映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
禁じられた遊び
2009年11月25日 (水) | 編集 |


バスターズと一緒にKill Nazis!4本目 『禁じられた遊び』


1952年(フランス)
監督:ルネ・クレマン
出演:ブリジット・フォッセー/ジョルジュ・プージュリイ/シュザンヌ・クールタル/ジャック・マラン
   リュシアン・ユベール/ロランス・バディ
■感想
今日は「ナチスの侵略が残した傷跡を描いた作品」から。
監督は『居酒屋』『太陽がいっぱい』のフランスの巨匠ルネ・クレマン
ギターの名曲として有名な『禁じられた遊び』はこんな悲しい映画の主題歌だったんですね。

1940年、ナチスによるパリ占領によりパリを逃れようとする人びとに、空からの爆撃が襲います。
このシーンが驚くほどリアルで恐ろしい。
橋の上で両親を亡くした少女ポーレットは、死んでしまった犬を抱き、一人南仏の片田舎を彷徨ううち
ある貧しい農家の少年ミシェルと出会い、少年の家でひと時を過ごすことになります。

「死」が何かも知らないポーレットは、死んだ犬を土に埋めるという行為により
両親の「死」も理解するようになり、二人は虫などの死骸を土に埋める「お墓作り」に興じていきます。
しかしそれは大人の怒りを買い、二人は再び引き離されることになるのですが‥

戦争によって孤児になってしまったポーレットがあまりに無邪気で可愛らしく
それだけに戦争の悲惨さを思わずにはいられません。

ポーレットにしてみれば「お墓作り」は、死んだ両親やペットの犬を葬るのを同じく
死んだものが雨風を避け、静かに眠る場所を提供するという純粋なもの
ミシェルはポーレットを慰める思いもあったのでしょう。
ポーレットを守り、喜ばせたいという淡いロマンスの始まりでもあったのか。



隣人としょうもない争いを繰り返す大人たちの行為は馬鹿げて見えました。
あえてこんな描き方をしなくても‥と思うのだけど、これは純粋な子供たちと対比させているのかな。
戦争で虫けらのように人の命を奪ってしまう大人たち。
そして虫けらの命を優しく葬り、十字架を立てていく子供たち。
その行為は「禁じられた遊び」として、大人に非難されるのだけど
果たして非難されるべきは子供なのか、、戦争で人の命を奪う大人ではないのか
そんなことを考えさせられました。

ポーレットが「ミシェル!ミシェル」「ママ‥」と叫ぶ切ないラストシーン。
「禁じられた遊び」の物悲しいメロディーとともに、ポーレットを演じたブリジット・フォッセー
涙に歪む顔が胸に残ってしまいますね。その後ポーレットはどうなったんだろう。。



★★★★☆



【映画】さよなら子供たち
2009年11月25日 (水) | 編集 |


バスターズと一緒にKill Nazis!2本目 『さよなら子供たち』

1987年(フランス/西ドイツ)
監督/脚本:ルイ・マル
出演:ガスパール・マネス/ラファエル・フェジト/フランシーヌ・ラセット/スタニスタス・カレ・ド・マルベール
フィリップ=モリエ・ジェヌー/フランソワ・ベルレアン/イレーヌ・ジャコブ
■感想
今日は「ナチスによるユダヤ人迫害を描いた作品」から
ナチス占領下のフランスにおけるユダヤ人迫害を描く、ルイ・マル監督の自伝的作品です。

1944年1月。休暇から寄宿舎へと戻ったジュリアンのクラスに、ジャンという転入生がやってくる。
成績優秀なジャンはなかなか級友たちと馴染もうとしなかったが、読書という趣味を通して、
次第にジュリアンに心を開きはじめる。そんなある日、好奇心からジャンのロッカーを盗み見たジュリアンは
ジャンの秘密を知ってしまう……。

その秘密とは、実は転校生のジャンはユダヤ人だということなんですね。
フランスにおいてもナチスにユダヤ人迫害は行われ、こんな子供までもが危険から逃れるため身分を偽り
全く宗教の違うキリスト教の寄宿学校に身を置くんです。

12歳の主人公ジュリアンはユダヤ人とは何かも全く知らない。
それでも外に出れば公衆浴場はユダヤ人お断りの表示があったり、レストランからユダヤ人が追い出されたり
そんな光景を目にしながら、徐々にジャンの立場を理解するようになるのですが、
それは同時に大きな秘密を共有するという重荷を背負うことにもなるんですね。

映画は子供たちの日常が映し出され、特に過激な描写があるわけでもありません。
子供だし、と頭の中で楽観的に観ていたのかもしれません。
それだけにラストのナレーションにはショックを受け、後から涙が出て来ました。




あのナレーションは監督自身だったのかな。
監督は「生きているうちに絶対に撮らなければならない作品」として、アメリカでの活動の後
フランスに帰って真っ先にこの作品を撮ったのだそうです。

子供の視線で、静かに戦争の残酷さを描いた作品。
ジュリアンが「ねえ、怖い?」と訊き、ジャンが「うん、いつでも」と応えるシーン
子供たちがチャップリンの映画を大笑いで観るシーン(伴奏されるヴァイオリンが秀逸!)が印象的でした。

ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞しています