映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】スターター・フォー・テン(原題)
2016年10月26日 (水) | 編集 |
 
英国男優総選挙、投票結果がついにサイトで発表になりました!

ふむふむ、なるほどー。


トムヒ二連覇ならずでしたが、コリン・ファースの一位も嬉しい。
トムハもようやくトップ10にこぎつけましたね。

さて、今日は日本未公開の英国産コメディで3位のジェームズ・マカヴォイと、7位フィニッシュのベネディクト・カンバーバッチのふたり斬り・・にするはずだったけど、50人斬りが怪しくなったので延べ人数でカウントすることにしますww
前出のドミニク・クーパー、チャールズ・ダンスさん加えて4人斬りだよ!!(笑)

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スターター・フォー・テン(原題)(2006 イギリス
原題:Sterter for Ten
監督:トム・ヴォーン
脚本:デヴィッド・ニコルズ
出演:ジェームズ・マカヴォイアリス・イヴ/レベッカ・ホール/ドミニク・クーパー/ベネディクト・カンバーバッチ

【あらすじ
晴れて大学一年生になったブライアンはクイズ部に入部。憧れの大学選手権を目指すが・・



【感想
大学生活を始めた主人公の恋や挫折を描く青春コメディです。

タイトルのスターター・フォー・10というのは映画の中で大学クイズ選手権で司会者が使う有名なフレーズで、
「まずは10ポイントから」ってところかな。
このタイトルは新しい岐路に立ったブライアンの、人生の始まりを意味してもいるんですね。

大学生役にはやや歳のいったマカヴォイだけど、イノセントな若者を純粋に演じて違和感を感じさせません。
女の子と出会ったり、勉強以外のことを学んだり。80年代を舞台にしてることもあって
音楽にしろ、服装にしろ何か懐かしい感じ。

親元を離れるのは不安になるものだけど、それは親も同じ。
ブライアンと別れるときいつも「新鮮な果物を食べてね」と言うお母さんの気持ちわかるな。
でも若ものに失敗はつきもの。
失敗してもそれを生かして、次に頑張ればいいんだと、タイトルの意味含めそういう映画でしょう。

終盤挫折を乗り越え、友情を修復し、新しい恋に向かうブライアンに、地味に気持ちが高まりました。
80年代映画テイストなのもよかった。


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共演はブライアンが入部するクイズ部の部長パトリックに当時30歳のカンバーバッチ。
卒業生なのに部に所属し、選手権に挑戦し続けてるというから迷惑極まりないw
KYで几帳面なキャラで笑わせてくれるベネさんは流石のコメディセンスですわ。

核反対など社会的な活動にいそしむ女性に、本作が映画デビューとなるレベッカ・ホール。
ブライアンの田舎の友人にドミニク・クーパー。
チャールズ・ダンスさんはアリスのお父さん役で出演してます。





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田舎の同級生
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【映画】『インシデント・アット・ロック・ネス(原題)』ヘルツォーク主演のネッシー探しドキュメンタリー
2016年07月11日 (月) | 編集 |
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インシデント・アット・ロック・ネス(原題
イギリス

原題:Incident at Loch Ness
監督/脚本:ザック・ペン
出演:ヴェルナー・ヘルツォークザック・ペン
 /キタナ・ベイカー 

【感想 
ネス湖のネッシーって本当にいるのかな?

今頃ネッシーかい!と笑われそうだけど
ネッシーのミステリーに迫るドキュメンタリーを制作するというドキュメンタリーを観てしまったのです。

なんか言葉がダブってない?と気づいた方は正解。
実はこれ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『トロール・ハンター』に代表される
フェイク・ドキュメンタリーなんですわ。

ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォークがドキュメンタリーのプロデューサーとして参加してて、監督のザック・ペン他クルーらとボートでスコットランドにあるネス湖に繰り出すという内容です。

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映画の冒頭でも説明されるのだけど、ヘルツォークは危険を冒して映画を作ることでも知られていて
根っからの冒険者でもあるらしい。

