映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
フットルース 夢に向かって
2013年02月28日 (木) | 編集 |






フットルース 夢に向かって(2011)アメリカ

原題:Footloose
監督:クレイグ・ブリュワー
出演:ケニー・ウォーマルド、ジュリアン・ハフ、 デニス・クエイド、 アンディ・マクダウェル、マイルズ・テラー、 ザイア・コロン


リメイクシリーズ最後は、青春ダンス映画、84年の『フットルース』のリメイクです。

冒頭からフットルースの曲に乗せ、昔ながらのステップで踊る若者を見せたり
レンの乗る黄色いフォルクス・ワーゲンとか、レンが登校初日にタイを締めてたり
序盤にオリジナルファンを喜ばせる演出がわんさか。
ダンスを禁じられた田舎町に越してきた若者が、友情や恋を通し成長していくというストーリー自体もオリジナルとほぼ同じ。

 レンが風穴となり田舎町に新たな若者文化が帰ってくる。
その躍動感を楽しいダンスステップで描ききる物語は爽やかですが、ウォークマンがipodになりダンスがヒップホップに変わり、時代が今に置き換えられているだけに「ロックやダンスが禁止される」という設定自体が、もはや無理やりすぎる気がしてしまいました。
そこが引っかかるからか、町の若者の抱えた閉塞感みたいなのは、オリジナルほど感じられず、エリエルが線路に立つなどの無謀さの意味も伝わってこないんですよね。

 主演のレンを演じるケニー・ウォーマルドはベーコンさんと比べると、ワル度が足りないところがちょっと物足りないけれど、ジャスティン・ティンバーレイクやクリスティーナ・アギレラなどの振り付けを担当するダンサーとのことで、キレの良いダンスを披露します。周囲に理解されずついに切れて踊りまくるシーンは良かった。このシーン、ベーコンさんのは今観るとクサくてちょっと笑えますもんね。





ま、時代設定を気にせず、懐かしの『フットルース』の再現を楽しむ映画かもしれません。
80年代に特別思い入れがない若者には、こちらの方がすんなりかも。
エリエルを演じたジュリアン・ハフ(『ロック・オブ・エイジズ』)はスタイルが良くてダンスも上手。彼女を見るだけでも観る価値あり。
オリジナルにオマージュを捧げたダンスシーンは躍動感がありとっても楽しかった。

 


シュガーマン 奇跡に愛された男
2013年02月26日 (火) | 編集 |
シュガーマン 奇跡に愛された男(2012)スウェーデン/イギリス
監督:マリク・ベンジェルール
オスカー受賞のドキュメンタリーです。
南アフリカのケープタウン。
一人の男性が海岸沿いをドライブしながら聴いているのは『コールド・ファクト』というアルバムの一曲、『シュガーマン』。
しかし、南アフリカで最大のヒットとなったこのアルバムのシンガー、ロドリゲスについてステージで自身に火を放ち死んだということ以外、誰も何も知らないのだとか・・
場面が変わり、デトロイトでロドリゲスに出会い、その歌声に衝撃を受けたと語る人々のインタビュー。
どうやらデトロイトでリリースしたらしい『コールド・ファクト』が、なぜアメリカで誰にも知られず南アフリカで大ヒットを飛ばし、最高のシンガーとされているのか。


フィルムはアルバムジャケットに残されたわずかな情報をもとにまるでシャーロック・ホームズのようにロドリゲスの正体に迫っていくというもの。とにかくね、曲を聴けば聴くほどに歌声に魅せられるし、ロドリゲスへの興味が募るばかり。

やがて謎が解き明かされ、奇跡を目撃することに興奮してしまいました。
人生なにが起きるかわからないですね。
まるでインディアンのようにハンブルなロドリゲスの生き様にも感銘を覚え心地よい余韻を残すドキュメンタリー。

日本でも知られてないはずなのに、どこか陽水っぽい感じかな。
郷愁をそそる歌声に、観終わってアマゾンポチったのは言うまでもなし。


日本公開は3/16~
 


★★★★☆

第85回アカデミー賞予想&結果
2013年02月25日 (月) | 編集 |



ぎりぎりですが希望予想を☆で
受賞結果は
で記しています

◆作品賞
■愛、アムール
■アルゴ ☆

■ハッシュパピー バスタブ島の少女
■ジャンゴ 繋がれざる者
■レ・ミゼラブル
■ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日
■リンカーン
■世界にひとつのプレイブック 
■ゼロ・ダーク・サーティ

◆監督賞
■ミヒャエル・ハネケ(愛、アムール)
■アン・リー(トラと漂流した227日)

■デヴィッド・O・ラッセル(世界にひとつのプレイブック)☆
■スティーヴン・スピルバーグ(リンカーン)
■ベン・ザイトリン(ハッシュパピー バスタブ島の少女)

◆主演男優賞
■ブラッドリー・クーパー(世界にひとつのプレイブック)
■ダニエル・デイ=ルイス(リンカーン)☆

■ヒュー・ジャックマン(レ・ミゼラブル)
■ホアキン・フェニックス(ザ・マスター)
■デンゼル・ワシントン(フライト)

◆主演女優賞
■ジェシカ・チャステイン(ゼロ・ダーク・サーティ)
■ジェニファー・ローレンス(世界にひとつのプレイブック)☆

■エマニュエル・リヴァ(愛、アムール)
■クヮヴェンジャネ・ウォレス(ハッシュパピー バスタブ島の少女)
■ナオミ・ワッツ(インポッシブル)

◆助演男優賞
■アラン・アーキン(アルゴ)
■ロバート・デ・ニーロ(世界にひとつのプレイブック)
■フィリップ・シーモア・ホフマン(ザ・マスター)
■トミー・リー・ジョーンズ(リンカーン)
■クリストフ・ヴァルツ(ジャンゴ 繋がれざる者) ☆


◆助演女優賞
■エイミー・アダムス(ザ・マスター)
■サリー・フィールド(リンカーン)
■アン・ハサウェイ(レ・ミゼラブル)☆
 
■ヘレン・ハント(The Sessions)
■ジャッキー・ウィーヴァー(世界にひとつのプレイブック)

◆脚本賞
■愛、アムール
■ジャンゴ 繋がれざる者 ☆

■フライト
■ムーンライズ・キングダム
■ゼロ・ダーク・サーティ

◆脚色賞
アルゴ ☆

ハッシュパピー バスタブ島の少女
ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日
リンカーン
世界のひとつのプレイブック

◆撮影賞
アンナ・カレーニナ
ジャンゴ 繋がれざる者
ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 ☆

リンカーン
007/スカイフォール

◆編集賞
アルゴ 

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日
リンカーン
世界にひとつのプレイブック
ゼロ・ダーク・サーティ

◆美術賞
アンナ・カレーニナ
ホビット 思いがけない冒険
レ・ミゼラブル
ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日
リンカーン


◆衣装デザイン賞
アンナ・カレーニナ ☆

レ・ミゼラブル
リンカーン
白雪姫と鏡の女王
スノーホワイト

◆メイキャップ&ヘアスタイリング賞
ヒッチコック
ホビット 思いがけない冒険
レ・ミゼラブル


◆視覚効果賞
ホビット 思いがけない冒険
ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日

アベンジャーズ
プロメテウス
スノーホワイト

◆録音賞
アルゴ
レ・ミゼラブル

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日
リンカーン
007/スカイフォール

◆音響効果賞
アルゴ
ジャンゴ 繋がれざる者
ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日
007/スカイフォール

ゼロ・ダーク・サーティ


◆作曲賞
アンナ・カレーニナ
アルゴ
ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日

リンカーン
007/スカイフォール

◆主題歌賞
「Before My Time」(Chasing Ice)
「Everybody Needs a Best Friend」(テッド)
「Pi's Lullaby」(ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日)
「Skyfall」(007/スカイフォール)☆

「Suddenly」(レ・ミゼラブル)

◆アニメーション映画賞
メリダとおそろしの森

フランケンウィニー
パラノーマン ブライス・ホローの謎
The Pirates! Band of Misfits
シュガー・ラッシュ

◆外国語映画賞
愛、アムール(オーストリア)☆

Kon-Tiki(ノルウェー)
NO(チリ)
ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(デンマーク)
魔女と呼ばれた少女(カナダ)

◆ドキュメンタリー映画賞(長編)
5 Broken Cameras
The Gatekeepers
How to Survive a Plague
The Invisible War
シュガーマン 奇跡に愛された男
 



◆ドキュメンタリー映画賞(短編)
Inocente
 
Kings Point
Mondays at Racine
Open Heart
Redemption

◆短編賞(実写)
Asad
Buzkashi Boys
Curfew

Death of a Shadow
Henry

◆短編賞(アニメーション)
Adam and Dog
Fresh Guacamole
Head over Heels
Maggie Simpson in "The Longest Daycare"
Paperman




こういう結果になりました。
前評判の高かった『リンカーン』が思いのほか伸びず、『ライフ・オブ・パイ』が健闘しました。
個人的には『世界にひとつのプレイブック』にメインの賞を獲って欲しかったですが色々に納得です。
作品賞受賞のベン・アフのスピーチも感動的でしたね。



