映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】A Cure For Wellness(原題)
2017年02月18日 (土) | 編集 |
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 A Cure For Wellness(原題)(2016) ドイツ/アメリカ
原題:A Cure For Wellness(原題)
監督:ゴア・ヴァービンスキー
脚本:ジャスティン・ヘイス

出演:デイン・デハーン
/ジャスティン・アイザック/ミア・ゴス

【あらすじ】
野心家のロックハート(デイン・デハーン)は会社のCEOを連れ戻すためスイスのアルプスにある療養施設に向かうが・・

【感想】
 ゴア・ヴァービンスキー監督の新作は、アルプスの療養施設での滞在を余儀なくされた主人公が体験する恐怖を描くミステリー・ホラーです。

デハーン君演じるロックハートは、CEOを連れ戻しにアルプスの療養施設まで出かけるも目的を果たせず。
帰ろうとしたところで事故に遭い、気づけば療養施設に収容されていた。
足が折れているらしい彼は、しかしそれ以外の病気が見つかったとかで治療を受けることになるんですが・・
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とにかくこの施設が妙。
ここに来る途中の列車の中からと思われる映像も、途中から車体が半分に割れていくような撮り方になっていて、異次元の世界に足を踏み入れるような不思議な感覚に陥ります。
案の定、ここでは携帯は使えないどころか、時計までも止まってしまう。
患者たちが皆年寄りで裕福そうなあたりは『グランドフィナーレ』を思わせるんですが、温泉治療と称した治療が異様で人々も変。とにかく世界観の作り上げ方が巧い。
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よせばいいのに素人探偵よろしく探りを入れるデハーン。
途中までは『シャッター・アイランド』系だろと思わせ、そこから一気にゴアを加速させるあたり流石ゴア・ヴァービンスキー
施設に暮らす謎の少女ハンナを演じるミア・ゴスがシェリー・デュヴァルを思わせる風貌で、アンモラルな世界をゴスな異空間に変える不思議な存在感を発揮しています。
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やがて明らかになるダークな秘密・・
正直途中寝てしまったんですがw秘密が暴かれる終盤は息もつかせぬ怒涛の展開。
思わぬゴシックホラーを堪能しました。



映画の評価は二分してるようで、
ゴア系ダメな人はまずアウトでしょうし、映画に辻褄を求める人も無理でしょうね。
私としても治療効果にもう少し理由が欲しいと思うところはあるんですが、広い心で受け入れました。

城にまつわる秘密同様に、醜さと美しさが混在する映画でしたね。


お気に入り度4.0




【映画】ライオン ~25年目のただいま~
2017年02月15日 (水) | 編集 |
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ライオン ~25年目のただいま~(2015) オーストラリア
原題:Lion
原作:サル―・ブライアリー
監督:ガース・デイヴィス
脚本:ルーク・デイヴィス

出演:
デヴ・パテル/ルーニー・マーラ/デヴィッド・ウェンハム/ニコール・キッドマン/サニー・パワーll

【あらすじ】
5歳の時にインドの駅で迷子になったサル―は、その後オーストラリア人夫婦に引き取られる。しかし彼の心には常に母や兄への思いがあった。

【感想】
 サル―・ブライアリーが自身の数奇な人生を綴った自伝小説『25年目の「ただいま」』を、本作が映画初監督作品というガース・デイヴィスが映画化した感動のドラマです。

初監督作品で作品賞にノミネートされるとは凄いなと思ったら、もともとかんとくはCM筋の作家として高い評価を受けてきた人らしい。
インドで迷子になった5歳の少年がオーストラリアで暮らすことになり、25年目にグーグルの力で故郷に戻ることができた
ストーリー自体が映画みたいなものだから、どう転んでも面白くはなりそうだけど、美術、音楽、映像すべてが美しく一本の映画としてのクオリティーが高い。少年時代のサルー少年がむちゃくちゃ可愛らしくて、少年の冒険を描く前半にも大いに引き付けられました。
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どこのあらすじにも書いてるので書きますが・・サルーの故郷探しにはグーグルアースが大きな役割を果たしたんですね。
私も初めての場所に行くときなど、前もってグーグルでチェックするようにしています。
先日も、交差点がロータリーになってるのが分かったので、その場で戸惑わずに済みましたよ。ありがたいことです。

この世にグーグルがなかったら、おそらくサルー少年は一生故郷を見つけることはできなかったでしょう。
5歳の子供の記憶力では、土地名も駅名もわからないのだから。
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オーストラリアでの暮らしは普通に裕福で両親も優しい
でも少年が一番幸せだったのは、家族と暮らした少年時代だったのだろうと
何も説明されなくてもわかるほど、インドの描写がいい!
貧しくても互いに助け合い、家族と繋がることの素晴らしさを描いた作品でもありますね。
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デブ・パテル君の助演もいいですが、私ならサルーを演じたサニー・パワー君に賞をあげたいです。




【映画】ジョン・ウィック チャプター2
2017年02月13日 (月) | 編集 |
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 ジョン・ウィック チャプター2(2017) アメリカ
原題:John Wick Chapter2
監督:チャド・スタエルスキ
脚本:デレク・コルスタッド

出演:
キアヌ・リーヴス/コモン/ローレンス・フィッシュバーン/リッカルド・スカマルチョ/ルビー・ローズ /ジョン・レグイザモ /イアン・マクシェーン

【あらすじ】


【感想】
 前作が面白かったので、初日に行ってきました。ジョン・ウィック 続編でございます。

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主演は勿論キアヌ・リーヴス
前作で妻に贈られた子犬を殺され、ロシアン・マフィアのバカ息子に復讐した元殺し屋ジョン・ウィック。
ボロボロになりながらも新しい犬も買い、何とか日常に戻ったジョンだったが、奪われた愛車のことが忘れられず
レグイザモ働く闇の修理工場に足を運んで第2ラウンド開始ww

まだ顔の傷も癒えないうちから、続編作られるの早かったね(笑)
まぁ、誰かを殺ればそこに恨みも生じるわけで、復讐合戦がエンドレスなのは闇の世界も表の世界も同じ事。

そのうちに恩のある大物に殺しを依頼されたりして、テンポラリーに殺し屋稼業に復帰するジョン。
キアヌがまたしても凄腕を披露してくれるんですが、
今回はコメディ色が強くなってまして、キアヌが一言発するたびに会場に笑いが起きるというね。
壮絶アクションとシュールな可笑しみのマッチングがたまりません。

前作でもホテルと闇の殺し屋組織の繋がりを垣間見せていたのだけど、今回はその組織の断片がまた見えてきて
しかもそれがとてつもないスケールであることを匂わせる。
組織で使われる黄金のコインとか、今どきのネットワークとアナログな通信手段との対比とかも目新しい。
高級紳士服屋の裏の『キングスマン』しかり、日常からかけ離れた世界観をいかに構築するかが成功のカギですね。
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後半になるにつれアクションが迫力を増してくるのも、流石スタントマン出身の監督。
見せ方をわかってらっしゃる。

今回キアヌは格闘技でも頑張ってました。
チャプター3はさらにとんでもないことになりそう!!


お気に入り度4.3









【映画】『幸せなひとりぼっち』ひとりぼっちはやっぱり寂しい
2017年02月10日 (金) | 編集 |
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幸せなひとりぼっち(2015) スウェーデン
原題:En man som heter Ove
監督/脚本:ハンネス・ホルム
出演:
ロルフ・ラッスゴード/イーダ・エングヴォル/バハール・パルスll

【あらすじ】
最愛の妻ソーニャを病で亡くし、長年勤めてきた仕事も突然のクビを宣告されてしまった59歳の孤独な男オーヴェ。絶望し、首を吊って自殺を図ろうとした矢先、向いに大騒ぎをしながらパルヴァネ一家が引っ越してきた。


【感想】
 オスカー関連作品。今日は外国語映画賞にノミネートされたスウェーデン発ヒューマンドラマです。

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集合住宅の一軒に一人で住む主人公のオーヴェは、住人のゴミの出し方をチェックするようなオヤジで、敷地内への車の乗り入れには特にうるさい。いつも苦虫をかみつぶしたような不機嫌なオーヴェは新しい住人にうるさがられる存在です。
しかし最近妻を亡くし、仕事までクビになったオーヴェは自ら死を選ぼうとしている。
そんな時、向かいに若いイラン人の家族が越してきます。


様々な国籍の人と接触して思うのは、お国が違うと、文化やものの考え方が違うということ
例えばアジアンマーケットのパーキングでは毎週のように、駐車スペースから出ようとしている車に驚くほど近づいて待ってる車を目にします。十分なスペースを空けてあげれば出やすいのに、近づきすぎるから何度も切り返して出なきゃならず時間がかかるだけ。日本人やアメリカ人は絶対にしないことを他のアジアの国の人はするんだわ。
そういうの見るにつけ、「もう、〇〇人は」と愚痴ってしまう。悪い面ばかりが気になるもの。
でも付き合ってみると、日本人にはないいい面もあるんですよね。

本作に登場するイラン人はオーヴェに平気でものを頼み一見図々しいのだけど、食事を持っても来てくれる。
他人と距離を保ってきたオーヴェは戸惑うものの、その距離の近さがオーヴェに変化をもたらすのです。

