映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
アンチヴァイラル
2013年08月21日 (水) | 編集 |




デヴィッド・クローネンバーグの息子、ブランドン・クローネンバーグの長編監督デビュー作です
アンチヴァイラル(2012)アメリカ
原題:Antiviral
監督:ブランドン・クローネンバーグ
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、 サラ・ガドン、 マルコム・マクダウェル、 ダグラス・スミス 
 ジョー・ピングー、 ニコラス・キャンベル、 シーラ・マッカーシー、 ウェンディ・クルーソン 
近未来、
ちまたには、セレブの罹患した病原菌を熱狂的なファンに注射する医療サービスが出現。
主人公シドは、クリニックで顧客に病原菌を注射する技師をする傍ら、
自らに病原体を注射、培養して闇マーケットに流している。
あるとき、彼は一番人気のセレブ、ハンナ(サラ・ガドン)が最近かかった正体不明の病原菌を注射するが、ハンナはその後死亡が報じられ、シドにも幻覚症状が現れ始める・・




「セレブの係ったウィルスが自分の体内で増殖するって、なんて素敵!!!」
えーーー?ってなもんですが、これって人気スターがライブで投げたタオルを奪い合い、汗の匂いを嗅いで歓喜するファン心理の究極の形かもしれません。
セレブの食べかけのパンを売る商売もあるらしいし
ブランドン監督は、このヘンテコな世の中を笑ってもいるわけですね。

ips細胞の発見で、医療の将来が大きく変わろうとする現代にあって
セレブの細胞を使って、あんなことやこんなことまで出来るんだよというアイディアが楽しい。
もうけ話には犯罪が付きまとうということで、主人公は大きな陰謀に巻き込まれるのですが
絡みに絡む陰謀の内容も奇想天外ながら、なかなか知的です。

病気に冒される主人公の様子がちょっとグロかったり、セレブの細胞から培養した肉を売ってたりw
シドの妄想シーンにしても、父の影響を強く受けてるのは明らかで、なんだか微笑ましい。
もしや、父の血を注射してたりしないよね(笑)




シドを演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズのパフォーマンスは映画の世界にマッチしていて見事。
説明が少なく分かりづらいのと、スローペースのため眠くなるところもあったけど
白を基調とした映像はスタイリッシュで、知的でシュールなグロに独自のカラーを感じます。
あともう少し時間を削って、もう少しロマンティックな風味を醸し出してくれたらより楽しめたはず。
これからの活躍にも期待!!






      

トラックバック一覧

  1. 1. アンチヴァイラル

    • [いやいやえん]
    • October 29, 2013 23:18
    • ファン心理って理解しがたい…。病原菌に感染することに抵抗はないのか…。しかも、筋細胞すら肉のように売っている始末…カニバリズムみたいなものなんですかねーこれはまあ、理解出来ますが。 セレブが罹った病気のウイルスを買い、注射するというビジネスが成立して





ウェルズと切り裂きジャックの時空を超えた対決『タイム・アフター・タイム』
2012年07月18日 (水) | 編集 |
マルコム・マクダウェル主演、ニコラス・メイヤーが監督/脚本を努めたユニークな時空物SFです。

 
タイム・アフター・タイム 1979年(アメリカ)
原題:Time After Time
監督:ニコラス・メイヤー
出演:マルコム・マクダウェルデイヴィッド・ワーナーメアリー・スティーンバージェンチャールズ・チオッフィ
 
  
19世紀後半のロンドンでは、切り裂きジャックによる連続殺人事件が世間を騒がしていた。
科学者兼作家のH・G・ウェルズが友人らに自ら発明したタイムマシンをお披露目した夜、切り裂きジャックを追う警察がウェルズの門を叩く。家の付近でジャックを見失ったというのだ。ところがウェルズが警察に対応する間に、地下室のタイムマシンが忽然と消えた。なんと友人の一人が切り裂きジャックで、タイムマシンで20世紀に高飛びしたのだった。責任を感じたウェルズは、友人を追うべく、タイムマシンへと乗り込んだ。

 

『タイムマシン』『透明人間』などのSFで有名なH・G・ウェルズは本当にタイムマシンを発明しタイムトラベルをしていた!とする発想が面白い作品です。
しかも同じ時代の有名人(?)、切り裂きジャックと組み合わせるところがユニーク!
 
タイムトラベルものの面白さはまずカルチャーギャップにありますね。
本作も19世紀のロンドンから現代のサンフランシスコにやってきたウェルズ(マルコム・マクダウェル)がシャーロックホームズ風のいでたちで、近代文明に目を丸くする様子が楽しい。

お腹を空かせマクドナルドに行くシーンでは、前の客を観察し声音まで真似て注文するんですがw
飲み物はコークではなく紅茶! 
これは譲れない。
時代だけでなく、アメリカとイギリスのカルチャーギャップまで描いています。
 
 

時代変われば女性も変わる。
本作でウェルズを助けるヒロインメアリー・スティーン・バージェンの奔放な積極性に、最初は引き気味だったウェルズが次第に惹かれていく。切り裂きジャックと係わることで当然ヒロインにも危険が迫り彼女を救いたいと思うウェルズが愛情を確信していく様子も自然です。

科学者でもあるウェルズが、その旺盛な好奇心で何でも深く観察する様子も楽しい。
それが後にハラハラなアクションへと生かされるのも上手いところです。

ウェルズは未来に楽園を夢見、切り裂きジャックは未来を悲観していた。
その違いが2人の人生を決定付けたかもしれませんね。
 
欲を言えば、ヒロインの危機をもう少しドキドキに見せて欲しかった。
しかし、世間を騒がせた切り裂きジャックが突如姿を消したのはこういうわけだったのか とか、
ウェルズが後に奇想天外なSF小説を次々に発表したのは未来を見てきたからに違いない 
などと考えるのも興味深いし、素敵な奥様をパートナーに迎えたことも大きいかもね・・・なんて、
おっと、ネタバレしそうなので、ここらへんで。
 
ロマンスとしても素敵な、時空ものサスペンスの秀作です。
 

★★★★