映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
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酒とバラの日々
2015年08月30日 (日) | 編集 |
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【作品情報】
酒とバラの日々(1962)アメリカ
原題:Days of Wine and Roses
監督:ブレイク・エドワーズ
脚本:J・P・ミラー
出演:ジャック・レモン、リー・レミック、ジャック・クラグマン、ジャック・アルバートソン

【感想】
『ローラ殺人事件』のラスト付近、ラジオから流れる詩の朗読で「Days of Wine and Roses」というフレーズが出てきたので、今日はその繋がりで。

最初にトリビアから入ると、この詩は傷心からアルコール中毒に陥り、32歳で夭逝したアーネスト・ドーソンが自身について綴った詩"Vitae Summa Brevis" (1896)からの一節で
They are not long, the days of wine and roses:
Out of a misty dream
Our path emerges for a while, then closes
Within a dream.  と繋がります(wikiより)

『ローラ殺人事件」ではアル中というキーワードはないものの、ローラに溺れ甘美な日々を過ごした犯人が
嫉妬心から破滅してしまうさまをこの詩に投影したのでしょう。

前置きが長くなりましたが、「Days of Wine and Roses」をタイトルにした本作は、アルコール中毒に陥った夫婦が闇から必死に立ち直ろうとする物語であり、ドーソンの詩の世界に通じます。

仕事のストレスから酒に走りがちになる夫が、寂しさから妻にも酒の相手を強要するうち、夫婦揃ってアル中になってしまう。こうなると歯止めをかけるものが¥ないわけで、二人のアル中は急速に進んでしまうのが悲惨です。
映画でよく見かけるアル中患者の集会AA(Alcoholics Anonymous)ミーティングが本作でも登場します。
ここで中毒患者たちはお決まりの「私は○○(名前)、アルコール依存症です」という台詞で挨拶し、体験談などを述べるわけですが、美しく聡明で結婚前は優秀な秘書として社会的な地位にあった妻キルステンはどうしてもAAミーティングに行けません。まずはプライドが邪魔をするのでしょう。プライドを捨て、アル中である自分に向き合うことが克服の第一歩。しかし、それが一番難しいのですね。

夫婦で中毒と言う泥沼がこれでもかと描かれ、キュートだった二人がボロボロになって破滅に向かう様は実に壮絶。酒の恐ろしさを思い知らされました。

この翌年製作の『ピンクの豹』でコメディ監督としての地位を確かなものにするブレイク・エドワーズ監督が、こんなシリアスな映画も撮ってたんですね。

熱演のジャッ・クレモンとリー・レミックは揃ってオスカーノミネート。
ヘンリー・マンシーニの美しいタイトル曲が作曲賞を受賞しています。





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ロマンティックなフィルム・ノワール『ローラ殺人事件』
2015年08月28日 (金) | 編集 |

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【作品情報】
ローラ殺人事件(1944)アメリカ
原題:Laura
監督:オットー・プレミンジャー
出演:ジーン・ティアニー、ダナ・アンドリュース、ヴィンセント・プライス、クリフトン・ウェッブ他

【感想】
才能ある若きデザイナー、ローラ(ジーン・ティアニー)が顔を撃たれ殺されるという殺人事件が起きた。
捜査を担当したマクファースン刑事(ダナ・アンドリュース)はローラに近い3人の容疑者に事情を聞くが決め手に欠く。
アパートの壁に飾られた美しいローラの肖像画を見つめ思いをめぐらすマクファースン。
どうやら彼は肖像画のローラに心惹かれている様子。
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肖像画に恋する・・で思い出すのが、クリストファー・リーヴ主演の『ある日どこかで』。
マクファースンは、まさか時空を超えたりしないよね などと思っていたら・・

ここからネタバレに入りますので未見の方はご注意ください
         ↓
         ↓

なんと転寝するマクファースンの前に現れたのはローラ!

時空ではなく三途の川を超えて???

なわけもなく、ローラは生きていたのでした!!!



