映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
『チャプター27』:レトー君G・G助演男優賞おめでとう~!
2014年01月13日 (月) | 編集 |
昨日はゴールデン・グローブ賞の授賞式でした。
結果はこちら





助演男優賞は、『ダラス・バイヤーズクラブ』でおネエを演じたジャレッド・レトー君が受賞!!
おめでとう~。G・Gの助演は共通部門のため、ある意味主演よりも難関。
オスカーへの期待が高まりますね。



ということで、今日はレトー君の2007年の主演作品『チャプター27』を観ました。
チャプター27(2007)カナダ/アメリカ
原題:Chapter 27
監督:J・P・シェファー
出演:ジャレッド・レトー/リンジー・ローハン/ ジュダ・フリードランダー/ アーシュラ・アボット/ ジャンヌ・フルニエ/ マシュー・ハンフリーズ
日本公開:2007/12/15
ジャレッド・レトーが、ジョン・レノンを殺した男マーク・チャップマンを演じた作品です。
太ったチャップマンを演じるために、30キロも増量したことでも話題になりました。

こちら、逮捕時の本物のチャップマン氏



ファットスーツを着用せず実際に増量に挑んだレトー君はインタビューで、「太った姿をさらすことで、周囲から蔑みの視線を感じたり、自分自身が卑屈になった」と言っていて、この経験がチャップマンの心理に近づくことに繋がったのは間違いなさそう。




本作はチャップマンがジョン・レノン殺害に及ぶまでの3日間を描くもの。
上の新聞の見出しにもあるように、彼は3日間ジョン・レノンの住むダコタ・ハウスの前をうろつき、ジョンを待ち、一度はレコードのジャケットにサインまで貰ってるんですね。
ジョン・レノンのファンであるチャップマンがなぜ犯行に及んだのか。

映画はチャップマン自身のボイスオーバーで、その時々の心情をあぶりだすスタイル。
「何故」の部分が明確に示されているわけではないけれど、
彼が全てに絶望し、イラつき、何かの壁を突破しようとしてることは分かります。
『ライ麦畑でつかまえて』の愛読者である彼は、自分の絶望を本の主人公に重ねた。
というより、主人公ホールデン・コールフィールドになりきっていたのは、彼が本に
「ホールデン・コールフィールドへ ホールデン・コールフィールドより」としたメッセージを書き込むことからもわかります。すなわち、チャップリンはコールフィールドの目を通し世間を見て、世界に復讐したかったのでしょう。
劇中、いくつかの偶然を運命と捉え、殺害を必然的なものと確信していく様子が不気味。
ダコタ・ハウス前で出会ったジョン・レノンのファン、ジュードを演じるリンジー・ローハンの目を通しても、チャップマンの異様さが伝わります。
一方、チャップマンが、犯行を阻止する心の声と葛藤する様子をみると、頭の中ではまだ迷っていたことも窺えます。それでも瞬間的に負の意識に囚われ行動に出る。それが人間でもありますね。

監督のJ・P・シェファー は若干28歳、初監督ながら「そのとき」に向かう緊張を描ききる手法はたいしたもの。85分と短い時間だけど、精神的に疲弊してしまうほどでしたから。

印象的なのは、それまで目の周りを黒く塗って、陰鬱な表情を演出していたのに
ラストシーン、獄中のチャップマンはクマもなく表情もすっきりなところ。
ジョン・レノンを殺すことが彼の再生に繋がったのだろうか。
ちなみにチャップマンは今も服役中ですが、今年にも仮出所の可能性はあるとのこと。
出てきたら殺してやろうと思うジョン・レノンファンは多いでしょうね。

犯人についての情報も持たないままでの観賞だったけれど、「ライ麦畑でつかまえて」の影響も少し理解でき、犯行は許しがたいものながら、人の心の闇という普遍的なものには共感するところもありました。
終始心がざわつき、終盤はホラー並に緊張させられたのも映画として面白かった印。

レトー君は増量もさることながら、ジョン・レノンを殺した犯人を演じるというのは
勇気が要ったんじゃないかな。役者魂を感じます。これからも期待!!



