映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
アリス・クリードの失踪
2011年06月29日 (水) | 編集 |

cinema de しりとり 24回目 【あ】

今日は『インソムニア』から繋がって、「あ」で始まる映画
『ディセント2』の脚本家の初監督作品となる『アリス・クリードの失踪』
二人の誘拐犯と、被害者3人の攻防を描く、イギリス発サスペンス・スリラーです。
 
アリス・クリードの失踪 (2009) イギリス
監督:J・ブレイクソン
出演:ジェマ・アータートン/マーティン・コムストン/エディ・マーサン
 
■感想
二人の男がベッド売り場でベッドを選び
ドアにロックを取り付け、ベッドにも金具を施す・・
一連の作業を無言で見せながら
だんだんにそれが犯罪の準備であることを匂わせる
冒頭のシーンから完全に引き込まれます。
 
男二人は富豪の娘アリス・クリードを誘拐し、
準備したアパートのベッドに監禁、身代金を要求。
完璧に練られた計画が淡々と実行に移され、すべては順調にいくと思われたが・・

アリス・クリード誘拐事件を描く本作、
驚くことに、出演者はアリスと誘拐犯二人の3人のみで
アリスの家の様子も、警察の捜査なども一切なしという大胆さ!
 

 
最初は犯行の手際のよさに感心し、引き込まれるのだけど
犯人の一人の素顔が見え、完璧と思われた計画にほころびが生じはじめる頃から
3人の攻防にスリルが増し、その緊張たるや半端ない。
 
しかも犯人二人の関係がわかったときには
「へ?@@」だったし(笑)
 
これ公開中なので、あまり書かないでおきますが
ドライでスタイリッシュでありながら、刹那的な作風がすごくいい。
ラストシーンの曲もいかしてました。
 
多分どこかで公開中
 

次は「」から始まる映画だよん  (´⌒`;) うーーっ

 


ピーター・フォーク追悼 『マイキー&ニッキー』
2011年06月26日 (日) | 編集 |
コロンボ刑事こと、ピーター・フォークの訃報を受け、
今日はしりとりをお休みして、追悼のレビューを。

インディペンデント映画の巨匠ジョン・カサヴェテスと共演した『マイキー&ニッキー』。
組織に切り捨てられ命を狙われる羽目になった男と、彼の幼なじみで同じ組織に属する男の一夜の逃避行を描く人間ドラマです。
 
マイキー&ニッキー (1976) アメリカ
監督:エイレン・メイ  
出演:ピーター・フォークジョン・カサヴェテス/ネッド・ビーティ/ウィリアム・ヒッキー/ジョイス・ヴァン・パタン/M・エメット・ウォルシュ
■感想
ピーター・フォークとジョン・カサベテス監督とは、生涯の盟友だったそうですね。
そんな二人がダブル主演で共演する本作は、日本ではビデオレンタルのみとなっていたものが
3月12日ついにニュープリントで日本初公開となりました。
震災と重なり、見逃した方も多かったことでしょうが、6/25~再上映となった様子。
図らずも追悼上映となってしまったわけですね。
 
【ストーリー】
組織の金を盗み、命の危険を察したニッキー(ジョン・カサベテス)は
身を隠すホテルの一室から、マイキー(ピーター・フォーク)に電話で救いを求める。
早速駆けつけるマイキー。
暗殺者の影がちらつく中、二人の奇妙な逃避行が始まった。
 
 
二人は30年来の幼馴染であり、同じ組織に身をおくもの同士。
ニッキーは、唯一の友であるマイキーに助けを求めるものの、
組織の息のかかったマイキーを、完全に信用することができないわけです。

マイキーはといえば、ホテルに駆けつけるときも、胃薬を持参している。
ストレスでニッキーが潰瘍を作っているだろうこともお見通し。
そのくらい近い仲ではあるものの、一方ではやんちゃなニッキーに手を焼いていたり
映画は進行と共に、二人の微妙な関係性が暴かれることになるんですねぇ。
 
さてさて、ニッキーの運命はいかに。
カサベテスは、死の恐怖に脅えるニッキーを緊張の演技で見せきりました。
組織との板ばさみで揺れるマイキーをピーター・フォークが熱演し
ほぼ二人だけのやり取りでありながら、緊張感が高まっていく展開はお見事!
 
