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【映画】『セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身』タイトル長っ!
2014年08月02日 (土) | 編集 |
 
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『複製された男』を観たついでに、「もうひとりの自分」をテーマにした映画を少し観ていこうと思います。

まずは、ジョン・フランケンハイマーの66年の作品『セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへ転身』を。
セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへ転身(1966)アメリカ原題:Seconds 監督:ジョン・フランケンハイマー 出演:ロック・ハドソン/サロメ・ジェンズ/ ジョン・ランドルフ/ ウィル・ギア/ マーレイ・ハミルトン   リチャード・アンダーソン/ ジェフ・コーリイ
  50代のアーサー(ジョン・ランドルフ)は、何不自由なく暮らす銀行員。
しかし自分に何の価値も見出せなくなった彼の日常は虚無感に溢れている。
そんなアーサーのもとに、死んだはずの旧友チャーリーから電話がかかる。


「新しい自分に生まれ変わりたくないか?」



過去を捨て、新たな男として生まれ変わる銀行員の顛末を描くSFスリラーです。
銀行員アーサーは戸惑いながらも謎の電話に従いある場所へと足を運んだ結果、
「ウィルソン」という全く新しいアイデンティティを手にすることなるんですね。
なんと整形されたお顔はロック・ハドソンでっせ!

 

しかもマリブに海の見える邸宅まで準備してくれるなんて、めっちゃいい会社やん!! なんですが・・・
さて、アーサーは幸せになれたでしょうか という話
ソウル・バスのホラー風のオープニングクレジットから始まり汗をにじませ、暗い表情のアーサーを追う冒頭から、
何かとてつもない負の力を感じます。

いきなり「自身」を捨てることにもやむなしと納得させられるアーサーの虚無感
アーサーを生まれ変わらせる秘密組織の悪夢的な見せ方も相まって、映像の力にも圧倒されました。
 
アーサーくらいの歳になると、生活は安定しているけれど、実は能力の衰えも感じ始める仕事しかり、
セックスレスの夫婦生活、一人娘を嫁に出した喪失感
おそらくは心臓に問題ありの体力の衰えなどが一気にやってくるんですね。
 
趣味でもあればいいのだけど、まじめに生きてきた人間はそれがなく、妻と共有するものもない。
あー、これではいけないんだと自分自身にも重ね合わせたりして
誰にもやってくる中年クライシスをどう乗り切るかを考えさせられもしました。
 
ところで、ここからは結末に触れることになるので、申し訳ないですがネタバレで 未見の方はご注意ください。
 

        


新しいアイデンティティを得たアーサーはウィルソン(ロック・ハドソン)として新生活を始めるのですが、
まもなくして彼は違和感にさいなまれることになる。
再び彼は組織を訪ね、新たなアイデンティティを与えられるんですが
結果、背筋の凍るホラーな結末が待ち受けているんですよねぇ。
ま、そこは明かしませんが・・

最後は子供と大人が楽しそうに戯れるシーンが映し出されてエンドクレジット
あれは、まだ見ぬ(そしてこれからも見ることのない)孫と遊ぶアーサー自身の姿を思う妄想なのか
はたまた、幼き自分と父親の姿を思い出しているのか
いずれにしても、アーサーの一番幸せなときなのでしょう。

人との関係を構築することを諦めたアーサー。
本当は幸せは実は身近なところにあったのに、今頃気づいてももう遅いわけで・・。

強烈なメッセージと共に、今自分がすべきことは何かななどと考えさせられた作品です。
これは凄い。

ちなみにセコンドというのは新しいアイデンティティを与えられ第二の人生を歩む者として使われていますが
タイトルが複数なのはアーサーが二つのセコンドを得たことからでしょう。
思えばこの秘密組織が当事のお金とは言え3万ドルくらいの報酬で成り立っているのは
3番目のアイデンティティを与え顧客を抹殺するからとも思えるわけで、そう思うとまじ怖い会社ですよ。