「顔のない死体」ということで想像はつくと思うのだけど、殺されたのはローラではなかったという作品でした。容疑者は最初から3人に絞られてますが、それぞれ怪しいところがあって、簡単には犯人が割れない。
そのためローラが容疑者と接触する場面では危険を感じ少しハラハラさせられるのだから、見せ方がうまいということですね。

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しかしながら、本作で際立つのはスリルや謎解きのうまさではなく、ローラの美しさそのものでしょう。
燐としていながら、言い寄る男に簡単に心を許してしまいがちなローラ。
その存在こそが罪なのだともいえます。
ローラに心乱され、人生を踏み外してしまった犯人が哀れに思えてしまいましたもの。

個人的にはダナ・アンドリュースが演じたマクファースンのキャラがお気に入り。
「婚約者と結婚するのかしないのか」って、捜査上はどっちでもいいことをあえて確認するマクファースンが
「結婚しないことに決めた」とのローラの答えに一瞬頬を緩ませるシーンがツボでした(笑)
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↑こらこら

ヴィンセント・プライスがバカに若く、でかいのに頼りなさげな男を演じていたのもビックリ
人に歴史あり。古い映画を観る楽しみでもありますね。

おっとー、忘れるところだったけど監督はオットー・プレミンジャーな。
はい、それが言いたかっただけです(笑)

【映画】ジェームス・ブラウン ~最高の魂(ソウル)を持つ男
2015年08月28日 (金) | 編集 |


ジェームス・ブラウン ~最高の魂(ソウル)を持つ男~(2014)アメリカ/イギリス
原題:Get on Up
監督:テイト・テイラー
出演:チャドウィック・ボーズマン/ネルサン・エリス/ダン・エイクロイド/ヴィオラ・デイヴィス/オクタヴィア・スペンサー

伝説のソウルミュージシャン、ジェームス・ブラウンの半生を『ヘルプ 心がつなぐストーリー』のテイト・テイラー監督、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガー製作で映画化

公開時気になりながら、ジェームス・ブラウンというアーティストをよく知らなかったこともあり劇場スルーしてしまったけど、これは大きなスクリーンで臨場感を楽しみたかった。素晴らしい作品でした。

ジェームス・ブラウンを演じるのは『42 世界を変えた男』で大リーグ初の黒人選手を演じたチャドウィック・ボーズマン
精悍なスポーツ選手と本作のソウルミュージシャンと、180度違う役柄をそれぞれ見事に演じていて凄い。ステージでのパフォーマンスからも運動能力の高さを感じさせます。

映画は両親に見捨てられた幼少期を交錯させながら、人種差別のはびこる社会を生き抜いたジェームス・ブラウンの半生を描き出すというもの。
極貧にあっても彼の周りにはゴスペルやソウルがあったことが、ジェームスの苦しさを紛らわせる。自分を信じることを教えてくれたおばの存在や、ボビー・バードとの出会いにより彼は音楽の道を究めていくんですね。
ステージでへとへとになるほどのソウルフルで躍動的なステージパフォーマンスにどっぷりはまれた。聴きながら自然に体がスウィングしますよ。
マイケル・ジャクソンのムーン・ウォークもオリジナルはジェームス・ブラウンだったんですね。
やがてジェームス・ブランは音楽界を席巻する。けれどその成功とは裏腹に、孤高な天才ゆえに周囲との摩擦もあり、次第に彼は信じるべきものから孤立していくんですね。傲慢に変わっていくさまを見るのはファンには辛かったかもしれませんね。
それゆえなのか、あるいはチャドウィックのパフォーマンスにジェームス・ブラウンのソウルを感じられないという意見もあり、アメリカでは賛否が分かれているようです。
監督が『ヘルプ』のテイト・テイラーであり、黒人差別の実態が差し込まれたり、白人社会への反骨精神が描かれることも白人の不人気に繋がったのかも。

個人的にはジェームス・ブラウンをよく知らないのでオリジナルと比べてどうとかはいえませんが、チャドウィックのパフォーマンスには魅了されました。
失意の中、辛うじて取り戻すことになる友情には泣けたし、
何よりも強くあるしかなかった彼の生き様が切なくも感動的だった。

その後の音楽に大きな影響を与えただろうジェームス・ブラウンを知れてよかった。
おばを演じたオクタヴィア・スペンサー、母親役のヴィオラ・デイヴィスもさすがの演技。傑作です。



ミケランジェロ・アントニオーニ『夜』
2015年08月26日 (水) | 編集 |
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【作品情報】
(1961)イタリア/フランス
原題:La Notte
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:マスチェロ・マストロヤンニ、ジャンヌ・モロー、モニカ・ヴィッティ、ベルンハルト・ヴィッキ

【感想】
ミケランジェロ・アントニオーニ「愛の不毛三部作」の一遍。
ミラノに暮らすセレブな作家夫婦をマスチェロ・マストロヤンニとジャンヌ・モローが演じ、病床の友人を見舞ったある一昼夜を描くことで、二人の愛の不毛をあぶりだすという作品です。

