映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
パララックス・ビュー
2010年08月17日 (火) | 編集 |
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1974年(アメリカ)
監督:アラン・J・パクラ
出演:ウォーレン・ベイティ/ウィリアム・ダニエルズ/ヒューム・クローニン/ステイシー・キーチ・Sr/ポーラ・プレンティス
【ストーリー】
上院議員暗殺事件を追うジャーナリストのフレイディは、パララックスという暗殺組織の存在を突き止める。その実態を暴こうとする彼に、パララックスは黒い手を伸ばすが……。(allcinemaより)
    
■感想
要人暗殺の組織の存在を描く戦慄のポリティカル・サスペンス。
監督は『大統領の陰謀』のアラン・J・パクラです。
 
次期大統領と目される人気の上院議員が暗殺される。
犯人は逮捕時に事故死。後に政府は犯行は妄想に駆られた犯人の単独犯行として発表した。
後日、新聞記者のジョー・フレディ(ウォーレン・ベイティ)の元に元カノがやってきて言った。
「誰かに殺される」
暗殺の場でレポーターとして居合わせたその元カノは、その場にいた12人のうち6人が既に死に、次は自分だと言うのだ。
そして後日・・・彼女は本当に死んだ!
 
自殺とされた元カノの死に疑問を抱いたジョーは、独自に調査を始め
パララックス社という秘密組織の存在を知ることになるのですが・・・
 
ケネディ大統領の暗殺は、オズワルドという狂った一般人の単独犯行であるとされながら
その後の調べで多数の不一致点が見出されています。
オズボーンは犯人として仕立てられただけで、その背後には大きな陰謀が存在するのではないかというのが言われて久しいわけですが、真相はいまだ闇の中。
 
もしかして、パララックス社のような企業が存在し、要人の暗殺を組織的に行っているとしたら?
ゾッとする思いで映画を観ることになりました。
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この映画の面白いのは、真相に迫ろうとした主人公が、いつのまにか組織にリクルートされ、
陰謀に加わる側にまわることになるという点
 
そもそもパララックスというのは天文学的な用語で
遥かかなたに存在するものを計測するために、ある異なった2点から観測し
その差から正しい値を知ろうとするものだということで、視差とも言われるものらしいです。
 
右の目で見た像と左の目で見た像には違いがあることもひとつの視差という考えらしいのですが。。
ちゃんとしたことは理解できませんが、
パララックス社に洗脳されたものは、それまでと違う概念を植えつけらてしまい
物事を違った視点から見ることになるというのが、タイトルのゆえんでしょうか。
 
無表情に暗殺を実行する暗殺者たちが、洗脳された一般ピーポーだったりするのが逆に怖いのと
周囲は暗殺者だらけ!なところにもぞっとしたぞ。

救いのないラストに、闇の深さを感じずにはいられません。
冒頭エキスポ塔での暗殺シーンなど、遠目からの静かな映像も主人公の孤独にリンクして
なにか物寂しさを感じてしまった次第。
 
リアルな怖さも感じる、面白いサスペンスでした。

ミニー&モスコウィッツ
2010年08月10日 (火) | 編集 |


 






ミニー&モスコウィッツ(1971)アメリカ
監督:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ/シーモア・カッセル/ジョン・カサヴェテス/ヴァル・アヴェリー/ティモシー・ケリー/ キャサリン・カサヴェテス


駐車場係のアルバイト・モスコウィッツは、偶然出会ったミニーに一目惚れする。彼はミニーに猛アタックを掛けるが、全く相手にされず…。

■感想
『ハズバンズ』『フェイシズ』とともにジョン・カサヴェテス結婚3部作となる作品です。
カサヴェテスの、妻ジーナ・ローランズに対する一目惚れの体験や、移民の息子と政治家の娘という立場の違い、結婚式でのエピソードなど、妻への深い求愛の経験をもとに作られたのだとか。
(アマゾンの解説より)
この映画好きだったなぁ。

ミニー(ジーナ・ローランズ)は美術館に勤める美しい女性。
モスコウィッツ(シーモア・カッセル)は、ひょんなことからミニーと出会い一目ぼれ。
過激に猛攻撃をしかけますが、ミニーは受け付ける気持ちなし。

