映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
『愛、アムール』:鳩の意味するものは?
2013年03月16日 (土) | 編集 |




新作の感想は、主にもうひとつのブログで書いてますが、
まだ日本公開になる前に記事をあげることが多く、ネタバレなしに書こうとすると、
深いところには入れないというジレンマに陥ります。

そこで、監督のインタビューで知ったことや
ネタバレ込みで自分で感じたことなどは、こちらで書いていこうと思うのです。

まずは、ミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール
意味深に登場する「鳩」が何を意味してるんだろうと思った方も多いでしょう。
何かのメタファーなのかとあれこれ考えたことと思います。

そこで、ハネケ自身がどう言ってるかを知りたくてインタビュー動画を探しました。

ハネケによると、「鳩を何かのメタファーには使っていない。鳩は鳩」
「フランスには鳩が多いのだよ」とのこと。

なんだぁと思った方も多いかな。
でも、わざわざ映画に登場させたのには当然意味があるわけで

自分なりにその意味を考えてみました。
以下ネタバレを含みますので、未見の方はご遠慮ください。


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ファニーゲーム
2013年02月19日 (火) | 編集 |


リメイクシリーズ、今日はミヒャエル・ハネケ監督の『ファニーゲーム』オリジナルを観ました。





ファニーゲーム(1997)オーストリア
原題:Funny Games
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:スザンネ・ローター、ウルリッヒ・ミューエ、フランク・ギーリング、アルノ・フリッシュ、
ステファン・クラプチンスキー

別荘にやってきたショーバー一家は、見知らぬ若者ふたりに突如監禁される。目的不明の彼らに恐れおののきながらも、一家は脱出を試みるが失敗。容赦ない殺戮が始まる。

USリメイク版を先に観て、オリジナルをようやく観た形です。
ほとんど同じものにしているということで、物語の行き着くところも知って観たのだけど
やはり後味が悪く、嫌悪感を覚えてしまう内容です。

しかしハネケがスナッフビデオにしたかったとは思えないわけで、
監督がこの映画を撮った目的はなんだろうと気になり、
今回は、US版リリース後の監督のインタビュー記事を読んでみました。
ハネケ作品の意図するところを少し理解できたので、今日はインタビュー記事の紹介をしながら感想を書きます。

動物や子供を殺さないという暗黙のルールは、いともたやすく破られ
伏線を張った「希望」までも即座に打ち砕かれる。
暴力を楽しむ若者はカメラ目線で観客に語りかけ、ゲームだと言ってはばからない。

本作を撮った目的を、ハネケは「挑戦」だと言ってます。
映画はあくまで作り物。それゆえ、なんでもできるのだということ。
だからこそ観客に、全てを真実と思い込むべきではないと教え
作り手には、奇麗事だらけの映画作りに警鐘を鳴らしてもいるのでしょう。





白い衣装に白手袋といういでたちだけでも不快感を感じるものですね。
オープニングとエンドロールに流れるヘビメタ風の音楽は、これから起こることの暴力性を予告するものであると同時に、「ジョン・ゾーンはヘビメタなんてやらない。それもあくまでパロディで、映画の本質を象徴するもの」だとのこと。
この頃は「自分の映画はすべて実験」だったようですね。
愛、アムール』を観ると、実験のときは終わったのかなという気もします。

ハネケによると、英語では役者の台詞のトーンなど細かいところをキャッチできず、US版ではニュアンスを伝えきれてないかもしれないとのこと。
同じ内容、同じように撮影しているにもかかわらず、オーストリア版のオリジナルの方がクオリティが高く感じるのは、そのせいかもしれません。

災難に遭う一家の夫には『善き人のためのソナタ』の名優ウルリッヒ・ミューエ。
妻役のスザンネ・ローターともに、素晴らしい演技です。


■トラックバックいただいてます


Tracked from CINEmaCITTA&.. at 2013-02-19 19:10 x


タイトル : 「ファニーゲーム」 オーストリア
アラウンド・ザ・ワールド ! 映画で世界一周 ~ オーストリア またまた、お久しぶりでございます。 前回から約3ヶ月以上のブランクがありましたが、まだまだ続いてるんですよ~。( ̄∀ ̄*)グフフ 今回は、2001年のカンヌ映画祭において 『ピアニスト』 でグランプリを獲得した ミヒャエル・ハネケ監督 の1997年の作品。 かなり不条理な暴力を描き、各地で物議を醸し出した衝撃の問題作です。 【ファニーゲーム】 FUNNY GAMES (1997) 製作国 オーストリア ......more











ミヒャエル・ハネケ『愛、アムール』
2013年02月17日 (日) | 編集 |




今日は映画館の「オスカーマラソン」なる企画に乗ってきました。
作品賞ノミネート作品9本を二日に分けてパック上映してくれるというもの。
今日は『ハッシュパピー~』『愛、アムール』『ライフ・オブ・パイ』『リンカーン』『レ・ミゼラブル』の5本セットで30ドル。(来週の4本と2日コースだと50ドル)
5本制覇は時間的に難しいので頭の3本を観ました。一番の目的は勿論ハネケ先生!






愛、アムール(2012)フランス・ドイツ・オーストリア
原題:Amour
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ、イザベル・ユペール、アレクサンドル・タロー
ウィリアム・シメル


ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は80歳を過ぎた老夫婦。
元音楽教師の二人は、パリの高級アパートに住み仲むつまじく暮らしている。
ところがある日突然、アンヌの身体に異変が起き、病院嫌いの妻の希望に従い
ジョルジュは自宅でアンヌの世話をすることになるが。。



文化的で洗練された日常が「病」によって壊れていく。
夫にしてみれば、妻が変わっていくのを見るのは身体の負担よりも辛いことでしょう。
ヘルパーに妻が手荒に扱われることにも我慢がならない。
自分が自分でなくなる。自尊心を失っていく妻の悲しみも計り知れない。
一見何の変哲もない老々介護の日常を映し出されるだけに見えて、二人が過ごしてきた人生や家族の関係、夫婦が大事にする尊厳までもが浮かび上がるのだから、これは凄い。

そう、尊厳。
『愛、アムール』は尊厳にのっとった、シンプルな愛を描いた作品だと思います。

とにかくアンヌを演じたエマニュエル・リヴァが素晴らしい。
ベッドで不自由な言葉を話したり、大きな唸り声を出すのには
相当の体力(腹筋)を要すはずで、この年齢でどうやって?と驚くばかり
奇しくもオスカー受賞式は彼女の86歳の誕生日。
バースデイ快挙なるか!?

日本公開は3/9~



★★★★☆