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【映画】『嗤う分身』 最後に嗤うのはイケてる自分かそれとも・・
2014年08月28日 (木) | 編集 |



ドストエフスキー原作『分身』の映画化。
もう一人の自分の出現 によって全てを狂わされていく男の顛末を描く心理スリラーです。
サブマリン』のイギリスの新鋭リチャード・アイオアディがメガホンをとりました。
嗤う分身(2013)イギリス
原題:The Double
監督:リチャード・アイオアディ
出演:ジェシー・アイゼンバーグミア・ワシコウスカ/ウォーレス・ショーン/ヤスミン・ペイジ
日本公開:2014/11/8
 
ある日、空いてる電車で「その席は自分の席だ」と席を奪われた主人公サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)。電車から降りる際にドアに鞄を挟まれ、身分証明書をなくした彼は、職場に入るのでさえ困難を要した。7年も働き、顔見知りのはずのセキュリティ・ガードはサイモンを知らないと言うのだ。
その日から彼の周囲で不可思議なことが起こり始める・・・

 サエない僕の目の前に、 イケてる“僕”が現れた。
恋も仕事も存在さえも、“僕”が僕のすべてを奪っていく――。





『他人の顔』や『複製された男』などアイデンティティものが続きますが、マイブームにつきお許しください。

主人公のサイモンは優しいのだけど引っ込み思案で、自分の言いたいことも口にできない冴えない男で
職場からは認められず、ダイナーのウエイトレスにも軽くあしらわれる始末。
施設に入所中のゾンビみたいな母親から、どこにいても電話がかかったりしてね。
この施設がこれまた不思議空間なんですが。彼を取り巻く空間はストレスがいっぱいです。
そんなサイモンの前に現れるジェームズは姿かたちはそっくりなのに性格は間逆。
スマートかつ狡猾に立ち振る舞い、女性にもモテるカリスマティックなジェームズは、やがてサイモンの暮らしを侵食していくんですね。
ジェームズは何者か・・ というのは観て感じていただくとして
ジェシー・アイゼンバーグは、服装も髪型も同じサイモンとジェームズを、容易に判別できるほどに演じ分けていてお見事。




うじうじ男のとことん暗い不条理モノかと思いきや、ブラックユーモアを感じるところもあり。
向かいのアパートに住むハンナ(ミア・ワコースカ)に惹かれていくサイモンの
孤独な者同士が共鳴しあうラブストーリーとしてもちょっと素敵。
ラストはトリッキーですが、伏線を効かせ最後に嗤うのは誰かを見せてくれます。

設定のファンタジー性はそれとして受け止め、クレバーなストーリーを楽しむべし。
世の中には自分そっくりのダブルがいて、人生は椅子取りゲームなのかもしれません。
『イレイザーヘッド』のようなリンチの世界にも似たデストピアな空間に
「ブルーシャトー」や「上を向いて歩こう」などの日本歌謡が妙にはまる。
時代も国籍も不明なレトロな世界観がちょっと癖になりますよ。これ好きだわ。

