの親友ジャックに ブルーノ・ガンツ等々キャストも豪華でした。
ポルトガルのサラザール政権の末期について少し知っておくとより分かりやすいかもしれません。
日本公開は9月です。


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コメント
この記事へのコメント
初めまして。
こねたみっくす 様のブログから来ました。
私も映画ブログをやっておりまして、よろしければ相互リンクしませんか?^^
よろしくお願い致します。
◆サイト名:映画の感想.com
◆URL:http://eigakansou.com/
2014/06/23(月) 09:02:34 | URL | 牧本 遥 #79D/WHSg[ 編集]
この記事の最初の一行を読んで決まり!!
絶対に観ます。
私もなんだかワクワクしてきた。
観たらね(汗)・・・。
2014/06/23(月) 09:13:23 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
この監督の最近の作品は「マンデラの名もなき看守」ですよね。
そうですかぁ~、そんなに心に来ましたか。
キャストもシブ好みで揃えてますね。
これは観ておきたいですなっ。
2014/06/23(月) 09:14:43 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
なるほど、ビレ・アウグストの映画なんですね。
原題の方が雰囲気がありますね。
おもしろそうですね。チェックしておきます。
人生の小さな、見落としてしまうような部分を拾ってくれる映画って
いい作品が多いですよね。
2014/06/23(月) 10:28:07 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
牧本遥さん>
はじめまして、ようこそ。
ご訪問&相互リンクのお誘い、ありがとうございます。
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
2014/06/23(月) 19:13:40 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
私の感覚が必ずしも一般の評価と違う場合もあるので要注意ですが(笑)
とにかく好きな作品だったので、ぜひご覧になって感想をお聞かせください。
2014/06/23(月) 19:23:06 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
そうそう、私が唯一観てるのも『マンデラ~』だけでしたが、今回はなんだか気持ちにぴたっとはまったんですよねぇ。
キャストもなかなか豪華でしょ。ただ、みんな英語を話すのは違和感があります。
ポルトガル語っぽく離してるのかもだけど、若い頃と年取ってからの言葉のなまり具合が違ったりしてね。それをのぞけばかなり好きな作品でした。
2014/06/23(月) 19:27:15 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
恥ずかしながらほとんど知らないビレ・アウグスト監督作品でした。
ジェレミー・アイアンズの演技もナチュラルで、人生の転機を静かに描く作品ですが、運命を感じられる部分にワクワクすることもできてとても良かったです。
ぜひチェックしてくださいね。
2014/06/23(月) 19:34:21 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
管理人様
相互リンクの件、ありがとうございます^^
こちらもリンクのほう以下に載せておきました。
http://eigakansou.com/sogolink
今後共よろしくお願い致します
2014/06/23(月) 22:36:21 | URL | 牧本 遥 #79D/WHSg[ 編集]
ジェレアイ(で、でたーー!!)はさぁ~、
昔っから爺さん顔だよね。今幾つなんだろ?
ま、そんなんいいとして。。。
pu-koちゃんが「好きで好きでたまらない」1本、って言うくらいだから
私も、好きで好きでたまらなくなってみたーーい!興味津々だ!
途中でファンタジーみたくならんでしょうね~。
急に「え?」ってヤツ苦手なんで。
最近、心が震える程の作品に巡り合ってないわ~><
チャニング君のsexyダンス満載の『マジック・マイク』を
アマゾンで買おうかって思ったくらい。
感動したんじゃなくて、要はチャニング君のボデーにキュン💕なだけ(笑)
2014/06/24(火) 04:10:14 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
あーわかる!
わたしも何年かに一度、ああこの映画はオールタイムベスト入りだなってのがあります。
今年はなんと既に2本そんな出会いがありました。
ただ何ヵ月かするとその感覚が薄れて本当に残ってくるのはわずかになっちゃうのよねー。
ジェレミー・アイアンズ好きだし、期待して公開を待ちます!
