映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『ニンフォマニアック Vol.2』
2014年08月20日 (水) | 編集 |



ニンフォマニアック Vol.2(2013)デンマーク/ドイツ/フランス/ベルギー/イギリス
原題:Nymphomaniac: Vol.  II 
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:シャルロット・ゲンズブール/ ステラン・スカルスガルド/ ステイシー・マーティン/ シャイア・ラブーフ/ ジェイミー・ベル/ クリスチャン・スレイター/ ウィレム・デフォー  
 日本公開:2014/11/01
 
後半を続けて観ました。
ヒロイン、ジョーを途中からシャルロット・ゲンズブールが演じ、完全にセックス・アディクトと化したジョーの性遍歴が回想の中描かれます。
ジェローム(シャイア・ラブーフ)を愛しているのに身体の火照りを抑えきれず
家庭を犠牲にしてまで性に走るジョー。
彼女の中で罪悪感は日増しに強くなり、ジョーは罪深い自分と対峙することになるんですね。



SMや同性愛が描かれたり、局所があからさまに映し出され、映画としてはポルノの域
しかし主軸となるのはセックス・アディクトのため社会に適応できず、抑うつの中生きるジョーの苦悩です。
ジョーはスカルスガルド演じるセリグマンに全てを話すうちに心の安らぎを獲得する。
ま、最後の最後に思いがけない展開が待ち構えているのだけど、そこは置いておいて・・
この映画で言いたいのは
常識や規制など社会のシステムに適応しようとする義務感が、人の心を蝕むこともある ということかな。
自らも鬱を患うトリアー監督ならではの切り口だと思います。

過激な描写もあるものの、それらを演じるのは全てポルノ俳優たち。
そこここにユーモアも散りばめられているため観やすいですね。
SM大王を演じたジェイミー・ベルなど役者陣の普段と違う顔が拝めるのも面白さのうち。

鬱の本質を描くために映画にポルノを持ち込むことに賛否はあるでしょうが
行き着く先は愛 と思うと、これもありかもです。


タイトルの「O」の文字が()となってるのがウケる
何を意味するか・・判りますよね。
()バージョンのポスターも(笑)




出演者はこちら
はい、みなさんご一緒に







【映画】 『ニンフォマニアックVol.1』私が色情狂になった理由(わけ)
2014年08月19日 (火) | 編集 |






帰省から戻りました。
久々の記事がこれって我ながらどうなの とは思うものの(笑)
Netflixのストリーミングに登場していたので観てみました。
ラース・フォン・トリアー監督が色情狂の女性の性に迫る問題作。二部作の前編です。
ニンフォマニアック  vol.1 (2013)デンマーク/ドイツ/フランス/ベルギー/イギリス
原題:Nymphomaniac: Vol. I
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:シャルロット・ゲンズブールステラン・スカルスガルド / ステイシー・マーティン/ シャイア・ラブーフ/ クリスチャン・スレイター/ ユマ・サーマン/ ソフィ・ケネディ・クラーク/ コニー・ニールセン
日本公開:2014/10/11
 雪の降る夕暮れ、怪我を負い路上に横たわる女性を見つけたセリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、女性を自宅に連れ帰りお茶を供す。女性の名前はジョー(シャルロット・ゲンズブール)。
セリグマンに訊ねられ、ジョーは性への強い関心を抑えられない自分の半生を語り始める・・





二部作の前編である本作では、ジョーがセリグマンに自分の性の遍歴を語る形がとられます。
若きジョーを演じるのは清楚な美しさが印象的なステイシー・マーティン
ジョーは早くから性に目覚め、友人と2人、性的関係を持つ男の数を競い合い
列車の中で男をハントしたりするんですね。
性描写が時間的に短いこともあり、個人的には噂ほどじゃないと思ったものの
出すときはモロ出しなのと、途中画面いっぱいに男性器が映し出されたりするので要注意。
終盤にきて、ポルノかとの論争があるのもやむなしと思う描写もありました(汗)




