映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ナタリー・ポートマン主演ウエスタン『ジェーン』
2016年08月30日 (火) | 編集 |
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ジェーン(2016
アメリカ
原題:Jane Got a Gun
監督:ギャヴィン・オコナー
脚本:ブライアン・ダフィールド他
出演:ナタリー・ポートマン  / ジョエル・エドガートン / ノア・エメリッヒ/ ユアン・マクレガー
日本公開:2016/10/22 

【あらすじ
南北戦争後のアメリカ西部、背中に銃弾を受け瀕死のハモンドが妻ジェーンのもとに帰ってくる。
「ビショップ一味が追ってくる」。ジェーンは家族を守るためかつての恋人ダンに助けを求めるが・・

【感想
『英国俳優50人斬り』、今日はナタリー・ポートマンが主演&製作を務めたことで話題の『ジェーン』
荒野で人生を切り拓くため、銃を手にするヒロインを描くウェスタンです。

そもそも『少年は残酷な弓を射る』の女性監督のリン・ラムジーがメガホンをとるはずが、撮影初日にドタキャンとなり、『ウォーリアー』のギャヴィン・オコナーに交代。
キャストもポートマンの恋人ダン役に抜擢されていたファスベンダーがスケジュールの都合で降板し、悪役をやるはずのジョエル・エドガートンがダンにスイッチ。ジュード・ロウ、ブラッドリー・クーパーを経て、最終的に悪役にユアン・マクレガーを迎え入れてようやく完成をみたようです。

そんなゴタゴタも影響してか世間の評価は賛否両論のようだけど、個人的には気に入ってます。

夫と娘をギャングから守るため、ある男の元を訪ねるジェーン。
何故か男はつれない素振りでジェーンを追い返すのだけど、帰路、悪党に襲われそうになったジェーンを助け、結局は用心棒を引き受ける。フラッシュバックから、男がジェーンと結婚を約束していた元恋人のダンだと知ることになります。
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別の男と結婚した元恋人に複雑な思いを抱きながらも、ジェーンを守らずにいられないダン。
ダンに心を残しながら自らの人生を受け止め前を向こうとするジェーンと、揺れる二人の心の描写が丁寧で三角関係含むロマンス部分がマル。

難を言えば、フラッシュバックを多用しすぎかな。
だんだんに真実に迫るのはいいのだけど、リズムが悪いのと、時系列がやや混乱する。
あれほど重傷を負ったハモンドがギャング一味をどう巻いたのかとか、ストーリーに突っ込みどころもあります。オコナー監督の依頼で脚本の書き直しを手掛けたエドガートンが「存在自体が奇蹟」というくらいだから、よほど時間が足りなかったんでしょう。
それでもオコナー監督作品らしく、登場人物のキャラがたった演出は見事。


さて、50人斬りの3人目はビショップを演じるユアン・マクレガー!!
そもそもユアンの悪役というのも珍しいんですが、びっくりなのは、言われなければ彼とわからない風貌になっていること。
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「誰これ?」

ギャングとはいっても売春宿などを有する賑やかな街を建設するビショップは、土地の発展に貢献する地主の顔も持っている。ただし、自分のものを横取りされるのは大嫌いとあって、彼を怒らせたらただでは済まない。
マクレガーは執拗なまでに残忍なビショップを、優し気な声とのミスマッチで演じていて、私は不気味に感じて面白かったんですが、弱いと感じるかで評価が分かれるのかも。


西部を生きることは難しい。それでも先駆者たちは夢や希望を持ち続け、道を切り拓いてきたんでしょう。
広大な荒野を映す引きの映像も美しかった。


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ナイトウォッチ
2013年05月10日 (金) | 編集 |




 

ナイトウォッチ(1997)アメリカ
原題:Nightwatch
監督: オーレ・ボールネダル
出演:ユアン・マクレガー、ジョシュ・ブローリン、ニック・ノルティ、パトリシア・アークエット、ジョン・C・ライリー

サム・ライミ製作で話題の新作『ポゼッション』のオーレ・ボールネダル監督の代表作。デンマークでのデビュー作『モルグ』をハリウッドでセルフリメイクした作品です。

大学院生のマーティンは(ユアン・マクレガー)、恋人(パトリシア・アークエット)の反対を押し切って死体安置所(モルグ)のバイトに就く。そんなある日、誰もいないはずのモルグでけたたましい非常ベルの音が鳴る・・・。

モルグでバイトを始めた青年が事件に巻き込まれる様を描くサスペンススリラーです。

冒頭、酒場で談笑する主人公とその友人たちのバックでは、殺人事件のニュース。
検察官のニック・ノルティがメディアのインタビューに答えている。

やがて迎えるモルグでの仕事。
誰もいないはずのモルグに響く風の音や非常ベルなど、監督のオーレ・ボールネダルは「音」やでスリルを煽ってきますね。勿論その音に反応するユアンのオドオドの演技も恐怖を共有するのに効果的。
過剰とも思える効果音とBGMで派手めなサスペンスを演出しつつ、ユアンの周りで起きた娼婦殺人事件の犯人に迫るミステリーでもあります。