 
実はこれ、震災後の映画記事再開のトップバッターにするつもりだったんですが
思ってたものと違ったもので、レビューを控えてたんですよ。
いや、すごく面白いんですけどね
最後は、ソファーから転げ落ちそうになりましたから(^^;)
 

ライトスタッフ
2011年06月20日 (月) | 編集 |

cinema de しりとり 18回目 【ら】

今日は『オーケストラ!』から繋がって、「!」で始まる映画・・
「!」?!!!!??
あ、いや、「ら」で勘弁してください ってことで『ライトスタッフ』。
 
トム・ウルフの同名ドキュメンタリー小説を原作とし
人類初の有人宇宙飛行をめざす男たちを描くドラマです。
監督は『存在の耐えられない軽さ』のフィリップ・カウフマン
 
ライトスタッフ (1983) アメリカ
監督:フィリップ・カウフマン
出演:サム・シェパード/スコット・グレン/フレッド・ウォード/エド・ハリス/デニス・クエイド
    バーバラ・ハーシー/ランス・ヘンリクセン/パメラ・リード/キャシー・ベイカー
■感想
1957年、ソ連が世界初の人工衛星スプートニク1号打ち上げに成功。
冷戦状態にあったアメリカは、宇宙を制すものが世界を制すとして
宇宙に人を送り込むマーキュリー計画(1959~1963)をたちあげます。
かくして、人類初の宇宙飛行士として、その優秀な資質(ライト・スタッフ)を認められ選ばれたメンバーたちの
宇宙への挑戦と、彼らを見守る家族の姿を描いたのがこの作品。

いや~、国家の面目を背負って、ミッションに挑む男たちがかっこよすぎ!!
重圧はありながら、彼らの根底にあるのはフロンティア精神とプライド
そしてなにより飛ぶことが好き! そして愛国心!
 


でも、もっとかっこよかったのが、高い飛行技術を持ちながら
大学出でないということで、メンバーから外された、チャック・イエガー(サム・シェパード)で
彼は、宇宙を目指すライトスタッフの活躍の裏で
音速飛行の限界に挑む続ける男。サム・シェパードに惚れた~
表舞台に立たないけれど、人間の限界に挑戦するストイックさを
ライトスタッフと対比させた描き方がクールです。

多分実際の映像を盛り込んでいるのでしょうけど、とにかく映像がすごい。
危険を承知で、見守る家族のドラマも秀逸。
 


宇宙飛行士を演じた出演者の中では、エド・ハリスが印象的ですね。
恐怖と戦うクライマックスシーンの怪演は見もの!w
成功者の中にもランクがあったりして、それをペーソスたっぷりに描いているのもいい。

160分という時間があっという間の面白さでした。
 

次は「」から始まる映画です。

都会のアリス
2011年06月05日 (日) | 編集 |


 





今日はヴィム・ヴェンダース初期の作品から『都会のアリス』
『まわり道』、『さすらい』へと続く三部作の一本目となるロードムービーです。


都会のアリス(1973)西ドイツ
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:リュディガー・フォグラー/イエラ・ロットレンダー/リサ・クロイツァー/エッダ・ケッヒェル




【ストーリー】
旅行記の執筆のためアメリカを放浪していたドイツ人作家フィリップが、帰国のため立ち寄った空港で9歳の少女アリスとその母に出会う。ひょんな事から少女をアムステルダムまで連れて行くこととなったフィリップ。しかし待ち合わせたアムステルダムに母の姿はなく、彼は少女の記憶を頼りに祖母の家を探す旅に出ることとなる。

■感想
いいなぁ、これ。
フィリップ(リュディガー・フォグラー)は、ひょんなことから9歳のアリス(イエラ・ロットレンダー)と出会い、アリスの記憶を頼りに、祖母を探すことになります。
フィリップ自身、仕事も中途半端に投げ出して、帰国しようとしていた矢先のこと。

お金もないのに、どうして自分が、という思いもあり、
最初はわがままなアリスに苛立ちも見せるのですが
懸命に不安と闘うアリスへの同情もあり、旅を続けます。
でも旅の途中で、二人の関係は微妙な変化を見せるのですよね。





苛立ちから、フィリップに辛らつな言葉をぶつけるアリス
グサりとはくるけど、そのストレートな言葉は彼の中に眠っていた何かを目覚めさせます。
そして、アリスの祖母を探すというミッションを達成することは、
フィリップ自身の存在意義を見出すものに、なっていったんでしょうね。




だんだん父と娘みたいになっていく二人が微笑ましい。
説明を極力省いているからこそ、その空気から多くのことを感じる映画です。
音楽もいいし、なんだか優しい。こんなの大好き。

アムステルダムの電車はあんななんだなぁと、
見知らぬ土地の風景をみるのも楽しかった。

ちなみにこの映画の主人公フィリップ・ヴィンターは
三部作の他の二作品にも登場して、さすらいの旅を続けるらしいんですね。
それ興味津々、観たいわぁ。

余談ですが、ヴェンダースはアリスの母を演じたリサ・クロイツァーと
この映画の翌年結婚、でも4年で破局してますね