映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
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【映画】『エヴァの告白』
2014年12月26日 (金) | 編集 |
immigrantposter.jpg 

エヴァの告白 (2013)アメリカ/フランス
原題: The Immigrant
監督: ジェームズ・グレイ
出演:マリオン・コティヤールホアキン・フェニックスジェレミー・レナー/ダグマーラ・ドミンスク
 
1921年、戦火を逃れてポーランドからアメリカへと移住してきたエヴァは、病気の妹が入国審査で隔離されてしまい、自身も理不尽な理由で入国を拒否される。強制送還されそうになったエヴァは、彼女の美しさに見惚れたブルーノという男に助けられるが、ブルーノは移民の娘たちを働かせ、売春を斡旋するという裏社会に生きる男だった。

マリオン・コティヤールがポーランドからの移民の女性を演じたヒューマンドラマです。

ヨーロッパをはじめ世界中の国から人々が移民としてアメリカにやってきた時代。
頼るもののない地で、財力もない者が全うに生き延びることなど容易ではなかったでしょう。
エヴァもほぼ身一つでやってきた女性ですが、彼女は美貌を持ち合わせていたことから、
ホアキン・フェニックス演じるブルーノの目に留まるわけです。


immigrant2.jpg


あぁ、これは切なかった。
帰る故郷を持たないエヴァは、心細さに震え、売春婦に身を落とす自分を嫌い、
それでも、生きるために自分の血で紅を塗りビンタで頬を染める。
妹との再会を心の糧に、ブルーノを憎みながらも利用するエヴァ。
でも美しさが周囲を翻弄することにもなり、エヴァは苦悩に苦悩を重ねることになるんですねぇ。
夢を抱くことは罪なのか、生きるために身を落とすことは、
はたまた美しいことは罪なのか・・(←言ってみたいがなw)


immigrant3.jpg

エヴァがエゴイストに映るのか、この映画ももうひとつと感じる人も多いようだけど
私はエヴァの切ない思いと強さに胸を打たれました。彼らの間に確かに愛はあったと思うし。
マリオンは本当にうまいですね。
彼女の美しさに翻弄されるのがホアキンとジェレミー・レナーで、二人がまたいいんだ。

監督は『リトル・オデッサ』『トゥー・ラバーズ』のジェームズ・グレイ
切実でいて、ロマンティックでクラシカル。

中堅実力派3人の演技も見ごたえあり、これは今年のマイトップ10に入りそう。


10本目のクリスマスソング、Shakin Stevens - Merry Christmas Everyone
今年のクリプレwはこれで打ち止めにします。

 


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her/世界でひとつの彼女
2014年01月16日 (木) | 編集 |




オスカー特集、今日はゴールデングローブで脚本賞を受賞、他にも作品賞、監督賞、主演男優賞などでノミネートが期待されるスパイク・ジョーンズ監督の『her/世界でひとつの彼女』を観てきました。
her/世界でひとつの彼女(2013)アメリカ
原題:her
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス / エイミー・アダムス/ ルーニー・マーラ/ オリヴィア・ワイルド 
声の出演:スカーレット・ヨハンソン
日本公開:2014/6/28
手書きの手紙代行の仕事をする作家のセオドア(ホアキン・フェニックス)は、妻(ルーニー・マーラ)と別れ、孤独な日々を送っている。ある日、対話型のオペレーション・システムを導入したセオドアはサマンサという名の人工知能に魅かれていく。

 近未来のロサンジェルスを舞台に繰り広げられるユニークなラブストーリーです。
主人公セオドアが恋に落ちるのがなんと対話型オペレーションシステムの人工知能。
でも最近の内蔵知能の発達をみると、これは遠い未来のお話じゃないと思ってしまいます。

先日も「日本食レストラン」について夫がipadのボイス検索をしてたんですが
「日本食好き?」と訊くと「ごめんなさい、食べたことないの」
「どのレストランが一番好き?」には「選ぶのはあなた、私じゃないわ」などと答える。
冗談には冗談で返すのが面白くて会話が弾むんですよね(笑)
世の孤独な男性の中には、ひそかにこうした人工知能との会話を楽しんでる人いるんじゃないでしょうか。
しかもこの映画のサマンサの声はスカーレット・ヨハンソンなんですよね。
あのセクシーボイスで、しかも対話するほどに感情や感覚を学んでいくのだから男性にはたまらないでしょ。
でも、当然ながら人工知能であるサマンサに実態はない。さて二人の恋の行方は・・。

