映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ロブスター
2016年09月03日 (土) | 編集 |
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 ロブスター(2015 アイルランド/イギリス/ギリシャ/フランス/オランダ/アメリカ
原題:The Lobster
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:ヨルゴス・ランティモス / エフティミス・フィリップ
出演: コリン・ファレル  / レイチェル・ワイズ/ オリヴィア・コールマン/ ジョン・C・ライリー/ レア・セドゥ/  ベン・ウィショー

【あらすじ
突然妻に去られ、独身となってしまったデヴィッドは兄である犬とともにとあるホテルに送られる。彼はそこで45日以内にパートナーを見つけなければ、事前に希望した動物へと姿を変えられてしまうのだった。ちなみにデヴィッドの希望はロブスター。こうしてデヴィッドのパートナー探しが始まるが、・


【感想
『籠の中の乙女』のヨルゴス・ランティモス監督によるブラックコメディです。

独身者は悪とされる世界(汗)
妻に去られ、ホテルでのネルトン暮らしを余儀なくされるデイヴィッドは、期間内にパートナーを見つけることができるのか、はたまたロブスターに変えられてしまうのか という話。


独自のルールに縛られる空間に生きる主人公が、どんな突破口を見出すかというテーマは前作と同じ。
でも今回はパートナ探しに失敗したら動物に変えられてしまうというSFにパワーアップしちゃってます。

しかも本作ではホテルのほかに「森」という対極の世界が存在し、ここでは恋愛が禁止され、規則を破れば罰則が待ってる。どうすりゃいいのよ状態。
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相変わらずシュールでブラックですが、いくつか面白い視点がありますね。
一つ上げれば、何故かみんなパートナーを見つけるときに、「似たところ」を見つけるのですよ。
ベン・ウィショー君演じる足の悪い男の死んだ妻も足が悪かったとか
相手探しに行き詰ったデイヴィッドが、無感情な女に近づくため、感情のない振りをするし
森で出会ったレイチェル・ワイズを好きになるのも同じ「近視」だったから。
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こういうのはルールに縛られ、脱個性に生きる現代人を風刺してるんでしょうね。
ロマンス的には自分を犠牲にして相手に合わせることを揶揄してもいるのかと。

えっと、少し内容に触れて書きたいことがあるので、以下ネタバレとなります。
未見の方はご注意ください。



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【映画】内なる乙女が覚醒!『リリーのすべて』
2016年01月27日 (水) | 編集 |
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リリーのすべて(2015
)イギリス /ドイツ/アメリカ

原題:The Danish Girl
監督:トム・フーパー
原作:デヴィッド・バーショフ
脚本:ルシンダ・コクソン 
出演:エディ・レッドメイン /  アリシア・ヴィカンダー/ ベン・ウィショー/ アンバー・ハード  / マティアス・スーナールツ
日本公開:2016/3/18


【あらすじ

内なる乙女が覚醒した!


【感想
『英国王のスピーチ』のトム・フーパーがメガホンを取り、エディ・レッドメインが世界ではじめて性別適合手術を受けたリリー・エルベを演じた伝記ドラマです。

デンマークに暮らすアイナー・ベルナー(レッドメイン)は、ある日妻(アリシア・ヴィカンダー)に絵のモデルを頼まれます。
ストッキングを履き、柔らかいドレスに触れた瞬間、アイナーの中で何かがはじけ
頬を染め、ぎゅっとドレスを抱き寄せてしまう。

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部屋に入ってきた友人(アンバー・ハード )がそんなアイナーを
「あなたのことを今からリリーと呼ぶわ」と茶化すんですが
それからというもの、アイナーの中でリリーの存在が日増しに大きくなっていくのです。

アイナー/リリーを演じるのは昨年『博士と彼女のセオリー』でホーキング博士を演じ
見事オスカーをゲットしたエディ・レッドメイン
本作でも主演男優賞にノミネートされています。

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今回は性適合障害のある青年を演じ女装を披露してるわけで、彼のチャレンジがまずは見もの。
もとより色白で優しげ、線が細いエディ君なので女装もそれなりに似合う。
女性が目覚める瞬間の戸惑いや葛藤はよく演じているし、だんだん綺麗になっていく感じはいい。
ただ、乙女を演じてるというか・・、内から湧き上がる女らしさはないのね。

だから本人の願望とは裏腹に、正直少し気持ち悪いところもあって、
世間の認識もないことからモンスター的な悲哀を生んでもいます。
このタイミングで出すのはどうかと思うけど、こちら本物のリリーさん。

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この映画で驚くのは、むしろ妻の献身ですね。
乙女になっていく夫に困惑しながらも、彼の渇望を理解しサポートしていくなんて私には到底出来ない。
思うにこの夫婦はそもそも妻がリードしていくタイプの逆転夫婦でもあった気がしますね。
妻の性的な傾向などは分かりませんけど
妻の愛は次第に家族や同胞へのそれに変わっていたように思います。

それにしてもアリシアちゃんはほんと可愛いわ。
そりゃ、エディ君がアリシアちゃんのキャミを身に付けたい気持ちもわかるってくらい。
何を着ても似合うし、何も着てなくても可愛い(笑)

確かな演技で妻の愛と献身、そして葛藤を表現して、こちらもオスカーノミネート。

共演者は他に マティアス・スーナールツベン・ウィショー
ウィショー君が本領発揮の役で登場したのにはひとりニマニマしちゃいましたわ。

でね、初めて女装して公の場に現れたリリーがウィショー君に見初められときめくんですが
リリーは女性として好意を持たれてると思ったらそうじゃなく傷つく・・ってあたり
個人的に分類的なところよく分かってないよなぁなどと思う。深いっすなぁ。