しかし邦題はご丁寧すぎませんか。
副題はせめてアーサーの転身、もしくはウィルソンへの転身だけでいいじゃん。
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   ・・・・・・・・・・ ;

 
      
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コメント
この記事へのコメント
残念ながら現状では見れない作品ですね。むむむ。
ソウル・バスのタイトルロールだけ見てます。
なかなか怖いですよね。タイトルw
見たいんですけどね。
2014/08/01(金) 11:15:59 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
これ凄く面白いし、こちらでも評価高いんですが、日本でソフト化されないのは何故でしょうね。
そう、タイトルロールからやたら不気味w
タイトル、フルネームじゃなくても・・と思いました(笑)
ぜひ観ていただきたいなぁ。
2014/08/01(金) 13:46:07 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
これは見たくて未見。
中年クライシス・・・すんごくわかるわ。私も陥ってる。
ちょうど人生を振り返る時期だし、違う人生に逃避したくなる。
でも、結局は今の自分を取り巻く人たちが居心地良いし、一度しかないから人生っておもろいんですよね。
2014/08/01(金) 17:38:08 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
この春先ぐらいにCS垂れ流しして偶然観ました。
この時代に何ともスタイリッシュなかっちょいい映画だな~と思ったら、フランケンハイマー。さすがだな。
中高年の危機って当時からあったのね~とか、悪魔に魂を売っちゃうような皮肉な展開も、観ごたえあったね。
ロック・ハドソンの演技もグッドで、大根とか言われてたらしいけどそんなこと無いよね。
実はオネエだったロック・ハドソンは笑顔がチャーミングで好きな役者。
みーすけの脳内ではケーりー・グラントと同じカテゴリー。
あ、性癖でなく風貌やフェロモン感がね(笑) 因みにそのカテゴリーにはジェラルド・バトラーとかも入っちょります。
2014/08/01(金) 19:56:51 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
これは4年前に手掛けて
作りましたね。
人間の生まれ変われるなら
という願望と衝動を
上手に逆手に取った
スリラー映画ですねえ。
日本ではTSUTAYAの
オンデマンドDVDで
入手可能ですし、最近は
BS有料チャンネルで
幾度か放送されてますが、
アメリカ版にある葡萄酒
祭のムフフなシーンが
一部削除されております。
自作版は完全バージョンです。地味だけど恐い映画。
2014/08/01(金) 21:59:40 | URL | GH字幕 #79D/WHSg[ 編集]
ホント、タイトル長いねw
あ、日本ではソフト化されてないんですか。
ネタバレ部分スクルールしたけど、画像が目に入って、思わずちょっと笑いそうになったけど、笑うとこじゃない?w
2014/08/02(土) 01:20:13 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
長っ!(笑)
でも、これもインパクトある邦題やな~。
内容も非常に好みな感じです。
DVD化されたときは迷わず観ますぜ。
監督も好きだし。
2014/08/02(土) 04:18:57 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
少しだけ「セコンド」にふれている記事があるのでTBさせてください。
ソウル・バスの記事なんですが。
この映画見ている人が少ないと思うので、貴重な記事ですね。
2014/08/02(土) 07:22:07 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
おーー、存在をご存知なのは流石。
中年クライシス わかりますよね。
そのときに居心地のいい家族や、ともにいたいと思う友人などがいなければ
いきばのない気持ちに陥るだろうと思います。ゾンビマンさんは大丈夫ですね。
2014/08/02(土) 07:37:20 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
おー、ご覧になってますね。
悪夢的な映像も中年クライシスな内容も普遍的でもあり、古さを感じさせないんですよね。
ロック・ハドソン作品私は他に記憶がないんですけどw このあとカミングアウトしてエイズで亡くなった最初のハリウッドスターらしいですね。
大根だったんだ(笑)でも終盤抑制され暴れるシーンも迫真の演技で頑張ってたよね。
ははは、みーすけさんの俳優カテゴリー一覧を見てみたい(笑)
ファスは何カテ?(笑)
