映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ステイク・ランド 戦いの旅路
2011年09月30日 (金) | 編集 |



 

5大映画祭特集 最後は、トロント映画祭の作品で締めます。
今日は昨年のミッドナイト・マッドネス部門で最優秀作品に輝いたヴァンパイア・ホラーです。
ステイク・ランド 戦いの旅路(2010) アメリカ
監督:ジム・マイクル
出演:ニック・ダミチ/コナー・パオロ/マイケル・セルヴェリス/ショーン・ネルソン/ケリー・マクギリス

ヴァンパイアの大量発生で、多くの人間が命を落とし大統領さえどこかに逃亡
もはやアメリカは壊滅状態。
家族を失ったマーティンは、ヴァンパイア・ハンター、ミスターに助けられ
出会った人間を迎え入れ、敵を退治しながら
安全な場所とされる聖地を目指し北に向かう・・・
 
 
タイトルのゆえんは、ヴァンパイアに杭(ステイク)でとどめを刺すところからでしょうか。
本作に登場するヴァンパイアは、見た目にもおぞましいゾンビ風でね。
獰猛でスピード感にあふれ、しかもやたらしぶといもんで
彼らとの死闘がえぐいえぐい。
ただ、暴力シーン以外は 本当に静かで
ピアノやヴァイオリンで演奏される音楽も、とても美しい。
この世の終焉を描く ロードムービーという風情は、『ザ・ロード』に似ています。
無名どころの役者の中で、唯一聞いたことのある名前が
『トップ・ガン』のケリー・マクギリス
本作では、途中マーティンらに同行するシスターを演じてましたが
 
いやはや、時代を感じますね~。(←禁句w)

 
あっと、失礼、これはヴァンパイア







こちらが、ケリー・マクギリスさん


ちなみにこちらが、トップガンのトムちんと。 
 
 


グロいながらも、CGに頼らない特殊メイクや映像は、なかなかのクオリティ。
途中、人間がヴァンパイア以上に、恐ろしく描かれているのも印象的でした。
 
終末期を描くものは、ひたすら不条理で救いようのないものが多い中
ラストにかすかな希望を感じられたのも良し。

カナダ=ニューエデンとしたのは
トロント ウケ的には成功だったかもしれません。




酔っぱらった馬の時間
2011年09月23日 (金) | 編集 |

 
カンヌ関連作品、今日は2000年にカメラドール賞と、国際批評家連盟賞の2冠に輝いた
イランの作品『酔っぱらった馬の時間』を。
過酷なクルド人の暮らしを、家族愛で綴る感動の作品です。
酔っぱらった馬の時間(2000) イラン/フランス
監督:バフマン・ゴバディ
出演:アヨブ・アハマディ/アーマネ・エクティアルディニ/マディ・エクティアルディニ
 
国家を持たない世界最大の少数民族クルド人を描いた作品は、いくつかあるけど
自身もクルド人という監督バフマン・ゴバディのリアリティは、まさに体験からくるもの。
 
本作はイラン・イラクの国境付近の山岳地帯に住む、クルド人5人兄弟のお話。
母親は末の妹を出産時に死亡、蜜輪業を営む父親を地雷でなくし、
12歳で家長となった少年アヨブは、生活費を稼ぐために必死で働く日々。
でもこの村ではアヨブのような子供はたくさんいるようで
コップを紙で包み箱詰めするアルバイトに子供たちは殺到。
子供たちの必死さに驚きます。
アヨブには難病の兄弟マディがいて、手術が必要。
アヨブは必死で働き、ついに、密輪のキャラバンに同行し、
手術を受けさせるためイラクに向かうことになるんですが・・・
 


密輪のキャラバンと言ってもピンとこないでしょうが、
彼らはタイヤを密輸することを生業としていて
ラバに大きなタイヤを背負わせて、雪深い山を越えるわけなんですね。
ラバが途中で凍えないように、お酒を飲ませている。
それがタイトルのゆえんです。
だけど、国境付近には銃をもった警備隊が待ち受けているし
無数の地雷が埋め込まれている。命がけのミッションです。

