映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】プレシャス
2009年12月11日 (金) | 編集 |


2009年(米)
監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボーレイ・シディベモニークポーラ・パットンマライア・キャリーレニー・クラヴィッツ
■感想
サンダンス映画祭でグランプリトロント国際映画祭で観客賞を受賞し話題となった『プレシャス』観てきました。
サファイアによる小説『プッシュ』を映画化した作品です。

80年代のニューヨーク ハーレム。
冒頭、16歳の太めの高校生プレシャスが授業中校長室から呼び出しをくらいます。
「あなた妊娠してるの?」
プレシャスの2度目の妊娠が発覚し、プレシャスは退学を余儀なくされます。

プレシャスにとって学校なんてつまらない場所に過ぎないんだけど、もっと悲惨なのは家での暮らし。
母親は暴力を振るうし、プレシャスを妊娠させたのは父親だったり母親のボーイフレンドなんですね。
誰も好んでこんな家に生まれてこないよなぁ。





道を歩けばその容姿からバカにされることもある
自分なんて無に等しいと、時には死んでしまいたい気にもなるけれど
死に方も知らないし・・
 
なんとも辛いお話。
でも救いなのは、プレシャスの本質は普通の16歳の女の子だということ。

彼女なりにお洒落もするし、恋にも興味あり
有名なスターになってサインに応える姿を夢想してみたりw
学校の担任は自分に気があると思ってるし(笑)
このポジティブさがなかったら、きっと彼女は潰れていたに違いない。

家庭内暴力、虐待、貧困など、プレシャスを取り巻く環境は目を覆うほど悲惨なものながら
映画はプレシャスの妄想映像(笑)なんかも挿入し、時にはププっと笑ってしまうユーモアも
盛り込んでるので、意外にも暗くならずに観れてしまうのですよ。

そしてプレシャスの運命を変えるのは、落ちこぼれ専門の学校みたいなところで出会った教師の存在。
愛と教育で人は救われるんですね。

プレシャスを演じるのはオーディションで選ばれたというガボーレイ・シディベ
内に怒りを秘めたような孤独な姿は怖い感じさえするけど、妄想の姿は案外可愛いw
新人とは思えないほど、しっかりとプレシャスを演じ切りました。

どうしようもない母親を演じるモニークはコメディアンだとか。
見事な演技でオスカー助演候補有力。
教師を演じるポーラ・パットンの美しさも印象的。

ソーシャル・ワーカー役のマライア・キャリーなんて、スッピン過ぎて最初誰か分からなかったわw




教育や社会保障など考えさせられることも多いですが、プレシャスが成長していく姿には感動します。
何よりも彼女が自分の子供に目一杯の愛を与えようとするところには大きく心を動かされました。
映画の中でプレシャスが泣くのはたったの一回。
どうして自分が・・・と涙を流す姿には流石に泣けたな。

虐待を繰り返す母親が内に秘めていたものには虚しさを感じるけれど
彼女も愛に飢えた悲しい女性だった。
周囲の愛によって、愛することも知っていくプレシャスとは相対的な描かれ方でした。

プレシャスにはまだまだ試練が待ち受けているでしょう。
でも彼女は乗り越えるに違いない。
プレシャス頑張れ!と応援したくなります。
愛すること、そして愛されることの大切さをしみじみと感じる素晴らしい作品でした。



スマイル・コレクター
2009年12月05日 (土) | 編集 |


2007年(フランス)
監督:アルフレッド・ロット
出演:メラニー・ロラン/エリック・カラヴァカ/ジル・ルルーシュ/ジョナサン・ザッカイ/セリーヌ・サレット
   ナタリー・リシャール/ステファーヌ・ジョベール/アントワーヌ・オッペンハイム/アレクサンドル・カリエール
■感想
バスターズと一緒に Kill Natiz!は終りましたが、今日はその関連ということで
『イングロ~』で映画館の女経営者ショシャナを演じたメラニー・ロラン主演の猟奇殺人もの
フランク・ティリエ原作『死者の部屋』の映画化です。

メラニーが演じるのは巡査長リューシー。
失業中の男2人は、憂さ晴らしのドライブ中に、見知らぬ男を撥ね殺してしまう。
死んだ男が持っていたバッグには、200万ユーロの大金が・・・。それは誘拐された娘の身代金だった。
撥ねた男たちの一人は自首しようと訴えるものの、ついには金欲しさに撥ねた男の死体を遺棄し金も頂いちゃう。


身代金の受け渡しが出来なかったことで娘は死体で発見されます
なんとその死体は顔に微笑みを浮かべ
アナベル人形のように髪を整えられ、ドレスを着せられていたんですね。
そして新たな少女誘拐事件が・・・。

リューシーは、人手不足の為、事件の捜査に駆り出され
ひき逃げ事件と、誘拐殺人事件の犯人像を割り出していくんですが。。
プロファイリングを独学で学んでいて、これがジョディ・フォスター並の鋭さw

