映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『ザ・パージ・アナーキー(原題)』年に一度の恐怖の12時間
2014年11月30日 (日) | 編集 |
 

パージ:アナーキー
(2014)アメリカ
原題:The Purge :Anarchy
監督:ジェームズ・デモナコ
出演:フランク・グリロ/カルメン・イジョゴ/ザック・ギルフォード/キーリー・サンチェス/マイケル・K・ウィリアムズ
日本公開:2015/8/1
【あらすじ】 
年に一度、12時間だけ、どんな犯罪も許される政府公認の粛清日パージが制定された近未来。
今年も恐怖のパージがやってきた!
 
年に一度の粛清の夜「パージ」の恐怖を描いた『The Purge』の続編。
前作同様ジェームズ・デモナコが監督と脚本を手がけています。
 
前作はイーサン・ホーク演じるセキュリティ成金宅が襲撃される話でした。
正直パージなる日を政府が設けいていることの意味がよく分からず、バイオレンスも不快で劇場鑑賞したのを後悔したんですよね。
続編も観なくていいやと思ってたんですが、思いのほか評判よさげだったのでDVDで鑑賞。
 
2023年6回目のパージを数時間後に控え、誰もが無事にパージが過ぎることを祈る中車が故障し、
一組のカップルが道に取り残されてしまいます。案の定怪しきバイク集団に追われることになり・・
 

 

この時点でかなり緊張してしまうのは前作を観てパージの恐ろしさを知ってるから。
勿論当の二人の緊張もピーク。
彼らは逃走の道すがら黒人の母子と、何故かパージのさなか車を走らせる謎の男(フランク・グリロ)に出会い、
生き延びるために戦うことになります。
 
 

そもそもパージなどという恐ろしい粛清日が設けられたのはセキュリティも整えられない貧しい層を減らし、
犯罪の少ない安全な国家を作るためというのが名目なんですが、
国は貧しきが減れば生活支援などの余計な出費が抑えられるという利点もあり、
要は金持ち万歳のエゴが根底にあるのねぇ。

前作ではそのあたりがあまり描かれず、映画もつまらなかったんですが今回は「パージ」への人々の思いがさまざまな角度から描かれていて面白い。 6年目ともなれば、あるものはパージに反旗を翻し、あるものはパージを楽しむ。

途中『ハンガーゲーム』みたいになってしまうのは真似みたいでどうかと思うし殺しまくりなのはあまり気持ちよくはないんですけど、スリラーとしてはなかなかの出来。 あの家にはどうやって入ったの?とか、細かいツッコミどころはあるもののヒューマンな部分も描かれているのがいい。

最後は思わぬ感動まであって予想外に楽しめました!
駄目駄目映画からこんな快作の続編が出ることを誰が期待したでしょうね。

一本目はつまらなかったけど、今思うと「パージ」というシステムを紹介する序章だったんでしょう。
続編があって初めて意味をなす映画だろうと思いますね。
あ、でもエンドロールで次のパージまで364日って出たとこ観るとさらなる続編もありかな。


【映画】『記憶探偵と鍵のかかった少女』
2014年11月27日 (木) | 編集 |





記憶探偵と鍵のかかった少女 (2013)アメリカ
原題:Anna
監督:ホルへ・ドラド
出演:マーク・ストロング/ タイッサ・ファーミガ/ サスキア・リーヴス/ リチャード・ディレイン/ インディラ・ヴァルマ/ ノア・テイラー/ アルベルト・アンマン/ ブライアン・コックス
 
他人の記憶に潜入できるという特殊能力をもった探偵が、ひとりの少女の記憶に入り、隠された真実に迫るというミステリーサスペンスです。

主役ジョン・ワシントンを演じるのはマーク・ストロング
彼は優秀な記憶探偵でしたが、妻を自殺で亡くした心の傷から、他人の記憶に入るセッション中、自分の記憶が入り込み(『インセプション』だなw)、病気休養を余儀なくされてしまいます。
でもいつまでも休んでられない懐事情もあり、上司にお願いして与えてもらったのが「16歳の美少女アナの拒食の原因を探れ」というミッション。



