映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】気狂いピエロ
2015年09月24日 (木) | 編集 |
anna_karin

22日はゴダールのミューズとして知られるアンナ・カリーナの75回目のBirthdayでした。
今日はお誕生日企画で、若きアンナがまぶしいゴダール作品を。

pierrot

【作品情報】
気狂いピエロ(1965)フランス/イタリア
原題:Pierrot Le Fou
監督:ジャン=リュック・ゴダール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ジャン=ポール・ベルモンド / アンナ・カリーナ/ グラツィエラ・ガルヴァーニ/ ダーク・サンダース/ ジミー・カルービ/ サミュエル・フラー/ レイモン・ドボス

【感想】
子持ちの男フェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド )のもとにかつての恋人マリアンヌ(アンナ・カリーナ)がベビーシッターにやってくる。
パーティに退屈し一人帰宅したベルモンドは、終電を逃し寝こけてる(おそらくは彼を待っていたであろう)カリーナを送るが2人は関係を持ってしまう。
しかし翌朝マリアンヌの部屋には男の死体が・・
あとで話すからというマリアンヌに手を取られ2人は逃避行へと向かう羽目に・・

ゴダール作品は私には敷居が高い気がして、『勝手にしやがれ』『はなればなれに』(←これは大好き!)の初期の2本しか観てないんです。本作も全くの初鑑賞。

まずは、キッチュな色彩に溢れた自由な作風に驚きますね。
マリアンヌの部屋にすでに死体があったり、逃亡中のマリアンヌがいつも可愛い服に着替えていたり
狐やオウムなど、どこから来たのか分からないような動物まで登場したり、
犯罪ものをベースにしながら突然ミュージカルになってみたり、いきなり観客に向かって話しかけたり。
詩を朗読するような進行も面白くおよそネオレアリズモなどとは間逆の世界観は映画界に風穴を開けただろうと思います。
Anna_Karina_Jean-Paul_Belmondo_godard_pierrot_le_fou_2

でも一つリアルなのはフェルディナンの心理でしょう。
犯罪を重ねながら逃避行を続ける2人ですが、マリアンヌは次第に逃亡生活に飽き、フェルディナンと一緒にいることにも意味を見出せなくなってしまう。
ピエロと呼ばれることに一々反応しつつ、フェルディナンはマリアンヌの愛を模索しながら疲弊していくんですよね。

ゴダール自身この映画が発表されたあとにアンナとの結婚を解消していて
おそらくはフェルディナンに自分の思いを重ねたのでしょう。
マリアンヌと戯れつつも音楽はメローだったりで、ゴダールのアンナへの未練がそこそこに溢れ
とんでもない破滅に向かうラストも切なかった。

難しいかなと思っていたゴダール作品だけど、内に流れるものがピュアに感じたことで
作品にも思いのほか入り込めた気がします。

annakissw

アンナは奔放だからこそ魅力的。
作品をそしてアンナを愛し続けるために彼女を手放したであろう監督の
心の叫びみたいなのを感じられる作品でしたね。
映画の中で引用される映画や詩への知識がないので退屈に思うところもあったけど。
雑誌を切り取ったようなお洒落な映像もアーティスティックな魅力に溢れてました。