2014/08/02(土) 09:42:16 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
字幕さん>
さすがのチョイスですなぁ。
面白くて怖いスリラーでした。
あ、TSUTAYAオンデマンドで入手できるんですか。それは良かった。
ワイン祭りのシーン、修正入れるほどでもないのに日本はお硬いね。
2014/08/02(土) 09:45:32 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
名前忘れたらタイトル言えないって、そういうのどうなの?ってね(笑)
そう、ソフト化されてないと思ったけどTSUTAYAオンデマンドDVDでは取り扱っている様子。一般のレンタル店でも置いてくれるといいのにね。
あ、でもCSでやることもあるようなので、この長いタイトル覚えておいて(笑)
画像は笑いどころです(笑)
この後、お友達シリーズに入りますので(笑)
2014/08/02(土) 09:51:32 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
邦題長すぎるよね~。そもそも名前二つすぐに出る?(笑)
映画自体はあとからじわじわ怖さを感じる類で、きっとKaz.さんもお好きだと思います。
ぜひ。
2014/08/02(土) 09:54:18 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
ソウル・バスを取り上げられてるとは流石。
記事とても興味深く拝見しました。
アートとしてまた他の作品も観てみたくなりますね。
字幕さん情報によるとTSUTAYAオンデマンドでDVD入手可能なようです。
2014/08/02(土) 10:29:52 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
いちおう販売ページのURL貼っておくよ。
http://www.tsutaya.co.jp/works/10356562.html
高いね!
2014/08/02(土) 10:42:18 | URL | GH字幕 #79D/WHSg[ 編集]
字幕さん>
ありがとうございます。
うん、高いですね。
2014/08/02(土) 11:50:28 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
オンデマンドまだりようしたことな~い
でも、ちょっとみたいかもです
2014/08/02(土) 20:38:00 | URL | る~ #79D/WHSg[ 編集]
る~さん>
オンデマンドといってもこれはDVDを注文して買うスタイルじゃないかな。
なので普通のDVD購入と変わらないかも。お値段高めですが。
2014/08/03(日) 09:32:20 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
初見はWOWOWでしたがその後字幕さんのヴァージョンを拝見。
かなり好きな映画ですが、カルト作ですね。
原作者のリチャード・ニーリイはヘンな小説ばかり書いてる人で
00年代に入って、なぜか翻訳がぷちブームになった。
観光旅行だかそんなタイトルの小説は、バスで団体旅行するんだけど
自分をスパイだと思った主人公が妄想なのかなんなのか
不思議な物語で、最後は巨大なイグアナと戦うって説明したけど
説明不能な小説でした。
短編も秀逸で、読むなら『ヨットクラブ』って作品がオススメ。
この作品も短編の趣だよね。
フランケンハイマーは時々こんなようなヘンな作品撮るけど
そういえば『フィクサー』も面白かったなあ。
あれも確か未ソフト化。
2014/08/03(日) 19:58:30 | URL | HK #79D/WHSg[ 編集]
HKさん>
リチャード・ニーリイ覚えておこう。
バッド・ルーテナンでニコケイがイグアナの幻覚を観ていたけど、イグアナってのは何かを象徴するものなのかな。
フランケンハイマーってなんとなく硬いイメージで録画放置にしてしまってるのがいっぱいなんだけど、こういうへんてこ(でも傑作)な作品もあるんだって知ったので、順次観てみますよ。楽しみ。でも『フィクサー』はタイトル時々見かけるのに録画してない。残念。
2014/08/04(月) 12:19:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
まっちゃえました!原作者はデヴィッド・イーリイです。
「ーリイ」の語感で取り違えた模様。
どうも、歳です、、、
ちなみにリチャード・ニーリイも面白いです。
2014/08/09(土) 08:05:37 | URL | HK #79D/WHSg[ 編集]
HKさん>
ありゃ、訂正ありがとうです。
どちらも知らない人で(笑)、気づかず申し訳ない。
ニーリィ、イーリィ覚えておきます。
2014/08/16(土) 13:36:13 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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