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コメント
この記事へのコメント
Pu-koさんイチオシのジャレット、受賞しましたね、おめでとう!
これは事前情報あまり無しで観たので、暫く記憶のジャレットと画面の彼がリンクしなくて参った(笑)
そそ、内に籠った狂気が段々と他者に対する復讐心や殺意になっていく仮定が、ホラーみたいで怖かったよね~。
理解出来ない「何で?」な感情が湧いてきて観たあと無性に腹が立ったのを覚えてます。
なりきる演技の後は身体も心も役から抜けるの大変だろうな~。
2014/01/13(月) 17:08:51 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
これ公開時すっごいみたかったんですよね~
なんとなく見逃していて
pu-koさんの記事よんだら
みなくっちゃの気持ち再発です
2014/01/13(月) 19:35:40 | URL | る~ #79D/WHSg[ 編集]
日本で公開済みなんですね。
この記事で初めて知った映画ですわ(汗)・・・。
しかもチャップマンが娑婆に出てくるとは・・・。
チャップリンぐらいに人格が変っていないとヤバいですよね(汗)・・・。
2014/01/14(火) 03:14:28 | URL | ゾンビマン #79D/WHSg[ 編集]
>ラストシーン、獄中のチャップマンはクマもなく表情もすっきり
『シャイニング』のラストと通ずるものがあると思いました。
モンスターと化し完全にホテルに取り込まれた後のJ・ニコルソンの満面の笑みとかさなるなーと。
怪物となることで救済されるというのがなんとも怖いですし、
救われるためにモンスターにならざる得なかったとも言えて、
一抹の悲哀も感じさせるのではないでしょうか?
レトー君本作で
2ヶ月間で30キロ増量!→痛風→また減量!
だったそうで、
すごい役者根性ですねー。
GGとれて良かったです!
2014/01/14(火) 09:54:24 | URL | yossy #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
レトー君獲れて嬉しいね~。
レトー君、個人的にはこれまであまり意識してなかったのもあって、『ダラス・バイヤーズクラブ』のおねえとこのチャップマン観て、普通のレトー君の姿さえ浮かばなくなってしまった(笑)
中盤から居心地の悪い恐怖を感じてほんと怖かった~。
これを観てチャップマンの心情を知ったところで、ファンには余計悲しみと怒りが募るでしょうね。こういう役、半端な構えではできませんよね。頑張ったなぁ。
2014/01/14(火) 10:23:04 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
る~さん>
私も気になりながらそのままになってました。
やせないものを感じるけど、面白かったですよ。観てみて~。
2014/01/14(火) 10:24:52 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ゾンビマンさん>
音楽に詳しいゾンビマンさんは、当時の衝撃をリアルに体験されたことと思います。
チャップマンについてもよくご存知なんですね。
もう何年も前から仮釈放出来る時期ではあるらしいんですが、家族に危険が及ぶことを危惧するオノヨーコさんの希望とかもあって、請求は棄却され続けてるようですね。
むしろチャップマン自身の身の危険の方が高そうだけど。
2014/01/14(火) 10:36:17 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
yossyさん>
あーー、なるほど!
「救われるためにモンスターにならざるを得なかった」というのはまさにその通りだと思います。
最近の通り魔事件などでも、世間を騒がせたかったという自己顕示欲の強い犯罪者がいるのも怖いところで、チャップマンもそういうところもあったかもですね。
その異常な野望に利用されてしまったジョン・レノンは本当に気の毒だし、ファンも絶対に許せないと思いますが・・。
わわ、レトー君2ヶ月でこの巨漢に?悪いと言われるありとあらゆる食事を試したというレトー君、本当にみじめだったと言ってました。めちゃ体に悪いですよね。
2014/01/14(火) 10:52:13 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
ジャレレト!!ひっさしぶり~~!!
って、私が観てなかっただけかよ?
だってさ、「アメリカン・サイコ」でメッタ殺しされてから
の出会いだから、お久~だよ!
死んでなかったんだね、あの時(笑)
私の記憶も、キャメデロとデキてた時しかないし。
古すぎっ。
このデブり塩梅、拍手するしかないね。見事!!!
あ、そうそう、デブリって言ったら
アメリカン・サイコで彼を殺したクリベルなんだけど、
「マシニスト」で40kgになったり
新しい「アメリカン・ハッスル」では80kgになったり・・・
ジャレレトもクリベルも大したもんだね。真似ならん!
これぞ役者魂ってゆーんかいね、pu-koちゃん!
2014/01/14(火) 18:17:22 | URL | chaco #79D/WHSg[ 編集]
レトくん、おめでと~~♪
これ、緊張感凄かったですね。そっか、監督さんはそんなに若い方でしたか。
レトくんは言われなきゃわかんないぐらいだったもんねぇ。イケメンくんのカケラもなかったもんなぁ。
なんだか目もイっちゃってて、容姿だけじゃなく演技も凄かったね~
2014/01/15(水) 07:08:40 | URL | じゅり #79D/WHSg[ 編集]
「チャプター27」全くく知らない映画でした。
早速予約リストに入れました。
G.Gのノミネート作品一つも観ていません。
「ゼロ・グラビティ」くらいは観たいんですが、機会を逃しています。
2014/01/15(水) 07:16:29 | URL | yymoon #79D/WHSg[ 編集]
これまだ観てないんですよ。
っていうか、手元にDVDがあるから、つい後回しになっちゃうんですけど。(笑)
複雑な心理描写ですな~、そりゃそうだろうなぁ。
近いうち観ますよっ。
2014/01/15(水) 09:12:52 | URL | Kaz. #79D/WHSg[ 編集]
chacoさん>
ジャレレトw
レレレのおじさんみたいじゃないか(笑)
『アメリカンサイコ』以来なら確かにお久しぶりだね~。
あ、でもレト君出てたのか。観た当時は彼の存在すら知らなかったもんで、再見したい~。
そそ、太ったり痩せたり剥げたりw身体つくり半端ないですから。
痩せ技は見習いたいけど無理だわぁ~。
2014/01/15(水) 17:00:32 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
じゅりさん>
レト君やりましたね~。この勢いでオスカー獲れたら嬉しいだろうなぁ。
そそ、監督そんな若かったのね。で、この後はどうしてるんだろ。
レト君は完全にイケメン封印。見た目だけでなく内面からにじみ出る狂気も凄かったね。
2014/01/15(水) 17:03:39 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
yymoonさん>
これはあまり売れなかったのかなぁ。
ジョン・レノンを殺した男の物語だけに、世間に拒絶されてたのかもしれませんね。
淡々としながらもかなり怖い作品に仕上がってます。ご覧になってください。
『ゼロ・グラビティ』は観てみる価値ありだと思います。お時間できたらぜひ。
2014/01/15(水) 17:10:12 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
kazさん>
そそ、すぐ観れると思うと後回しになって、結局忘れてしまいがちですよね。
ぜひ観ちゃってください。彼の背景は『ライ麦畑で~』同様に説明されてないのでもう少し知りたい気持ちにはなるんですが、3日間の彼の行動だけで心理をあぶりだす手腕はなかなか。
レト君も熱演でした。
2014/01/15(水) 17:19:00 | URL | pu-ko #79D/WHSg[ 編集]
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2014/01/15(水) 01:01:54 | 天邪鬼みーすけの映画な日々