映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】スポットライト/Spotlight(原題)
2015年12月02日 (水) | 編集 |
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スポットライト(2015)アメリカ
原題:Spotlight
監督:トーマス・マッカーシー
脚本:ジョシュ・シンガー/トーマス・マッカーシー  
出演:マーク・ラファロマイケル・キートン /レイチェル・マクアダムス/リーヴ・シュライバー/スタンリー・トゥッチ

【あらすじ】
ボストンの地方紙ボストン・グローブのスポットライトチームは、新任のボスの提案で、ローマンカトリック教会による少年性的虐待事件の追跡を始める……。



昨日はトーマス・マッカーシー監督による話題の新作『スポットライト』を観てきました。

『バッド・エデュケーション』という映画で、神学校の司教が生徒を性的に虐待する様子が描かれてましたが
こういう問題は実はずっと昔からあって、時々逮捕者が出ることがあってもあまり表だって問題にされないんですね。

新任ボスの一言でこの問題を調べることになるのが、ボストンの地方紙のスポットライトという調査チーム。
マイケル・キートンをリーダーに、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムスら5人のメンバーです。

驚くのがね、ボスのリーヴ・シュライダー含むたった6人が、世界中を震撼させるキリスト教会の大スキャンダルを暴くことになること!

四面楚歌の中足を使って地道に真実に迫っていくスポットライトのメンバーが、次第に正義感に突き動かされ
ジャーナリズムを極めていく姿がカッコいいし、彼らが暴くものにも興奮させられます。
被害者加害者、それらを支える組織やシステムなど、さまざまな立場や角度から問題を炙り出すストーリーテリングも見事。

その一方で敬虔なクリスチャンはこれをどう見るだろうと心配にもなります。
神の代弁者として絶対の信頼を置いていた司教たちがあんなことや、こんなことしてたなんて

特に同時多発テロの時期と重なったので、支えを失ったボストニアのショックは大きかったでしょうね。

ほとぼりが冷めかけたところで、この映画でまた注目を浴びるであろうカトリック教会もちとお気の毒・・
でもジャーナリズムの目が悪を抑止すると考えれば、それも意味あることかな。

監督は『扉をたたく人』のトーマス・マッカーシー
やっぱり社会派ドラマで力を発揮する監督さん。

マーク・ラファロマイケル・キートンはじめ役者陣のアンサンブル演技が素晴らしい。
中でも好きだったのは被害者を支援する弁護士を演じたスタンリー・トゥッチ(髪あり)。
声を上げることを半ば諦めていた彼が、ラファロ演じるマイクの情熱に希望を見出し始める
繊細な心の変化を上手く表現してました。

関係ないけど、途中ラファロがハルクに見えて仕方なかったよ。髪型のせい?
オスカーにどう絡むのか、注目の一本ですね。
【映画】ラブINニューヨーク
2015年04月23日 (木) | 編集 |


ラブINニューヨーク(1982)アメリカ

原題:Night Shift
監督:ロン・ハワード

作品情報

 あらすじ
ニューヨークの死体置き場でまじめに働くチャックは、夜勤にシフトチェンジを命じられた。婚約者との時間を持てないことに不安を持つが、文句は言えない性格だ。助手として採用されたビルはアイディアマンだが変わったやつ。ある日アパートの隣人で娼婦のベリンダがポン引きの愛人を亡くし困っていることを知ったビルは・・。

 トレーラー
ラブ IN ニューヨーク [DVD]


感想

今頃になったけど、「オスカーとれず残念でした」の意味を込めて、マイケル・キートンの出演作を一本。

ニューヨークを舞台に、夜の死体置き場に働くチャックとビルの「裏家業」を描くロン・ハワード監督2作目のドタバタ・ラブコメです。


キートンが演じるのは死体置き場の夜間勤務の助手として採用されたビル。
ビルは、思いついたアイディアを録音機に吹き込む自称アイディアマン
ビルは娼婦のべリンダがポン引きの愛人を失い業務に支障を来たしていることを知り、「売春仲介ビジネス」を思いつく。
果たしてうまくいくのでしょうか。  という話

キートン目当てで観たのだけど、主役はチャック役のヘンリー・ウィンクラーですね。
まじめで人がいいけど、「弱気」を絵に描いたようなチャックはキートンと好対照。
そのチャックがビルに引っ張られる形で売春ビジネスの片棒を担ぐことになり
思わぬ成功もおさめるんですが、まぁ、人生そう甘くはないよね。



やがて人生のどん底を味わうことにもチャックですが、気づけば成長し、
大切なものも得てるという展開に最後はほっこり。
いいとこなしに思えたビルのこともアイディアマンたる長所をちゃんと認めててよかった。

夜の死体置き場でのドタバタというプロットが突飛で楽しいのだけど
どうせならもっとブラックな笑いを入れて欲しかった。
「死体置き場」という不気味さが生かせてなかったのはちょっと残念。

それでも、殺伐としたニューヨークの街で、小さな友情や恋が日々生まれてるっていう感じがちょっとキュンとする
80年代らしい映画でした。


【映画】『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』映像に驚き!
2014年11月12日 (水) | 編集 |


バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡 (2014)アメリカ
原題:Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演:マイケル・キートン/ ザック・ガリフィナーキス/ エドワード・ノートン/ アンドレア・ライズブロー/ エイミー・ライアン/ エマ・ストーン/ ナオミ・ワッツ
日本公開:2015春
 
『21グラム』『バベル』のアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の新作。
かつてコミックヒーロー『バードマン』を演じ一世を風靡するも、いまや落ち目の役者が、現実と幻想のはざまで追い込まれながら舞台に再起をかける姿を描きます。



元『バードマン』俳優リーガンを演じるのは『バットマン』俳優のマイケル・キートン
キートンさんの本作の演技が絶賛されていて、まさに主人公を体現する形になるんですが
そもそもこ映画が作られたのは、監督自身の「今の自分」に対する焦燥感が根底にあった様子。
そういえば『21グラム』ほどに賞賛される映画は撮ってなかったか。
冒頭登場するくらげはまさに実態のない自分を表現しているんでしょう。
本作は監督自身の再起をかけたチャレンジといえるんでしょうね。




ほんと、凄いものを観せていただきました。
まず言われているのは全編にわたりほぼワンテイクに見える脅威の長まわしね。
実際には切れてるんでしょうけどそう見えない。
ただの会話劇ならわかるけど、本作にはスーパーナチュラルな現象やアッと驚くファンタジーまで盛り込まれてますから。いったいどうやって撮ったんだ。
と思って調べたら撮影は『ゼロ・グラビティ』でオスカーを獲ったエマニュエル・ベルツキ
やりますなぁ。

勿論素晴らしいのは映像だけではなく、オスカーの筆頭に挙げられるキートンの演技は本物です。
リーガンは役者として、父親として、夫としても見放され自分自身の存在感を無くしつつある男。
それでも過去の栄光を引きずる彼は頭の中でバードマンの声を聞く。
彼の焦燥感をスーパーナチュラルな絵でみせるため、ともすれば奇をてらった作品と見られそうだけど
未来を模索する崖っぷち男が文字通り風穴を開ける地道なドラマでもあります。

多分風穴を開けたのは監督自身でもあるんでしょう。
共演者もみんな演技者ぞろいでグッジョブ。
中でも普段ふざけた役の多い ザック・ガリフィナーキスがとっても良かったのはサプライズでした。


妄想?現実?
きっとそんなのどうでもいい。
最初は不安を煽っていたBGM代わりのドラムの音にも次第に力が沸き
その気になれば私たちは何だってできるんだよ! そんなメッセージが聞こえる作品です。