映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
永遠の僕たち
2012年02月02日 (木) | 編集 |

 
ガス・ヴァン・サント監督によるピュアな青春ラブストーリーです。
 
永遠の僕たち(2011) アメリカ
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ヘンリー・ホッパーミア・ワシコウスカ/加瀬亮/シュイラー・フィスク/ジェーン・アダムス
 
ずっと楽しみにしていた本作、結局近くでかからず、DVDで鑑賞しました。
 
今回ガス・ヴァン・サントが描くのは、若いアナベルとイーノックの奇妙な恋の物語。
見知らぬ人のお葬式に参列するのが趣味というイーノック(ヘンリー・ホッパー)は
両親を交通事故で亡くし、自身も3分間の臨死体験をした死に取り付かれた青年。
臨死体験以来の唯一の友達が、加瀬亮演じるゼロ戦特攻隊員のヒロシ・・
へ?でしょうけど、ヒロシは幽霊なのだ(笑)
 
一方、アナベル(ミア・ワシコウスカ)は癌で余命3ヶ月。
死を受容する過程で、人は怒りも経験するけれど
アナベルは、すでに自分の死を受け入れる境地にいる女の子。
ただその前の段階が描かれていないため、観る人によっては非現実的に感じるかもしれないね。
車の中で、病気はもう治らないことを話すアナベルを、姉が怒り、制すシーンがある。
妹の死を受容できていないのは姉のほうで、アナベルはそんな家族に口をつぐむしかない。
そんなときに出会ったイーノックは、「死」という観念の曖昧さからか
アナベルが余命3ヶ月と聞いてもさほど動揺するでなく、現実として受け止める。
そうして二人は、普通に恋に落ちていく・・。


ヴァン・サント監督と言えば、美少年を使った青春ものを撮るというイメージがあるけれど
本作でイーノックを演じるヘンリー・ホッパーも、
父デニス・ホッパーの若い頃によく似ていて、繊細で美しい。
『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワコウスカとのコンビは、
映画に二人の存在そのままの透明感を与えることに成功しています。

死を受容したアナベル。それでも不安に心が揺れることはあるけど、
彼女が求めていたのは、余命をしっかり生きることだったんでしょう。

多くの人が死にゆくアナベルを遠ざける中、
イーノックとの出会いはアナベルの最後の命を輝かせ
イーノックも、最後までアナベルを愛し、送ることで自らのトラウマを克服する。

イーノックが最後に涙をこぼすシーンで、
ヘンリー君はきっと、闘病中の父ホッパーを思っていたことでしょうね。
 
死にいく者、残される者それぞれの悲しみと再生を描いたピュアな作品でした。
ヒロシのサブストーリーには、戦死者へのリスペクトと哀悼を感じますね。

ん、これはやっぱり好き。