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ロマン・ポランスキー『テナント/恐怖を借りた男』
2010年04月16日 (金) | 編集 |




1976年(フランス/アンリカ)


■感想
世界の巨匠シリーズ後半戦のスタート
6本目となる今日は、ポーランド大統領専用機墜落に追悼の意を表し、
もうひとりのポーランドの巨匠ロマン・ポランスキー作品を。

ロマン・ポランスキー監督/脚本/主演。日本劇場未公開の心理サスペンスです。

ポランスキーが演じるのは、フランスの古いアパートに空き部屋をみつけたトレルコフスキー。
彼の借りた部屋は前の入居者(テナント)のシモーヌが、窓から飛び降り自殺を図ったばかりの曰く付き。
シモーヌは瀕死の重体となり回復の見込みなし。
大家は見切り発進的にトレルコフスキーに部屋を貸したのだった。
部屋にはまだシモーヌの持ち物が残されている状態
入居早々に友人がトレルコフスキーの部屋で入居祝いのパーティをしたことで、
アパートの住人から苦情がきた。大家からも次はないと釘をさされる。
物音に過剰に神経を尖らせるようになるトレルコフスキーの周りで不思議なことが起こり始め。。


この作品は外国人である主人公が、他人に気を使いながら暮らすうちに
周囲の人間が自分をシモーヌにしたて、自殺に追い込もうとしてるという妄想に駆られ始める様子を描くもの。

次第に神経を衰弱させていく主人公をポランスキー自身が好演していますが、
その妄想シーンがホラーチックでちょっと怖いんです。

これは監督が『チャイナタウン』のあと例のスキャンダルを起こし、
疲れ果てハリウッドを去ったあとに、フランスで撮った作品らしい。
スキャンダルの後は、彼を見る世間の目も変わったのでしょう。
一度偏見をもってしまうと、ポランスキーの全ての行動は変人に見えたかもしれないし、ポランスキー自身も人を信じることが出来なくなった時期でもあったでしょう。
全てを失い心を閉ざした監督の出した作品でもあると思いますね。

そんな時期に作品内で女装を披露するポランスキーは、ある意味潔し!
ポランスキー自身が主人公を演じることも、監督にとっては必然だったのかもしれません。

共演にイザベル・アジャーニ。監督には美味しいシーンも。