2014/06/24(火) 05:41:13 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
牧本遥さん>
ありがとうございます。
2014/06/24(火) 09:01:16 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
ジェレアイって(笑)
これ良かったよ~。
過去と現在といったりきたりで見せる作りではあるけどファンタジーでは全然ないので大丈夫。
わはは、『マジック・マイク』欲しいんだ。
マッチョなチャニング君好きだったっけ?(笑)
ジェレアイは65歳かな。
いつまでも変わらないと思ったら昔がふけてたんだね!!w
2014/06/24(火) 09:08:04 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
あ、そうそう、
観終わったときにいたく惚れ込んだのに、年末トップ10を選ぶときには感動薄れてそんなに良かったっけ?って思うこと多い(笑)
その後もずっと好きな作品で留まるものって案外少ないんだよね。
今年のみーすけさんの珠玉の2本は何かなぁ。
2014/06/24(火) 09:11:55 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ジェレミー・アイアンズ  ってジイさん顔のジイさんしか思い浮かびません
なんかキザったらしくて  ゴミ箱から出がらしのティパック取る姿
やはりカッコつけてるんでしょうか   ちょっと胡散臭い 笑
2014/06/24(火) 17:25:44 | URL | おみゃあ #79D/WHSg[ 編集]
あら絶賛ですね。
なんだかウットリしてしまいそう。
pu-koさんが好きな映画というと
ある日どこかでを、思い出します。
あれも素晴らしかったので、この映画も観ますね
2014/06/24(火) 22:55:26 | URL | 翔 #79D/WHSg[ 編集]
あぁ、そういうのわかります。語りつくせないほど思いが溢れるけど、言葉に出すのがもったいないような、そんな感じかなというのが、PU-KOさんの心にとっても響いたんだろうなぁという思いと共に、レビューから伝わってきます。
キャストも魅力的だし、私もこれ観たいわ~
2014/06/25(水) 07:32:44 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
おみゃあさん>
確かにジェレミーさん昔からふけ顔。
でも実はまだ60代みたいですよ。
この映画ではきざなところは全然なくて、ナチュラルでよかったです。
いやいや、ゴミ箱からティバッグ拾い上げて「カッコつけ」にはなれないでしょw
T-バックなら話は別だけど(笑)
2014/06/25(水) 13:00:03 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
翔さん>
絶賛って言うか、なんか好きだったんですよ~。
うんうん『ある日どこかで』も大好き。
でも『ラビット・ホール』は翔さんだめだったよね。
そんなわけでたまに翔さん好みでないものもあると思うので、ハードル上げすぎずに見ちゃってくださいね(笑)
2014/06/25(水) 13:07:38 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
わーい、わかってくれてありがとう。
うん言葉にするともったいないと言うか、語彙が少なくてうまく表現表現できないのがもどかしいですがw
なぜか心に響いて、観てる途中で「好き~!」とか叫んでました(笑)
ひそかにお勧めです。機会があればぜひ。
2014/06/25(水) 13:11:03 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
約2ヶ月ぶりに劇場で観た映画がコレ。
私をリスボン(映画館)に誘ってくれたのはpu-koさんでした(笑)・・・。
コレ、良かったです。いかにもpu-koさんが好きそうな映画で(笑)
隣の席が美人さんやったので余計に良かった。私も記事にします。
ここだけの話、今オカンが入院中で、ブログは自粛してます。
オカンの容態が安定したら記事を公開しますわ。
2014/09/13(土) 21:59:44 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
ご覧になれましたか。
はは、私が好きそうでしょ。
久々の映画を楽しめて何よりです。
一口メッセージと前の記事からご家族のどなたが入院中なのかなと気になってました。
お母様、心配ですね。元気に回復してくれますように。ゾンビマンさんもお身体気をつけて。
2014/09/14(日) 10:32:24 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
これ、よかったですねー。映画の売り方が敷居の高いものだっただけに、もっとたくさんの人に観てもらいたい映画でした。歴史の勉強になって、ジェレミー・アイアンズのささやかなラブコメも観れちゃうのですもの。今年観た数少ない映画からすると、ベストワンになるかも。
2014/11/22(土) 01:06:03 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
良かったですね~。
私も今年の総合を考えるとき、これ忘れないようにしなくちゃと思ってます。
歴史がらみでもあり難しいのかなと心配しましたが、映画としてはあくまで青春の1ページして描かれている概要だけ理解できればいい感じだったのも良かったです。ジェレミーさんのラブコメに落ち着いたのもなんかうれしかったですよね。
TBありがとうございました。
2014/11/22(土) 13:41:36 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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