映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ミスト
2008年05月28日 (水) | 編集 |


2007年(米)
監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
出演:トーマス・ジェーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ローリー・ホールデン/アンドレ・ブラウアー/トビー・ジョーンズ
ウィリアム・サドラー/ジェフリー・デマン/フランシス・スターンハーゲン/アレクサ・ダヴァロス他
【ストーリー】
のどかな田舎町を襲った激しい嵐の翌日、デヴィッドは湖の向こう岸に発生した異様に深い霧に懸念を抱きながら息子と共にスーパーマーケットへ買い出しに出掛けた。するとやはり、その濃い霧は間もなく買い物客でごった返すマーケットに迫り、ついには町全体を飲み込むように覆っていく。人々がマーケットに缶詰状態となる中、霧の中に潜む不気味な触手生物を発見するデヴィッド。彼を信じた者たちはただちに店のバリケードを作り始め、武器になる物もかき集める。その一方、骨董品店の女主人カーモディは狂信めいた発言で人々の不安を煽ってしまう。そして夜、突如として霧の中から現れたものは‥。
■感想
キング原作のホラーで「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボン監督・脚本とあって期待していた作品です。

キャッチコピーの
霧(ミスト)の中には“何”が待っていたのか──
映画史上かつてない、震撼のラスト15分   も大変気になるところでした。

いやいや。凄い作品でしたね。
得体の知れない霧に包まれた「なにか」が突如静かな街を襲い、スーパマーケットに缶詰になる人々。

「なにか」の正体は何なのか。街の住民はこの「なにか」から逃れることができるのか。
そして主人公デヴィッドは息子を守り通すことができるのか‥。

かつて遭遇したことのない恐怖に対峙する人々の反応がそれぞれに描かれます。

おぞましいものがいっぱい出てくるわけだけど、一番おぞましかったのはマーシャ・ゲイ・ハーデン演じる狂信者でした。
人の不安につけ込んで、自分こそが神から選ばれたものだと陶酔し、暴走してしまう。
「シャラーーーーープッ!!!!!」と叫びたくなりましたね。
新興宗教に傾倒していく人たちってこんな感じなのかと、身震いする思いでした。

そしてこの作品の面白いところは(面白いと言っていいかどうか、、ですが)
ことごとく期待を裏切られるところです。想定の範囲内ということが存在しない!

一見いかにも鈍臭そうなスーパーの店員オリーが、勇敢なカッコいいヤツだったり、
店一番の可愛い店員が醜い姿で死んでいったり、、(哀)

勇敢に行動したことが、必ずしも良い結果を生まず、傍観者が美味しい思いをしたり‥。
あー、あまりにも不条理です。

そして問題のラスト、、まさに驚愕でした。
哀しすぎました。号泣したくなりました。

それでも人間の業や弱さを描いたパニック映画としては見応えのあるものでしたね。

ただ、あまりに救いがない映画は辛いものがあります。。

追い込まれた人々の心理、人間の醜さ、文明や宗教への批判を含めながら
信じていたことが、必ずしも正しいわけではない、、ということも思い知らされ金槌で頭を殴られたような気分でした。





プレイス・イン・ザ・ハート
2008年05月09日 (金) | 編集 |


1984年(米)
監督・脚本:ロバート・ベントン
出演:サリー・フィールド/リンゼイ・クローズ/エド・ハリス/ダニー・グローヴァー
ジョン・マルコヴィッチ/エイミー・マディガン/テリー・オクィン/バート・レムゼン
【ストーリー】
35年のテキサス。酔っ払いの黒人によって誤って撃ち殺された保安官の妻、エドナ(フィールド)。それまで家計は夫に任せ切りで家に借金がある事すら知らなかった彼女は、銀行から期限までにお金を返さなければ家を売るように言われ、二人の子供を抱えて途方にくれてしまう。そんなある日、物乞いに現れた黒人(グローヴァー)に家の前の畑で綿花を育てればいい金になる事を教えられ、彼を雇って畑仕事を開始する。
■感想
30年代のアメリカ南部の厳しい時代背景を背景に、夫を亡くした女性が必死に生活する姿を描いたヒューマンドラマです。

二人の子供に恵まれ保安官である夫と幸せに暮らすエドナに突然襲いかかった夫の死。

職務中の事故であり、殉職として今ならそれ相当の慰霊金が支払われそうなものだけど、30年代の不安定な社会では
そんなシステムもなかったんですね。いきなり未亡人になり収入も途絶えてしまう。。悲惨です。

夫の死を悲しむ暇もなく彼女に襲いかかる生活の不安。途方に暮れるエドナでしたが、仕事を求めドアをたたいた黒人のアドバイスで荒れた土地を開拓し綿花を育てる事を決意します。

エドナを演じたサリー・フィールドはこの作品でアカデミー、ゴールデングローブともに主演女優賞を獲得してるんですね。

子供を手放したくない、夫との想い出の詰まった家も守りたい!
必死に頑張る姿が健気です。

慣れない仕事にボロぞうきんのようになろうとも、綿花摘みに雇った黒人たちにきちんと食事をとってもらうことを一番に考えていたり、その温かさも魅力的でした。

借金している銀行の職員から押し付けられた盲目の下宿人ミスター・ウィルをジョン・マルコビッチが演じています。
おそらくは厄介者として扱われ人間不信に陥っていたであろう彼が、子供の可愛らしさ、エドナの温かさに触れ
だんだんに心を開いていく様子も心地よいものでした。

エドナに綿花を作る事をアドバイスした黒人を演じたダニー・グローヴァーも作品に良い味を出してくれています。
この時代を生きる事は黒人にとって容易ではなかったはず。それでも前向きに、しかも出しゃばりすぎず。

エドナの息子ちゃんに無人のロッキングチェアを揺らす事はとっても縁起の悪い事と教え、バッドラックを回避するおまじないを一緒に実践するシーンがとっても好きでした。少年にとっては父的な存在でもあったのでしょう。
おまじないに使った【ウサギの足】というのをいつもポケットに入れてるのが気になったのですけど。。^^;
子供二人もとっても可愛くて良い演技でしたよ。

一番切なかったのはエドナが息子を叱るシーン。ここは泣きながら綿花を収穫するシーン以上に泣けてしまいました。

この作品のいいところは温かさがたくさんに詰まっているところも勿論ですが、辛さやほろ苦さも同時に感じるところです。
全て万々歳で、みんな幸せに暮らしましたとさ、的になってないところは、逆に良かったですね。

古い映画ですが、心温まるとても良い作品でした。

ラストシーンには「あれ?」でしたけど^^; 皆さんこの「アレ?」を確認してくださいな(笑)

アカデミーで主演女優賞、脚本賞も受賞の他、作品賞、マルコビッチの助演男優賞など多くの賞にノミネート。
ベルリン国際映画祭ではロバート・ベントンが監督賞も獲得しています。