と、こう書くと「ははぁ、イラン版『グラントリノ』やね」と思うかもしれない。
でもこの映画は、過去と現在を交錯させ、オーヴェの頑固さがどこから来るのかを掘り下げます。
彼の頑固さには理由があって、本当はまじめでひたすら妻を愛した人であることが分かってくるんですが
そんなオーヴェが自ら命を絶つことを考えるのは本当に悲しい話。
他人との関係が希薄なのはスウェーデンも都会の日本と少し似てるのかもですね。
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最後は自分の過去を語り始めるオーヴェに涙。
心を開いて初めて人は人と近づけるのだということに、ものすごく心を動かされる作品でした。
猫も可愛くてね。これはよかったわぁ



ちなみに原題は「オーヴェという男」という意味。
邦題の「幸せなひとりぼっち」がどういうことを言うのか、よくわかりませんでした。
ひとりぼっちはやっぱり寂しいよね という映画だと思ったな。

若い頃のオーヴェを演じた役者さんが声の深みもあり、違和感がなくてよかった。




オーヴェ59歳・・・  え?
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お気に入り度4.2



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【映画】ヒドゥン・フィギュアーズ(原題)
2017年02月06日 (月) | 編集 |
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 ヒドゥン・フィギュアーズ(原題)(2016) アメリカ
原題:Hidden Figures 
監督/脚本:セオドア・メルフィ
出演:タラジ・P・ヘンソン
オクタヴィア・スペンサー/ジャネーヌ・モネイ/キルスティン・ダンスト/ケヴィン・コスナー

【あらすじ】
60年代初頭、NASAでは黒人女性たちが人間コンピューターとして宇宙開発プログラムに携わっていた

【感想】
 2月はオスカー月ということで、関連作品を観ていきます。
今年のノミネーションのサプライズの一つ、作品賞候補となった『ヒドゥン・フィギュアーズ』を観ました。

監督は『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィ。
NASA初期の宇宙開発計画に貢献した3人のアフリカ系アメリカ人女性数学者の知られざる実話を映画化した一本です。

舞台となる1961~2年は『ヘルプ~人とつながるストーリー~』と同じ頃。
ヘルプでオスカーに輝いたオクタヴィア・スペンサーが本作でも助演女優賞にノミネートされています。

今回オクタヴィア(ドロシー)の職場はNASA!
NASAは数字に強い黒人女性を雇い、人間コンピューターとして計算業務にあたらせていたんですね。
キャサリン(タラジ・p・ヘンソン)、メアリー(ジャネール・モネイ)も同僚です。

しかし彼女らの職場の部屋には「colored computers」=「黒人のコンピューター課」の標識。
実はNASAでも水飲み場やトイレは「黒人用、白人用」で分けられ、黒人差別が普通に行われていたという事実。
ロケットを宇宙に飛ばそうというNASAで、まだこれだったんだとビックリ。

映画はそんな環境で奮闘する女性陣を描くわけだけど、この映画の面白いのは単なる人種差別映画になってないこと。
キャサリンは子供のころから数学に天才的な能力があり、その才能が宇宙飛行に多大な貢献をするのが痛快で感動的なんです。

しかし、歴史に残る働きに違いないのに、キャサリンの功績が知られてないわけで、それがタイトル「知られざる偉人」の所以でしょう。figuresと複数なのは、それぞれの分野で活躍したドロシー、メアリーを含めるのかと。他にもたくさんの知られざる偉人がいるということかもしれませんね。
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本作は先日のアメリカ映画俳優組合賞の、色んな映画賞のアンサルブル演技賞はじめ、様々な賞でアンサンブル演技が評価されています。タラジの天才っぷり、肝の据わったオクタヴィアのリーダー的カリスマ感、ジャネールの負けん気、
加えて、ジンワリ意地悪パンチを食らわすキルスティン・ダンストに代表される典型的な白人たち、(いつオクタヴィアが●●●パイで反撃に出るかとヒヤヒヤしましたがw)、チームの成功に心を尽くす一途さが黒人女性との垣根を取り払うことになるケヴィン・コスナーも機能してる。クライマックスのNASAの一体感も興奮しました。
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それにしても黒板につらつらーっと書き連ねた数式が宇宙飛行の成功を左右するんだから、数学ってすごい。
これぜひ子供さんにも見て欲しい。

「黒人」というタグが必要でないほどに、女性として、人として道を拓いた3人
彼らの本物の写真が最後に出てきて、涙腺が緩んだなぁ。
映画も最高に面白かった。



お気に入り度4.5

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