映画的にも『羊たちの沈黙』に似たダークな雰囲気で何気にグロいシーンも。
事故を起こした二人の男たちの結末
犯人の動機にまつわるお話、そこにリューシー自身のトラウマが絡んでくるんだけど
個人的には犯人の過去とリューシーの過去がごっちゃになっちゃって、そこがちょっと分かりづらい。


メラニーは髪ひっつめのすっぴんのシングルマザーで美しさを封印
ところが何故かシャワーシーンがあって、そこだけ何気にセクシー(笑)
首のほくろと同じようなほくろが左の乳房にもあるんですね~。
美しさ封印とは言っても、瞳の美しさは印象的、やっぱり可愛いですよね。
でもふとミスター.ビーンに見えてしまうのは私だけかな∑(゚ω゚ノ)ノ

事件解決ですっきりとか、ほーっと唸るような展開があるわけではないけど、それなりに楽しめます。

★★★*☆

【映画】ヒトラー ~最期の12日間~
2009年12月05日 (土) | 編集 |

バスターズと一緒にKill Nazis!9本目 『ヒトラー ~最期の12日間~』


2004年(ドイツ/イタリア)
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ/アレクサンドラ・マリア・ララ/ユリアーネ・ケーラー/トーマス・クレッチマン/コリンナ・ハルフォーフ/ウルリッヒ・マテス/ハイノ・フェルヒ/ウルリッヒ・ノエテン/クリスチャン・ベルケル/ミハエル・メンドル/マティアス・ハービッヒ

■感想
いよいよヒトラー特集もクライマックス。
本作はヒトラー最期の12日間を描いた作品です。
監督は『es[エス]』のオリヴァー・ヒルシュビーゲル


冒頭、一人のおばあちゃんの独白から始まります。
彼女こそが1942年からの3年間、ヒトラーの個人秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲだったんですね。
この個人秘書の視点を通すことで、ヒトラーの知られざる側面が浮かび上がることに・・・。


第二次大戦も佳境を迎えた1945年、ドイツ軍は連合軍に追い詰められ、
大砲の音の響く中、ヒトラーは側近たちと首相官邸の地下要塞へ潜ります。


この段階でもまだ、ヒトラーは戦闘の指示を出すのですね。しかしそれは、彼の地図上でのみ可能なこと。
闘いを指揮する司令官、軍の要人の殆どはなす術もないことを知っている


敗退をみとめ降参することを申し出るもの、ヒトラーの指示に従おうとするもの、ひたすら任務を全うする医師・・・
ヒトラーだけでなく、彼を取り巻く側近たちやその家族が、最期をどのように締めくくるべきかを
もがきながら決断する12日間。


22歳でヒトラーの秘書となったユンゲにしてみれば、彼の穏やかで優しい側面しか知らず
ヒトラーをひたすら信じていたんですよね。
そんなユンゲも、ついにはヒトラーが冷静さを失っていく姿を目の当たりにすることに
1000年も続く帝国を作り上げることを夢見てきたヒトラー。
その夢が叶わなかったのは、部下たちが、そして市民さえも自分に従わなかったから、、
自分は裏切られたのだと怒鳴り散らす姿は、あまりにも哀しい独裁者の姿でした。


最期まで彼はユダヤ人を排斥したことを誇りに思うと言ってるわけで、勿論同情の余地などないのだけど。。




なんと言ってもヒトラーを演じたブルーノ・ガンツの上手さには驚きました。
秘書たちに向ける優しいまなざしは、ガンツらしいところだったけれど
ヒトラーの独特のアクセントでまくしたてる狂気の姿には、どこにも普段のガンツをみることはできません、


パーキンソン病に冒されたヒトラーを演じるために、専門病院で患者を見て研究したとあって
背中を丸め、左手を振るわせながらの演技もお見事。






市街戦を自発的に闘う子供たちの栄誉を称え、自ら勲章を与える姿をを見ても
こうして「頑張った」とほっぺをキュッとされたら、誰もがヒトラーのために身を捧げたくなるのではないか
独裁者と呼ばれる人にはやはり特別のカリスマ性もあったのだろうな、、
ガンツの素晴らしい演技から、そんなことも感じました。






映画の終わりは、冒頭のおばあちゃんの独白に戻るのですが
その独白の中で印象的だったのが、ユンゲが自分は『白バラの祈り』のゾフィーと同じ歳と語る言葉。
そしてゾフィーが処刑された歳に自分が秘書になったのだということ。


何も知らずにヒトラーに仕え、その間ユダヤ人の虐殺のことすら知らなかったことを
戦後彼女はどれだけ悔やんだんでしょうね。切ないラストでした。
若きユンゲを演じたアレクサンドラ・マリア・ララの美しさと、純粋なまなざしが印象的でした。


戦闘シーンの迫力など、映画的にもかなり見応えがあり、人間的な一面と狂気の両方から
ヒトラーを知ることが出来たのも良かった。
共演者の演技も素晴らしい。秀作ですね。


さて、ヒトラーはついに死んでしまったけれど、特集的にもう一本観なければいけないものが。
Guess what?