映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
ヘレン・ハント監督『いとしい人』
2013年03月31日 (日) | 編集 |





今日から2~3本、女優さんの初監督作品を取り上げます。
まずはヘレン・ハントの2007年の作品から


いとしい人(2007)アメリカ
原題:Then She Found Me
出演:ヘレン・ハントベッド・ミドラーコリン・ファース、マシュー・ブロデリック



ヘレン・ハント監督、脚本、主演のヒューマン・ドラマです。

39歳の小学校教師のエイプリル(ヘレン・ハント)は結婚10ヶ月の夫(マシュー・ブロデリック)に別れを告げられる。悪いことは続くもので、養母が死に、そんなさなか、実母と名乗る女性(ベッド・ミドラー)が現れる。生徒の独り者の父親(コリン・ファース)を好きになり始め・・。






自分が養子だったことから、子供を生んで、本当の家族を作りたいと切望する矢先の別れ、
39歳という崖っぷちの年齢ということで、ヒロインの焦りは痛いほどにわかります。
実母の存在が彼女を傷つけ、他にも最悪のことが起き、彼女は信仰心さえ失うことになるんですね。

結婚、離婚、妊娠、子供の親になることとは?や、養子、母子関係 信仰心まで
ヘレン・ハントは女性ならではの視点で、それぞれの問題にリアルに迫ります。
正直すぎて息苦しいと思う部分もあるし、マシューやファースなど男性陣の描き方はちょっと断片過ぎるかもという気がするけれど、「生まれてくる命」に真摯に向き合い、正直に人生を生きようとするヘレンの姿勢が窺えるところには好感がもてました。

最後は落ち着くべくところに落ち着いたんだなぁと。
こういう形の幸せもあるんだということにも気づかされました。

宗教心などない私だけど、「命」を授かるかもしれない治療のシーンで
エイプリルがヘブライ語で歌う祈りの歌の美しさに、神聖な感動がありましたよ。



■トラックバックいただいてます


Tracked from 今昔映画館(静岡・神奈川.. at 2013-03-31 13:16 x


タイトル : 「いとしい人」は、「あーわかるわかる」と、「へーそうなん..
今回は東京では公開が終了している「いとしい人」を横浜シネマベティで観て来ました。アルバトロスが配給してるんですね。かつてのゲテもの系配給会社も、最近はアート系やこういう小品を配給するようになっていたとは。 39歳の小学校教師エイプリル(ヘレン・ハント)は、同僚のベン(マシュー・ブロドリック)と結婚して間もないのですが、ある日ベンが家を出て行ってしまいます。彼女は自分が養女だったことを知っていて、自分の子供が欲しくて仕方なかったのです。そんな中で養母がなくなり、そのタイミングで、エイプリルの......more






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白雪姫と鏡の女王
2013年03月30日 (土) | 編集 |



白雪姫と鏡の女王 (2012)アメリカ
原題:Mirror Mirror
監督:ターセム・シン・ダンドワール
出演:ジュリア・ロバーツ、リリー・コリンズ、アーミー・ハマー、ネイサン・レイン、ショーン・ビーン
幼いころに国王であった父を亡くし、邪悪な継母の女王(ジュリア・ロバーツ)によって城に閉じ込められたまま育った白雪姫(リリー・コリンズ)。ある日、舞踏会に忍び込んだ彼女は、そこで他国の王子(アーミー・ハマー)と運命の出会いを果たして恋に落ちる。だが、王子との政略結婚を狙っていた女王は、白雪姫を森へと追放し・・。

『落下の王国』のターセムはこんな楽しい映画を作れる人だったのねぇ。
ご存知『白雪姫』がとびきり愉快なファンタジー・コメディに仕上がってます。

まず女王のジュリア・ロバーツがいいですね(笑)
同じ頃作られた『スノーホワイト』と比較すると、美しさではシャーリーズ・セロンに適わないけど
若い王子をものにしようと奮闘する、年増の必死さが楽しい。
黒魔術を使う邪悪さも、『スノーホワイト』よりわかりやすく
これがなかなかのアクションシーンに繋がってます。

白雪姫は、毒リンゴかじって果報を寝て待つ でなく、きっちり自分で道を切り開く様が現代的。
父亡き後、困窮する国民に目を向けるし、差別意識から意固地になって盗賊に成り下がっていた小人たちを、知恵と愛で再生させたりの大活躍。
リリー・コリンズは可愛らしさと優しさと、強さを持ち合わせた白雪を好演していて魅力的でした。

意外な可笑しさで笑いを取ったのは王子を演じたアーミー・ハマーだよねぇ。
ハンサム君台無しのあんなことやら、こんなことまで、よくやったなぁw



小人たちと白雪の互いに助け助けられしながら築く信頼関係も心地よいし
勿論石岡瑛子さんによる豪華な衣装や、ターセル監督ならではの美的センスの生かされた映像も良かった。

たくさん笑えて、気持ちよく観終えました。ナイス!