監督のザックは『X-MEN2』などで知られる脚本家ですが、こいつがかなりやりたい放題w
ヘルツォークに内緒で模型のネッシーを持ち込んで撮影したりしようとするので
純粋にドキュメンタリーを撮ろうとするヘルツォークとぶつかるわけ

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そんな一部始終にもカメラが回っているので、フェイクなのは薄々気づくのだけど
クルーのうち、誰が真実を知ってて誰が知らないかわからないから
ザックの暴言を受けてのスタッフの反応にヒヤヒヤ。
特にヘルツォークがいつ爆発するかとネッシーの登場以上にハラハラさせられるんです。
しかも最後までどこまで本当だったのかわからないところが面白さでした。

この変なドキュメンタリーを記事にしようと思ったのは、ひとえにヘルツォークがかっこよかったから。
映画愛にあふれ責任感の強いヘルツォークいいわぁ。

普段は見ることのない映画つくりの裏側が見えるのも楽しい。
それぞれ自分の仕事にプライドを持つクルーをまとめるの大変そうだけど
この映画みたいに、終わるころには監督を殺してやりたいと思うほどの確執を生むこともあるんだろうな。

でも監督は完全に悪者を演じていたわけで
もしもヘルツォークが全部を知っていたとしたら相当な役者じゃない?
フェイクに気づいたら気づいたで、コメディ的な面白味もありました。

ちなみに、DVDのコメンタリーでも監督とヘルツォークは映画製作の考え方で意見を戦わせ
ヘルツォークは途中退室となったみたい。
演技?本気?いつまでやるんだ~w

映画の中で紹介されていたヘルツォークの『フィッツカラルド』を知っているとより楽しめるシーンもあったようで
これは観なければ。

ヘルツウォークの自宅での食事会から始まる本作、料理をするヘルツォークを見れたり、部屋に飾った映画で使ったアイテムを紹介してくれたり、プライベートなヘルツォークも観ることができますよ。
奥さんが可愛いんだから。



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【映画】レフンよどこへ行く『ネオン・デーモン(原題)』
2016年07月01日 (金) | 編集 |
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ネオン・デーモン(2016)
フランス・デンマーク・アメリカ
原題:The Neon Damon
監督/脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:エル・ファニング/ジェナ・マローン /キアヌ・リーヴズ/アビー・リー/ ベラ・ヒースコート

モデルになるためロサンゼルスにやってきた16歳のジェシ―は才能を見出され・・


【感想 
『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督の新作
エル・ファニングが新人モデルを演じて話題のスタイリッシュ・ホラーな一本です。
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田舎から出てきた女の子が才能を見出され、周囲の妬みを買うというきわめてシンプルなお話です。
悪く言えば、シンプルすぎて間が持たず、スタイリッシュでごまかしたという感じなんですがw
シュールな映像美が独特の個性を放つ作品になってます。
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なんたってエル・ファニングが魅力的。
普段は素朴さもにじませるのに、メイクを施しモデルとして登場するや
無機質ともいえる画面にピタリと収まり、体温を感じさせないオーラを放つ
レフン監督の美的センスと演出の妙もあるでしょうけど、エルちゃんのただもんじゃない感が半端ない。
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そんな新人に出てこられたら、そりゃ先輩モデルは困りますわな。
でも昔のドラマにありがちな、ネチネチとしたいじめが描かれるわけではないのでご安心アレ

正直この手のカルト直行作品は一人で観たかったんですが、
出かける直前に友達から「クルクル寿司に行こう」と誘われw、
今から映画だと言ったらじゃ一緒に観るってことで3人で鑑賞。
グロいシーンで顔を覆ってるのが気になったけど、意外にも「アーティスティックだった」との感想が聞けました。

ましかし、観る者を選ぶ作品なのは間違いないでしょうね。
私は楽しめましたけど、レフン監督どこに行くんやと思わずにいられない(笑)