主演女優賞受賞のジェニファーはステージに上がる時に転んでしまったようで
授賞式がトラウマにならなければいいのだけど。。





ザ・デット ~ナチスと女暗殺者~
2013年02月24日 (日) | 編集 |


リメイクシリーズ、今日はヘレン・ミレン主演の『ペイド・バック』(2010)のオリジナルとなるイスラエル作品。モサドを描くスパイ・サスペンスです。





ザ・デット ~ナチスと女暗殺者~<未>(2007)イスラエル
原題:The Debt
監督:アサフ・バーンスタイン
出演:ギラ・アルマゴール、 ネタ・ガーティ、イエズケル・ラザロフ、 アレクサンダー・ペレグ、エドガー・セルジュ、 オーデッド・テオミ





1964年、モサドの工作員、レイチェル、エフド、ズヴィの3人は、ナチス戦犯である医者ヴォーゲルを東ドイツで殺害し帰国、英雄となった。
しかし30年経って、レイチェルらの元にヴォーゲルがウクライナで生きているとのニュースが入る。実は30年前、3人は拘束していたヴォーゲルを逃がしてしまっていたのだ。
事実が明かされることを恐れた3人は、密かにヴォーゲルを殺害し30年間の負いに決着をつけようとするが・・ という話。

リメイク版では若きレイチェルをジェシカ・チャステイン、30年後をヘレン・ミレンが演じていて、話す言葉も英語ということに違和感を感じてしまったのですが、今回はイスラエル映画ということで、その点はすっきり。

またリメイク版は30年前の出来事を「藪の中」方式で描いている。
すなわち、嘘と現実それぞれを映像で見せるという手法がとられ、観ている方も「真実は?」と惑わされる作りで、面白いのだけど、過去と現在を平行して描く作りの中、同じシーンが二度繰り返されることにもたつきを感じたのも確か。
その点、オリジナルは過去の事実のみを描くというシンプルさで、その分、30年間抱えてきた負いの大きさにウェイトを置く作りとなっている点が良かった。
ヴォーゲルとのやり取りで、ユダヤ人としての怒りが痛切に伝わるところもイスラエル産ならではでしょう。




レイチェルおばさんに至っては、見た事ない太目の女優さんゆえ、このミッションをやりとげることができるのかと不安にかられるのがかえってよかった。
ヘレン・ミレンは意外にやってくれるの知ってるしね(笑)
どうせならリメイクはジャッキー・ウィーヴァーが似てて良かったのにと思ったり(笑)

リメイク版も面白かったですが、儚いラストの余韻など
やっぱりオリジナルに軍配かな。


壊された5つのカメラ
2013年02月23日 (土) | 編集 |


壊された5つのカメラ(2011)パレスチナ/イスラエル/フランス/オランダ
監督:イマード・ブルナート

パレスチナのビリン村で暮らすイマード・ブルナート監督が、四男の成長を記録すると共に、
イスラエル軍に抵抗運動を繰り広げる村の様子を撮り続けたドキュメンタリー。
アカデミードキュメンタリー部門ノミネート作品です。

ビリン村はイスラエルとの国境に位置し、ここでは村人は荒れた土地を耕し、
オリーブなどを植えて生計を立てています。
ところがイスラエルがテロ対策として築き始めた壁は、パレスチナ側に入り込み
ビリン村の農地を分断することになるんですね。
そこで村人は週末にデモをするなどして抗議するんですが、
驚くのは、村人の抵抗に対し、イスラエルの国境警備隊は催涙弾やゴム弾といった
武力を行使する事。
イマードのカメラは時に、目の前で死んでいく友を映し出します。
撮影を止めろとの警告に従わず、イマード自身が大怪我を負うことも。
弾を受けるなどして壊される度にカメラを換えること5たび。タイトルの所以です。

私がさらに驚いたのは、ビリン村の人々は、壁の建設を妨げるため、小屋を建てて抵抗することはしても、そのほかはほぼ丸腰で、ひたすら「やめて欲しい」と訴えるのみであること。

フィルムの中で、イマードの息子が、「どうしてナイフを持って戦わないの?」と訊くシーンがあるのだけど、「ナイフを使えば傷つく人がいる。人に痛い思いをさせたいのか?」とのイマードの答えが心に残ります。

もし同じことが日本でも起きたら、私たちはどうするでしょうね。
やはり人を傷つけることなど望まないはずだけど、相手は発砲してくるんですよ。
平和が一生続くとは思えなくなった今日この頃、なんだか考えさせられます。



ときにダンスを踊り、いつかは解ってもらえると信じる村人は楽観的過ぎるとも思ってしまうのだけど、飄々と、ある意味楽しみながら、前向きに訴え続ける彼らの力強いこと。
だからこそ、そんな彼らが受けるあまりに不条理な仕打ちに腹が立つのでした。
大きなニュースとして伝わってこなくても、こんなことが今も起こっているんだという現実。
こうしたドキュメンタリーが世界の目に触れることは大きな意味があることですね。
身体を張って記録し続けるイマードの使命感にも感服しました。




★★★★