この映画ではまず、彼らの暮らしぶりの過酷さに衝撃を受けるわけですが、
難病の兄弟の命を守るため、必死に頑張る兄弟姉妹の姿に感動します。
手術を受けても、数ヶ月しか延命が望めないのはみんな知っている
それでも危険に立ち向かう姿に、命の重さを感じるわけで
地雷や戦争で簡単に奪われる命と対比させてるんでしょうね。
 

映画の語り部でもある妹のアーマネが
難病の兄(・・といっても発育障害があるらしく、とても小さいです)に
何度も何度もキスをして、凍える手に息を吹きかけてあげる姿が可愛くてね。
勉強が大好きだけど、学校なんかには行けないのでしょう。
学習ドリルのようなものを兄にねだり、一生懸命勉強する姿も印象的でした。
 
世界には死の危険と隣り合わせに、
こんなに過酷な暮らしを強いられている子供たちがいるんですよね。
誰もが現実を受け入れ、不平を言うでもない。
日々を懸命に暮らすだけ。
そこには、豊かな暮らしをする国民が忘れかけてる純粋さを感じました。

多くの人に観て欲しい作品です。↓日本のトレーラーがありましたので、どうぞ。
 



トラウマ映画館『愛と憎しみの伝説』
2011年09月21日 (水) | 編集 |

町山さんのトラウマに挑戦!

久々にトラウマ黒塗り。
今日は、ハリウッドの名女優ジョーン・クロフォードの養女が出版した暴露本
「親愛なるマミー」を原作とし、家族の半生を描く『愛と憎しみの伝説』です。
愛と憎しみの伝説(1981) アメリカ
監督:フランク・ペリー
出演:フェイ・ダナウェイ/ダイアナ・スカーウィッド/スティーヴ・フォレスト/ハワード・ダ・シルヴァ
    ルターニャ・アルダ/プリシラ・ポインター/マラ・ホーベル
 
ジョーン・クロフォードといえば、後期の『何がジェーンに起こったか』が有名でしょうか。
昨日は、45年のオスカー受賞作ミルドレッド・ピアース』を観てみましたが
ミステリーと、一代繁盛記ともいうべき大河ドラマがミックスされ、見ごたえのある作品でした。
しかし、その裏で、私生活はこんなにドロドロだったんだ。
 
先にも書いたように、これは養女クリスティーナの自叙伝が原作なんですね。
一歳でクロフォードに養女にもらわれたクリスティーナは
豪邸に住み、美しい服を与えられたものの、決して幸せではなかった。
というのも、クロフォードに虐待されて育ったから。
 
冒頭、正面から顔を見せないまま、いつもの朝の風景が映し出されるんだけど
まず洗顔の様子がすごい。
ブラシを使って腕をこすりあげる様子はまるで手術前の手洗い。
しかも顔までゴシゴシして、そのあと氷で引き締める。
それら一連のシーンから、豪華ながらストイックな暮らしぶりや
異常なまでに潔癖症であることを一気に見せる。
 
しかし人間いつまでも美しいはずもなく
歳とともに、役も少なくなり、ハリウッドからお払い箱になる
それまでの暮らしを失う不安は彼女を、さらなる虐待へと駆り立てるわけです。
とにかく、クロフォードを演じるフェイ・ダナウェイの狂気に満ちた演技が見もの。
幼少のころクロフォードはクリーニング店で働く母親を手伝う貧しい暮らしをしていて
だからこそ、娘のクローゼットにクリーニングの針金ハンガーを見つけて
激怒したりと、自らのトラウマが虐待の内容に繋がってるんですよね。
 
最悪なのは女優を目指ししたクリスティーナが、病気で穴をあけた昼メロの役を
クロフォード自らがテレビ会社にかけあい、横取り!
落ち目だった彼女は、これに再起をかけようと目論んだらしいですが
28歳の役を63歳のクロフォードが演じる画面は、おぞましいの一言。
 
フェイ・ダナウェイは、この演技を酷評され
映画もラジー賞5部門を受賞してしまいました。
ハリウッドスターの末路を、こんな形で描いたことに、映画界は厳しく、
日本でも未公開に終わってます。

でもね、そんなつまんない映画ではなく面白いです。
しかも今やカルトな一本になってるらしいですよ。
ハロウィンではクロフォードを模したコスチュームも人気だとか。
モンスターかいなw
 

[READ MORE...]