ケティ・レスター『ラブレター』
2013年03月30日 (土) | 編集 |


今日はブラピ主演の『ジャッキー・コーガン』で使われた
ケティ・レスターKetty Lesterの1962年のヒット曲『ラブレター(Love Letters)』です。

ケティ・レスターという黒人ソウル歌手のことはまったく知らなかったし
これ以外に大きなヒットもなかったようだけど、
『ラブレター』はエルヴィスにもカバーされたりして、ご存知の方も多い曲かな。

映画のなかではブラピ演じるヒットマンのジャッキー・コーガンが車越しに
ある人物をし止めるシーンで使われています。
最高に残酷なシーンも、スローモーション映像に乗って流れるこの曲によって
幻想的に美しく昇華していく。映画の見所のひとつになっています。




ブラッド・ピット『ジャッキー・コーガン』
2013年03月29日 (金) | 編集 |



ジャッキー・コーガン (2012)アメリカ
原題:Killing Them Softly
監督:アンドリュー・ドミニク
出演:ブラッド・ピット、 リチャード・ジェンキンス、 ジェームズ・ガンドルフィーニ、 レイ・リオッタ 、 スクート・マクネイリー、 ベン・メンデルソーン、 サム・シェパード
日本公開:4/26~
ブラッド・ピットがマフィアの下に働く殺し屋を演じるクライムサスペンスです。

大統領選たけなわの2008年
マフィアの集う賭博場で覆面2人組による強盗事件が起き
ブラッド・ピット演じる殺し屋ジャッキー・コーガンが動き出します。
コーガン・・、えっと、ジャッキーと呼ぼうかな
原題のKilling them softlyは、「穏やかに殺す」というジャッキーの殺しのモットー。
ウェイトレスや売春婦へのチップをケチったりするのが大嫌いで
誰にも人当たりがいい一見好青年、もとい好中年なジャッキー(笑)
ま、そのソフトさと実像のギャップがシニカルでユーモラスなのですけどね。

ジャッキーにマフィアの指令を伝える交渉役兼ドライバーにリチャード・ジェンキンス
オブラートに包んだ物言いなんですが、言ってる内容はかなりエグかったりして
ブラピとの車での交渉シーンが笑えます。

ま、しかし、殺し屋のお話に、こんな会話劇を期待してなかったのもあって
初見時には、劇場で爆睡したんですよね(汗)
銀行のローン係な風貌のジェンキンスさんが何者かもわかりにくくて、入り込みにくかったのもある
ブラピ登場も開始後23分してやっとだし。
監督が『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニクなのに早く気づいていれば
心構えもあったんですけどね。 

一番の見所は素人2人が、マフィア相手に賭博場を強盗するシーン。
2人組の一人フランキーを演じるスクート・マクネイリーは、金に困って強盗に手を出すけれど、本来は誠実な男。仲間に誘ったジャンキーのラッセル(ベン・メンデルソーン)が犬のブリードをしていて、いつも犬を連れくるのが笑える。臭そうだしw





劇中やたらオバマさんの大統領選挙の演説が出てくるのは、候補者の唱える理想的なアメリカが幻想に過ぎないことを皮肉っているのでしょう。
ジャッキーに朽ちたアメリカを投影し、フランキーと比較させ、
正直で真面目な人間の生き難い世の中を描いた、そんな作品だったと思います。

賭博場のオーナーを演じるレイ・リオッタのお気の毒さ加減
モットーに反するジャッキーのお仕事シーンも一見の価値あり。






      


パク・チャヌク『イノセント・ガーデン』
2013年03月27日 (水) | 編集 |



イノセント・ガーデン (2013)アメリカ
原題:Stoker
監督:パク・チャヌク
出演:ミア・ワシコウスカ、マシュー・グード、ニコール・キッドマン、ダーモット・マローニー、ジャッキー・ウィーヴァー
父親が交通事故で死んだ後、インディア・ストーカーと母の暮らす家に叔父のチャーリーがやってきた。
不思議なことにインディアはその存在すら知らされてなかった。

『オールド・ボーイ』のパク・チャヌクのハリウッドデビュー作となるサスペンス・ドラマです。

この手の作品はあまり多くを語れないんですが・・・、
叔父チャーリーの存在が、インディアにある変化をもたらすという話。



原題のStokerは一家の姓
映画にはインディア(ミア・ワシコウスカ)とその母(ニコール・キッドマン)、死んだ父(ダーモット・マローニー)、叔母さん(ジャッキー・ウィーヴァー)そして叔父のチャーリーなど、ストーカー家の人々が登場するわけですが、ー家を表現するならStokersと書くであろうところ、あえてStokerとしてるのは、ストーカー家に流れる血筋というか、そういうのを表現してるのかなと思います。



叔父チャーリーの存在を知らされてなかったのは何故なのかが徐々にわかってくると同時に
インディア自身のある秘密が見え始め、そのとき『Stoker』という原題に納得するわけです。
ちなみに邦題の『イノセント・ガーデン』というのは、「禁断の秘密の花園の扉が開かれる」といった意味かしら。毎年誕生日に贈られる靴の代わりに贈られた「鍵」には父の思いが込められていたんですが、鍵は秘密の扉を開けるものという意味もあるんでしょう。
足元から忍び寄る小さな蜘蛛も、インディアの身体の奥底の「秘密の花園」に引き寄せられるようでもあり。。



どちらかというと薄い印象だったミアがセクシーなシーンまでこなし(官能的とまでいかないところが可愛いw)、衝撃的なヒロインを熱演。
ニコールは娘との間に微妙な距離を保つ不安定な母親を演じていて上手い。
エグい演出もあるのに美しく危険なサザン・ゴシック・スリラーな仕上がりで、
パク・チャヌク監督の新しい世界を見せてもらった気分。

面白いですよ。
日本公開は5/31~