残念ながらカルトと評判のオリジナルの『モルグ』は未見で、比べられないのだけど、舞台が死体の転がるモルグというだけでも怖そうな雰囲気は満点で、飽きることなくスリルを楽しみました。

モルグでの警備の前任者のじいちゃんがまたいい感じに怖いですがw
彼からの引継ぎに、その後に活躍するアイテムがいっぱい詰まっているのも上手い。
ただ「ラジオ」については、不気味な物音を聞く恐怖をかき消したり、BGM的な仕事をすることのほかに、何かきっと役割があるだろうと睨んでいたのだけど、特別なかったような。見逃したのかな。





窓越しや、人体のパーツの入った水槽からのショットなど、恐怖の対象を強調する映像も面白い。
終盤はありがちなアクションスリラーな展開になりますが、ここにきてジョシュ・ブローリンが活躍するというシナリオもいい。
ユアンの親友であるジョシュは前半から退廃的な空気を醸しだす青年で、恋人との関係も冷ややか。それでいてチンピラに喧嘩を売ったり、なにか刺激を求めてるんですよね。事件に巻き込まれる原因を作ったこともあり、ユアンの救出に必死になるジョシュ。大きな代償を払いつつも、最後に憑き物がとれたようにスッキリとした表情を見せるジョシュが印象的で、彼の成長物語という締め方が良かったですよ。

オリジナルも観てみたい!


『インポッシブル』 ナオミ・ワッツ オスカーノミネート
2013年01月11日 (金) | 編集 |




インポッシブル
2012年(スペイン/アメリカ)
原題:The Impossible
監督:J・A・バヨナ
出演:ナオミ・ワッツユアン・マクレガー、トム・ホランド、サミュエル・ジョスリン、オークリー・ぺンダーガスト


04年末、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)の夫婦は3人の息子を連れてタイのリゾート地にバカンスにやってくる。家族でひと時の楽しい時間を過ごしていたが、突然の津波に襲われ、マリア一家も離れ離れになってしまう・・




タイのリゾート地で休暇を楽しむマリアとヘンリー夫妻と3人の息子たち。
この幸せなときを一瞬にして奪うのが、スマトラ沖地震後に発生した津波。
これは2004年、タイの津波の被害者となったスペインの一家の体験をもとに描く実話。
一家はイギリス人家族に置き換えられています。

津波に飲み込まれ、激しい流れの中を漂いながらのサバイバルシーンは
リアリティと緊張感に溢れ、パニックアクション映画としても見ごたえ十分。
でもこの映画の素晴らしいのは、単なるディザスター映画になっていないところ。







前半をリードするのは兄弟の一番上のお兄ちゃんルーカス(トム・ホランド)と
母のマリア(ナオミ・ワッツ)。
怪我を負った母を助け、不安と戦いながら残りの家族を探すルーカスの
心細さは想像を絶するものがあります。
それでもルーカスは、自分を奮い立たせながら
周囲の助けになることをしなさいという母の言いつけを守り行動します。
そうしながら彼は、人のためになることの喜びを感じ成長していくんですね。
そんな息子をベッドから見守る母ナオミ・ワッツの慈しみ深い表情にも感動します。

後半は妻と息子を探すユアン登場。
彼の信念の捜索を手助けする、他の被害者の描き方も印象的で
災害の混乱の中にあっても他人を思いやり助け合うことができる
人の心の美しさがしっかり描かれているからこの映画は素晴らしい。
そして心が洗われる思いがするのです。

オスカーノミネートのナオミ・ワッツの素晴らしさは言うまでもないですが
ユアンにも大いに泣かされました。
ルーカスを演じたトム・ホランドには天性の素質を感じずにはおれないし
心細くてたまらないのに精一杯頑張るおチビ二人も抱きしめたいほどに可愛い。

波に飲み込まれるシーン、地響きや波の音など
震災を経験された方、津波で家族を亡くされた方などには
辛いシーンもあるかもしれません。
監督は『永遠のこどもたち』のJ・A・バヨナ
被災地のシステムや全体な部分には殆ど触れず
あくまで一家の視点で一家が体験したことを描くというシンプルな作りですが
亡くなった方へのリスペクトも忘れていません。

5000人以上がこのリゾート地で命を落としたそうです。



★★★★☆


 



砂漠でサーモン・フィッシング
2012年07月24日 (火) | 編集 |
今日はエミリー・ブラントユアン・マクレガーを主演に迎え、
「中東イエメンで鮭釣りを!」というプロジェクトに取り組む人々の姿を描く、
ラッセ・ハルストレム監督の新作『砂漠でサーモン・フィッシング』。
日本では13年のお正月第一弾として公開が決まっているようです。