ベトコンごっこのシーンは顰蹙だったけどね。
アンナのコスプレはピカチューにしか見えなかったし(笑)
関連記事

コメント
この記事へのコメント
あ、出た(笑)
背伸びして10代後半にヌーベルバーグを頑張って観て「わたしにはゴダールはダメだorz・・・」と諦めたあの時・・・遠い目。
みーすけ映画カテゴリーに『考えるな、感じろ!』という項目がありましてw
ゴダールはじめヌーベルバーグとか不条理映画とか「なんかよく分かんないス、てへ」はここに属します。
ストーリーが面白い、面白くないとか、そーゆーくくりで語れないってかなー。
映像と、雰囲気と、ファッションとか、ちょっと絵画を楽しむ感覚にも近いかなぁ。
あの頃と感性激変してるかなぁ。久しぶりに観たら全く感想違うかしらん??
2015/09/24(木) 21:10:24 | URL | みーすけ #79D/WHSg[ 編集]
購入DVDのリストにこの映画があるのですが、現物がなかなか見つかりません。
でも2回は観ていると思います。自己評価では4.0がついていましたので、それなりに楽しめたのでしょう。↑の写真のシーンに見覚えがありますが、どうも思い出せません。見つかったら観てみたいと思います。
フランス文学者の蓮實重彦さんの本にゴダールの「映画史」という作品が紹介がされていて、「ゴダールは人騒がせな作家」と評しているのがおもしろかったです。この「映画史」の中で子供という切り口であの「狩人の夜」が紹介されているようです。
2015/09/25(金) 07:15:46 | URL | yymoon #79D/WHSg[ 編集]
みーすけさん>
10代で観たのか、そして諦めたw
そうね、ストーリーはあってないようなもので、アート的なものひっくるめて雰囲気を楽しまないといけないんだろうけど、そのへんは私も苦手な分野。
ただこの映画に関しては勝手にゴダールのアンナへの未練を想像し重ね合わせた分、主人公に共感できた感じ。
でもまたゴダール観たいかと聞かれると疑問で、次はまた5年後とかかなと思ったり(笑)
よさを理解できるとまた違うんだろうけどね
うん、でもみーすけさんの場合も10代で観たイメージ引きずってるんだったら、また観てみる価値はある・・かもだよ。
2015/09/25(金) 07:38:25 | URL | alice #79D/WHSg[ 編集]
yymoonさん>
yymoonさんの評価4.0というのはなかなか高得点ですよね。
DVD入手しにくいんですか?それは意外でした。
夏に帰省した際に蓮實重彦さんの『映画時評2009-2011)を購入したところでした。
ゴダールの後期作品など全く観てないんですが、蓮實氏のゴダール評は興味あります。
ゴダールが子供という切り口で『狩人の夜』をどう語ってるのかも気になります。
2015/09/25(金) 07:47:41 | URL | alice #79D/WHSg[ 編集]
追伸です。
文章がまずくて誤解を与えてしまいました。
購入したDVDのリストという意味でした。
段ボール箱にしまってあるので探すのが大変でしたが見つかりましたので、近いうちに観て見ます。
ゴダールは「勝手にしやがれ」の方がポピュラーかもしれませんね。
2015/09/25(金) 09:17:11 | URL | yymoon #79D/WHSg[ 編集]
yymoonさん>
あ、早とちりでごめんなさい。
すでにお持ちだったのですね。探せてよかった。
久しぶりにご覧になった感想をお聞かせください。
一番有名なのが『勝手にしやがれ』ですよね。
でもこの『気狂いピエロ』を一番に挙げる人も多いことを今回知りました。
ところで「吉井勇歌集」が昨日やっと届きました。
日本から取り寄せだったようです。
昭和27年発行の物凄い古い本(値段が80円と記されてます)でビックリしましたがw保存状態は良好。文体は勿論、印刷の字体も古くて自分に読めるのかなと不安になってますが、挑戦してみますね。
2015/09/25(金) 09:45:41 | URL | alice #79D/WHSg[ 編集]
「吉井勇歌集」やはり日本からだったのですね。
私のものは2000年発行のものですが、版は1952年のままです。
ふりがなが結構ふってありますので大丈夫です。
私は、歌集とか詩集は近くに置いておいて時々適当に開いて読むというスタイルです。
2015/09/26(土) 02:50:25 | URL | yymoon #79D/WHSg[ 編集]
yymoonさん>
日本から送られてきました♪
年代ものの古本、でたまに鉛筆でうっすらと書き込みがありますが、草書のような字体で読めません。褪色はあるもの、折れや破れはないので大事に読まれたものだと思います。
振り仮名があるのは助かりますね。
それでも分からない文字や言葉がありますが、あえて調べずに読み進めています。
その場の穏やかな心情風景が浮かんでくる歌も多くてやっぱりロマンティック。
入手できてよかったです。
2015/09/26(土) 10:16:04 | URL | alice #79D/WHSg[ 編集]
ゴダール映画の中のアンナは『小さな兵隊』が好きなんだけどね。
まだ初々しいし。
でも一番好きなのはゴダールの元を離れてイタリアで撮った
ヴァレリオ・ズルリーニの『国境は燃えている』(1965)で
マリー・ラフォレの友人の慰安婦役。いつも陽気で笑い飛ばしているが
情が深いギリシャ人の娘を演じていたのが印象的。
2015/09/27(日) 07:58:24 | URL | GH字幕 #79D/WHSg[ 編集]
字幕さん>
先日ゴダール作品6本を放送してくれて録画したんですが、
『小さな兵隊』はなかったな。残念。
『国境は燃えている』は全然知らなかった。
情が深い役というのはゴダール作品のアンナとはまた違った魅力を発見できそうですね。
2015/09/27(日) 09:31:00 | URL | alice #79D/WHSg[ 編集]
私も10代の頃見ましたかね~。とおおおい目www 初見ねw
その時は、最後にちょっとぼんやりした記憶があります(笑)。
でも、最後のランボーの詩かぶせるあたりは好きなんですけどね。
ゴダールはM男だと思いますねwwこの映画見てるとw
バンド・デ・シネの「ピエ・ニクレ」持ってるところが
変におしゃれだと思ったり。
小難しい映画好きな時代(笑)にトリュフォー作品と
一緒にゴダールも、あと、後発のヌーベル・ヌーベル・バーグの作品もまとめて見てました。
最近は、ヨーロッパ映画も、あまり情緒的なのはなくなりましたね。
2015/10/01(木) 08:39:56 | URL | miskatonic #79D/WHSg[ 編集]
miskatonicさん>
miskaさんも10代でご覧になったのねぇ。
10代だと、私みたいにおばさんになって観るのとはまた違った感覚で鑑賞できるのでしょうね。
あ、でも最後はぼんやりしちゃいましたか。予想外の過激さでしたよね(笑)
M男ってのも分かる気がする。アンナにもあんなこと(ダジャレかw)
これね~やっぱりカルチャーやら文学やらに詳しい人が楽しめる作品ですよね。
そういう意味でも私にはやっぱりハードル高かった(笑)
でも映画史上の派閥や流れを意識してくくりで観て見ると、また理解できることもあるでしょうね。
最近のヨーロッパ勢はトリュフォーはゴダールほどのビッグネームになりそうな映画人が不在なのかな。
2015/10/01(木) 12:49:30 | URL | alice #79D/WHSg[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック