映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
ペーパーボーイ 真夏の引力
2013年02月04日 (月) | 編集 |



ペーパーボーイ 真夏の引力
(2012)アメリカ
原題:The paperboy
監督:リー・ダニエルズ
出演:ザック・エフロンマシュー・マコノヒーニコール・キッドマンジョン・キューザック、デヴィッド・オイェロウォ
7/27 公開決定




理想に燃える記者のウォード・ジャンセン(マシュー・マコノヒー)は、記者ヤードリー(デヴィッド・オイェロウォ)と実家で新聞配達を手伝う弟ジャック(ザック・エフロン)とともに、白人保安官殺害事件の調査を開始する。3人は恋人の無罪を信じる恋人のシャーロット(ニコール・キッドマン)を伴い、容疑者ヒラリー(ジョン・キューザック)と刑務所で接触を試みる・・。

保安官殺人事件の真相を追うミステリー小説をもとに
『プレシャス』のリー・ダニエル監督が、エロとバイオレンス溢れるスリラーとして仕上げた一本。

これね、今のとこ日本未公開だし、あまり世間の評価も良くないので
裏ブログで取り上げようと思ったんですが、観てみたら凄く面白いんで驚いてます。

まず凄いのがニコール・キッドマンですなぁ。
ケバいバービー人形のようないでたちで、エロを炸裂させるニコールは
役作りのために囚人を恋人に持つ5人の女性と会って話を聞き、イメージを作りあげたのだとか。




刑務所でヒラリーと面会する序盤で、ジャンセン兄弟とヤードリーの男三人のいる中、
ヒラリーのリクエストに応じ、脚を開きフェラの口真似wをするニコールには度肝を抜かれました。
海でくらげに刺された設定のザック君にオシッコをかけるシーンも実際にやってるようでちょっと引く。シャーロットは自分に正直で、ストレートに行動する女性。
そんなシャーロットに惚れてしまうのがペーパーボーイのジャック(ザック・エフロン)なんですね。

映画はヒラリーの証言を確かめるため、舞台を南部に移動する。
そこに60年代の緊張を盛り込みつつ、ジャックのシャーロットへの恋心が引き起こす事件を
スリリングに描く手法。

監督は製作予定だったマーティン・ルーサー・キング・Jrの映画が予算の都合でおじゃんになったこともあり、黒人差別問題を本作に盛り込んでるわけなんですが、そのことで保安官殺人のミステリーがおざなりになり、主眼がとっちらかった感は確かにあります。
けれども、この人がここまで!?という、キャストそれぞれの演技に圧倒されるし
今後カルト的な存在になっていく気がしますね。

危険な男ヒラリーに惚れて、人生を狂わす哀れな女を演じたニコールは
SAGで助演女優賞にサプライズ・ノミネートされました。

日本公開、もしくはソフトリリースを強く希望します。

★★★★

  

【映画】プレシャス
2009年12月11日 (金) | 編集 |


2009年(米)
監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボーレイ・シディベモニークポーラ・パットンマライア・キャリーレニー・クラヴィッツ
■感想
サンダンス映画祭でグランプリトロント国際映画祭で観客賞を受賞し話題となった『プレシャス』観てきました。
サファイアによる小説『プッシュ』を映画化した作品です。

80年代のニューヨーク ハーレム。
冒頭、16歳の太めの高校生プレシャスが授業中校長室から呼び出しをくらいます。
「あなた妊娠してるの?」
プレシャスの2度目の妊娠が発覚し、プレシャスは退学を余儀なくされます。

プレシャスにとって学校なんてつまらない場所に過ぎないんだけど、もっと悲惨なのは家での暮らし。
母親は暴力を振るうし、プレシャスを妊娠させたのは父親だったり母親のボーイフレンドなんですね。
誰も好んでこんな家に生まれてこないよなぁ。





道を歩けばその容姿からバカにされることもある
自分なんて無に等しいと、時には死んでしまいたい気にもなるけれど
死に方も知らないし・・
 
なんとも辛いお話。
でも救いなのは、プレシャスの本質は普通の16歳の女の子だということ。

彼女なりにお洒落もするし、恋にも興味あり
有名なスターになってサインに応える姿を夢想してみたりw
学校の担任は自分に気があると思ってるし(笑)
このポジティブさがなかったら、きっと彼女は潰れていたに違いない。

家庭内暴力、虐待、貧困など、プレシャスを取り巻く環境は目を覆うほど悲惨なものながら
映画はプレシャスの妄想映像(笑)なんかも挿入し、時にはププっと笑ってしまうユーモアも
盛り込んでるので、意外にも暗くならずに観れてしまうのですよ。

そしてプレシャスの運命を変えるのは、落ちこぼれ専門の学校みたいなところで出会った教師の存在。
愛と教育で人は救われるんですね。

プレシャスを演じるのはオーディションで選ばれたというガボーレイ・シディベ
内に怒りを秘めたような孤独な姿は怖い感じさえするけど、妄想の姿は案外可愛いw
新人とは思えないほど、しっかりとプレシャスを演じ切りました。

どうしようもない母親を演じるモニークはコメディアンだとか。
見事な演技でオスカー助演候補有力。
教師を演じるポーラ・パットンの美しさも印象的。

ソーシャル・ワーカー役のマライア・キャリーなんて、スッピン過ぎて最初誰か分からなかったわw




教育や社会保障など考えさせられることも多いですが、プレシャスが成長していく姿には感動します。
何よりも彼女が自分の子供に目一杯の愛を与えようとするところには大きく心を動かされました。
映画の中でプレシャスが泣くのはたったの一回。
どうして自分が・・・と涙を流す姿には流石に泣けたな。

虐待を繰り返す母親が内に秘めていたものには虚しさを感じるけれど
彼女も愛に飢えた悲しい女性だった。
周囲の愛によって、愛することも知っていくプレシャスとは相対的な描かれ方でした。

プレシャスにはまだまだ試練が待ち受けているでしょう。
でも彼女は乗り越えるに違いない。
プレシャス頑張れ!と応援したくなります。
愛すること、そして愛されることの大切さをしみじみと感じる素晴らしい作品でした。