ミニーとモスコウィッツはまるで正反対なのね。
映画が大好きで、映画のような熱い恋に憧れるミニー。
でも実際には妻子ある恋人と別れられないまま、ふがいない自分をどうすることもできない。その結果、彼女は現実を現実として見ない女性になってたんですね。



この映画にはさまざまな困った人が登場するんだけど
ミニーは彼らの話を聞きながら、大きなサングラスで顔を隠してしまう。
でもモスコウィッツはミニーのそんな態度をとがめるんだね。
そのことは現実から目を背けて生きて来たミニーの心の扉を叩くことになります。
彼といると、痛い目にあったりする、でもそれも現実。
徐々に変わっていくミニーを表す指標が、サングラスや、オーダーのしかたというのが面白いな。



二人の世界が一気に開けていくときに流れるのが
『2001年宇宙の旅』でも使われていた『美しい青きドナウ』で
なんだか宇宙に向かうような、えも言われぬ幸福感に包まれるから不思議。
二人が両親とレストランで会うシーンで
ミニーのママにカサヴェテスの母、
モスコウィッツの母親をジーナのママが演じてるのね。
ちなみにミニーの不倫相手にジョン・カサヴェテス

人間だれも「理想の人」と結婚出来るとは限らない。
でも「理想」ってなんでしょうね。

たった4日で結婚を決めた、ミニーからすると理想とはかけ離れたモスコウィッツだったけど、エンドロールからは溢れる幸せが伝わりました。
最高にハッピーな映画 大好き!

 









ファンタスティックMr.FOX
2010年08月07日 (土) | 編集 |




2009年
監督:ウェス・アンダーソン
声の出演:ジョージ・クルーニー/メリル・ストリープ/ジェイソン・シュワルツマン/ビル・マーレイ
     
ジョジクル特集 1本目
■感想
さーて、熱い男ジョージ・クルーニー特集開始~。
・・え?  アニメやんけ ってですか?
はい、すみません。

でもこれ主人公のミスターフォックスの声がジョジクルなんですよ。
ご存知ウェス・アンダーソン初のアニメ作品
ストップモーション・ピクチャーでおりなす、動物たちのアドベンチャー活劇です。




主人公のミスター・フォックス(クルーニー)は妻と幸せに暮らす野生のキツネ。
ニワトリ泥棒を生業とするミスターは、ある日妻ファシリティ(メリル・ストリープ)とともに罠にかかってしまう。

檻の中で「妊娠してるの」と告げる妻・・・

それから2年後、
妻と息子のアッシュ(ジェイソン・シュワルツマン)と平和に暮らすミスター・フォックスは
穴を抜け、地上の家に暮らすことを夢見るようになります

「強欲な3人の地主の土地に近いからとやめとけ」という弁護士(ビル・マーレイ)の忠告を無視してついに丘の上の家に移り住むことを決めるのですが・・・


えーと動物が主人公ではあるけど、勿論これは人間に置き換えることの出来るお話。

より安全な暮らしをという妻の願いにしたがって、今では新聞のコラム二ストとして働く主人公。
でも強欲なご近所3農家の家には、目もくらむような美味しそうなものがいっぱい
かつてニワトリ泥棒でならした、野生の血が騒ぐというものです。

ま、泥棒なんて表現すると、それでいいのか?ってことになりそうだけど
あくまで自分の野心に正直に生きる男の姿としてみるのがよろしいかと。

やりたくもない仕事、それでも家族の平穏な暮らしのためと、自身の野望を置き去りにしてる
世の中のオヤジには、ことさら響くものがあるかもしれません。

できのいいいとこが同居することになり、孤独を感じる一人息子の成長物語など
家族一人ひとりの姿にも、普遍的な人間像を与えてるのも面白いところ。

なんたって楽しいのは、擬人化された動物たちが見せる野生の姿。
ついついクルーニーやメリルを重ねてみてるもんで
あんなことも、こんなこともしちゃうその姿にププと笑いが出ちゃいますねw


ドライな笑いを誘うその作風はウェス・アンダーソンらしいところでしょう。
大人も子供の楽しめるアニメになってると思います。
あとやっぱり音楽がいいんだよね。
トマトメーターも93%という高評価。
アカデミーアニメ部門にもノミネートされ、話題になりました。


ただ個人的には監督の作品は
役者が演じてこそ、味が出るのではないかなとも思うのだけど。