生まれる前に父親を亡くし、母と継父とともに暮らす富豪の娘アナ(タイッサ・ファーミガ)はIQは高いが変わった子。
自殺未遂を犯したことから今は専用の看護師に24時間モニターで管理されています。
アナは継父が財産目当てで自分を精神病院送りにしたがっていると疑っており、ジョンに助けを求めます。
そしてアナの記憶に潜入したジョンは、そこに思いがけないものを見てしまい・・・
という話。



夢の中に入って心の奥に潜む真実を探るという作品は過去にいくつも作られてますが
本作が新しいのは、探偵も超能力者なら、捜査される側も超能力者なこと!
おかげで簡単と思った仕事は、病み上がりの身にはちと辛いものになっていくんですが
時にお尻が半分見せそうなキャミ風の部屋着姿だったりする可愛いアナに強面のマーク・ストロングもいつしか入れ込んじまうんですわね。
「拒食の原因が分かればいいだと?んにゃ!ワシはアナの全てを知りたい」みたいな。





皮肉なもんでジョンが冷静さを欠けば欠くほど、こちらは冷ややかに見れるわけで
慎重に成り行きを観察できた結果、衝撃的な結末についてはジョンよりも早くに分かりました(笑)
それに至る伏線も張られているので、ミステリーとしてはがんばってると思いますね。

ただ手放しに褒められないのは、鑑賞後感があまりよくないところだなぁ。
だって犯人は(ここでは明かしませんが)、真性サイコですよ。
それなのに最後、過去が吹っ切れておじさんようやく前を向くことができました的な
安易なものにつながる理由が私には良くわからん。
何か大事なものを見落としてる?

映画ってどんでん返しが面白ければそれでいいってもんじゃなく
最後にスッキリ爽快感があるとか、何か心を動かされてこそ満足を得られると思うほうなので、本作には最後少し物足りなさを感じた次第。

まぁでも、観てる間はどこに真実があるんだろうと引き込まれたし、出演者はみな頑張ってたしで楽しめたんですけどね。

タイッサはお姉さんのヴェラ・ファーミガ監督作品『ハイヤー・グラウンド』でヴェラさんの若い頃を演じてました。最近観た『At Middleton 』ではヴェラさんの娘役。歳の離れた姉妹だけどよく似てますもんね。
2015年も出演作目白押しのようで、作品に恵まれればヴェラさん以上の売れっ子になりそう。楽しみです。


【映画賞】インディペンデント・スピリット賞 ノミネーション発表
2014年11月27日 (木) | 編集 |



インディペンデント・スピリット賞のノミネート作品が発表されました。
シーズン到来ですね。
主な受賞結果は以下のとおり。

【作品賞】
  ■「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督) 
  □「6才のボクが、大人になるまで。」(リチャード・リンクレイター監督) 
  □「Love Is Strange」(アイラ・サックス監督)
  □「Selma(エヴァ・デュヴルネ監督)
  □「Whiplash(デイミアン・チャゼル監督)

【監督賞】
  □ デイミアン・チャゼル(Whiplash)
  □ エヴァ・デュヴルネ(Selma)
  ■ アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
  □ リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。)
  □ デヴィッド・ゼルナー(Kumiko, The Treasure Hunter)

【脚本賞】
  □ スコット・アレクサンダー/ラリー・カラゼウスキー  「ビッグ・アイズ」
  □ Ira Sachs /Mauricio Zacharias   「Love Is Strange」
  □ JCチャンドラー「A Most Violent Year」
  ■ ダン・ギルロイ 「Nightcrawler」
  ■ ジム・ジャームッシュ  「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」

【主演男優賞】
  □ アンドレ・ベンジャミン(JIMI:栄光への軌跡)
  ■ ジェイク・ギレンホール(Nightcrawler
  ■ マイケル・キートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
  □ ジョン・リスゴー(Love Is Strange)
  □ デヴィッド・オイェロウォ(Selma)