ラストは結構トンデモなので、嫌いな方はご注意ください。
って、わからんかw
ネタバレする気はありません。

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メイクアップ・アーティストにジェナ・マローン
ジェシ―が利用するうらぶれたモーテルの管理人にキアヌ・リーヴス
キアヌの役選びのポリシーを聞いてみたい。
しかしこんなモーテルには泊まりたくないっすな。

ちなみに上映時間があっという間に午後からの一回きりになっててびっくり。
お寿司より映画を選んで正解でした。
興行成績はすこぶる悪そうだけどね。


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監督と一緒に。独特の色合いが美しい。
ってか監督Sでしょ。



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【映画】ベトナム戦争の傷跡を真摯に描く『グリーン・アイズ(原題)』
2016年06月28日 (火) | 編集 |


面白い映画を観たので日本未公開のテレビムービーですが記録に残します。

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グリーン・アイズ(原題)(1977)アメリカ
原題:Green Eyes
監督:ジョン・アーマン
脚本:デヴィッド・セルツァー
出演:ポール・ウィンフィールド/リタ・トゥシンハム/ジョナサン・ゴールドスミス/ヴィクトリア・ラチモ/レミ 



ベトナム戦争で負傷したアメリカ陸軍兵士(GI)ロイド(ポール・ウィンフィールド)は帰郷を果たすものの職探しに難航。
帰還兵に対する世間の理不尽な対応にも憤りを覚え、戦地入院中に送られてきた手紙で知った「緑の瞳」のわが子を探しにベトナムに戻る。



【感想 
元となるのは、『オーメン』の脚本で知られるデヴィッド・セルツァーによるドキュメンタリーです。
セルツァーはベトナム戦争の孤児を取材するため、サイゴン陥落の2年前にあたる1973年にベトナムを訪ね、
そこで10万に及ぶ混血児が孤児となり、50万人のベトナム人の子供が死んでいくという現実を知り大変なショックを受けたと言います。そうして作られたドキュメンタリーを元に、TVムービーとして制作されたのが本作です。


ベトナム人女性との間に生まれた子供を探しに再びべトナムを訪ねる黒人のロイド
まずは、子供の母親である恋人の実家を訪ねるが、彼女は子供とともにサイゴンに行ったと告げられ
かわりにその母親から愚痴をこぼされる。
多くの兵士は子供を作り、金を送ると言いながら女を捨ててそれっきりだという現実。
タクシーの運転手からは地雷で息子を亡くし、仏教徒なのに骨壺に入れる骨が足りないと嘆かれたり
ロイドは旅の途中で凄まじい戦争の爪跡を目の当たりにします。

特に里子あっせん施設で働く白人女性マーガレットとの会話からベトナム孤児の悲惨な現状を知っていく過程は、セルツァーが受けた衝撃をそのまま表現したものでしょう。
誰もが貧しく作物を育てる農場さえ灰と化したベトナムで、戦争孤児たちが生きることはたやすいことではない。
特に敵国兵との間に生まれた混血児は忌み嫌われ、捨てられ飢えて無情に死んでいくしかなかったんですね。

こういうベトナム戦争が一般市民に与えた影響を描いていて、それだけでも価値があるんですが
本作が素晴らしいのは映画ならではのツイストを加え、ロイドの成長を描くロードムービーに仕上げていること。
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歯に衣着せぬ言葉で厳しい現実を淡々と語るマーガレットに反発していたロイドが、
いつしか価値観を共有し、恋心(多分)を感じていくさまも微笑ましい。

ストリートキッズである少年トゥラングと出会い、まんまと詐欺にあう場面など
ユーモアの中に孤児のたくましさも描かれます。
二人の交流はハート・ウォーミングにして、最後には大きなカタルシスを感じるものへと変わっていきました。
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監督は『ルーツ』などのジョン・アーマン
ロケ地はフィリピンということだけど、市街を見せるシーンで時々ノイズのある生々しい映像が使われるのは
多分当時ベトナムで撮られた映像でしょうね。

