映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
菊次郎の夏
2012年09月08日 (土) | 編集 |
ゆく夏を惜しむシリーズ
今日は北野武監督の『菊次郎の夏』をチョイス。初見です。






菊次郎の夏
1999年(日本)
英題:Kikujiro
監督/脚本:北野武
出演:北野武、関口雄介、岸本加世子、吉行和子、グレート義太夫、井手らっきょ

 

幼い頃に父親を亡くし、おばあちゃんと浅草に暮らす小学校3年生の正男にとって、夏休みはそんなに楽しいものではなかった。学校の友達はみんな家族で旅行に出かけてしまうし、サッカークラブもお休み、おばあちゃんも仕事で昼間は家にいない。正男は遠くの町にいるお母さんに会いに行く決心をする。

正男(関口雄介)の旅のお供をすることになるのが、北野武演じる中年男菊次郎。
不良グループにかつ上げされかかった正男を菊次郎の妻(岸本加世子)が助け、
菊次郎にお供を命じたのよね。




やくざ上がりのおかしな中年男と孤独な少年
不釣合いな二人によるロードムービーの始まり始まり

今や世界の北野と言われるほどに監督としての実績を重ねてきた彼の
これは8本目の監督作品になるのかな。
たけし軍団によるギャグ交じりのファンタジーを絡めていて結構笑った。
でも、なんだろな。
ギャグをかますのも、たけし流の照れと言うか
根底に下町の人情や、思うようにいかない人生の悲哀なんかが滲み出ていて、
ほろ苦くもやさしい。

雑誌で読んだのか、何かの番組で聞いたのか忘れたけれど
たけしは映画を撮ろうとするとき、既にその全容をイメージとして脳内再生できるのだとか。
だから色んなシーンが「絵」になってるんだね。
ペーソス溢れるほのぼのな絵柄もいいけれど、
幻想的なシーンに日本の美が垣間見える。
その辺りがヨーロッパで高い評価を得る所以かな。




正男にとっては厳しい現実にも直面することになる旅だったけれど
最初はどんな小学生だよというほど暗かった正男が
次第に子供らしい笑顔で顔をほころばせるのが嬉しい。

そこらの困ってる子供に手を差し伸べる
薄れつつあるけれど、これも日本の美しい文化だ。


★★★★