映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】トレスパス・アゲンスト・アス(原題)
2017年03月11日 (土) | 編集 |
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トレスパス・アゲンスト・アス(原題)(
2016 イギリス
原題:Trespass Against Us
監督:アダム・スミス
脚本: Alastair Siddons
出演:マイケル・ファスベンダーブレンダン・グリーソン/リンゼイ・マーシャル/ジョージ―・スミス

【あらすじ】

父親にコントロールされ、トレイラーハウスで移動しながら犯罪を繰り返すコミュニティに生きるチャドは、将来に不安を感じていた。


【感想】

長編初メガホンのアダム・スミスが監督したクライムアクションドラマです。
主演はマイケル・ファスベンダー
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ファス演じるチャドはトレイラーハウスでジプシー生活を送るコミュニティに生きる男。
2人の子供を持つチャドは、コミュニティを支配する父親のコルビー(ブレンダン・グリーソン)に命じられ犯罪を繰り返す暮らしから抜け出したいと思っている。
しかし学校に行かず読み書きのできないチャドの自立には壁があり、何より父親がそれを許さない。
子供を守りたい、でもそのためには犯罪を犯すしかないという主人公のジレンマが悲しい映画です。

ファスベンダーがとにかく走る 走る! 走る!!の大活躍。 
華麗なるドライビングテクニックを披露しつつ、パトカーから逃げ、犬から逃げ、ヘリコプターから逃げる。
憤りに顔をゆがませ、邪悪な行動に出て自己嫌悪に陥ったかと思えば、優しい瞳で子供を見つめたりと 
様々なアクション&表情のファスを拝める点でこれはファン必見と思いますです。はい。
Trespass-Against-Us.jpg
ただ映画としては、賛否が分かれてしまいますね。
犯罪生活に見切りをつけたいと思いながら、結局は父親に従うしかないチャドに
その気になれば身体を使ったどんな仕事でもできるんじゃないのー?とか思ってしまう。
小さい頃から暴力で抑えられてきたであろうことは想像できるけれど、チャドが父に感じる恐れなどが今いち伝わないから、ラストシーンにもほかに選択がなかったの?っていうか、それはないわぁって気になるしね。

でもチャドの行動の可否を問うのは作り手の思うところではないかもしれない。
多分この映画は、三世代の親子の関係を通し、親と子供の愛情や、責任なんかを描いているのだと思う。
本当の親の愛は子供に可能性を与えてあげることだなと思ってみたり。

ともあれ、ファスベンダーにブレンソン、妻役のリンゼル・マーシャルが、それぞれの立場の愛情を表現してうまい。
ファスベンダーに感化されたか、息子役のジョージ―・スミスの最後の演技も秀逸で、演技者はみな素晴らしかった。

ラストシーンをどう解釈するかで印象は変わるかな。
エンタメ性もあり、私は楽しめました。

日本公開は未定。


お気に入り度3.8



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ザ・ガード ~西部の相棒~
2012年09月14日 (金) | 編集 |
allcinemaで登録されているタイトルを採択しましたが
本作は日本で開催された映画祭では『アイルランドの事件簿』として上映されてたポリス・アクション・コメディです。
タイトル、出来れば統一してほしいなぁ。





ザ・ガード ~西部の相棒~
2011年(アイルランド)
原題:The Guard
監督:ジョン・マイケル・マクドナー
出演:ブレンダン・グリーソンドン・チードル、マーク・ストロング、リーアム・カニンガム



ジェリー・ボイル(ブレンダン・グリーソン)はアイルランドの静かな港町の警察官。
この町で大きな麻薬取引が行われるとの情報を得たFBIは
捜査官エヴェレット(ドン・チードル)をアイルランドに派遣
地元警察を集め、協力を依頼する

4人の白人容疑者の写真を公開しながら
「犯人はこの4人、非常に危険な人物なので気をつけるように・・」とエヴェレット
そこで挙手するボイル
「ドラッグ・ディーラーってみんな黒人なんじゃねぇの?」
「な、なんだって?」
「あとメキシコ人だろ?」
「・・・・・」
 
二人の出会いはそんな風で
グリーソン演じるボイルの人種差別丸出しの予測不能な言動に
FBIエリート捜査官エヴェレット(チードル)が振り回されるという構図が可笑しい。
 

監督はサム・ペキンパーの大ファンというだけあって
冒頭のでかくて赤いタイトル文字や音楽からしてセルジオ・レオーネ風ウェスタンの世界

邦題に「西部の相棒」とあるのも当然西部劇を意識してのことと思うんですが
個人的にはこの副題には違和感。

週末には売春婦をはべらせ、犯罪者からせしめたヤクをたしなみ、
拳銃を独自のルートで売りさばくボイル。
けれども彼は悪は嫌い、賄賂には応じない。
監督はボイルに明らかに西部劇のアンチヒーロー像を被せていると思われ
西部に生きるウェスタン野郎はボイルの方なんじゃないかな。
普段は何も起こらない静かな港町で大きな麻薬取引が行われることになり
ボイルの中で何かが目覚める瞬間、
映画は完全にウェスタンへと様相を変えるのですよ。



脚本&監督はグリーソンも出演した『ヒットマンズ・レクイエム』のマーティン・マクドナーの兄、ジョン・マイケル・マクドナー
アイルランド人気質をシニカルでブラックなユーモアに仕立てるコメディセンスには脱帽。
グリーソンが最高なのは勿論のこと、悪役代表マーク・ストロング等共演者も曲者ぞろい。
監督は脚本も手がけており、登場人物を名前で紹介する昔馴染みのエンドロールにも、キャラを大事にする姿勢が見て取れました。

シニカルでドライだった映画が一転し、終盤には清々しい感動さえ湧き上がってくる。
二人のバディものとしても大いに楽しめる一本です。


            *過去記事に加筆しています
★★★★