映像は美しく、複雑な心理で織り成される悲しい物語は嫌いじゃなかったし、役者陣も頑張っていたと思う。
だけど会場では時々失笑が起きたりするのは、なんとなく仕方ない気もしました。
マイノリティを受け入れるのが難しいのは、ある意味人の真理だから。
あと、どうしても自分の思いを貫き通すリリーが身勝手に見えてしまうんですね。
正直で誠実だから・・と思える描写がもう少しあると、より理解されやすかったんじゃないかな。


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【映画】追憶と、踊りながら
2015年04月20日 (月) | 編集 |


追憶と、踊りながら(2014)イギリス
原題:Lilting
監督:ホン・カウ
日本公開:2015/5/23
作品情報

あらすじ
ロンドンの介護ホームで生活するカンボジア系中国人ジュン(チェン・ペイペイ)は一人息子のカイを失い途方に暮れていた。そんなジュンの元をカイと一緒に暮らしていたリチャード(ベン・ウィショー)が訪ねる。リチャードは英語の出来ないジュンのために通訳を雇い、ホーム仲間のアランとの仲も取り持とうとするが・・・

トレーラー

感想

ロンドンを舞台に、恋人を亡くした青年と恋人の母親の交流とコーピングを繊細に綴るヒューマンドラマ。
ウショー君演じるリチャードは実はゲイ。恋人カイが死に、どうしようもない悲しみの中にいる彼は、それでもカイの遺した母親ジュンを心配し、ジュンの暮らすホームへ足を運びます。
しかしカイはゲイであることを母に打ち明けないまま死んでしまったため、リチャードは真実を告げられません。もともと、カイとの時間を奪ったとしてリチャードをよく思っていないジュンはストレスさえ感じる始末。リチャードは何を求め、二人は愛するものの死を乗り越えることができるのか といった作品です。



とにかくベン・ウィショーがいい!
リチャードのカイに向ける深い深い愛に満ちた眼差しにドッキドキしたし、ウショー君ってこんな上手い人だったんだとあらためて思ったな。
途中何度か現実と追憶が交錯するシーンがあって、「あれ?」ってなるんですが
そこにいるはずのカイがいない。そんな演出に残されたものの悲しみが一層感じられて切ないんですよね。

ウィショー君の悲嘆の表情にはほんとやられた。
ホン・カウ監督自身もゲイということで、ウショー君をリチャードに選んだ目に狂いはありません。

また監督はイギリスに暮らすカンボジア系の中国人で、英語を話さないお母さんがいらっしゃるとのこと。本作は多分に監督自身の経験が反映されてるんでしょう。

母親を大切に思う一方で、自立もして欲しいと思う気持ちの表れか、映画の中でちょっとおせっかいに感じる部分もあったけれど、きれい事で終わらせないリアリティが、ラストシーンのカタルシスにも繋がっているわけで、これもありかな。
家族やカミングアウト、文化や移民といった題材を、クラシックな落ち着きと風格をもって描く、これが初監督作品というのだから監督ちょっと凄いと思う。柔らかな映像も美しく、好きな作品でした。


007 スカイフォール
2012年11月12日 (月) | 編集 |
今日の美女は・・
ボンドガールを挙げても良かったんだけどやめとこ
007 スカイフォール』観てきました




007 スカイフォール
2012年(アメリカ)
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ ハビエル・バルデムジュディ・デンチレイフ・ファインズベン・ウィショー
ペレニス・マーロウ、ナオミ・ハリス


全世界に散らばっている諜報員たちのリストが奪われるという極めて危険な事態が発生。ボンドはリストを取り返すべく追跡する過程で、味方の誤射により橋から落下し姿を消した。さらにはMI6本部が何者かによってハッキング&爆破される事件が発生し……。(ぴあ映画生活より)

新ボンドシリーズおなじみの冒頭の追走劇
屋根の上をバイクで暴走したり、列車の上の奇想天外なアクションにサム・メンデスは新たな実力を見せ付ける。

でも本作の面白さは、心を鬼にしてギリギリの選択をするM(ジュディ・デンチ)の苦悩や
スパイとして生きる者たちの葛藤が描かれるところにあり、これが深いのです。

金髪のハビエル・バルデムはジョーカー的悪役。
レイフ・ファインズベン・ウィショーなどMI6のスタッフたちの会話も小気味良くて楽しめたのだけど、ちょっと気になるところもあったのよねぇ。




まず残念なのはボンドガールの不在ですね。
一応ボンドガールに抜擢されたベレニス・マーロウはスタイルもよく綺麗だけど
目の化粧が濃くて個人的には魅力を感じないもんな。登場時間も短いし。
女性で目立ったのははむしろイヴ役ナオミ・ハリスでしょう。
女にしておくのが勿体ないほどに潔くてやんちゃさが魅力的。
次回作に出るのであれば期待ですね。




クレイグのアクションは文句なしにカッコいい。
けれど人間性が普通すぎてカリスマ性に欠ける部分もあったような。
女性を使い捨てにする部分など、冷酷さが垣間見えたり、楽しめるはずのイヴとの会話もちょっとワンパターン。

それでも要所要所に配したボンドグッズを配し、あの音楽を鳴らすのは
ファンには堪らないでしょう。
熾烈な戦いに原始的な「武器」を使うところには原点を感じます。
CGまみれになりつつある最近のアクション映画に警鐘を鳴らす意味もあったのかも。

IMAXのスクリーンに映えるエンタメ大作でした。

★★★★☆