それでもジョーの話を聞きながらスカルスガルド演じるセリグマンが自分の趣味の釣りや音楽に例えて性を分析するあたりは哲学的で、知的さと冒険的な表現が混在します。
ジョーの父親(クリスチャン・スレイター)や、最初にバージンを捧げたジェローム( シャイア・ラブーフ)との関わりには、愛や性の根源を真摯に捉えようとする作品であることも伺えますね。


数え切れないほどの男と関係を持つ中、彼女はセックスに感情を持ち込まないことを決め
時に相手の家庭を崩壊に導くことがあってもあっけらかん。
浮気された妻を演じるユマ・サーマンがグッジョブで、ブラックユーモアが効いてます。



正直後半を見ないと映画がどこに向かうのかも分からず評価もできませんが
終始面白く観たのは確か。
雪や雨など自然の映像の美しさも印象的です。

本作は『アンチクライスト』『メランコリア』に続く鬱三部作の最終章ということ
ジョーの心の変遷がどう描かれるのか興味が沸きます。
肝心なところで「バッサリ」終わったこともあり、後半がとてつもなく気になります。

これまであまり好きじゃなかったシャイア君が本作ではなかなか魅力的。
ちなみに、エンドロールによると、実際に交わってると思えるシーンは
ポルノ俳優らによる「ボディダブル」だそうです。

だよな・・・





メランコリア
2012年02月17日 (金) | 編集 |



ラース・フォン・トリアー
監督のSFスリラー
キルスティン・ダンストがカンヌで女優賞を受賞した作品です。
 
メランコリア (2011) デンマーク/スウェーデン/フランス/ドイツ
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:キルステン・ダンスト/シャルロット・ゲンズブール/キーファー・サザーランド
シャーロット・ランプリング/ウド・キア/ステラン・スカルスガルド/アレキサンダー・スカルスガルド
 
メランコリアには「憂鬱」という意味があり、
これはキルスティンがうつ病の女性を演じる作品だと思ったのだけど
それだけじゃなかったですね。

この映画、2章に分かれていて、
一章目はキルスティン演じるジャスティンの結婚式の様子が描かれます。
式の途中から言動が怪しくなるジャスティン。
何故かジャスティンの母親シャーロット・ランプリングの言動も奇妙で
結婚式は予定どおりに進行せず、皆をイラつかせます。

そして第二章では、ジャスティンの欝の原因ともいえる
巨大惑星メランコリアの地球接近が描かれ、一気にSFスリラーへと様相を変えていくのです。

劇中キルスティンが「The earth is evil」と言うシーンがあるけれど
ヒトラーを擁護する発言をしたというラース・フォン・トリアー監督の本心は
もしかすると、この言葉にあったのかな。
つまり、邪悪な人類の存在により、地球は滅びるべきであると・・。

今年はなんと言っても2012年。
数年前までは、それほど真剣に考えてなかったのだけど
ここのところの地球の異変を見るにつけ
世界の終末がこんなふうにやってくることもありかな・・と思ったりもします。
 
 
奇しくも昨年のパルムドールは
地球の創生に遡り、命の根源を描いた『ツリー・オブ・ライフ』が受賞したけれど
地球の終末を描くことで人類の罪や魂の救済をあぶりだす本作こそ
今の私たちが求める作品かもしれません。
 

ワーグナーの「トリスタンとイゾルテ」のオーケストラのサウンドをバックに
繰り広げられるスペクタクルな映像美も圧巻。
キルスティンとW主演と言うべきシャルロット・ゲンズブールの演技も見事です。
 シャーロット・ランプリングの奇怪な言動も、最後まで見れば
あー、そうかと謎が解けます。
 
一瞬たりとも息を抜けない緊張感の中、ふっと訪れる静寂に
最後は不思議な安らぎを感じ、ひたすら泣きました。
 
ヒトラー発言が不利になったか、アカデミーから嫌われてしまったけど
何はともあれ、これは凄い作品です。

日本公開は2/17~