映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ブレードランナー ファイナルカット
2008年07月09日 (水) | 編集 |


2007年(米)
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
出演:ハリソン・フォードルトガー・ハウアー/ショーン・ヤング/エドワード・ジェームズ・オルモス
ダリル・ハンナ/ブライオン・ジェームズ/ジョアンナ・キャシディ/M・エメット・ウォルシュ
ウィリアム・サンダーソン/ジョセフ・ターケル
【ストーリー】
2019年。この頃、地球人は宇宙へ進出し、残された人々は高層ビルの林立する都市に住んでいた。
植民惑星から人造人間=レプリカントが脱走した。彼らの捕獲を依頼された“ブレードランナー”デッカードは、地球に潜入したレプリカントたちを追うが…。

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今日は★5つと評価された「ブレードランナー ファイナルカット」です。
これは82年に製作された「ブレードランナー」の25周年を記念して、監督のリドリー・スコット自らが新たに再編集したバージョンだそうです。
近未来を舞台にしたSFサスペンスである本作は、これまでにインターナショナル・バージョンやディレクターズ・カットなどが存在し、カルト的人気を誇っているのだとか。

近未来、環境汚染の進んだ地球を離れ、宇宙に移り住むようになった人間たちは、宇宙開発を進めるための労働力として優れた身体能力を持つ人造人間=レプリカントを開発。
見た目は人間にそっくりでも、レプリカントに感情は与えられない。ところが数年経てば、彼らにも感情が芽生え始め、あるものは人間に抵抗を始める。そんなレプリカントを探し出し抹殺するのがブレードランナーの仕事なんですね。

ブレードランナー、デッカードを演じるハリソン・フォードは地球に潜入した4人のレプリカントを追います。
レプリカントのリーダー的存在ロイを演じるのがルトガー・ハウアー!!
「ヒッチャー」の彼や~ん^^; ここでもその怖さは健在!
本作では限りある命におびえながら生きるレプリカントの哀しみを表現し、
そのカリスマ性のある演技で完全に主役のハリソン君を食っちゃってますね。遠吠えが怖いわ。。

新しいタイプのレプリカントは、自分がレプリカントであることも知らないのです。
で、少々ネタバレとなるかもしれませんが、ファンの間では、これまでにハリソン演じるデッカードはレプリカントか?!
ということが議論されていたようです。バージョンによっては、それが明らかにされておらず、ハリソン君自身も意識せずに演じたようですよ。

他のバージョンは未見なので違いについては述べられませんが、原作の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』にあるように「夢」が鍵になり、ラストシーンからもある結論に達する作りでした。

とにかく映像が美しい!
人間が置き去りにした地球の多国籍で退廃的な映像と近未来的な映像が混在するのも魅力的で、
変かもしれないけど先日観た「マイ・ブルーベリー・ナイツ」に共通する切なさと心地よさを感じました。

画質や映像技術を少し修正して、今回のファイナルカットとなったのでしょうけど、
25年前にこれだけのものを世に送り出したことにも驚きです。リドリー・スコット恐るべし!

共演にショーン・ヤングダリル・ハンナ。それぞれのロマンスもちょっと切ない。

静寂感溢れる映像と音、人造人間の悲哀、近未来の刹那感。。
好きな作品でした。


★★★★☆

【映画】4ヶ月、3週と2日
2008年07月05日 (土) | 編集 |



4ヶ月、3週と2日(2007)ルーマニア
原題:4 Luni, 3 Saptamani si 2 Zile
監督:クリスティアン・ムンジウ
出演:アナマリア・マリンカ/ローラ・ヴァシリウ/ヴラド・イヴァノフ/アレクサンドル・ポトチェアン
ルミニツァ・ゲオルジウ/アディ・カラウレアヌ

あらすじ
1987年。チャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。大学生のオティリアは、望まない妊娠をした寮のルームメイト、ガビツァから、違法中絶の手助けを頼まれる



【感想】
チャウシェスク独裁政権末期のルーマニアでは堕胎は禁止されていたんですね。
これは、その時代に思わぬ妊娠をしてしまった大学生が、闇のルートで堕胎を敢行するお話。

ルームメイトである主人公オティリアがその手助けをすることになるのですが、、
堕胎をすることも、助けることも、勿論闇で堕胎を施術することも罪。
ホテルの部屋を貸り、堕胎医を雇い、実行する。
これらの行為を非常にスリリングに描きながら、それぞれの登場人物の人間性と社会背景を見せるやりかた、面白いですね。
この妊娠し堕胎をしようとするガビツァが、あまりに自己チュウで共感出来ないといういう感想を聞いていましたので、さほど驚かずに観ました。
彼女は自己チュウというよりも甘い!
所詮大学生、今の時代ならこんなものかなぁという気もしますが、この映画の意図としては、体制の中生き抜こうとするオティリアとの対比のためにこういう甘ちゃんを描いたんでしょうね。
気持ちが良かったのは、闇の堕胎医であるベベがことごとく彼女の甘さを指摘し、非難したこと。
彼の正体は説明されていないわけで、彼がなぜ堕胎を引き受けるのかも不明ながら、彼の言い分は至極妥当。
変かもしれないけど、登場人物の中では一番共感出来る人物でした。
主人公のオティリアはボーイフレンドとの会話から、自分の道は自分で切り開く自立した女性であることが伺えます。
信頼という言葉が幾たびか出て来ますが、ボーイフレンドに対しても信頼は感じていないような。。

勿論ルームメイトにも信頼は感じていない。
それでもルームメイトを助けるオティリアの本意はどこにあったのかは、私には少し理解が難しかったです。
ことがバレればとんでもないことにある。そんな緊張の中、最後までルームメイトの世話をみるものの、、、。
唐突に終ったあのラストを観ていると、二人の関係のその後は心配。
サスペンス要素を含みつつ、この時代の社会背景、国民性なども垣間みることが出来る
興味深い作品でした。
カンヌでパルムドール受賞