【主演女優賞】
  □ マリオン・コティヤール(エヴァの告白)
  □ 菊地凛子(Kumiko, The Treasure Hunter)
  □ ジュリアン・ムーア(Still Alice)
  □ ジェニー・スレイト(Obvious Child)
  ■ ティルダ・スウィントン(オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ

【助演男優賞】
  ■ リズ・アーメド(Nightcrawler)
  □ イーサン・ホーク(6才のボクが、大人になるまで。)
  □ アルフレッド・モリーナ(Love Is Strange)
  ■ エドワード・ノートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
  □ J・K・シモンズ(Whiplash)

【助演女優賞】
  □ パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
  □ ジェシカ・チャステイン(A Most Violent Year)  
  □ カルメン・イジョゴ(Selma)
  □ アンドレア・スアレス・パス(Stand Clear of the Closing Doors)
  ■ エマ・ストーン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

【新人作品賞】
  □「Dear White People」(ジャスティン・ティンバーレイク監督)
  □「A Girl Walks Home Alone at Night」(アナ・L・アマポアー監督)
  ■「Nightcrawler」(ダン・ギルロイ監督)
  □「Obvious Child(ジリアン・ロベスピエール監督)
  □「She's Lost Control(Anja Marquardt監督)

【外国作品賞】
  □ 「ツーリスト」(スウェーデン)
  ■ 「イーダ」(ポーランド)
  □ 「Leviathan」(ロシア)
  □ 「Mommy」(カナダ)
  □ 「北(ノルテ) 歴史の終わり」(フィリピン)
  ■ 「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」(イギリス)

【ロバート・アルトマン賞】
  「InherentVice」 

【特別栄誉賞】
  「フォックスキャッチャー」

                          □未見  ■観賞済み

マイケル・キートン主演の『バードマン』に勢いがありますね。
オスカーでも主演男優賞、撮影賞ではいい線いくんじゃないでしょうか。
ジョン・リスゴーやJ・K・シモンズなどベテラン組が頑張ってるのもいいですね。
『ナイトクローラー』のジェイクがノミネートされたのもうれしい。
昨年もこの映画賞からオスカー受賞者が出てますので楽しみですね。
12月にはオスカー前哨戦となる映画賞が次々に発表され、まさにシーズン到来。

感謝祭特集は4本というミニミニ特集になっちゃいましたが、とりあえず終了。
家族と食事についてはまたの機会に特集します。






【映画】『わが心のボルチモア』
2014年11月24日 (月) | 編集 |


わが心のボルチモア(1990)アメリカ
原題:Avalon
監督:バリー・レヴィンソン
出演:アーミン・ミューラー=スタール/ ジョーン・プロウライト/ エイダン・クイン/ レオ・ヒュークス/ エリザベス・パーキンス/ ルー・ジャコビ/ イヴ・ゴードン/イライジャ・ウッド / トム・ウッド 
 1914年、アメリカン・ドリームを胸に東欧からやって来たサム・クリチンスキー。壁紙職人としてボルチモアに定住した彼は、息子ジュールスやかわいい孫に囲まれ、幸せな生活を送っていた。そんなある日、ジュールスが経営するデパートが全焼してしまい……。



『レインマン』のバリー・レヴィンソンが故郷ボルチモアを舞台に、東欧移民してきたユダヤ人家族の三世代に渡る歴史を描くヒューマンドラマです。

監督のバイオグラフィーを見るとお母さんの姓がクリチンスキーなんですね。
ロシア系移民二世の監督にとって、本作は半自伝的な作品なんでしょう。

サム・クリチンスキーにアーミン・ミューラー=スタール
サムが初めて地を踏む独立記念日に沸くアメリカの冒頭シーンの美しいこと。

時は流れ、息子一家と穏やかに暮らサムのある感謝祭の食卓
昔語りを始めるサムに「また同じ話。みんなもう聞いて知ってるわ」と妻のエヴァ(ジョーン・プロウライト)。
いづこも同じ(笑)
さらに「そもそも感謝祭ってなんなのかしら。何に感謝を捧げるの?」とエヴァ。
映画が終わる頃には感謝祭の意味を噛み締めることになりました。




映画はサムと息子一家に起こる出来事を淡々と映し出すんですが
これがどこの家庭にもありそうな「あるある」含みで、ニヤニヤがとまりません。



時代の描き方も絶妙で、初めて一家にテレビがやってきたシーンには笑ったし
空とぶスーパーヒーローの映画に観客が歓喜するシーンにはワクワク。
悲喜こもごもなれど、時々を懸命に生きる一家
やがて歳を取り、サムの中から記憶がひとつずつ消えていく様子には寂しさを感じますが
ラストシーン、大人になったサムの孫サムが自分の子供サム(みんなサムw)に曾おじいちゃんのことを話して聞かせるラストシーンに、こうして家族の歴史は語り継がれるんだなぁとしみじみ。
ちなみに監督の息子もサム(『アナザー・ハッピーデイ ふぞろいな家族たち』のサム・レヴィンソン)です。

家族には大切な歴史がある。
家族が集まって、昔語りを聞き、祖先に感謝することも感謝祭のあるべき姿なんでしょうね。
日本に置き換えればお盆やお正月かな。

今回、ユダヤ人映画特集の一環でテレビ放送されたんですが、舞台がアメリカということもあり本作にはホロコーストのシーンは全然出てきません。しかし移民してきた少女が夜中に悪夢にうなされて大きな声を出したり、サンクスギビングの七面鳥をオーブンに入れるシーンにホロコーストの会話を重ねてみたり、印象的な演出が見受けられます。

「思い出そうとしなければ忘れてしまう」という台詞も印象的。
家族映画であると同時に、ユダヤ人虐待の歴史も忘れてはいけないと語る映画だと思います。



息子ジュールスにアイダン・クイン、子供時代の孫のサムにまだあどけないイライジャ・ウッド
この年のアカデミー賞では脚本賞など4部門にノミネート
ノスタルジックな音楽と映像が心に染みる珠玉のヒューマンドラマです。
大好きな映画がまたひとつ増えました。

画質悪いですがトレイラー貼っておきます。




【ネタバレ】『オオカミは嘘をつく』世の中偏見に満ちている
2014年11月22日 (土) | 編集 |



オオカミは嘘をつく(2013)イスラエル
原題:Big Bad Wolves
監督:アハロン・ケシャレス
出演:リオル・アシュケナージ / ツァヒ・グラッド/ ロテム・ケイナン/ ドヴ・グリックマン/ メナシェ・ノイ
日本公開:2014/11/22
 
イスラエルの森の中で首のない少女の遺体が発見され、 気弱で善良そうな学校教師が容疑者として浮上。
しかし警察が3人がかりで暴行を加えるも自白に追い込めず。
その映像がyoutubeに流れてしまったことからミッキは担当をおろされてしまうが、上司の特令を受け、不法にに容疑者を追うことに。そこに復讐をたくらむ被害者の父親が現れ・・





猟奇殺人事件をめぐる警察、容疑者、被害者の父の攻防を描くサスペンススリラーです。
タランティーノ絶賛というのに納得。これは面白かった!




刑事ミッキは警察の威信にかけ、被害者の父は「娘の首を取り戻し弔いたい」という思いから
両者は容疑者の自供を引き出そうと必死。
被害者の父が廃屋に容疑者を監禁し暴行を加えるあたり『プリズナーズ』のパロディかと思うところだけど イスラエルの映画らしく「目には目を」の精神で、娘がされたのと同じ方法で容疑者を追い詰める様子が怖い。
父親の父親まで登場して戦争の経験を生かした拷問まで出てくるところも、イスラエルならでは。

 ところがこの容疑者役、ギャーと叫びはするものの、痛がりかたはあっさり目でね。
最初は違和感を感じてましたが、その後、あぁこれってコメディだったのねと気づくことになり納得。
つまり監督は痛い映画を見せることに重きを置いてないんですね。

容疑者は犯行を否定し続け、被害者の父の暴行はエスカレートする
警察や被害者の行動に疑問がわいてくる頃、映画はある結末を迎えるわけです。

観終わって色々に考えるところがあるんですが、内容を明かさずには語れないので
以後ネタバレさせてもらいます。
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