いや~、これは面白かった。
まずバーチャルに囲まれた主人公の暮らしぶりが楽しい。
自筆とは名ばかりに、コンピューターに向かって喋り、依頼者の自筆文字を認識させたであろう文字で手紙をプリントし送信する。こんな仕事も出てくるんだねぇ。
自宅のバーチャルゲームのキャラクターも可愛いくてね。しかもF文字たっぷりにセオドアに文句言ったりするんです。思えば、この映画で描かれる近未来描写は、何らかの形で相手の反応があるのが時代を反映しています。いまどきの若者がテレビを見ない理由に、テレビは一方通行で反応がないからという記事を目にしたけれど、煩わしい関係を拒絶しながらも、人は孤独ではいられない。

心配になるのは、バーチャルの世界で孤独も埋められるとしたら、人と人との繋がりなんて必要なくなるんじゃないの?ということ。この映画のひとつのテーマでもありますね。

オレンジを基調にしたポップな色合いが、近未来をシンプルで暖かいものにしています。
胸ポケットに入れられたデバイスのカメラからのサマンサ目線も楽しい演出。
脚本も手がけるスパイク・ジョーンズのオリジナリティとイマジネーションに感服。



共演にエイミー・アダムス、ルーニー・マーラ。
愛する妻を失う主人公の傷心が丁寧に描かれるからこそ、セオドアを応援せずにいられない。
ホアキンの表情から溢れ出る恋の喜びに、ともに胸ときめかせ、リアルな痛みに共感し、本当の恋を見つける姿に心温まりました。素敵な作品です。



『サイン』はこんな映画だったんだ
2013年04月16日 (火) | 編集 |



旧ブログ記事を少しずつ引っ越す作業をしてますが、まぁ箸にも棒にもかからぬ記事ばかり。
ブログ始めてからでもこれで、ましてやそれ以前のものは、忘れてるだけでなく、どんな映画かもきちんと理解できてないものが多いんですよね(汗)
そんなわけで、昔に観た映画を見直そうと思う今日この頃。
まずはM・ナイト・シャマランの『サイン』から観てみました。

サイン(2002)アメリカ
原題:Signs
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン、 ホアキン・フェニックス、 ロリー・カルキン、 アビゲイル・ブレスリン、 M・ナイト・シャマラン、 チェリー・ジョーンズ サイン [Blu-ray]

AMCという映画チャンネルは、CMが入るため普段Tivoが勝手録画してても
全く観ずに消去してたんですが、丁度観たいと思ってた『サイン』は観てみたんですね。
そしたらなんと、製作秘話、撮影秘話初め、トリビアが放送中テロップで表示されるという企画もので、映画の理解に凄く役立ちました。

以下、内容に触れていきますので全く未見の方はご注意ください。




[READ MORE...]
『ザ・マスター』の謎を考える
2013年03月25日 (月) | 編集 |





ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ザ・マスター』が日本公開になりました。

第二次世界大戦の帰還兵フレディと新興宗教コーズの創始者ドッド(マスター)との
出会いと交流を描く作品。
コーズのモデルとなるのが、トム・クルーズも信仰する実在の新興宗教、サイエントロジーということでも話題になりました。


初見の感想は別ブログで書きましたが
今回は、頭から離れないいくつかの疑問点を取り上げながら
そこから導いた自分なりの妄想解釈をまとめてみました。

以下、完全にネタバレにつき、未見の方はご遠慮ください。

      ***********


1950年、コーズの創始者ドッドは、トラウマを抱えたフレディと出会い、独自のセッションでフレディの心の闇を取り除くことに務めます。
そのままに受け取れば、フレディと新興宗教家マスターとの交流
監督の言葉を借りれば2人の愛にも似た物語
戦後の激動の時代にあって、フレディの存在はトラウマに苦しむ多くの帰還兵を象徴するものであり、そんな時期に台頭する新興宗教の実態も興味深く観ることができます。

ただ、気になる点がいくつか。

まず時間の経過が謎なんです。
フレディがドッドと知り合うのも、ドッドがフレディを題材にした2冊目の本を刊行するのも1950年。妊婦であるドッドの妻ペギーのお腹が大きくなる様子はそれ相当なのですが
フレディが服務中に想いを寄せていた16歳のドリスは23歳になり、いつのまにか結婚して2人の子供がいるという。実際にフレディがコーズにいたのはどのくらいだったのか。時間が合わない気がして仕方ない。

また、劇中登場人物の女性だけが全裸になって映し出されるという場面もあり
コーズでの出来事が現実なのかどうなのか解らなくなるんですね。
そして、もしもコーズが非現実だとすると「マスター」は何を意味するのか

終盤、映画館にいるフレディにイギリスにいるドッドが電話をかけてくるシーンがあります。
フレディがそこにいることなど、彼以外に知るはずもないことで、これも非現実的。
映画館で上映されていたのは『キャスパー』で、それも時代が混乱するんですが、キャスパー=幽霊と考えると、マスターも幽霊のように姿のない存在。すなわち、フレディの中に潜む彼自身のスピリットではないかと思えてくる。映画の中の「キャプテンは船から降りないよ」という台詞も、2人の出会いが船であったことを思うと意味深・・って考えすぎかなw

浜辺のマスターベーションシーンに始まり、退役時のロールシャッハテストで全てのものが女性性器(と男性性器)に見えていたりと、フレディの性への渇望は明らか
ドッドが妊婦である妻に、手でイかされるシーンを描くのも、妻の全支配下にあるという以外の意味を感じるところで、ここでもマスター=フレディの構図が見えてくる
フレディは「マスター」に癒しを求め、もがき苦しみ、やがて失望し彼の元を去るけれど、それは彼の精神の葛藤を表しているに過ぎないのかも と思うのです。

しかしフレディとドッドは最後に再会し、ドッドはフレディに心の開放を言い渡します。
ドッドと再会する場所に居る人々が後ろ向きだったり顔がボケてるのも印象的
ずっと妊娠していたペギーのお腹もすっきり。
ラストシーン、砂で作った女性像と浜辺に寝そべるフレディを
最初から何も変わっていない と取るかは観るものに委ねられるところ
彼はようやく心の苦しみから解放され新たな一歩を踏み出す・・ととりたいけれど
ベッドをともにする女性にドッド式の質問を繰り出すフレディを見ると
ハッピーエンドと言っていいかは疑問。
結局はドッド同様に闇を抱え続けるのかもしれない。

とまぁ、長々と勝手な妄想感想を書き連ねました。お付き合いいただきありがとうございました。
ポール・トーマス・アンダーソンの映画は台詞の一つ一つ、画面、音楽に至るまで
緻密に練られてる気がして好きです。


 

■トラックバックいただいてます
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ホアキンの演技に圧倒される『ザ・マスター』
2012年09月29日 (土) | 編集 |
オスカーの行方が気になるポール・トーマス・アンダーソンの新作『ザ・マスター』観てきました。
日本では来年3月の公開予定です・・
オスカーの後かい 





ザ・マスター
2012年(アメリカ)
原題:The Master
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ホアキン・フェニックスフィリップ・シーモア・ホフマンエイミー・アダムス



第二次世界大戦終了間際。魚雷から抜いたアルコールをココナッツと混ぜ、いい気分に酔っ払った青年が、海岸に形作られた砂の女体にまたがり、激しく腰を動かす。。
な、なんなんだ、このオープニングは(笑)
とまぁ、この映画はショッキングなシーンのオンパレード。



痩せて背中を丸めたその青年はフレディ(ホアキン・フェニックス)。
まもなく終戦となり、デパートの写真屋として働き始めるが、店内の騒音にイラつき、顧客に暴力を振るい職を失う。その後あることで咎めを受けキャベツ畑をひた走った彼は、気づけば、人の船に無断で乗船していた。
そこで出会うのが新興宗教の創始者ランカスター・ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)。
ランカスターがフレディ自作の酒を気に入ったことから、フレディはランカスターのもとに身を置くことになる・・。

フレディはアル中なだけでなく、何らかのトラウマから心に大きな穴が空いた男。ランカスターはそのことを察知し、独自のセラピーでフレディを苦しみから解き放とうとするんですね。それに従うフレディ。
映画はそんな二人の交流を描く作品です。




ランカスターに従おうとするけれど、フレディの彼の心の闇は大きくて何によっても癒されない。それでも、ランカスターには特別な思いを抱き、二人の間には奇妙な信頼関係が生まれる。
この関係の本質を私はまだ理解できないでいるのだけど、ランカスターもまた渇きにもがく存在。第二次世界大戦後という時代設定も重要で、戦争を体験したフレディのPTSD的な精神の脆弱と、作家であり科学者であるランカスターの将来を模索する渇きが共鳴しあったのかなぁと。丸いランカスターとガリガリに痩せて背中を丸めたフレディ。その対照的な容姿にも、二人を合わせ鏡の関係のようにも感じるところでした。

とにかくフレディを演じたホアキンが凄いですよ。
苦しみや焦り、あるいはランカスターへの信頼が暴力と形を変えるシーンの迫力といったらないです。
けれども、どうもがいても空虚感を埋められない。
そんなフレディの悲しさに胸が痛みます。

65ミリフィルムを使っているという映像の美しさ、迫力も見ものでしょうか。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で証明済みの静から動へと移行する狂気の描き方の巧みさもまた必見。

あのシーンの意味するものはなんだったのかなど、私の中で謎の埋まらないところもあり難解でしたが、判りやすい感動をもたらす種類の映画ではないところに、好みは分かれるかもしれません。



★★★★☆

 




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