タイトルの「緑の瞳」は勿論ロイドが探すわが子のこと
でも黒人とベトナム人のハーフがなぜ緑の瞳?との疑問も沸き、それも興味を持続させる部分。

ロイドを黒人に設定し、マイノリティの視点を入れていたり
マーガレットを(多分)イギリス人女性として戦争を客観的に描いているのもいい。

不思議なのは子供たちはみんなGIが大好きで、ロイドの周りにも子供たちがいっぱいなこと。
「ギブミーチョコレート」と米兵にねだった日本の戦後の子供たちと同じかもだけど
単にたかるというだけない、大きくたくましい兵士は憧れの対象でもあったのか。
あるいは純粋に心の美しさを見抜く力が子供には備わっているのかもしれないね。

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ベトナム戦争映画というと、アメリカ兵が受けた心の傷に焦点が当てられがちだけど
本作ではアメリカが戦争で何をしたのかを直視し、ロイドのフラッシュバックと反省とで、
その悔恨を素直に表現しているのは貴重ですね。
こういう映画が今やっとTCMで放送されたのは、時代が変わったのかなと感じます。
生存するベトナム戦争のベテランが少なくなったのもあるでしょうね。
真摯な反戦映画にして、心温まるヒューマンドラマ。傑作です。










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【映画】アントン君追悼『5時から7時の恋人カンケイ』はほろ苦い大人のラブストーリー
2016年06月26日 (日) | 編集 |
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5時から7時の恋人カンケイ(2014)
アメリカ
原題:5 to 7
監督・脚本:ヴィクター・レヴィン
出演:アントン・イェルチンベレニス・マルローオリヴィア・サールビーランバート・ウィルソン /フランク・ランジェラ/グレン・クローズ 

アントン君追悼ラストは、アントン君には珍しい恋愛もの。

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アントン君が演じるのは24歳、作家の卵ブライン。
通りの向こうに見かけた煙草の似合う大人な女性アリエルに引き寄せられるように接近し、フランス語で話しかける
別れ際「また会う?」と誘ってきたのは彼女の方。
二人は「5時から7時まで」という決まりでデートを重ねる。
しかし彼女は結婚し二人の子供のいる33歳だった。

これはなかなか拾いものでした。

アリエルを演じるのは『スカイフォール』のボンドガール、ベレニス・マルロー
実は彼女の夫(ランバート・ウィルソン )には愛人がいてアリエルは自分の恋愛も自由だと思っている。
「それでも不倫に変わりはない」と別れを切り出すブライアンだけど、
彼はすでにアリエルを愛し始めていた
二人の恋の行方は という話。

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この映画まず面白いのは、アリエルの家の結婚象です。
愛人にどっぷりの夫を認め、さらに夫は妻のボ-イフレンドとしてブライアンを受け入れ
家族ぐるみでおおらかに付き合おうとする。

いやいやいや・・いくらフランス人一家ったって
そりゃ無理でしょ

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戸惑いながらも真剣にアリエスを愛するアントン君が可愛くてね
お相手はボンドガールで背丈も同じくらいなもので、
どうしても最初は不釣り合いに見えるのだけど
ベレニス・マルローの笑顔が思いのほかキュートで
ドライに思えた夫婦の関係にも実はとっても傷ついていたことが分かってくると
優しいアントン君との新たな幸せを願ってしまったもんね。

『今日、キミに会えたら』以来久々に見た恋愛もののアントン君は
責任感という意味でうんと大人になっていて、それでも繊細さは失わず
誠実でピュアなブライアンがぴったりでした。


ブライアンの両親にフランク・ランジェラとグレン・クローズ
アリエルの夫の愛人で、のちにブライアンの小説の編集者となるオリヴィア・サールビー(『ジャッジ・ドレッド』)も魅力的。

映画を引き立てる素敵な音楽や、街角の風景
ベンチに書かれたメッセージプレートなどのアイテムも小じゃれていて
スタイリッシュでいてほろ苦い大人のラブストーリーに仕上がってます。

幸せな結婚だったかなんて、人生に黄昏が近づいて初めてわかるのかもしれない。
黄昏も知らずに逝ってしまったアントン君
もっともっと渋い演技も見せて欲しかったよ。
安らかに。










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