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【映画】浮遊する魂に翻弄される不条理ホラー『ノーマッズ』
2016年08月15日 (月) | 編集 |
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ノーマッズ(1985
アメリカ
原題:Nomads
監督/脚本:ジョン・マクティアナン
出演:レスリー=アン・ダウン  / ピアース・ブロスナン/ アンナ=マリア・モンティチェリ /  アダム・アント /  ヘクター・マーカド /  ニナ・フォック/ メアリー・ウォロノフ

【あらすじ
病院に担ぎ込まれた人類学者が女医に奇妙なメッセージを残して死ぬ。その日から女医は幻覚で、人類学者が死に至る数日間を追体験する。

【感想
今日紹介するのは、『ダイ・ハード』のジョン・マクティアナンが脚本も手がけた監督デビュー作です。
最近ではノーマッド(ノマド)というのは、スタバなど、オフィス以外の場所で仕事をする人のことを言うようで
そういう人を受け入れるWi-Fi完備の店として「ノマドカフェ」なる言葉も生まれてますが、
本作では原題でもある「ノーマッズ」はエスキモーの間で語り伝えられる悪霊として登場します。

ロスに越してきたフランス人人類学者のジャン(ピアース・ブロスナン)は、ある日ガレージのドアに落書きを発見し、黒いバンで走り去った若者集団の後を追います。
ところがこの若者集団が実に邪悪で、ジャンは彼らを追跡後、命を落とすことになってしまうんですね。
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映画は、病院に搬送され、絶命の寸前にジャンを診察した女医アイリーン(レスリー=アン・ダウン  )の不思議な体験を通じてジャンの死の数日前を再現しつつ、真相を解き明かすというミステリー仕立て。

アイリーンのビジョンを通しわかってくるのが、この若者集団が、実は砂漠に浮遊し災害をもたらす悪霊ノーマッドであるということ。
正直、パンク集団にしか見えない悪霊自体はそれほど怖くないんですが、若者らの悪事を暴こうと連中に接近し、危険に身をさらすブロスナンの無謀さがやたらコワくて、ハラハラドキドキしてしまうんですよね。
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長年夫の冒険心に苦労させられながらも夫を信じ支えてきた妻の存在が、ジャンの行動を理解しやすいものにしているのは上手いと思うところ。
世界を飛び回り、人類を研究してきたジャンははじめはロスの若者の生態を調査するくらいの気持ちだったんでしょうが、やがて彼はその集団が「人」ではないことに気づいてしまう。
彼はエスキモーから「ノーマッズ」の話を聞いたこともあって、恐れながらも興味をぬぐいきれなかったんでしょう。学者バカのジャンはやがて相手が太刀打ちできない存在だと気づき、妻を守らなければと思うものの、時すでに遅し。
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前々から気になっていた作品でしたが、レンタルになくそのままになっていたところ
偶然youtubeでみつけ鑑賞できました。

おおむね面白く観たんですが、女医にジャンのビジョンが見えてしまうことに何らかの意味付けをしてくれるとよかったな。女医かジャンにスピリチュアルな力があるなどの下りがあると、すんなり入りやすかった気がします。

ある人物が登場するラストシーンはサプライズでもあるんですが
彼がカリフォルニアの州境でバイクを止めるのは、ノーマッズの活動地域が限定されてることを意味してるんでしょうね(笑) 映画の中でノーマッズはエスキモーの暮らす氷の地域でも、砂漠地帯にも生息すると説明されてはいるけれど、エスキモーと最初に出してロスが舞台であることに違和感を感じながら見たので、エスキモー伝説に執着しないほうがすっきりしたかも。

ようやく落ち着いて新しい人生を始めようとする夫婦が、災難のあった家に越してきたばかりに不幸に見舞われるという不条理。そして自分の望まない邪悪な者と化して生き続けなければならない悲しさ。それこそが怖い作品でしたね。



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