砂漠でサーモン・フィッシング
2011年(イギリス)
原題:Salmon Fishing in the Yemen
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:エミリー・ブラントユアン・マクレガークリスティン・スコット・トーマス
アムール・ワケド


 
イギリスの国立水産研究所に勤めるフレッド博士(ユアン・マクレガー)の元に
イエメンの大富豪の代理人ハリエット(エミリー・ブラント)から一通のeメールが届く。
それは「イエメンに鮭を放流したいが、協力してもらえないだろうか」というもの。
金持ちの冗談と、即座に「無理」と返信するフレッドだったが
中東との交友関係改善を模索する英国首相側のプレス(クリスティン・スコット・トーマス)が
「いいニュース!」と白羽の矢を立てたことから
フレッドは国の仕事の一環としてこの壮大なプロジェクトに加わることになる・・という話。


これね、劇場予告で観て、かなり惹かれたんですが、
早口イギリス英語の聞き取りに自信がなくてDVD鑑賞になりました。
でも凄く好みの作品で、これは劇場で観たかったぁ。




ユアン演じるフレッドは、釣り好きで純粋な心を持った学者。
はじめは突拍子もないと思えたプロジェクトだったけど、
イエメンの富豪モハメッドから話を聞いてみると
案外可能かと思い始め、プロジェクトに嵌っていく。

エミリー演じるハリエットとともに問題を解決していくうちに
彼女に惹かれていくんですが、ハリエットには付き合い始めて
間もない兵士の恋人がいる。しかし恋人はアフガニスタンに派兵され・・。

とまぁ、フレッドにも妻がいるわけで、主演2人の恋の行方を絡めながら
壮大なプロジェクトの進行をダイナミックに描く作りです。




モハメッドの夢も、単なる金持ちのたわごとでなく
平和的な思いのこもったプロジェクトなんですが
ハンドバッグを提げるように、普通に銃を携帯してる国の話だから(汗)
複雑な政治事情から、プロジェクトに異論を唱える輩もいて、
映画にサスペンスフルなドキドキを与えます。

純粋でひたむきなユアン、知的で自然体なエミリー
クリスティン・スコット・トーマスが男勝りなイケイケプレス長を演じ
これまでと違ったイメージで、コメディ部門を担当してるのも楽しく
キャストそれぞれが心情を判りやすく演じているのが凄くいい。

夢を諦めず、自分らしく生きるために頑張る人々を描いた
ラッセ監督らしい優しい作品でした。

★★★★


フィリップ、きみを愛してる
2011年04月23日 (土) | 編集 |

 
愛ゆえに詐欺と脱獄を繰り返す
天才詐欺師スティーヴン・ラッセルを描くドキュメンタリー小説の映画化。
ジム・キャリーユアン・マクレガーがゲイのカップルを演じてるときいて楽しみにしてました。
なんでDVDになるのもこんなに遅いんだ、と思ったら、
これリュック・ベッソン製作総指揮のフランス映画だったのね~。
 
フィリップ、きみを愛してる(2010)フランス
監督:グレン・フィカーラ
出演:ジム・キャリーユアン・マクレガー/レスリー・マン/ロドリゴ・サントロ

■感想
原題は『I LOVE YOU PHILLIP MORRIS』
フィリップ・モリスっていうのがユアン・マクレガー演じるフィリップで、
フィリップへの愛をささやくのがジム・キャリー演じるスティーヴン・ラッセル。
 
二人は刑務所で知り合って、愛し合うようになるんですが
スティーヴンは色んな手を使って脱獄し
娑婆では詐欺で大金を稼ぐようになります。
全てはフィリップのため。
でも、フィリップは嘘で固めた幸せなんか欲しくなかったんだよねぇ。
 
なんとも突飛なお話で、これを普通の家庭に当てはめるのは無理があるかもだけど
家族の幸せのために働き、結果家に居場所をなくす日本のオヤジに
通じるものがあるかもと思ったりしたなぁ。
 
もっと上手な愛し方があるだろうに
こんな風にしか生きられないのは、スティーヴンの生い立ちも影響してるのかなと
思うとちょっと切ない。
 


とにかく、ユアンが可憐で、なんだか癒される。
ジムとのラブラブぶりも微笑ましく、
あの二人が~!という意外性も売りでしょうね。
 
あとはスティーブンの詐欺のあれこれ、
実際こんな詐欺を思い付き、仕事も成功させちゃうなんて、
スティーヴンさんは本当の天才なんでしょうね。
これが実話というのだから、とにかく驚きです。
 
同性とは言っても、二人のピュアな愛に
しまいには感動させられ、温かい気持ちになる作品でした。
うん、これよかったな。