結婚して10年。子供のない夫婦。
モロー演じるリディアは、夫の愛がもはや自分にないことを感じています。
作家を生業とするものは、平凡な毎日に刺激を感じないのか、「虚実」を描くことへの後ろめたさなのか、あるいは裕福な妻に生活を支えられていることへの負い目なのか、ジョバンニはリディアに触れたり愛をささやくことをあまりしないのです。
それはリディアも同じで、夫が少し頭のおかしそうな入院患者の女性に部屋に引き入れられ
衝動的にみだらな行為に及びかけたことを告白しても気のない反応を見せるだけ。

しかし、そのときを境に2人の中で何かがざわめき始めるわけです。

街中を一人さ迷い歩く妻
道すがら遭遇する若者の喧嘩、手作りロケットの発射のような風景は彼女の日常とはかけ離れたものだったでしょう。しかしそんな活気溢れる光景は、次第に荒廃したものへと変わっていく。
彼女が目にするもの-泣き叫ぶ子供、止まった時計-などは彼女の心を象徴したもののように思えてきます。

長い散歩を終えたリディアはバスタブに漬かりながら、夫婦の危機を噛み締めるのです。
湯船からスポンジを求めても、夫は欲情することもない。
新しいドレスに気づいた夫に一瞬頬を緩ませるものの、次に続くべき「綺麗だよ」の言葉を聞けずに、やがて顔を曇らせるリディアが痛々しい。

そのあと夫婦は富豪のパーティに出かけ、あろうことか夫は富豪の娘、若く奔放なモニカ・ヴィッティを追うのです。
庭で見た彫像を一晩中見つめ続ける猫の後姿に、リディアが自分の姿を重ねたのは言うまでもないでしょう。
猫は彫像が動き出さないかと待っている。
リディアもまた、夫が昔のように情熱を取り戻し、自分のもとに戻ることを待っているのです。
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小物や壁で二人の虚無感を演出しつつ、いつのまにかすれ違ってしまった夫婦の10年を一昼夜の出来事で見せるアントニオーニの手腕が光る一本でした。

ところで・・
「愛の不毛三部作」のひとつということで、どんよりと終わるものと思っていたら
あれれ?なんだこれ。

結局は「犬も食わない」じゃないですか。
最後は公園を歩く2人の姿に思いがけず幸せな気持ちにさえなって
あと戻りできる「愛の不毛」があることにホッとした次第。

ジャジーなサントラもカッコいい名品でした。

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【映画】ワイルド・スピード SKY MISSION
2015年08月23日 (日) | 編集 |


ワイルド・スピード SKY MISSION(2015)
原題:Furious 7
監督:ジェームズ・ワン
出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジェイソン・ステイサム 他

機内鑑賞その2
こんなアクション映画を機内の小さなスクリーンで観るなんて大ばか者だ私。
ポール・ウォーカーの遺作なので劇場に行きたかったんだけど、なんせシリーズ殆ど観てないもので、ちょっと予習してからと思ってる間に公開終わって、あぁ後悔。

一応理解は出来たしチームワークも楽しめたけど、思い入れは足りませんよね。
トンでもアクションのオンパレードもメンバーの不死身振りも「ありえねーー!」的に観ちゃって、ノリノリというわけにはいきません。画面ちっちゃいし(汗)
なので感想記事書くのも顰蹙だと思ったんですけど、
ポールに泣かされたから、追悼として書きます。


製作半ばでポールが急逝してしまい、完成も危ぶまれたらしい本作
途中までの出演シーンを生かしつつ、ポールをどう退場させるかで葛藤もあったことでしょう。
事故で・・という手もあったでしょうけどそうせず、ポールを落ち着くべきところに落ち着かせたのには泣けた。
浜辺のシーンや最後の車のシーンは弟さんだったんでしょうね。
シリーズ過去作の美しいポールの姿をたっぷり見せて
ヴィンと並走しながら別の道を行くエンディングの演出
”For Paul”にもボロボロになったわ。

シリーズは彼亡き後も続くのかな。
今回悪役で登場したジェイソン・ステイサムの最強極悪ぶりが漫画で楽しかった。
しかし強い男に髪は不要ってですか。
ポールがいなくなったら3ハゲ映画になるけどいいんかな
って私が心配してもしゃあないか(笑)

何はともあれ、製作にも参加してるヴィンをはじめメンバー&スタッフの
ポールを送る気持ちが凄く伝わる映画でした。

これが遺作なのはやっぱり彼らしいのでしょうね。
さよならポール


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