第26回(2013年)東京国際映画祭コンペティション参加作品

     
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コメント
この記事へのコメント
これは絶対に観たい。
とりあえず同じ姿で真逆のふたりがネタふりになっている作品なら最高の匂いがする。
それで別の事を伝えているなら最高ですね。
2014/08/28(木) 02:39:22 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
むふふぅぅん、思いきり琴線に濡れて、あ、触れてきたなこれ。
不条理な異空間的映画は、観賞後に現実世界がちょと違くなって見えるから好きだ!
ジェシーくんて何気にいいよね♪
いけてないボーイからつかみ所のないハンサムまで作品によって印象が変わるのは演技力の賜物でしょう。
11月かぁ、楽しみ♪
2014/08/28(木) 03:53:44 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
昭和歌謡のメロディラインは外国の方にとっちゃ新鮮なのかもですね~。
由紀さおりさんの例もあるし。
ドフトエフスキー文学をどのように料理してるのか、かなり興味津々です。
観たいな~。
2014/08/28(木) 04:13:28 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
これ面白かったんですが、『複製された男』と同じ系統でもあり
予告ほどスピーディでもないので、それなりに覚悟してご覧ください。
起きてることをそれとして受け入れるとその世界観を楽しめるかと。
2014/08/28(木) 09:24:53 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
おっと濡れ・・あ、触れましたね(笑)
ジェシー君はやっぱりうまい子なんだよね。
いじいじダサ男クンと同じ服装(しかもずっと同じ服w)でもハンサム君に演じるんだから
こりゃ大したもんだと思いました。
不思議な世界観をお楽しみあれ。
2014/08/28(木) 09:29:59 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
Kaz.さん>
昭和歌謡、自分にとっては懐かしさもあって、嬉しくなったんですが
外人さんには新鮮に感じるのかもですね~。
youtubeの『上を向いて歩こう』のポストを見ると、昔バンドで演奏したなど外国人のコメントもたくさん寄せられていて、世界中の人が同じよう曲を愛で、懐かしんでることにウルっとしちゃます。
原作も読んでみたくなりました。
監督さんにもちょっと注目です。
2014/08/28(木) 09:42:03 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
二重人格ですね むかし読んだような  途中捨てたような
カフカ並か
森トンカツ、泉ニンジン とやった口ですか
2014/08/28(木) 17:40:07 | URL | おみゃあ #79D/WHSg[ 編集]
知ってますよね、こーゆーの私の大好物ってこと!
彼は私にとって記念すべきオトコなんです。えええ?
それは、
平成23年唯一映画館へ出向いた映画、オマケにその年はソレしか観ていない
「ソーシャル・ネットワーク」の主人公だから。記念でしょ?
ある意味、忘れられない顔だよね!?
小柄で猫背、早口でクセッ毛。
すんげー観たいわ、コレ。
どっちが嗤うの?ね、どっち~?
2014/08/29(金) 00:17:28 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
おみゃあさん>
おー、さすが永遠の文学青年。
森トンカツ、泉・・あれ?ニンニクじゃなかったっけ?
って、やっとった口なのがばれましたw
2014/08/29(金) 10:21:13 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
おーー、chacoさんをひさしぶりの映画館にいざなったのがジェシー君だったんだ。
彼も地味ながら確実に実力つけてきたし、独特のキャラでいいよね。
これね、もしかしたら、好みは分かれるかもしれないわ。
観る人で解釈が異なるかもだし。私もまだあいまいな部分が残ってるし(汗)
ま、でもあれこれ考えるの好きなので、私は楽しめたんですけどね。
2014/08/29(金) 10:47:16 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
原作と同じだと、今の時代にはちょっと新鮮味がないと思うので、
変えているのでは?と予想w
母親のいる施設は何かのメタファーなんでしょうね。
こう云うのは演出や切り口でどんどんおもしろくなるから、
どういう切り口か期待ですね。
2014/08/29(金) 14:03:50 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
題材からすると、ミステリアスな感じなのかと思ったら、予告観ると違う感じ?w
ジェシーくんだし観たいな~~
2014/08/30(土) 02:17:37 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
miskaさん>
原作はやっぱり(小説の)邦題のような内容になってるんでしょうか。
だとすると多分随分とアレンジされた形かも。
本作では分身の存在をエイリアンの乗っ取りとかにも取れそうですもん(笑)
母親の施設は、圧迫感の象徴かもなぁ。
そうそう、自由な切り口が面白い世界観を作ってましたので、ぜひ原作と比べて観ちゃってください。
2014/08/30(土) 07:27:26 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
あはは、きっと原作はもっとシリアスなのかもだけど
映画はかなり奇想天外な物語ですね。
あ、でもこの予告はそれに拍車をかけてるかな。
実際にはもっとスローな印象です。
ジェシー君はなんかチェックしたくなるよね。
2014/08/30(土) 09:07:09 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
異世界の雰囲気づくりは面白かったのですが、ラストはどう解釈してよいかわからなかったです。サイモンは結局生きてるのか死んでるのか、ジェームズに一矢報えたのか。もう少し、私のようなアホにもわかるように作ってほしかったです。
2015/01/02(金) 17:20:41 | URL | einhorn2233 #79D/WHSg[ 編集]
einhornさん>
そうですね~。確かに最近観客の解釈に委ねるものが多くて、自分ではちんぷんかんぷんのものもあります。
もう少し説明や伏線があって、そういうことかぁと納得できるほうが親切ですよね。
2015/01/03(土) 18:13:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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2014/10/30(木) 12:38:57 | ここなつ映画レビュー
2014年の最後の映画です。新作の「嗤う分身」を沼津のジョイランドシネマ宝塚劇場で観てきました。ここは古くからある映画館で、頭にジョイランドというシネコンみたいな名前をつけていますが、大画面の昔ながらの作りで懐かしい感じ。デジタル上映なんですが、大画面だとち
2015/01/03(土) 07:09:53 | 今昔映画館(静岡・神奈川・東京)